ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

タグ:山下美月

びーむ色調補正3

乃木坂46になりたい


この日のキーワードはやっぱり「憧れ」だったと思うんですよ。

加入から4年半の月日が過ぎ、現在では堂々たる乃木坂の主力へと成長した3期生たち。

それでも今なお、彼女たちは恋焦がれ憧れ続けているのです。

「乃木坂46」に。

自分たちは4年半をかけて憧れにどれほど近づけたのか。
この日のライブはそれを他の誰でもない自分たち自身に対し証明する場だったのだと思います。(ファンや関係者や世間に、ではなく)

そう考えればオープニングから6曲ノンストップの理由もわかります。
彼女たちはもう一度原点から、4年前の3期ライブからスタートしたかったのでしょう。

4年前、会場はキャパ800の今はなきAiiA Theater Tokyo。
だからなのでしょう。そのフォーマットは初期アンダラのそれでした。
ノンストップで踊りまくる。ひとりMC企画。中央通路に設置されたお立ち台。

3期生は自分たちの原点であるあの場所にもういちど立とうとしたのです。

最初のMCの時点で早くも汗だくになって髪もグチャグチャで息も絶え絶えで、それでもなんか笑っちゃってた12人。

そうそうこれ!あの日もこんな感じだったよね、と。
(あの日ほど若くないからさすがにしんどいわ、のメンバーもいたかもしれませんが笑)

そもそも始まる前からみんな「かかりまくってた」じゃないですか。

多くのメンバーがブログやモバメやSHOWROOMで「絶対に観てほしい」と語っていました。そして必ずそこには同期への愛が溢れまくった言葉も添えられていました。

中でも最高だったのが山下美月が開演直前にアップしたブログ。

 ついに3期生ライブ当日になりました!
 私はお家でリハーサル動画を5時間くらい見て
 あー3期生好きと思いながら一昨日も泣いて昨日も泣いてしまいました笑

 今回のライブ各期によって雰囲気が全然違うと思うのですが
 私たちは王道の継承なのではないかなと思っています

 3期が入ってから乃木坂は~という声ももちろん聞いてきました
 それでもずっと乃木坂にこだわり続けてきた私達だからこそできるライブにしたいです

 仲間であり"戦友"
 変わらずにいてくれる皆が大好きです
 3期生のこと褒めてばっかりで申し訳ないのですが
 私にとってはみんなヒーローでキラキラしててかっこいい最強の11人です

 

「王道継承」「それでもずっと乃木坂にこだわり続けてきた」と、3期生をずっと「乃木坂感薄めの個性派」と表現してきた私からすると少し申し訳なくなるような言葉が並んでいます。

そして3期の吟遊詩人こと久保史緒里もライブ中にいくつも示唆的な言葉を述べました。

「1期生は原点であり頂点」と知りながらなお「追いつくのが使命」

4年前のライブでは「絶対に追いつけない」と言っていたんです。
でも、もうそんなことを言っている場合ではない。
先輩たちの築いた大好きな乃木坂を存続させるためには、自分たちが追いつかなければならない。

だから「歌い継ぐことを辞めちゃいけない」

これもまた、堂々たる「王道継承」宣言だと思いませんか。

私もグループ結成当初からのファンのひとりとして、3期生の乃木坂愛に溢れた、それゆえにもがき苦しんだ歩みを見てきました。

7thバスラから明らかに表面化してきた「卒業生のポジションを埋める覚悟」
『毎日がBrand new day』のMVで見せた「乃木坂感」
46時間TVでの「乃木坂の太い幹」としての存在感
『僕は僕を好きになる』の3期フロントで見せた「乃木坂を背負う覚悟」

その全てが結実したのがこの日のライブでした。

決して先輩たちの真似ではなく、自分たちの強みである個性を残しながらも時の経過とともに少しづつグループの空気感を纏い洗練や品や風格が備わり始めた。

凄く語弊がある言い方かもしれませんが、
乃木坂感薄めだった彼女たちが(乃木坂感は相変わらず薄いままなのに)、こんなにも乃木坂になった。そのことが本当に感動的です。

まあ美月なら「こらぁ、乃木坂感薄めとか言うなぁ!」と笑いながら怒るでしょうけれど。

4年半。そう書くと長い時間です。
でも切り口を変えてみましょう。3期生のほとんど(よだもも以外)が選抜に入ったのって20thシングル『シンクロニシティ』からなんですよ。

『シンクロ』なんてつい最近じゃないですか。古参オタ(かつおっさん)の方ならわかりますよね。
そこから今日までの間にここまでの成長を遂げた3期生たちは本当に称賛に価すると思います。

そしてこの日のライブはそんな彼女たちの4年半の歩みをそのままなぞっているかのようでした。

オープニングで4年前の汗だくで必死にやっていた頃を思い出し
衣装コーナーでは批判を浴びながらも先輩のポジションを埋めてきた覚悟の日々を振り返り
いつしか自分たちなりの乃木坂感を身に纏い
1期生同様に他期の曲を自分たちなりの色をつけてパフォーマンスし
乃木坂の代表曲3曲を歌いきる。

そして本編ラストは特別な曲『思い出ファースト』

4年半が経って、改めて「君とここにいる奇跡」を歌う12人。

 私たち、乃木坂46になりましたよ。

そのどこか誇らしげな表情はまるでそう言っているかのようで。

素晴らしく感動的な光景でした。



いつか振り向き最高の夏だったと


前の記事、そしてこの記事のここまでの部分は大園桃子の卒業発表以前に書いていたものです。

それをライブ開催後2ヶ月もアップしなかったのは、記事の締めくくりが上手くまとめられなかったためです。

素直に浮かんできたのはこの言葉。

「まさに彼女たちの4年半の総決算」

でも、怖かったのです。
こう言ってしまったらあまりにも大きな区切りがついてしまうから。

それぐらい、この日のメンバーたちはこれまでのすべてを叩きつけ「やり切った感」を発散していました。
観ている側の私が「今日で卒業を決意するメンバーがいてもおかしくない」と心配になるほどに。

そして2021年7月4日。3期生オーディションの募集開始からちょうど5年後。
公式サイト上で大園桃子さんの卒業が発表されました。

この文章を書いている時点では明言されていませんが、この3期ライブ開催が決まった時点で既に彼女の卒業は決まっていたのでしょう。

そう思えばすべて納得がいきます。

オープニングでぞのっちに歩み寄るメンバーたちの姿を観て涙腺が緩みそうになったのも
あの日に未来と呼んでいたものがここにあると感じたのも
完成されたアイドルになったという感慨も

『サヨナラの意味』で山下美月の頬をつたった涙も
『きっかけ』で久保史緒里が顔を歪めて泣いたのも
『ハウス!』でお互いの頭を優しくなで合っていたのも
『僕だけの光』でのメンバーたちの姿があんなにも切なかったのも。

ライブ後、ネット上には絶賛の嵐が巻き起こりました。

それはきっと彼女たちがこの日に込めていた想いが画面越しでも伝わったからなのでしょう。


「合格者は全員。皆さんです」

そう今野さんから告げられたあの日に始まった3期生の物語、
そのひとつの到達点。

本当に心を揺さぶられるライブでした。

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9thバスラの大トリは3期生だった


感動的なライブでした。

2月の全員ライブに始まり、そこから各期別ライブでバトンをつないでいく9thバスラもいよいよラスト。

その大トリを3期生に任されたってこと自体が既に熱い。
緊急事態宣言発令によりまたも無観客配信となりましたが、そんなことを感じさせないほど終始高いままのメンバーのテンションは画面越しでも伝わってきました。

※2021年7月4日に大園桃子さんの卒業が発表されましたが、当記事の内容はそれを知らない時点での感想を記したものです。

セットリストはこちらです。

Overture
01. 三番目の風
02. 未来の答え
03. トキトキメキメキ
04. 自分じゃない感じ
05. 僕の衝動
06. 毎日がBrand new day

衣装コレクションコーナー
07. 帰り道は遠回りしたくなる(センター:与田祐希)
08. 命は美しい(センター:久保史緒里)
09. My rule(阪口珠美、大園桃子、久保史緒里、中村麗乃、向井葉月、与田祐希)
10. 三角の空き地(佐藤楓、伊藤理々杏、岩本蓮加、梅澤美波、山下美月、吉田綾乃クリスティー)

11. 逃げ水
12. 不眠症
13. サヨナラの意味(センター:山下美月)
14. ハルジオンが咲く頃(センター:梅澤美波)
15. 白い雲にのって(センター:大園桃子、久保史緒里)
16. ハウス!(センター:吉田綾乃クリスティー)
17. 僕だけの光(ギター:岩本蓮加、向井葉月)

ユニットコーナー
18. 僕が行かなきゃ誰が行くんだ(向井葉月、伊藤理々杏、梅澤美波、佐藤楓、中村麗乃、吉田綾乃クリスティー)
19. 言霊砲
20. 平行線
21. ロマンスのスタート

22. Out of the blue(センター:与田祐希)
23. アナスターシャ(センター:中村麗乃)
24. Against(センター:岩本蓮加、阪口珠美)

25. インフルエンサー(センター:山下美月、与田祐希)
26. シンクロニシティ(センター:梅澤美波)
27. きっかけ(センター:久保史緒里)
28. 思い出ファースト

EN1. 大人たちには指示されない(センター:岩本蓮加)
EN2. 空扉
EN3. ガールズルール(センター:山下美月)


4年ぶりの3期生ライブ。

もちろんオープニングは『三番目の風』。そこから怒涛の3期曲連打。

そして「衣装」をトリガーに先輩たちの、そして自分たちの歴史を辿る「衣装コレクションコーナー」。
この日のハイライトである『僕だけの光』からユニットコーナーへつなぎ、他の期の期別曲、レコ大受賞曲に『きっかけ』、そして『思い出ファースト』。

アンコールでは新曲が披露され、『ガルル』で見事な大団円という流れでした。



あの日に「未来」と呼んでいたもの


例によって印象に残ったシーンを挙げていきます。

いきなりですけど。
もうね、なんかオープニング『三番目の風』でセンターの大園桃子に向かってメンバーたちが歩み寄っていき12人が集結するという演出だけでジーンときちゃったんですよ。
久保史緒里「3期生の真ん中に立つ人間はやっぱり桃子」発言とか強烈に思い出して。

そして『未来の答え』を観ながらふいに思いました。
あの日に「未来」と呼んでいたものが今ここにあるんだ、と。

あの頃思い描いていたようなアイドル人生ではなかったかもしれない。
でもこうしてみんなで笑い合っていて、それぞれの「大事なもの」を見つけた。そんな感慨のようなもの。

同じように『トキトキ』の時も思いました。

ああ、完成されたアイドルだなあ、って。

4年前は全力で笑顔でパフォーマンスすることだけに必死だった彼女たち。
でもこの日の3期生はもう見事なまでにビジュアルもパフォーマンスも仕上がっていました。

加入から4年半。変な言い方になりますが彼女たちがその時間を「ちゃんと過ごしてきた」のだと感じさせます。

オープニングから3期曲を一気に吐き出す構成(「あの曲」を除いて)。本編ラストに期別曲を集中させて一気にクライマックスへと盛り上げた4期とは真逆です。
これは自信ですよね。自分たちの得意技を最初に出し切ってもなお、この先にいくらでも見せ場を作れるという。

一気にノンストップで6曲披露することも、その後の最初のMCで既に汗だくで髪も乱れているのもなんかアンダラを思い起こさせました。

そしてそこでの「乃木坂46です!」の挨拶。
痺れましたよね。「3期生です!」ではなく「乃木坂46」。

彼女たちのプライドそして決意、覚悟。そんなものがこの一言に込められていたように感じました。今野さんも「感動した」と言っていたそうです。

ステージに残ってMCを続けたくぼした梅の3人がはしゃぎます。
4年前のライブを「2,000人だっけ?」と適当なことを言う山下美月と即「800人!」と訂正する久保史緒里と梅澤美波の姿が微笑ましい。

この後も心揺さぶられるシーンの連続でした。

「衣装コレクション」前の「私を乃木坂46にしてくれるもの」という久保史緒里のコメント。

『My rule』で憧れの樋口日奈ポジションをやる阪口珠美

『逃げ水』で与田祐希がチョイスしたのはMV撮影の一度しか着用していなかった衣装。自分もあれ好きです。

『サヨナラの意味』のアウトロ、最高のタイミングで一筋の涙を流す山下美月
なんかもう意図してであれ偶然であれ「さすが美月」としか言いようがない。

『いつでき』について「私が愛した乃木坂らしさ」と評した久保史緒里
同感です。あのMVも乃木坂の美のワンオブザベストに入りますよね。

そしてハイライト。ギター演奏に乗せた『僕だけの光』

 僕だけの光 手に入れたい
 今やっと光 手に入れたよ

彼女たちの過ごした時間と、手に入れた大切なもの。
セピア色の照明の中、互いに目を見合わせながら泣き笑う3期生たち。
美しくて切なくて、素敵なシーンでした。

披露後に与田祐希が大粒の涙を流していたのも印象的でした。バンジーでもハブでも泣かない彼女が(いやハブはちょっと泣いてたけど)。

いつもながら『言霊砲』と『平行線』の破壊力たるや。

本編ラストの『思い出ファースト』は「いやフルでやらんかい!」と思いました。

個人的にこの日を通じて感じたのは「岩本蓮加のダンス好きだなあ」ってこと。
特にしなやかさと後ろ足の綺麗さが素晴らしいと思います。(このあたり新体操経験者ゆえなのでしょうか)

その彼女がセンターの新たな3期曲の感想は…まあ皆さんと同じでしょうが、正直「欅かよ」ですね。

言葉を選ばずに言えば、「完成されたアイドル」である彼女たちにあの歌詞はあまりにも失礼ではないかと。

「もう学生は蓮加だけだっけ?」という序盤のMCがもはやフリに思えます。

「決められたことをそのままやることが当時の正解だった」
「でも今では決められたことを守りながら、どうすればより綺麗に見えるかとかどう自分の個性を表現できるかを考えている」
というれんたん自身のコメントも完全にフリですね笑

岩本蓮加、清宮レイ、筒井あやめに柴田柚菜あたりのユニット曲とかならいいと思うんですけど。
これなら無理に3期曲作らなくても良かったのでは。
まあ4期曲だけにするとまたゴリ押しだ何だと言われるからなんでしょうが。

そして最後になりましたがこの日のビジュアル仕上がってんなあメンバーは中村麗乃。花道をランウェイのように颯爽と歩く姿は鮮烈でした。



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26thシングルに対する評価


ここで来てしまったか。

発表直後の私の偽らざる心境です。

遠藤さくら、2度目のセンター。

この決定に至った経緯を私なりに推測してみます。

前回選抜発表時の最後の記事で27thシングルのセンターをこう予想していました。

 27thは率直に言って、26thからさらに前作割れの危険があります。
 理由はオンライン慣れしたファンによるミーグリ離れの可能性。

 だからこそ十中八九、エースである齋藤飛鳥。
 それ以外であるとすれば山下美月を連続センターにして一気に定着させることぐらいか。

 

しかし、実際にはそのどちらでもなく遠藤さくら。

結論を先に言います。
運営は齋藤飛鳥に続くアイコンを求めており、そこに山下与田遠藤賀喜の4人を並べようとしている(西野七瀬白石麻衣と抜けた穴を誰かひとりだけで埋められるはずもないので)。
そしてその4人のバランスを考慮した結果、今回のセンターはさくちゃんという判断になった。

そう私は考えています。


今回のセンター候補は5名。齋藤飛鳥、山下美月、与田祐希、遠藤さくら、賀喜遥香。

説明不用のエース、飛鳥。
3期4期の4人は26thのミーグリ=オンライン個別トーク会の待ち時間が長いトップ4。すなわちファンの実数が多いであろう4人。実際にはよだやまが突出していて、さくかきだけがそれを追えているという状態ですね。

「別格」の生田絵梨花(毎回こういう表現をしてすみません笑)を除けば素直に現在の人気上位5人でしょう。

まず、美月が連続センターではない理由。
それは26thシングルが「ある意味で」成功だったからではないでしょうか。

その『僕は僕を好きになる』は、セールス的には激減と言っていい数字でした。
約4割減。個人的には想像の範疇ではあるものの、その下限近くかと。

ただこの期間に山下美月は完全にエース格として一本立ちしました。
猛烈なメディア露出攻勢をかけましたが、間違いなくその甲斐はあったと言えるでしょう。

売り上げ激減という濁流に立ち向かいながらそれに飲み込まれず、それどころか自身の商品価値を上げてみせた美月。正直、私の想像よりひとまわりスケールの大きい存在になりました。
しかもこの4月からは連続ドラマの出演もあり、メディア露出は続いています。

つまり、わざわざ「2作連続センター」という箔まではつけなくても大丈夫なくらい美月は「売れた」という判断ではないでしょうか。

そして26th期間を通して、人気面ではやや先を行っていたよだっちょに肩を並べるところまで来た美月。逆に言うとここで「よだやま」のバランスを取ることに成功したのです。これはむしろ運営の望んでいた形でしょう。

であれば27thで与田祐希センターは得策ではない。
ここでまたよだっちょだけが人気的に突出するのも上で書いた通りグループ全体としてはあまり望ましくはない。売り上げの数字も直接比較されますしね。

両雄が並び立つという喜び


では賀喜遥香はどうでしょうか。

ミス・パーフェクト。
能力の高さと親しみやすさと勝負強さをすべて備えたかっきー。

外仕事での安定感、好感度の高さ。そして『プレバト』で消しゴムはんこの特待生にまでなってみせた彼女はある意味「ほっておいても人気が出る」。

変な言い方になりますが、個人的にはむしろこのかっきーに匹敵する人気をさくちゃんが保ち続けていることの方が凄いと思っています。
「いやめちゃめちゃ推されてたからだろ」という反論が出るのもわかりますが、さくちゃんにはその分アンチがつきやすい(というか実際めちゃめちゃついた)というデメリットもありましたから。

仮にここでかっきーをセンターに据えてなおかつ美月の時と同じように大々的に売り出した場合、大ブレイクする可能性があったと思います。それと同時に身体を壊してしまう可能性も。

尊敬する山下美月の次。4期Wエースの片割れから一気に乃木坂の顔という一枚看板へ。
そうなった時の重圧はかっきーがこれまでに感じたことのないものでしょう。

そのリスクを取るよりも、ここでは4期Wエースのバランスを崩さずにおく。

さくちゃんのセンター。
それは山下美月と与田祐希の、そして遠藤さくらと賀喜遥香のバランスを保ちながら「アフター飛鳥」の重荷を誰かひとりに負わせないという判断だったのではないでしょうか。

以前の記事で私は飛鳥ちゃんへの依存度の高さを危惧し「エース格の増員が急務」と書きましたが、ついにその待望のエース格が出てきた気がします。

 

「おい…見てるか谷沢…」と言わんばかりに。

それも…4人も同時にだ…




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びーむ色調補正3
前の記事ではライブ全体についての感想を書きましたが、今回は個人的に印象に残ったシーンを書いていきます。

美しき予定調和


まず最初に「ビジュアル仕上がってんな~」と思ったのは山下美月でした。いや、もちろんこのところずっと素晴らしいんですがこの日は輪をかけて凄かった。

オープニングの『ぐるぐるカーテン』が終わり、コツ…コツ…という足音を響かせるふたつの影。
「うお、ここで『行くあてのない僕たち』が来るとかマジか!」と大いに盛り上がったのですが『インフルエンサー』でしたね。井上小百合推し特有の脊髄反射です(5thバスラで強烈に刷り込まれたあれです)。

『シンクロニシティ』で白石麻衣の代わりにセンターを任されたのは梅澤美波
もの凄いプレッシャーだったことでしょう。

彼女は7thバスラでも橋本奈々未の場所に立つという大役を務めました。
ななみんの卒業からまだ2年、ファンの間にその記憶が色濃く残っている状態でそこに立った彼女の姿は本当に気高いものでした。

関連記事:

(こちらは有料noteマガジン内の記事なので宣伝です笑)

『Out of the blue』で自分のところに遠藤さくらが来るのを待っている間、ひとりでわちゃわちゃする掛橋沙耶香

『毎日がBrand new day』の祝祭感。今なお12人揃っていることの喜びを全身で表現するメンバーたち。3期の絆とかそんな言葉では語りつくせない、幸福な空気。

関連記事:
『毎日がBrand new day』~3年半の月日がもたらしたもの【乃木坂楽曲考察】

1期コーナーでは『狼に口笛を』というまさかの選曲!
フロントは樋口日奈和田まあや齋藤飛鳥。この3人が最後に残ったオリジナルメンバーなんですよね。センターがひなちまなところもなんかグッときます。オッオー部分の振り(これ見るとどうしても日村さん思い出します)をやる飛鳥は久しぶりに見た気が。

向井葉月がMCをまわす姿にも「なんだか随分しっかりしたなあ」と思いました笑

そして『しあわせの保護色』。
センターは大園桃子でした。
恐らく誰もが、なんならリリース時にフォーメーションが発表された当初から予想していたでしょう。

でも、それの何が悪い。出来レースだって感動することはあるんです。
5thバスラでさいたまスーパーアリーナのステージを大泣きしてブルブル震えながら徘徊していたぞのっちが、優しく身体を支えてくれた白石麻衣の顔を見ることすらできなかった彼女がこんなに大きくなりましたよ笑

この辺りからメンバー同士の関係性が垣間見えるシーンが続きます。

『明日がある理由』、仲良しの岩本蓮加センターで嬉しそうな様子がただただ可愛い遠藤さくら

『自惚れビーチ』で寺田蘭世渡辺みり愛のふたりが大笑いしながらノリノリで踊っていたのも微笑ましかったです。

『Sing Out!』では同期の岩本蓮加阪口珠美が顔を見合わせてとびきりの笑顔。
飛鳥ソロダンス前に松村沙友理が自分のポジションを見失ってウロウロしていたのも可愛かった。

さらに本編ラスト。
『僕は僕を好きになる』を歌う前に山下美月はこう語りました。

 乃木坂のセンターという大きすぎる場所に、私が今ちゃんと立てているのか、正直まだ自信がありません。
 でもこんな私でも笑顔で迎えてくださって、居場所を作ってくれるみなさんがいてくださったおかげで、自分のことをちょっとだけ好きになれたような気がしています。

それを聞いていた梅澤美波が感極まって目を潤ませます。
上に書いた7thバスラから『僕僕』まで、梅ちゃんの見せてきた乃木坂への愛と覚悟を思い起こすとこちらの胸も熱くなります。

関連記事:

そしてアンコール。

毎年思うのですが、バスラで聴く『ダンケシェーン』はやっぱり格別です。

また1年分積み重なった「ありがとう」が溢れる日ですから。




自分をどうやって認めればいいのか?


最後に、誰からも共感を得られないと思うのですが書きます。

4期が『夜明けまで強がらなくてもいい』を歌っている姿を観ながら、私は奇妙な感覚にとらわれていました。

この「闘っている」感、どこかで観たことがある。

なんだ?
『サイレントマジョリティー』の頃の欅坂46か?

いや、違う。

アンダラ2ndシーズンだ。

正直、自分自身が驚きました。
さゆ推しである私にとって「至高」であるアンダラ2nd。まさかそれを4期生のパフォーマンスを観ながら思い出すことになるなんて。


まあ全然似てない誰かを見て、なぜか昔好きだった人を思い出しちゃうことってありますよね。

…ないか。

冗談はさておき、まずその「構成」がどこか似ているんだと思います。

無敵感溢れるフロント。
「見かけによらず、熱いハート!」のセンターと、その隣に立つ盟友。
そして逆サイドにいるのは「未来」そのものの最年少。

その強力なフロントを中心に全員が一枚岩となってまとまっている構図。(まあさすがに永島聖羅のキャプテンシーを感じるメンバーこそいませんが)

そう考えると新4期生の存在は当時ほとんどライブ経験のなかった2期生たちの姿と重なり出すから不思議です。

でもそれだけでは説明しきれません。

「無職」と呼ばれ冠番組にも全く呼ばれず、己の身を切るような切羽詰まりまくったパフォーマンスを繰り広げた当時のアンダーメンバーたち。
それに対し冠番組を1年半も継続している4期生。

あまりにも状況が違うこの両者がなぜ私の脳の中で結び付いたのか。

たぶん、

 自分をどうやって認めればいいのか?

『夜明けまで』で歌われるこの歌詞と、空に手を差し伸べるメンバーたちの姿。

「自分は本当にここにいていいのか」という問いかけに対し、仲間と共に懸命に手を伸ばして「私は、私たちはここにいたい」と叫んでいるあの感じ。

それがきっとアンダラ2ndの記憶を呼び覚ましたのでしょう。

ただここまで書いてきて思いましたが、これは別にアンダラ2ndと4期に限った話じゃないですよね。

アンダーも3期生も、遡れば2期生たちも同じ。

 ここにいていいのか。

これは多くの、というよりむしろほとんどのメンバーが抱えてきた問いです。それを超えた者もいれば今なおそれと向き合い続けている者もいるでしょう。

乃木坂としての時間が最も短い4期生たちが今まさにそれを感じているのは、むしろ当然のことなのかもしれません。

『僕僕』の3期フロント3人ですらHuluで配信されたドキュメンタリー『僕たちは居場所を探して』の中で同じようなことを述べています。久保史緒里はそれを「後から入ってきた者の宿命」とまで表現しました。

その葛藤と、それに立ち向かう意志の現出。
これこそが乃木坂を構成する重要な要素であり、誤解を恐れずに言ってしまえば魅力のひとつでもある。

少なくとも私はそう思っています。

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頑なさの鎧


①の記事では堀未央奈のポジションにずっと「異物感」を覚えていたことについて書きましたが、彼女自身のキャラクターもそれを増幅するものでした。

その特徴である、飄々とした…というかすっとぼけた態度。
かつて橋本奈々未に「未央奈は『え?何ですか?』で注目を集めようとしている」と指摘されたあれ。設楽さんからも「ワタス顔」と言われるやつですね。

あれも彼女のファンでない人からすればわざとらしくて腹が立つというか神経を逆なでされるのですが笑、どうも元々本人の持ち味のようです。身近な人からも「何考えてるのかよくわからない」と言われるそうですし。

想像にすぎませんが、突然のセンター抜擢から毎週TVに出るようになる中で必死にやっていたら、自分の素の部分のうちそこが面白がられた。なので多少デフォルメして強調するようになったのではないでしょうか。

「美容番長」でもありました。

これ、女子受けはいいのでしょうが男オタからは「化粧が濃い」とか言われがちですよね…

4期生の掛橋沙耶香や林瑠奈が堀ちゃんリスペクトなのでもちろん間違いではないのですが、これで女性の新規ファンを開拓したかというと微妙な気が。
ただグループに何人かはいてほしいタイプではありますね。

個人的にはずっと3期生をライバル視しているような印象も受けました。

まあ無理もありません。同期で選抜に定着しているのが自分と新内眞衣のふたりしかいないのに3期生はあっという間に5人が定着し、多い時には8人も選抜入りしてきたのですから。

ただ、彼女が2期生不遇を語れば語るほど「いやお前は優遇されてただろ」というツッコミが入る悪循環に陥っていました。
3期4期は曲ごとにセンターが変わっていますが、2期生曲は最後まで堀ちゃんセンター固定。

これも完全に運営側の話なんですけれどね。

同じく「ゴリ押し」と呼ばれ強烈なアンチがついた生駒里奈が徐々にポジションを下げ、13th以降はいくつか例外はあるものの3列目に落ち着いたのとは対照的です。(生駒ちゃんが卒業発表時に功労者として再評価されたのはそれもあったと思います)


そして改めて彼女のこれまでを振り返ってみると、全体に「わからないやつにわかってもらおうなんて思わない」という頑固さのようなものを感じます。

それは彼女自身の「アイドルとは弱みを見せないもの」という美学によるものでしょうが、やはりスタート地点で訳も分からないうちに大量のアンチがついたというのも大きかったでしょう。大いに同情の余地があります。

ただその「頑なさ」が彼女に与えられた主要メンバーという地位にそぐわなかったこと、そしてグループ全体のパブリックイメージとも合っていなかったことは事実だと思います。

カウンターがあることの強さ


こうして言葉を並べてきて思うのは「結局、ポジションだけが間違っていたんだな」ってことです。

彼女自身の持ち味からすれば本来は秋元真夏的な立ち位置が良かったのでしょう。
乃木坂のメインストリームに対するカウンター。

センターやフロントなど前面に出てくるのはグループのイメージを体現する「乃木坂感」溢れるメンバーが望ましい。

ただそれだけだと外番組では盛り上がらないことこのうえない。西野七瀬が20人いてもMCは困っちゃいます笑

そこで必要になるのが「異物」。
いわゆる「バラエティメン」ではなく、アイドル性をキープしながらも「ズレ」を生めるメンバー。言い換えればMCに対してフックのあるメンバー。

外番組ではこういう人が重宝されるんですよね。
高山一実しかり。松村沙友理もその範疇に入ります。生田絵梨花もそうなのでしょうが彼女はもはやいろいろ突き抜けちゃっててこういう評価軸では語れません。

余談ですが、今の山下美月は乃木坂感を残しつつもフックがあるスーパーエースへと脱皮しつつあるような気がしています(と、彼女がマイペースで激辛料理を食べている番組を観ながら思いました)。

『アメトーーク!』や『バズリズム』で見せたように外番組でもすっとぼけたキャラを物怖じせずにできる堀ちゃんは、このカウンターとして存分に機能していました。

「異物感」って重要です。

乃木坂に憧れて入ってきたメンバーが多い3期4期が多数派となった現在、どうしても同質性が高くなる傾向にあります。それは乃木坂が結成当初から持っていた強みでもあります。「スカートの裾が揃っていた衣装デザイン」なんてのもありました。

3期は全体としてタレント性の高いメンバーが揃っておりそもそもの乃木坂感は低めでしたが、彼女たち自身が乃木坂ファンであるために同質性を高める方向に進んでいます。梅澤美波が阪口珠美のギャル言葉を叱るなんていうのもそれを端的に示していますね。
これ自体は結成当初からの古参オタからすると正直、嬉しいことです。

でも同質性の高い組織って、強度は上がりますが折れやすくなるリスクもあるんですよね。

その点、現在の乃木坂には1期2期がキャリアを重ねる中で培ってきたしなやかさや打たれ強さのようなものが備わっています。

しかしこの先、グループが小さかった頃を知らない3期4期だけになった時にしなやかさをもたらせる人材は誰なのか。
そこで再び3期生たちが自分の個性に目覚めるのかもしれませんし、堀ちゃんのような異物感を醸し出す後輩が現れるのかもしれません。

異物感を継ぐとしたら、今いるメンバーの中では林瑠奈じゃないかと思っています。エキセントリック度合いとしてはちょっと抜けた存在ですよね。
もうひとりの堀チルドレン掛橋沙耶香もいいんですが、乃木坂メンバーとしては極めて珍しく上昇志向を隠そうとしない彼女はどちらかというと衛藤美彩を彷彿とさせますね。


最後に、卒業後の彼女について。

既に本人が明確に女優と言っていますね。

これまでは現役アイドルとしてヒロイン的な要素を求められる部分がありましたが彼女の本質はそこにはありません。その枷が外れたこれからの方が幅広い役柄をこなせそうで、むしろ期待できます。

『遊戯みたいにいかない。』とかカップスターの『毎月劇場』でわかる通り、オークラさんの脚本、というか東京03角田さんを傷つける台詞を吐く役が異常に似合うのですがそれはさておき笑

サスペンスドラマの容疑者役にぴったりですね。

犯人役でもいいし、やたらと怪しくて引っ掻き回すけれど犯人じゃない役もできる。あとは他人に無関心で不愛想なんだけど実は主人公の一番の理解者とかも似合う(これはサスペンスに限らずどんな物語でもよいですね)。

犯人役といえば『猿に会う』での演技が印象に残っています。あのドラマ全体に通底する不穏な空気の体現者でもありました。

個人的には「個性派女優」として活躍してほしいし、その方向で10年後も生き残っている可能性があると思います。

乃木坂の看板を下ろしたこれからの彼女がどんな演技を見せるのか楽しみです。


堀未央奈さん、約8年間お疲れさまでした。

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