ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

タグ:小川彩

タオル補正
前の記事では免除制度と年少メンの「嚙み合わせの悪さ」について書きました。

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当記事ではようやく、小川彩のフロント登用についてです。

必要な最後のひと押し


前の記事のタイトルは「最年少を育てることの難しさ」でしたが、あれちょっと語弊がありますね。正確に言うと「最年少の人気をここぞのタイミングで伸ばすことの難しさ」です。

岩本蓮加も筒井あやめもちゃんと育ってはいるんです。
ふたりとも本当に綺麗なお姉さんになりましたし、ステージ上の姿は堂々たるもの。

ただ、そのふたりでも現時点でフロントクラスの人気を得るには至らなかった。

であれば「破格」小川彩をどうすればいいのか。

運営は丁寧に気を遣ってあーやをここまで育ててきました。
アンダラに早くから参加させて「叩き上げ」の場数を踏ませ、同時に冠番組や公式Youtubeそしてライブでは多くの見せ場を準備。

ずっと「アンダーの新人」としては異例なほどフィーチャーされてきた。それはまあ事実でしょう。それをゴリ押しと言いたくなる人がいるのもわかります。

でも声を大にして言いたいのは、彼女が強い印象を残してきたのは「お膳立てされた場」だけではないということ。

新参者での『君の名は希望』ピアノ弾き語り。2度目のスタ誕ライブ『冬のうた』で見せた涙。『セラミュ』水野亜美役での完全2次元ビジュアルと落ち着き払った演技。そして35thアンダラ最終日の『ブランコ』。
他の5期生たちと同じ条件で与えられたチャンスにおいて、いくつも記憶に残るシーンを見せてくれました。

あとはミーグリ人気だけ。であれば、運営が最後のひと押しをすればいいんです。
あの齋藤飛鳥だってそうだったのですから。

センターに立つひとつ前の14thシングル『ハルジオンが咲く頃』期間中の『乃木坂工事中』での「齋藤飛鳥・独り立ち計画」。
要するに飛鳥ちゃんのひとりでできるもん企画でしたが、完全に彼女ひとりをフィーチャーしたこの日の放送を観ながら私は「ああこれもうフルスイングで飛鳥ちゃん売り出すのね、うんうんそれ凄くいいと思うよ」と思っていました。

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同じ『ハルジオン』での握手完売速度は白石西野橋本生田衛藤深川に次ぐ7番手タイ。ようやく秋元真夏に並ぶところまで来たという段階。
いや当時の秋元真夏に並ぶってとんでもないことなんですが、決して最速で完売していたわけではなかったのです。

それでも当時のファンは15th『裸足でSummer』の飛鳥センターを諸手を挙げて歓迎しました。

2016年の夏。
欅坂46のデビュー。3期生オーディションも開催中。
この状況で未来を託すなら飛鳥しかいない。

そんな共通認識があったように思います。

6期生オーディション開催中の今年の夏。

あの夏の1期2期の世界、そして3期を迎え入れる世界に向けたラストピースが齋藤飛鳥だったのであれば。
今年の夏にその役割を果たすのはやはり、小川彩しかいないと思うのです。

本当なら一気にセンターにしてもよかった。
飛鳥が『裸足でSummer』のセンターに立ったのが高校3年生、18歳の夏。
あーやは今年高校2年生ですから、決して早すぎることはありません

史上初の前作アンダーからセンターはさすがにアンチがつくと運営が考えたか。
あるいは今年の全ツがドームツアーゆえに、それをセンターとして引っ張るのはさすがに負荷が大きすぎるという判断が働いたのかもしれませんね。

もうひとつだけ、小川彩について書いておきたいのは「休まない」こと。

「休まない」エースの系譜。西野七瀬も齋藤飛鳥も遠藤さくらもそうです。

富士登山でも見せたその「フィジカルの強さ」。5期生最年少にして最も多くのライブをこなしてきた彼女の「健康」。それはこの先きっと大きな武器になるでしょう。

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既にだいぶ長くなったのであとは雑感を。

フロントに立ったもうひとりの5期生が池田瑛紗というのも興味深い。

現役藝大生というハイパースペックにあの超絶ビジュアル
気を抜いている時は糸目ですが、外仕事で目をかっぴらいている『なんて美だ!』は毎回驚くほどの仕上がり。

個人的にはセンタータイプではない(歌唱面で)と思っているのですが、フロント固定にすれば新規ホイホイになる可能性も感じます。それこそ橋本奈々未のように。


中西アルノ選抜復帰。

彼女の選抜入りが是か非か、なんて話題にすらならないところまですっかり受け入れられたアルさん。
約2年半前の大混乱から、見事に立て直してきました。

当時、私はこんなことを書いています。

 個人的には正直彼女の加入前の活動を受け入れがたく感じます。
 それでも中西さんが抜擢センターではなく5期生のひとりとして「普通に」加入していたら。
 乃木坂に貢献しようと歌もダンスもバラエティも…なんなら胸キュンゼリフとかも笑、一生懸命頑張る姿を見せていたら。
 時間はかかるでしょうが、最初に感じた拒否反応は薄れていったと思うんですよ。

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まさに「一生懸命頑張る姿」を見せてきたアルさん。

スタ誕のコントでの振り切った姿。「中西アル・パチーノ」の強烈ウィッグ
『NHK俳句』『Spicy Sessions』とふたつのレギュラー番組。
座長も務めたアンダラ。
冠番組でもすっかりどんくさキャラが定着し活躍。

そして『乃木坂工事中』での「5期生忘年会」で2023年のMVPとして全ツの座長を務めた井上和が選出され「この1年が終われてよかった…」と涙にくれた時のこと。

アルさんはこう言いました。

「不器用なヤツだ。当たり散らしていいんやで同期には」

素敵な言葉ですね。


最後に、アンダーについて。

完全にミーグリ完売速度が筒井あやめ以上だったメンバー(+免除組)というシビアな線引きとなった今作。

アンダーセンターは5期生の奥田いろはでした。

前作のミーグリ完売実績ではアンダー最上位ではなかった彼女。しかし今作ではなんと前回の10/15から30部6次フル完売させてきました。
『ロミオ&ジュリエット』効果なのかそれだけでここまでいくものなのか
ちょっと驚きました。

結果的にここまで5期生の話に終始することになりました。
それは36thシングルをフォーメーション視点から見ると、5期生がグループのエンジンになっているということなのでしょう。

でも、だからこそ4期生の活躍が見たい。

とりわけアンダーは31stアンダラ以来となるZeppツアー
確実に一定数存在するであろう「アンダラのファン」(「推しメンがアンダーにいるファン」ではなく)からするとたまらないですよね。

フロントに立つ林瑠奈、黒見明香や再起を期す柴田柚菜をはじめとして、存在感を見せつけてほしいです。


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前の記事では今作のタイムライン上の位置づけについて書きました。

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免除制度と最年少


今回最大のトピックとなった小川彩のフロント登用。

(アルさんはいったん置いておいて)井上和以外にもうひとり、単独センターを張れる人材を5期生から輩出する。
これは6期生加入そして抜擢までの残り時間を考えると、現在のグループ運営における最優先事項と言っても過言ではありません。

これまでたびたび書いてきたように、ずっと「5期の2番手が決まらない」状態が続いてきました。ミーグリも常に2次完売させてきたのは和ちゃんだけですが、逆に3次以内であれば何人ものメンバーが完売させ続けています。

その中では相対的に完売速度が遅かった小川彩。
過去2作は4次完売。その前は6次完売でした。

恐らくそれゆえにでしょう、彼女のフロントに対し意見は割れました。

「時期尚早」と「いやむしろ一気にセンターにするべきだった」。
私は無論、後者です。

破格。
個人的には生田絵梨花を彷彿とさせる、と思っています。

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そして「いずれセンターに立つべき存在」と運営が認識している…少なくともその可能性を感じているのであれば、売り出すのは今しかない。

なぜなら最年少を育てることには特有の難しさがあるからです。

「超彫刻」岩本蓮加と「完璧」筒井あやめというふたりの逸材ですら表題曲センターに立てていない。最年少ではないですが遡れば「可愛いの天才」星野みなみもそうでした。

まず、乃木坂は伝統的に年少メンが握手人気では苦戦します。
「若すぎる」メンバーを推すことに心理的抵抗を感じるファンもいるように思います。そしていわゆる「対応の良さ」という面ではある程度年齢が上の方が有利なのは当然のこと。

にもかかわらず、握手(ならびにミーグリ。以下「握手」)の免除制度により「最年少メンが完成する≒人気が爆発するより前」に免除になってしまうというパラドックスが発生するのです。

ちなみに「免除制度」とは握手の通算完売部数が一定数を超えたメンバーがその次作から個別握手不参加になること。公式に言明されたものではありませんが実際にみんなそうだったので、まあ暗黙の了解ですね。

1期2期は初期にフル完売なんて夢のまた夢という握手が売れない時代を経験し、そこから地道に積み重ねてようやく免除まで到達しました。齋藤飛鳥の免除は実に24thシングルから。既に大エースとして君臨している時です。

しかし3期生以降、格段に新人の売り出し方法は整備され、期を重ねるごとにブラッシュアップ。
ファンも「新人加入」に慣れ、グループに新たな活力をもたらす存在として歓迎する文化が定着します。「新しもの好き」や「古参になりたい」ファンも一定数いて、乃木坂は新人の握手が売れるグループとなりました。

つまり期の最年少メンは「新人ブーストはかかる」けれど「同期の中ではやや不利」という微妙な状況になります。
結果として「案外早いけれど同期のトップ人気メンよりは遅いタイミングで免除」しかも「まだ人気が爆発する前の可能性もある」。

この免除のタイミングが曲者。
免除とはすなわち、最も目に見える人気指標である握手人気がわからなくなる=そのメンバーの人気に対するファンのイメージがその時点で固定されるということです。

ちょうど「人気爆発中」「最速完売継続中」ならいいのですが、仮に完売速度が低下傾向であれば「逃げ切った」という印象になりますし、上昇中でも選抜内で中位ぐらいであれば「センターやフロントには人気不足」と言われてしまう。
しかも一部の例外を除き免除=選抜固定。他推しのファンが色々言いたくなる気持ちもわからんでもありません。

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叩き上げかエリートか


もうひとつ、齋藤飛鳥という奇跡が逆に呪縛となっている気もします。

選抜とアンダーを行き来した叩き上げで乃木坂のすべてを知り、気がつけば美しく成長し、ライジングスターとして一気に階段を駆け上り、やがて絶対的センターとなり、次世代へと継承する最年少メン。

ファンはどこかでそんな奇跡の再来を求めている

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「叩き上げ」を意識してか、れんたんにはアンダラもその座長も経験させ少しずつ階段を上らせました。

握手人気もじわじわ上がり、握手として発売された最後のシングルである25th『しあわせの保護色』の頃にはフル部数3次完売=最速に次ぐ速度まで到達します。
しかし一気にフロント、センターというタイミングはありませんでした。

あやめんは逆に(みなみちゃんと同じ)エリートコース。
24th『夜明けまで強がらなくてもいい』では同期抜擢センター遠藤さくらの隣に立ち、その中学生とは思えぬビジュアルの完成度で瞬く間に人気を集めます。

続く25thでは恐らく乃木坂史上初となる中学生でのフル部数2次完売を成し遂げます。この時に彼女以外の同期でフル2次完売したのは遠藤さくら、賀喜遥香、掛橋沙耶香の3人ですから、4期の中でも一歩先んじていたことがわかります。

しかしふたりともコロナ禍によるオンライン化以降徐々に完売速度を落とします。
れんたんもあやめんも「愛嬌」より「美貌」が売りですから、オンラインより圧倒的にリアル向き

以前に書いた通りオンラインミーグリはもちろん有力な人気指標ですけれど、握手時代よりさらに「ファンの一部」の意志を表すものに過ぎなくなりました。そんな「オンライン化による人気のねじれ」に該当するメンバーのように思います。

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このふたりは「乃木坂46メッセージ」の売り上げでは常に上位にランクインしている(※)のでファンの数はグループ内でも上位なのは間違いないのでは。
※性質上「積み上げ」が強い指標とはいえ、集計タイミングによっては井上和と互角以上

既に免除のれんたん、そして次の次から免除が予想されるあやめん。
やや完売速度を落としてフィニッシュしたふたりは、今後フロントに立つと「フロントには人気不足」という声が一部から上がるでしょう。

運営がこのふたりの人気はミーグリ完売状況より高いと(そしてフロント級だと)判断しているのであれば、それを証明するためだけにでも以前の全国握手会と同じように「抽選制でない」かつ「免除メンも参加する」リアルミーグリを開催してもいいと思いますけどね。

そこでかつての与田祐希や山下美月がその行列の長さで人気を見せつけ有無を言わさずレジェンドたちに割って入ってフロントに立ったように、その人気を証明できれば。福神やフロント、そしてセンター争いに加わっても異論は抑えられるのではないでしょうか。

…と、アイマスクをした筒井あやめがセミを食べながら冷静に「セミですね」とのたまう『乃木坂工事中』を観ながら思いました笑

完全に小川彩ではなく「免除制度論」と岩本蓮加、筒井あやめの話になってしまいましたので、記事を分けます。


続きます。

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いいものを観た

この日現地参戦した私が、終わった瞬間にしみじみ思ったことです。

もはや卑怯


セットリストはこちら。

Overture
01. ジャンピングジョーカーフラッシュ
02. バンドエイド剥がすような別れ方
03. 自惚れビーチ(センター:冨里奈央)
04. 思い出が止まらなくなる
05. 13日の金曜日(センター:筒井あやめ)
06. 錆びたコンパス(センター:筒井あやめ)
07. あの日 僕は咄嗟に嘘をついた(センター:小川彩)
08. 嫉妬の権利(センター:柴田柚菜)
09. 不等号(センター:金川紗耶)
10. 狼に口笛を(センター:黒見明香)

<ユニットコーナー>
11. ブランコ(センター:小川彩)
12. 羽根の記憶(センター:林瑠奈)
13. その女(センター:金川紗耶)
14. Against(センター:清宮レイ)

15. ハウス!
16. 扇風機

<企画コーナー>
「あーやと遊ぼう」

17. 日常(センター:筒井あやめ)
18. Hard to say(センター:菅原咲月、冨里奈央)
19. さざ波は戻らない(センター:林瑠奈)
20. 踏んでしまった
21. Actually. . . 
22. 夜明けまで強がらなくてもいい(センター:筒井あやめ)
23. 車道側

EN
EN1. ざぶんざざぶん
EN2. 太陽ノック
EN3. 左胸の勇気(センター:筒井あやめ)

WEN
WEN1. ジャンピングジョーカーフラッシュ


Overtureに続いて流れて来たのはド派手なイントロ。

『ジャンピングジョーカーフラッシュ』。
もうこの瞬間に客席はあっさり沸点越えしてました。

期待感でパンパンに膨れ上がったところにニトログリセリンを放り込むようなものですからね。完全に出来上がりきった客席。2014年の有明コロシアムみたいだ。

そして息もつかせず『バンドエイド剝がすような別れ方』。

現在の乃木坂ブチ上げ曲で5本の指に入るであろう両曲のオリジナルセンターが揃い踏みした今回のアンダラ。そりゃセトリに入れるでしょうよ。

でもド頭で2曲続けるか!しかもフルで。
もはや卑怯だ笑

しかしそれ以外はいつものアンダラ同様に、アンダー楽曲中心の構成。
例外はユニットコーナーとトロッコ曲と『Actually...』『夜明けまで強がらなくてもいい』ぐらいですね。

新旧アンダラのアンセム『錆びたコンパス』『あの日 僕は咄嗟に嘘をついた』。
2期生全員アンダーだった『嫉妬の権利』。
中元日芽香の想い『不等号』。
初期アンダラの鉄板曲『13日の金曜日』『狼に口笛を』。

アンダラが初めてなファンにも、そしてもちろん初参加となる筒井あやめと菅原咲月にも「これがアンダラだよ」と伝えるような選曲です。

ユニットコーナーでアンダー楽曲史に残る名曲『ブランコ』が入ったのもセトリを締めた要因でしょう。
それをまた小川彩という、最年少でありながらもはやひとつの磁場になっているメンバーのセンターでやるというのが素晴らしい。

この日のハイライトのひとつ、清宮レイ渾身の『Against』。こちらについては彼女の卒業の記事で書くつもりです。

企画コーナーで一度完全に緩めた空気を一気に引きずり戻す『日常』。

どこまでいっても北野日奈子のものであるはずのこの曲を、自分のものの「ように」してみせた筒井あやめ。11thバスラ4期生ライブで『思い出ファースト』のセンターを務めた時にも感じた、彼女のスペシャリティ。
最後の薄ら笑いのド迫力

そこから近年のアンダー楽曲を連ね、超速の『踏んでしまった』。
畳み掛ける『Actually…』。オリジナルの清宮レイによる最後の英語台詞

「私にとってとても大切な曲」ここまできて何をやるのかと思えば『夜明けまで強がらなくてもいい』。

筒井あやめの座長挨拶。
そして本編ラストはみんな待ってた『車道側』

アンコールはあやレイファイナル
そしてWアンコールでは私服姿の奥田いろはも加わって2度目の『ジャンフラ』。

大満足の素晴らしいセトリでした。

この日のビジュアル仕上がってんなあメンはやっぱり、筒井あやめ
デコ出しで美形お姉さんっぷりが強調されていた金川紗耶林瑠奈のふたりも印象に残りました。フレッシュなフロント3人との対比という面でも非常に良かった。

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梅澤美波は今回のアンダラを観て「未来の乃木坂を見てるみたい」と語ったそうです。

それもそのはず。

山下美月が卒業し、いよいよ4期Wエース「かきさく」=賀喜遥香と遠藤さくらが乃木坂の先頭に立ちました。
これから4期5期の時代が始まります。すなわちある意味「4期5期ライブ」でもあったこの日のメンバーが中心となる未来がもうすぐそこまで来ているということです。

しかもこの日の最年長は金川紗耶と佐藤璃果の2001年組ですからかきさくと同い年。
つまりこの日のアンダラはさらにその先の、やがて来る「かきさく後」の世界を垣間見せるものだったのです。

もちろんここに井上和をはじめとした5期生選抜組5人が加わります。その頃には6期生からも何人か「センター級」「エース格」が生まれていることでしょう。

それでもその時に筒井あやめがひとつの柱として存在してくれたら
中学生にしてかきさくとともに抜擢フロントを経験し、ふたりの苦悩とその後のエースへの歩みをそばで見てきた彼女がいてくれたならなんと心強いことか。ましてや彼女は和ちゃんと同い年なのです。

ここではあやめんにフォーカスを当てて書いていますが、もちろん彼女以外でもかきさく後に「4期生ここにあり」と感じさせてくれるメンバーがいることを願っています。

余談ですが個人的には岩本蓮加もしれっとその頃まで在籍していてほしい。
彼女は2003年組(あやめんのひとつ上の代)のしかも早生まれなので3年後の夏でもまだ23歳ですからね。


続きます。

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「銀河系軍団」

サッカースペイン1部リーグの超名門、レアル・マドリー。
強大な資金力を背景に綺羅星のごときスター選手(各国代表のそれも主力選手)ばかりを集めた超豪華布陣を指して使われたものです。

この日のライブを観て私の頭をよぎったのはその言葉でした。

似ていないはずなのに


既にアリーナクラスでの期別ライブを経験している5期生たちが行なう、少人数の箱でのライブ。3期や4期にはなかったパターンです。

小箱。そして味も素っ気もないステージセット。
すなわち初期アンダラや3期初単独と似たシチュエーション。

熱量やがむしゃらさがダイレクトに客席に伝わる。
それこそが小箱の良さであり、先達もそうやって観る者の心を動かしてきました。

ただ5期生の場合、そうはいきません。

誤解を恐れずに言えば、「がむしゃらさ」「必死さ」は拙さとセットになった時にその威力を発揮します。

しかし今年のバスラ5期ライブの記事でも書きましたが、素質に恵まれた「持てる者」であるゆえに彼女たちの想いや努力は見えにくい。

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さらに表題センター経験者2人、福神経験者7人、選抜経験者8人、アンダーセンター経験者1人。
この数字だけ見ても、もはや「新人」ではなく「堂々たる戦力」
むしろこれまで彼女たちは先輩たちと並んでも拙さを感じさせまいと懸命に努力してきたはずです。

そう考えると、決して5期生と相性がいいとは思えないこの舞台設定。

そこで彼女たちは何を見せてくれるのか。

この日、私はそこに注目していました。

オープニング直後のMCで早くもその答えが判明します。

井上和がこう言い放ったのです。

 5期生11人で作る「乃木坂46のライブ」見届けてください

凄いこと言うなあ。

新人ライブとか期別ライブとかそんなくくりじゃない、いわゆる「本体のライブ」「全体ライブ」と思って観てくれと言っているんです。

そして彼女たちはその言葉通りにやってのけました。

5期生が見せたのは「クラス感」
小箱だろうが味も素っ気もないステージセットだろうが委細構わず捻じ伏せる、そのダダもれのスター性。

まさに「銀河系軍団」

例えるなら飾り気のない映画館のスクリーンの前で舞台挨拶をしてもスター性を見せつける俳優のように。

そしてそれは、今では考えられないぐらい安っぽい衣装とステージセットでもそのビジュアルの説得力で「クラス感」を感じさせたかつての1期生たちの姿とも重なります。

それは千秋楽Wアンコールの選曲にも表れていました。

櫻坂と日向坂はそれぞれ欅坂とけやき坂の、つまりルーツとなるグループの楽曲をもってきて「継承というストーリー」をラストで強烈に印象づけました。

では乃木坂は何を?

『君の名は希望』も『乃木坂の詩』もこの日既にやった。
『左胸の勇気』もアンダラでやった。『きっかけ』?それも『MUSIC BLOOD』でやっている。

選ばれたのは『I see…』でした。

ストーリーも何もない、ただ「楽しく笑顔で終わる」Wアンコール

それは実に乃木坂46的で。

「作られたシナリオ」と「仕込まれたサプライズ」のダイナミズムが売りだったAKB48に対するアンチテーゼとしての乃木坂46を、「物語がないのが物語」「物語なんて後から勝手についてくる」という乃木坂イズムを強く感じさせるものでした。

正直、5期生を観ながらこんなにも1期生を思い出すとは考えてもみませんでした。

これ以上は蛇足かとも思いますがもうひとつ。
『考えないようにする』のパフォーマンスを観ながら私がメモしたのは「乃木坂的な美しさ」

伝家の宝刀、杉山楽曲
そして『シンクロニシティ』以降の乃木坂の特徴のひとつでもある、指先までしなやかな腕の振りを特徴とする「舞う」ダンス。振り付けもSeishiroさんですね。

それを束ねるセンター冨里奈央の儚さ

MVのどこかソフトフォーカスで木漏れ日のような光の処理がされた映像も、過去楽曲で何度も見た表現。
そして『バンドエイド剥がすような別れ方』で「敢えてやらなかった」であろう手法でもあります。

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上の記事では『バンドエイド』を「乃木坂感が、あるけどない」と評しましたが、この日の5期生はその「乃木坂感」を早くも引き出しのひとつとして纏い始めているように感じました。

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いついかなる時も可愛い


最後に、この日何度も繰り返し思ったことを書きます。

 小川彩は、破格だなあ

最初のMCを彼女が仕切り出した。そのことにまず驚きました。

だって、それができるメンバーはいっぱいいるじゃないですか。
菅原咲月や中西アルノ、井上和。たぶん一ノ瀬美空も。
なのに敢えて最年少の彼女にやらせて、それをごく自然にこなしている。

もうこの時点で私は「破格だなあ」と感じていました。

そしてこの日も小川彩は、いつものように自身の魅力と能力を我々に見せてくれました。

いついかなる時も可愛いそのビジュアル
独特なざらつきのある優れた声質とアタックのある歌唱
どこか阪口珠美を思わせる、その滑らかなダンス

別にこの銀河系軍団の中でもさらに抜けた存在だとか言うつもりはないんです。
そこはまだ、正直わからない。ですが個人的にはその可能性すらあるスケール感を感じています。

よく齋藤飛鳥と比較される彼女ですが、私はむしろ生田絵梨花に通じるものを感じます

『君の名は希望』のピアノ伴奏や『無表情』に引きずられているかもしれません。
でもその底知れなさ、そして影の努力をおくびにも出さずにただステージ上で見せるものだけで勝負しようという矜持

やっぱり、生田絵梨花だと思うんですよね。


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この先2度とないであろう、キャパ900という小箱での5期生ライブ。
当然のごとくチケットは全落でしたので最終日を配信で観ました。

「新参者」なんて言わせない


セットリストはこちら。

Overture

01. 絶望の一秒前
02. 制服のマネキン(センター:中西アルノ)
03. ガールズルール(センター:一ノ瀬美空)
04. 裸足でSummer(センター:五百城茉央)

<ユニットコーナー>
05. 銭湯ラプソディー(池田、岡本、川﨑、菅原、冨里)
06. 革命の馬(五百城、井上、奥田、中西)
07. 無表情(一ノ瀬、小川)

<おひとりさまコーナー>
08. 羽根の記憶(五百城)
09. マシンガンレイン(中西)

10. いつの日にか、あの歌を…
11. 初恋の人を今でも
12. 君の名は希望

13. 心にもないこと
14. 考えないようにする
15. インフルエンサー(センター:一ノ瀬美空、井上和)
16. Actually…
17. 17分間
18. バンドエイド剥がすような別れ方
19. おひとりさま天国

EN
EN1. ロマンスのスタート
EN2. Sing Out!(センター:菅原咲月)
EN3. 人は夢を二度見る(センター:岡本姫奈、奥田いろは)
EN4. 乃木坂の詩

WEN
WEN1. I see…


オープニングからブチ上げ曲を続け、ユニットコーナーを挟んでバラードコーナーでクールダウン。そこから本編ラストに向けて一気に盛り上げていく。
後述するオープニングでの井上和の宣言通り、この日のライブはいわゆる全体ライブのフォーマットでした。

基本生歌(一部被せかも)。そして5期生曲全部フルコーラスなのが良いですね。

印象に残ったシーンを挙げていきます。

オープニングは井上和のアカペラが鳥肌ものの『絶望の一秒前』。
ラストで彼女は薄く笑ってみせます。

そして

 5期生11人で作る「乃木坂46のライブ」見届けてください

ある意味「新参者」のコンセプト全否定笑

そこから畳み掛ける『制服のマネキン』。
言わずと知れた乃木坂の代名詞のひとつ。中西アルノセンターは少し意外。
しっかりウインクを決める菅原咲月。この後も数えきれないくらい決めるのですが。
大間奏の巻き取る振りの回転が異様に早い一ノ瀬美空

『裸足でSummer』サビ前、五百城茉央の「いっくで~!」という煽り。

井上和のMCでの「表情に注目してほしい」「配信なんで良く見えるじゃないですか」という発言。これ凄い自信だよなあ。
小川彩に褒められて「何急に~?」と照れる五百城茉央。「私も褒めてほしい」と拗ねる一ノ瀬美空

ユニットコーナーは何と驚きの『銭湯ラプソディ―』から。楽しそうな川﨑桜

『革命の馬』。白に柄という大胆なライダースを着こなしてしまう井上和。個人的にはこれ見覚えがないのですが、既存衣装でしたっけ?

『無表情』。令和版からあげ姉妹のビジュアルの強さよ!
しっかりガニ股をするのが可愛い小川彩。ここぞとばかりにキスを強要する一ノ瀬美空

おひとりさま(ソロ)コーナー。
五百城茉央の『羽根の記憶』。
かなり力んでリズムも走っていたので本人は終わった後で納得いっていない表情を浮かべていましたが、とりわけファルセットの時には彼女のイノセンスがその場を埋め尽くします。

中西アルノの「センターの方の存在感に圧倒された」というコメントから齋藤飛鳥のことかな?と思っていたら『マシンガンレイン』。
寺田蘭世か!よくぞこれをもってきた、というチョイス

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ずっと受け継がれてきたもの


MCで「10年後もご飯とか行こうね」と言って目を潤ませながら微笑む五百城茉央

『いつの日にか、あの歌を…』のポジションに入った時に客席から届いた「あーや~!」の叫びはきっと弓木奈於であろう。

カフェオーレ(五百城茉央奥田いろは)のギター伴奏で何をやる?と思ったら『初恋の人を今でも』!アンダラ2ndシーズンの本編ラスト曲じゃないですか!
ラスサビを歌う冨里奈央のなんとも菊池桃子なこと。これまたイノセンス。

この日のハイライトのひとつ、「乃木坂46の歴史にとってとてもとても大切な曲」からの『君の名は希望』。

3期初単独ライブでの梅澤美波の「この曲を嫌いだったら乃木坂じゃないよね」。
『乃木坂どこへ』内での賀喜遥香の「先輩方が絶対この曲が一番大切って言うから…」。
そうやってずっと受け継がれてきたものそして今、5期生が

小川彩のピアノ伴奏。生田絵梨花が、大園桃子が思い出されます。
ひとりずつ歌い継ぐ演出に多くのメンバーが緊張する中、揺るがない奥田いろは井上和中西アルノの3人。
サビ前のフィルを弾きながらメンバーに微笑みかける小川彩。ラスサビのハモり。

ガッツリ衣装替えで舞台上に誰もいない時間を作るという斬新さ。

『心にもないこと』。このあたりから本格的に楽しくなってきちゃった川﨑桜

『考えないようにする』で私が感じたのは「乃木坂的な美しさ」
これについては次の記事で書きます。

『インフルエンサー』は井上和一ノ瀬美空のWセンター。
ラスサビで伝統の裏センターの位置に立つ岡本姫奈

『17分間』。楽しすぎてもはやタレまゆになってしまう川﨑桜

アンコール、小川彩の煽りから始まる『ロマンスのスタート』。

『Sing Out!』のソロダンス、笑顔で舞いながら泣く菅原咲月

Wアンコールは何を持ってくるのかと思えば『I see…』。これは良い判断でしたね。

この日のビジュアル仕上がってるメンは、やっぱり小川彩
巻き髪の冨里奈央も凄く可愛かったですね。


続きます。

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「今にして思うこと」は各章の末尾に「追記」という形で新たに文章を加え、さらに書き下ろしとして4期生の初冠番組であった『乃木坂どこへ』を振り返っています。


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