ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

タグ:山下美月

タオル補正
2024年2月19日、『乃木坂工事中』内で35thシングルの選抜メンバーが発表されました。

2度やることじゃないのでは。

というのが、私の偽らざる気持ちです。

『保護色』と同じ


今作のセンターはこのシングルをもって卒業する山下美月。
彼女の貢献度を考えれば卒業センターは極めて妥当。

しかし物議を醸したのが「3期生全員選抜」だったこと

同じような状況だったのが白石麻衣の卒業シングルであり、ちょうど10枚前になる25th『しあわせの保護色』。
この時は1期生全員選抜かつ全員福神。つまりフロントと2列目が全員1期生だったわけです。

これも賛否両論でした。
個人的には当時からポジティブに評価していましたし、今でもそれは変わりません。

そんな私でも今回のこれは素直に肯定できないですね。

「1期生と3期生を同じ扱いするのは違うのでは」とか「当時の1期はその多くが選抜固定メンだった」とか「これやるつもりならここ数作の思い出選抜枠を3期に使ったのはどうなのか」とかいろいろ思うところはあるのですが。

最大の理由は『保護色』期間には、どうしても「停滞」というイメージがつきまとうことです。

エンタテインメントの灯が消えてしまった2020年。
全部コロナのせいなのも、業界全体(というか世界中)が同じだったこともわかってます。
大大大功労者である白石麻衣の卒業シングルに対して使う言葉ではないのもわかっています。

それでもやっぱりあの時期は前に進んでいる感覚がありませんでした。

ちょうどコロナ禍が始まったまさにそのタイミングだった8thバスラでの初披露、そして1ヶ月後に発売。

そこから次作『僕は僕を好きになる』までに空いた期間は実に10ヶ月。
恐らく既定路線であったろう山下美月の、3期生初の単独センターは翌年に持ち越され、2020年は表面的には「白石麻衣が卒業しただけの年」になってしまいました。
(あくまでも「表面的には」です。実際は多くの種がまかれた年でした)

そしてあそこまで「お疲れさま、1期生」な感じを出してしまうと他に使い道がないのでしょう、白石麻衣卒業後のライブではほとんど披露されていません。
…と書いていたら先日の12thバスラDAY3のラストで披露されたようなのですが笑

あの時期の停滞感、そして楽曲としての使い勝手の悪さ。

そんなネガティブなイメージが残ってしまっている『保護色』と重なる采配を、わざわざやる必要はなかったんじゃないでしょうか。

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最大限の敬意


まあでも、運営はそういった声が上がるのも承知で3期全員選抜を選択したのでしょう。

たびたび感じることですが、運営は3期が好き。
そして、申し訳なさのようなものも感じているのではないでしょうか。

それはなんか、わかる気がするんです。部外者ではありますが笑

「期別売り」の第1世代そして「トップアイドルとしての乃木坂」に初めて加入してきた世代でもあります。

スタッフでさえ手探りだったであろうあの頃。
期別売りに対する反感(リソースを割かれる)も、今では想像もできないほど強かった。
それでも必死にくらいつき、新たな風を吹き込み、新規のファンを連れてきた彼女たち

乃木坂をミリオンセラーへ、ドームへと押し上げたラストピース。
さらに1期生の去った世界で乃木坂を体現するブリッジとなりました。

乃木坂という「優しい世界」を引き継ぎ、未来へとつなぐ。
加入してまだ2年の5期生たちでさえそう公言するほど、グループのカルチャーとして根付いた「継続の意志」

それを形作ったのも3期生です。

そんな乃木坂にとって非常に大切な役割を果たした彼女たち。
なのに「3期生の時代」は、なかった。

いや、これは語弊がありますね。
今後「4期生の時代」も「5期生の時代」も訪れないでしょう。
そもそもそんな「ひとつの期がすべてを背負う」状況を生まないように、計画的に「のりしろのある」世代交代を進めているのですから。

それでもいまだに梅澤美波が「3期生はみんな自信がない」と語るほど自分たちを認められない彼女たちに対し、運営はどこか申し訳なさのようなものを感じている。

だからこそ最大限の敬意を込めて「白石麻衣卒業時と同じ布陣」という判断をしたのではないでしょうか。

『保護色』選抜発表時の記事に書いた言葉を、改めてここで記しておきます。

 今回不満に思っておられるファンの方もいつか自分の推しが卒業する時に気づくだろう。

 時に情に流される判断をする、そんな運営でよかったと


続きます。



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びーむ色調補正3
前の記事では印象に残ったシーンを挙げました。

関連記事:


この記事では、ちょっとな異様なぐらい気合の入っていた3期生たちについて。

3期の青春


一番最初のMCから声が上ずり、明らかにテンションがおかしい梅澤美波
梅ちゃんのこんな状態を見るのは珍しい。

加入当初から3期のまとめ役として先輩との、そして大人との間に立つ状況も多かったであろう彼女。いわばずっと中間管理職だったわけです。

そして先輩がいなくなった現在。課長から部長になったような感じでしょうか。
後輩に目を配り、大人との間に立ち、さらにファンやもしかしたら「世間」との間にも立たなければいけない

桜井玲香も秋元真夏も経験してきた「自分の発言がグループの意志と捉えられる」重圧にも直面したことでしょう。

そんな梅ちゃんのMCにメンバーは全力の「イエーイ!」で応えます。

思い出すのは29thアンダラ。座長は『届かなくたって…』の佐藤楓でした。
その時の記事で私はこんなことを書いています。

 なんとかして盛り上げたい、みんなで支え合っていきたい、恥ずかしがってる場合じゃない。そんな気持ちが感じられる

その記事では「全体ライブではMC中にそんなに全力でイエーイはいかないじゃないですか」とも書いたのですが、この日はその時を彷彿とさせる「全力のイエーイ」。

このライブを成功させたい。キャプテンを支えたい。そんなメンバーの気持ちが音圧になって伝わります。

『僕は僕を好きになる』。
明らかに一段階上の気合入った表情をする山下美月。その後ろで岩本蓮加も同じ表情を浮かべます。
そしてDフレを歌う3期5人(山下久保梅澤与田岩本)。
やっぱり白石麻衣卒業後の乃木坂新章開幕を告げる、3期生にとって特別な曲だったのだと思わせます。

「箸休め三姉妹」のMCでの山下美月
「みんなのためにぃ~可愛くお化粧してるの」「のめり込ませてね、私たちのこと」という酔っぱらってんじゃないかスレスレの怪しげなテンションがなんというか、やっぱりさすが美月。

『三番目の風』。センターは与田祐希。伝統の「神宮、騒げ~!!」。

『設定温度』。
3期生がたびたび口にする「特別な曲」。彼女たちが先輩たちと初めて一緒に歌った歌であり、あの2017年神宮の全体ライブ1曲目に選ばれた曲でもあります。
6年もの時が流れて最上級生になって、同じ場所で歌う彼女たちの心境はいかばかりか。涙を流す与田祐希

『逃げ水』はここのところ定番となった「よだれん」=与田祐希岩本蓮加センターでした。
手をつないで歩く花道。もちろん思い出すのは2021年大園桃子卒業ライブ。曲終わりには肩を組むふたり。

『僕が手を叩く方へ』。
これまたあまり見ないぐらい力んでいる久保史緒里
バックステージから花道を走る途中でどんどん合流し、最後に全員揃ってメインステージで肩を寄せ合う。3期の青春。

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ようやく語られた理由


本編最後のMCでも、ずっと感情が抑えきれずに声が上ずったままの梅澤美波

そしてアンコール。『人は夢を二度見る』の前に山下美月が座長っぽいMC。

この日の3期生たちのあまりに高いテンションの理由が「3期の青春が終わりに近づいていること」のような気がしていたので、正直卒業発表しそうで怖かった。
幸いにもそれは杞憂に終わりました。

『乃木坂の詩』も終わり、梅澤美波最後の挨拶。

そこでようやくこの日の3期生たちの気合もしくは気負いの理由が語られます。

それは1期2期の去った世界へのプレッシャーでした。

 私たちでも4日間乗り越えられました
 ツアー16公演、神宮4日間を乗り越えることが、今の私たちにとって、とても大きな試練でした

そして

 今、先輩たちの後をしっかり受け継げたと証明できたと思います
 私たちが乃木坂46です!

正直言っていいですか。

私からすればまだ3期生がこれほど苦しんでいるそのこと自体が意外でした。
先輩を超えるとか超えないとかそういうのはもう乗り越えたんじゃないか。勝手にそう思っていました。

去年の全ツだって1期2期は既に5人しかいなかったし(飛鳥、真夏、樋口、和田、絢音)、飛鳥はともかく他の4人はやや引いた立ち位置にいましたし。

そもそもなんで今年神宮が4DAYSなのか疑問だったんですよね。

バスラのように全曲披露でも期別ライブでもなく、大筋同じセットリストの全体ライブを4日間続ける。

これはどれだけ誉めても「自分たちはよくやっている」ということをどうしても認められない3期生たちのために運営が用意した「先輩もやっていないこと」=新たな歴史、だったんですね。

こんな零細ブログで何を言っても彼女たちに届きはしないでしょうけれど、私も言いたいです。

君たちは、よくやっている

偉そうですね笑
結成当初から乃木坂ファンの私ですが、8年半もの間単推しした井上小百合が卒業しても、そこから3年半も経った今も、ちゃんと乃木坂が好きですよ。


「私たちが乃木坂46です!」が注目されましたけれど、個人的には「過去も今も未来も全部まとめて愛して、みんなで前に進んで行きます」という言葉にグッときました。


梅ちゃんがこの言葉を聞いていたか、頭に残っていたかはわかりませんけれど。

「毎日最高値を更新していく」とか「いつだって今が一番楽しい」というポジティブな考え方もいいと思います。本気でそう思えるのならば。

でも「過去も最高だったけど、今もそして未来も最高でありたい」と願う方が美しい。
そして、乃木坂らしい。

儚いのに決して刹那的ではない

そういうところが実に乃木坂46だと思うし、素敵だなと思うのです。


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前の記事ではこの日の印象に残ったシーンを列挙しました。

関連記事:


当記事では彼女たちの「ことば」に注目したいと思います。

「いい答えだね!」


この日、というかむしろ「この日もまた」3期生は数多くの印象的な言葉を残しました。

最初のMCから梅澤美波が飛ばします。
「7年目ってこんなに変わるんだ、成長できるんだと自分たちの強さだったりしっかり経験積んできた部分を見せたい」。
まさしくいい意味で圧があるコメント笑(そして短期間でこれを看破し表現した小川彩の非凡さよ!

そして「初めて私たちが先輩と一緒に歌った曲」、『設定温度』後のMC。

久保史緒里「乃木坂には一緒に泣いてくれる人がいた」。
梅澤美波「誰よりも乃木坂を愛してきた自信があります」

そこからの『世界で一番 孤独なLover』という流れもなかなかグッとくるものがありました。
やっぱり『セカラバ』って、2015年ぐらいまでの=それこそSTILL YOUNGだった頃の乃木坂を知らなければ出てこない選曲だと思うんですよ。

さらに今、最も歌うべき曲『未来の答え』

先輩が全員卒業して初めてのシングルとなる32nd『人は夢を二度見る』。
センターを任されたのはくぼした=久保史緒里と山下美月。

『三番目の風』『思い出ファースト』では大園桃子の両脇を固め、3番目の3期生期別曲『未来の答え』、そして『不眠症』でWセンターを務めたふたり。

関連記事:


あの日夢見た未来が、その答えが出た今作。

だからこそ。
その曲中でくぼしたはこんなやり取りをします。

山下美月「未来の答えは出た?」
久保史緒里「7年経って、みんなで笑ってステージに立ってる!」
山下美月「いい答えだね!」

このふたりの言葉を読み解くには「お見立て会リバイバル」後のV中コメントを振り返る必要があります。

岩本蓮加は「認めてもらうのに必死でもがいていた」。
久保史緒里の「どうやったら受け入れてもらえるんだろう」。
そして再びれんたんの「単独ライブでつけた力ってスタート地点にも立てていないと思った」。(このあまりに的確な現状分析を弱冠13歳で行なえていたことにも驚愕!)

乃木坂に憧れて。
先輩たちとの間には絶望的な差があって。
「3期は乃木坂らしくない」と言われているのも知っていて。

それでも「乃木坂が好き」だから「ここにいたい」と、悩んで迷って足掻いた日々

2年前の3期ライブは、そんな彼女たちが遂に「乃木坂46になれた」と感じた記念すべき日だったのです。

あれから2年経ち、さらに状況は変わりました。
「真ん中に立つべき」大園桃子は卒業し、先輩たちも全員グループを去った。

そして今、3期生たちは先頭に立っています。
かつては乃木坂を名乗ることすらためらいがあった彼女たちが。

正直に言えば背負うものの大きさに時々不安で震えることもあるけれど、それでも今こうして「みんなで笑ってステージに」立てている。

そのこと自体が「私たちは間違ってなかった」証

アンコールラスト前のMCで山下美月が口にした「ここまで頑張ってきてよかった」という感慨は、つまりはそういうことなのだと思います。

これもまた大河。

くぼしたふたりだけでなく、3期全員の大河です。

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勲章を手にした先輩たちと


時に体育会系と評される3期生。

その熱い想いが伝わるライブでした。

2年前の方が良かったなんて言わせない
4期5期に花を持たせる気もさらさらない

もちろん彼女たちは別に「2年前を超えなければならない」とか「後輩よりいいライブをしなければならない」なんて思っていないでしょうけれど。
「2年前の方が良かった」「後輩の方が良かった」なんて言わせないよ、という自負もあるでしょう。

プライドも負けん気もあるけれど、何より感じるのは余裕

思い出すのは1期生の姿です。

2017年神宮(1公演で各期の期別+全体ライブという構成だった)の円陣で「3期と2期なんか関係ないぐらい超いいライブにしようぜ!」と叫んだ1期生たちの「いい意味での大人げなさ」。

…と言ってみたものの、私の当日のメモには「2018年の夏頃みたいだ」と書かれていました笑

4期生が2015年なら、3期生は2018年夏ぐらいの雰囲気があるんですよ。
あの6thバスラ「シンクロニシティライブ」の頃。

関連記事:


ジコチュープロデュース企画でいろいろ遊んでいたあの頃の先輩たちと、楽曲を再解釈して自分たちの色を載せているこの日の3期生たちにどこか相通ずるものを感じました。

上で書いた2017年神宮の後、乃木坂は初の東京ドームそしてレコード大賞受賞と一気に坂道を駆け上がります。(思えば3期生はその姿を、デビュー1年にも満たないよちよち歩きの状態で羨望の眼差しで眺めていたわけです)

そして明け2018年の乃木坂。頂点に上り詰めた後の乃木坂。

あの頃の先輩たちのように分かりやすい勲章を手にしたわけではない。
同じほどの「スター軍団感」も正直、ないと思う。(これはそもそも人数が違うのでしょうがない)

それでもこの日の3期生が見せた、観客を巻き込む力。
あんなに気合が入っているのに、決して力んではいないこと。
その根底にある揺るぎないもの自信

それはやはり、既に多くの勲章を手にしていた2018年頃の先輩たちを思わせるのです。

この日、メンバーから一番多く出た言葉は「楽しい」。
岩本蓮加と山下美月がずっとニコニコしていたのが印象的でした。

きっと3期生は、ようやく自分たちを認めることができたのでしょう。

 乃木坂の看板を、背負ってもいいんだよ

そう自分たちに向かって言えるほどに。


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あれを超えられるのか


2年前、9thバスラでの3期生ライブ。


私はそれを「完成されたアイドルの姿」「まさに彼女たちの4年半の総決算」と表現しました。

アイドルとして脂がのり切っていた彼女たち。
デビュー当初以来となる4年ぶりの期別ライブ。
そして大園桃子の卒業が見え隠れし、メンバーもファンも「12人での最後のライブだろう」と薄々感じていたというシチュエーション。

開演前からもの凄い期待感が充満し、そしてそれを易々と超えてみせたあの日

あれから2年が経ち、太陽たる大園桃子はグループを去りました。

あれを超えられるのか。
身勝手な観客である私はついそんなことを考えてしまうのです。

そしてこうも思っていたのです。
桃子がいないというその一点において、超えられるはずがない。


セットリストはこちら。

Overture

01. 僕は僕を好きになる
02. 空扉
03. 三番目の風(センター:与田祐希)
04. トキトキメキメキ
05. 自分じゃない感じ

<ユニットコーナー>
06. 嫉妬の権利(向井葉月、山下美月、与田祐希)
07. Threefold choice(佐藤楓、梅澤美波、吉田綾乃クリスティー)
08. 大人への近道(阪口珠美、中村麗乃、久保史緒里)
09. 心のモノローグ(伊藤理々杏、岩本蓮加)

10. 失いたくないから
11. 別れ際、もっと好きになる(センター:吉田綾乃クリスティー)
12. 錆びたコンパス(センター:中村麗乃)

<お見立て会リバイバル>
13. 命は美しい(センター:向井葉月)
14. 裸足でSummer(センター:与田祐希)
15. ガールズルール(センター:山下美月)

16. 設定温度(センター:吉田綾乃クリスティー)
17. 世界で一番 孤独なLover(センター:佐藤楓)
18. 欲望のリインカーネーション(センター:阪口珠美)

19. 大人たちには指示されない
20. 未来の答え
21. 毎日がBrand new day
22. 僕の衝動
23. 僕が手を叩く方へ

EN
EN1 そんなバカな…
EN2 転がった鐘を鳴らせ!
EN3 思い出ファースト
EN4 三番目の風


印象に残ったシーンを挙げていきます。

この日のビジュアル仕上がってんなあメンは与田祐希阪口珠美梅澤美波も印象に残りました。

1曲目に選ばれたのは『僕は僕を好きになる』。
白石麻衣卒業後の一発目。3期生3人のフロント。

最初から煽りまくるメンバーたち。

MCで客席からの声援に喜び「あ~素晴らしい人々~」とほのぼのする阪口珠美
「すっごい楽しいれんか~」と興奮を抑えられない岩本蓮加

『Threefold choice』。お姉さん組3人が全力でぶりっ子。

『大人への近道』は新・中3トリオ。
「私たちこんなに大人になったね」という感慨と「憧れたこの曲をやれる」喜びと。
3人だけどサンエトポーズ。

りりれん=伊藤理々杏岩本蓮加による『心のモノローグ』。
私はここでやっと年齢別のユニットであることに気づきました笑
伸びやかなれんたんの歌声が良いですね。個人的に彼女はもっと歌メンとして前に出てほしい。

岩本蓮加向井葉月がギターの準備をし「あの曲をやります」って言うから2年前と同じ『僕だけの光』だと思っていたら違いました。
譜面に目を落とすれんたんの横顔の美しさたるや。まさに超彫刻

『錆びたコンパス』で客席が黄色に染まらなかったのはちょっと残念。

ライブ中盤では「お見立て会リバイバル」と題して6年半前にやった3曲を再現するコーナー。

『命は美しい』では大園桃子に代わり向井葉月がセンター。
この曲の山下美月の肩の入れ方が異様にかっこよかった。

その美月、『ガールズルール』ではド迫力の煽り。

「初めて私たちが先輩と一緒に歌った曲」、『設定温度』。

久保史緒里のボーカルの安心感。
サビでは全員のリズムが走ってしまっているのすら「気持ちが入りすぎたため」と思わせます。
そしてラスト、モニターに映し出される3期生の初期アー写。

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『世界で一番 孤独なLover』!

そして『欲望のリインカーネーション』。
オリジナルバージョンは胸を強調した振り付けに目隠しで好きじゃないのですが、この日は振り付けを変えて変ないやらしさがなくなっていました。なんだ、いい曲じゃん笑

そして初披露時に「欅かよ」と書いた『大人たちには指示されない』も「ちゃんと乃木坂の曲に」なっていました。

このあたり楽曲を再解釈して自分たちのものにするという3期生の地力を感じさせます。

そしてここで「今、最も歌うべき曲」のイントロが流れます。
『未来の答え』。これについては別途書きます。

『僕の衝動』。
目がバキバキの久保史緒里。その場にいる全員に期待されているという状況の中でしっかりキメ切る貫録の伊藤理々杏

本編ラストは『僕が手を叩く方へ』。
モニターに映し出される3期生たちのメッセージ、山下美月は「全員まとめて愛してるよ」。
さすが美月。最高だな。

ラスサビ、会場全体のクラップ。みんな泣く。
普段泣かない与田祐希が凄く泣いています。

アンコール『そんなバカな…』。山下美月の「バカになれ~!」という煽り。
バズーカを撃てないのが可愛い伊藤理々杏
みんながインする中でひとりだけTシャツの後ろを出すという違う着こなしの岩本蓮加
そのれんたん、バズーカ撃って「おおっ!?」という驚愕の表情。

アンコールラストは『思い出ファースト』。フルサイズ!
外周を歩きながら笑い転げるれんたま(岩本蓮加阪口珠美)。

エンディングで「みんな本当に大好き!」と叫ぶ梅澤美波

その間にこっそりスタッフさんに了解を取りに行っていた山下美月が梅ちゃんに耳打ちし、予定外のもう1曲。

はじまりの曲、『三番目の風』。


一言でいうと「分厚い」ライブでした。

言い換えれば、幅が広い。
感情の幅。表現の幅。そしてキャラクターの幅。

なんかやっぱり「さすがは最上級生」という感じ。

最初に書いた「2年前を超えられるか」なんて、どうでもいいことだと思わせるだけの満足感でした。


続きます。

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タオル補正

前例踏襲からの(緩やかな)脱却


個人的に、32ndシングルは以前から希望していたことが多く叶いました。

そのひとつは前の記事で書いた通りくぼしたWセンター。
24thの時に書いたことが3年半後に叶いました。

関連記事:


表題Wセンターも禁じ手にしたかと思っていたので嬉しかった。
「どっちつかずな感じが実に乃木坂っぽい」ので好きなんですよ笑
19th『いつかできるから今日できる』以来ですから実に5年半ぶりです。

4期の時から書いていた「新人をなるべく早くアンダーに合流させる」もお見立て会から1年ちょいで叶ったので良かった。ちなみに3期は1年半弱、4期は2年9ヶ月でした。(シングル発売日までの期間で計算)

そして前作の時に書いた5期関連の要望もあらかた実現しました。
「次作で井上和をセンターにするな」そして「中西アルノセンターをなかったことにするな」はどちらもその通りになりました。
「Wセンターにして5期生は3人を歌番組でカメラに抜かれる2列目中央に配置してしっかりお披露目」も2列目中央と両端でまあ概ね希望通り。

関連記事:


期待以上だったのが5期生を5人一気に入れたこと
これは良かった。

抜擢センターの次ということでは3期が20thのくぼした、4期は26thの清宮田村とどちらもふたりでしたから英断と言っていいでしょう。

アンダーについてはアンダラのライブレポでじっくり書きたいと思います。


基本的に「情に流された采配」をすることが多い乃木坂運営。
個人的にはそれを肯定的にとらえていますが、ここ数年は1期2期を丁寧に送り出してあげるということにやや注力しすぎていた感もあります。

1期2期が全員卒業し、いったん仕切り直せるこのタイミング。
グループの現状を改めて精査し中期的なビジョンを立て直す良い機会です。

運営もそれをわかっているからこそ、前例踏襲ではなく少しずつやり方を調整しながら5期生を育てているのだと思います。

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現地イベント再開


32ndを語るにあたり、もうひとつ言っておかなければいけないのがリアルイベントの再開。
握手ではないですが「リアルミーグリ」という形での開催となりました。

それと同時にコロナですべて中止された25th『しあわせの保護色』のイベント応募券が「2023年内発売シングルのイベントに応募可能」な券へと振り替えられ、今回から利用可能に。

3年溜めていた宿題がようやく提出されたという感じですね。

白石麻衣のラスト握手会に備えて大量購入したファンがかなりの数いたであろう25th。
3年引っ張ったのはいかがなものかと思いますが、まあリアルイベント復活に合わせて使用可能とした=オンラインでの消化を強制しなかったのは評価できるかと。

もちろんその影響で32ndを大量購入するファンは減ったでしょう。(25thの振替を持っているなら買う必要がないし、持っていない人にとってはイベントの当選確率が下がるのは必至なので)

まいやん卒業で離れていたファンを一旦呼び戻す可能性があるのと同時に、5期新規のファンが当選確率の低さに心が折れる可能性もあるので「痛し痒し」というところではありますが。

ということでリアルイベント開催決定の知らせに大量購入に走ったファンも結構な数いたでしょうが、逆に25th振替券の存在により今回は「見」と判断した人もそれなりにいたと思われます。

トータルで恐らく初週売上には「ややプラス」の効果。ただもしかしたら発売日の店頭在庫が少なめになってライト層の購買にはマイナス影響があったかも

これは全員納得する解決策がないタイプの問題なので、先送りし続けるよりは良かったと思うしかありませんね。

この辺の売り上げに影響がある宿題をクリアするシングルだったことも「そのあたりの事情をちゃんと理解している」久保史緒里と山下美月がセンターに選ばれた理由のひとつかと。

こういう状況で運営が頼るのはやっぱり3期なんですよね。
美月なんて前回の初センターがまいやん卒業の次、今回が1期2期全員卒業の次ですから。運営から絶大な信頼を得ているのが良くわかります。


つらつら書いてきましたが、最後に33rdシングルの展望を。

次作は夏シングル=センターは真夏の全国ツアーの座長扱い

去年が賀喜遥香、その前が遠藤さくらでしたので、3年連続で4期が座長というのはなさそう。
とはいえWセンターの次は2枚ともセンターから外すのが常道。

となれば、ここはまあ井上和でしょう。
座長としての負担を考えると少し心配ではありますが。
今回Wセンターの2列目中央という映りやすい場所でせっかくお披露目をしたのですから間をおかない方がいい。これ以上遅らせるのはむしろデメリットが大きいと思います。

彼女ひとりを「よだやまかきさく」(あるいは「くぼしたかきさく」)の4人で挟むのか、5期生3人フロントで両翼をかきさくにするかの二択かと。
和ちゃんの負担軽減という意味で個人的には後者希望ですが、残りのふたりをどうするかという問題がかなり紛糾しそうなのが気になりますね。


色々変わった32ndシングル。

大いに次への期待を抱かせるものでした。


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