ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

タグ:掛橋沙耶香

タオル補正
前の記事では「掛橋沙耶香 卒業セレモニー」について書きました。

関連記事:


当記事では私の思う彼女の独特な魅力について。

「自我を持った素体」


不思議な人でした。

掛橋沙耶香の名シーンって、ない。
「ちばけとったら、おえんで!」ぐらい。

個人的に「かなり好きな部類に入るメンバー」なのに、その感情に見合うだけの名シーンが思い出せないのです。

それは彼女の持つ一種独特な「現実感のなさ」に起因するのではないでしょうか。

別の言葉にすると「儚さ」なのかもしれません。
でも西野七瀬的な、あるいは遠藤さくら的な儚さとは明らかに異質な何か。

なんというか、腹の底が見えない感じ。
なんでも笑顔でこなすけれど、胸の内では明確に好き嫌いがありそうな。

個人的に彼女を見ていると「プレーン」とか「ニュートラル」「ユニセックス」、もっと言えば「アノニマス」という単語が頭に浮かびます。
全部ひっくるめて無理矢理言語化するならば「自我を持った素体」とでも言いましょうか。

そして、それこそが彼女の魅力を深めていました。
あんなにクセのない綺麗な顔立ちなのに、観る者の心を波立たせる。

変な表現かもしれませんが「日常に潜む闇」の「日常」側も「闇」側もシームレスに演じられる俳優になる可能性があったと思います。

当サイトはアフィリエイトプログラムで雀の涙未満の微々たる収益を得てはおりますが、本文の内容は100%私の個人的な意見であり忖度は一切ございません。
そんな彼女は「クリエイターのイマジネーションを刺激するタイプ」だったのではないでしょうか。
個人PVはどれも彼女の魅力を引き出すものでした。
『拾ってください』(23rdシングル特典映像)では無邪気風あざと釣り師。
『KICK THE CRAFTY』(26th特典映像)はシリアスと悪ガキの振り幅。





中でも白眉だったのが『マチアワセ』(27th特典映像)。

「(画面のこちら側の)彼」との待ち合わせに遅刻してくる彼女。
タイムリープしている描写があり、どんどん遅刻の時間が長くなります。
途中彼女は何かと闘っているような様子が挟まれます。しかしその敵も倒したようなのにその後も長くなり続ける待ち時間。疲れて心ここにあらずという彼女。
とうとう1,000時間を超え「実はね、こんなに遅れた理由はね…」。



最後にモノローグで明かされる悲しい真実。
彼が「止まった時間の中に捕らわれている」のを救うためにずっと奮闘してきたこと。
彼を捕らえた敵(あるいはタイムリープ警察?)を倒したはずなのに時間は動き出さないこと。
彼を助ける方法がわからなくて途方に暮れながらも、諦めずにタイムリープを続けていること。

彼に気取られまいと嘘をついてちょっぴりドジな彼女を演じる序盤。
取り繕えなくなって疲弊していく中盤。
もう一度自分を奮い立たせて彼と向き合うラスト。

掛ちゃんはまさしくシームレスに演じています。

そして、おわかりでしょう。
私は久しぶりにこれを観て「止まった時間の中にいる彼」を、あの事故からずっと姿を見せなかった掛ちゃんと重ねてしまいました。
いわゆる「現実と作品の残酷なリンク」が起きてしまったと。

しかし、彼女の卒業に関する記事を書いているうちに考えが変わりました。

ずっと掛ちゃんを待ち続けて止まった時間の中にいたのは我々ファンの方だ。

その時計の針を動かすためにこそ、掛橋沙耶香は卒業セレモニーで姿を現してくれたのだと。


さて。

既に彼女は別の道を歩き始めたのですから、この文章もそろそろ終わりにしましょう。

最後にこの言葉を送ります。

 さよなら、さよなら!
 別れがこんなに甘く切ないなら、
 朝が来るまでおやすみを言うわ。

掛橋沙耶香さん、6年間本当にお疲れさまでした。

どうか、どうかあなたのこれからに幸あらんことを。


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過去に当ブログに掲載した記事を再構成し加筆したもの。
総文字数84,000文字、加筆部分だけでも10,000文字以上のボリュームでブログをご覧になった方にも楽しんでいただけることと思います。

「今にして思うこと」は各章の末尾に「追記」という形で新たに文章を加え、さらに書き下ろしとして4期生の初冠番組であった『乃木坂どこへ』を振り返っています。


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前の記事では掛橋沙耶香の乃木坂人生を振り返りました

関連記事:


当記事では卒業セレモニーについて。

「まだまだアイドルやれちゃうな」


『大切なご報告』と題したそのブログで語られたのは、加入からちょうど6年となる2024年8月19日で卒業すること、そしてその日に公式Youtubeで「掛橋沙耶香 卒業セレモニー」が公開されることでした。

ブログの挨拶だけでそのまま卒業することもできたはず。
大きな怪我を負った顔について大衆の目-その一部には好奇の目も含まれるでしょう-に晒すことの怖さもあったに違いありません。

それでも掛橋沙耶香はファンの前にその姿を現してくれました

「勘がいい子」だからファンの気持ちを汲んでくれた。
「さよなら」と「ありがとう」を言う機会をくれた。私にはそう思えます。

そして卒業の日。

オープニングはオルゴールの『乃木坂の詩』。
4期生の輪が広がり、中央にいた彼女が振り返ります。

髪が長くなりおでこも出してめちゃめちゃ痩せて(実は「かなり追いこんだダイエットをした」らしい)、何よりすっかり大人の女性になった掛ちゃん。

 乃木坂46、4期生の掛橋沙耶香です。
 本日をもちまして、乃木坂46を卒業します。

ずっと見たかった彼女が、ずっと言わずにいてほしかった言葉を口にしている

感情の整理がつかないまま流れ出す『4番目の光』。
そこから続く4期生楽曲の数々。どの曲もWセンターのような演出が加えられています。

そして掛ちゃんだけでなく、登場してくる4期生全員がすっかり綺麗な大人のお姉さんになっていたことに気づかされます。

そのなんと切ないことか。
当時あんなに「完成度が高い」と思っていた筒井あやめが、本当はまだあどけなかったんだ。そう思うと痛切に時の流れを感じます。

正直この日の全てが印象深かったのですが、ここではMCについて触れます。

かきさくあやめんまゆたん掛ちゃんというメンバーでのMCで「この5人、何の5人かわかってますか?」。(正解は『I see…』のフロント)

私はこの並びを見て「強いなあ」と思いました

4期生が最も勢いがあった頃。
一部の期推しのファンが「この期だけでデビューしても売れた」とか言い出すは毎回のお約束ですが、4期生が最もそう感じさせたあの頃。
しかし悲しいかな、それはコロナ禍の真っ只中でした。

いわゆる新4期の5人とのMC。
思い出を語る佐藤璃果を「泣く?」といじったり。
黒見明香に「彼女っぽく見える自撮り」をディレクションしたという裏話が出たり。
好きな寿司ネタは「イカ」だと発表したり。

なんだか相変わらず掴みどころがなくてちょっと悪ガキな掛橋沙耶香

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最後に、ドレスに着替えた彼女は我々にこう語りました。

「まだまだアイドルやれちゃうな」「そう感じたことが本望だと思って卒業を決めました」

この言葉の解釈は難しいのですが。

私が思うに
「憧れだけで岡山から上京してきた自分が、4年間ひたすら目の前のことに精一杯だった自分が、2年もブランクがあってもこの場所ならまだまだアイドルがやれるとまで思えるようになった=ちゃんとアイドルになれていたことに気づいた」。

だから「本望」。

別にアイドルを極めたとかやり切ったとは違う意味で、自分はちゃんとアイドルだったと確信できた。

だから「さよなら」。

正直、「そんな悲しいこと言わないでくれよ」と思いました。

でも、あんな事故があって乃木坂に恨みや怒りを抱いていてもおかしくない彼女が「一点の曇りもなく晴れやかな気持ちで卒業を迎えられています」と言ってくれるのだから。

我々ファンにできるのは「さよなら」と「ありがとう」を伝えながら見送ることだけです。

 ひとつだけわがままを言うのであれば
 私がいなくなってからもこの曲を歌い継いでほしい

もちろん『図書室の君へ』。
彼女の後ろに駆け出してくる「4期生制服の」メンバーたち。

 ああ、俺が好きだった4期生だ

反射的にそう思いました。

本当は口が裂けても過去形になんかしたくない。

でもやっぱり、時は流れた
あの頃とは何もかも違ってしまったのは事実です。北川悠理も早川聖来も清宮レイもいません。

それでもなお、確かに変わらないものもある
4期生の「グループとしての強さ」。
そして穏やかで控えめでしなやかな、彼女たちならではの「乃木坂感」。
今ではそこに強さが加わっているけれど、それでもどこか揺らぎがある。

4期生だけの活動が減り見えにくくなってはいたけれど、彼女たちは今も変わらず4期生ならではの魅力を持ち続けている。

過ぎ去ったものへの悲しみと、大切なものがまだそこにある幸せ

その両方を感じられる素敵な卒業セレモニーでした。


続きます。

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過去に当ブログに掲載した記事を再構成し加筆したもの。
総文字数84,000文字、加筆部分だけでも10,000文字以上のボリュームでブログをご覧になった方にも楽しんでいただけることと思います。

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2024年8月10日、公式ブログで掛橋沙耶香さんが卒業と芸能界引退を発表しました。

その直後に私が思う掛橋沙耶香の魅力を書いたこちらの記事を公開しました。

関連記事:


当記事はいつもメンバーの卒業にあたって書いてきた、その乃木坂人生を振り返るものです。

勘がいい子


2018年8月19日、「坂道合同オーディション」に合格。
12月3日が初ステージとなる日本武道館でのお見立て会でした。

透明感抜群の素材型美少女。まさに「岡山の奇跡」。
しかし同期には「透明感モンスター」遠藤さくらがいました。

初の4期生楽曲『キスの手裏剣』でセンターに立ったさくちゃんに対し、掛ちゃんは後列の端からふたりめ。歌割りでいえば11人中のラスト3人でした。

運営序列は低かった。あるいは「階段を上っていく候補」だったのかもしれません。

しかし彼女は極めて早い時点からその階段を上り始めます。

上の記事で書いたように対応力が高い、いわゆる「勘がいい」子だったのでしょう。
(さくちゃんとかぶらない)あざとい妹キャラへと方針転換した彼女は、溢れる愛嬌で瞬く間に人気を上げました。

翌2019年4月『4期生初公演「3人のプリンシパル」』でも16戦7勝。ラスト6公演中5勝と怒涛の追い上げを見せます。

私はその怒涛の追い上げ前の2日目と7日目を観劇しましたが、わずか5日の間に「上手くなっている」とはっきり感じさせたのは彼女でした。
当時のレポに「将来的に演技の仕事を定期的にやっていけば化けるんじゃないでしょうか」と書いています。(『2019年の乃木坂46』収録)

この短期間での演技向上も掛ちゃんの勘の良さの表れだったように思います。

握手人気は最初から遠藤さくら・賀喜遥香と同等(=最速の完売速度)。
4期初参加となった4thアルバム、そして23rd&24thシングルでも同期内最速の完売を続けます。
25th『しあわせの保護色』で4期生が初めてスタートから30部フル設定となりますが、ここも最速となる2次完売。
これは同期の遠藤さくら、賀喜遥香、筒井あやめだけでなく、見た目上は福神固定の先輩たち=梅澤美波、久保史緒里、山下美月、与田祐希と並んだことになります。

彼女の快進撃は止まらず、24th収録の4期生楽曲『図書室の君へ』では遠藤さくらに次ぐふたりめの期別センターを射止めます。
同時期から始まった4期冠番組『乃木坂どこへ』でもなかなか前に出れない4期生の中で、初期から早川聖来とともに積極的な姿勢を見せ活躍。

しかし彼女が上昇基調にあったこのタイミングで訪れたコロナ禍。

次作となる26thシングルは約10ヶ月後の発売となり、前作で最速の完売速度だったにもかかわらず選抜入りは叶いませんでした

ここで選抜に入ったのは田村真佑と清宮レイ。
結果だけ見れば、ここで掛ちゃんとレイちゃんふたりの歯車が狂いました。

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そしてオンラインミーグリになったこの26th『僕は僕を好きになる』以降、掛ちゃんはやや完売速度を落とします。

田村真佑、早川聖来というお姉さん組ふたりが安定した完売速度を保ったのに比べ苦労していた印象。
このあたりもしかしたら彼女の「勘の良さ」が目線や雰囲気を感じ取るという同じ空間にいる事を前提とするもの(=握手会向き)でミーグリでは十分に発揮できなかったのかもしれません。
その影響か続く27thでも選抜入りは叶わず、早川聖来に先を譲ります。

待望の初選抜は2021年9月発売の28th『君に叱られた』
「2回待たされた」格好でした。彼女自身選抜発表時にブログで「茨の道でした」と語っています。
そこから30th『好きというのはロックだぜ!』まで3作連続の選抜入り。すべて3列目でした。

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2020年7月には地元岡山県に本社を置く「SUENAGAグループ」のイメージキャラクターに就任しテレビCMにも出演。
2021年3月には配信ドラマ『取り立て屋ハニーズ』で初主演。

『ノギザカスキッツ』の「保険ポリスは許さない」でさらば森田氏とバディを組んで「ちばけっとたら、おえんで!」の名台詞を生み出したり、『乃木坂スター誕生!2』ではぺこぱのおふたりとブラックビスケッツ『Timing』を歌ったり。
冠番組ではMC陣と息の合ったところを見せ活躍を続けます。

最後となった30thシングルのミーグリ(5期生が初めて最初から参加している状態)でも4次完売まで盛り返していますので、新人の勢いに飲み込まれずに自分のファンを掴んでいたと言えるでしょう。

加入当初はあどけない印象だったビジュアルもどんどん洗練されていき、10thバスラでは目を見張るほどの仕上がり。

私は大きな可能性を感じていました。

大人になった彼女が5期生たちと真っ向勝負しながら、選抜固定だった先輩メンバーの卒業により空いた穴を埋めてくれるんじゃないか。
なんなら福神固定ぐらいまではいってくれるんじゃないか、と

しかし、そんな願いは突然断ち切られました。

2022年8月29日

掛ちゃんは神宮でのライブ中に1塁ベンチ上の階段から転落し救急搬送されます。
あの日そのネットニュースを見て「どうか無事でいてくれ」と祈ったのが遠い昔のことのようです。

2ヶ月後にブログ上で語られた彼女の状態に、ファンは衝撃を受けました。

「私は転落した時に、顔の一部を骨折して、2箇所に裂傷の怪我をしました。また、歯も1本抜けて、周りの3本は折れて、神経の機能を失いました。現在は、縫合した傷跡を目立たなくするための治療、歯の治療、表情筋のリハビリ等の治療中です」

2023年の11thバスラ4期生ライブ。
事故から1年後となる2023年の神宮。

何度かあった「復帰するならここかも」というタイミングに、つい仄かな期待を抱いては落胆するということが続きます。

やがてそれも諦めに変わり、2年の月日が流れました。

そして

『大切なご報告』

そう題したブログで、我々はその日が来てしまったことを知りました。


続きます。

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2024年8月10日、公式ブログで掛橋沙耶香さんが卒業と芸能界引退を発表しました。

あの事故から2年。

ご本人が「未練はありません」と言っているのにこんなことを書くのは我ながら甚だ勝手だと思いますが、無念です。

岡山の奇跡


掛橋沙耶香が好きでした
当ブログをずっとご覧いただいている方はもしかしたら薄々お気づきだったかもしれません。

4期生の紹介動画で11人を初めて見た時に、一番気になったのが彼女。
その時から「推し」とまではいきませんが、ずっと「かなり好きなメンバー」のひとりでした。

透明感抜群の素材型美少女。
そのビジュアルは「どこにでもいそうなタイプだけど、絶対どこにもいないレベルで整っている」の究極形だと思います。

まさに「岡山の奇跡」。
その魅力は地元企業の「SUENAGAグループ」のCMでいかんなく発揮されています。





特に上のやつが好きです。


しかし同期には「あの」遠藤さくらがいました
さくちゃんは最初の個人PV『わたしには、なにもない』で透明感モンスターとでもいうべき姿を見せます。

大きな枠組みでいえば同系統(皆さん異論はあるでしょうが)にこんなモンスターがいる。そしてどうやら運営は彼女をエース候補として育てようとしている。

であれば、同じ土俵で勝負するのは得策ではない
聡い掛ちゃんは早いタイミングでそれに気づいていたように思います。
そしてもちろん運営も。だからこそ最初の個人PV『拾ってください』でネコ耳をつけて「にゃあ」とやらせたのでしょう。

余談ですが『I see…』のMVでさくちゃん担当の黒子が掛ちゃんだったのも皮肉というか何というか。

「儚くて不安げ」なさくちゃんに対し、「笑顔と愛嬌」の掛ちゃん。

こうして彼女はあざとい妹キャラへと方針転換します。(まあ実際にお兄さんがいるのであながち「キャラ」でもないのですが)

そして握手会で遠藤さくら・賀喜遥香と同等の完売速度を叩き出し見事にスタートダッシュを決めてみせます。

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ちゃんと努力してきた匂い


あざとで釣り師で妹キャラで企んでる感じ。無邪気でちょっとエキセントリック。

初期というか『乃木坂どこへ』放送期間ぐらいまでの掛ちゃんにそんなイメージを持っておられた方も多いのではないでしょうか。

でも個人的には、彼女の本質は努力家だと思っています。

名作バスケ漫画『あひるの空』で個人的に大好きなシーンがあります。

顧問の五月先生の名ゼリフ。
「やればやった分だけ結果が出るなんてのは、どこをどう探したって学校のテストだけです」
「でもそれがリアルでしょう!?」

そんな「学校のテスト」をちゃんと努力してきた匂い。
ちゃんとまじめに授業を受けて勉強してきた感じ。

それが掛橋沙耶香にはありました。
(大昔は与田祐希もその感じがあったのですが、近年は破天荒っぷりが前面に出ていますね笑)

個人的にはこういう子の方が好感が持てるんです。
可愛さとノリと雰囲気で人生乗り切ってきた感じの子はちょっと苦手。何かと苦労の多いロスジェネなんで笑

最初にその匂いを感じたのは『乃木坂工事中』での運動能力テスト。

テストの結果はかなりダメダメだったのですが、一生懸命チャレンジする彼女。
そして強く私の印象に残ったのが、現場のスタッフとコミュニケーションを取り確認しながら行う姿勢でした。

きっとこれまでの人生でも周りの大人とちゃんとやり取りをしながら、自分が何を求められているのか引き出そうとする「ものわかりのいい子(誉め言葉です)」だったんだろうな。

そう思いました。

後に『乃木坂どこへ』『ノギザカスキッツ』『乃木坂スター誕生!』と続いた日テレでの4期生冠番組でも、常にMCと会話しながら期待される役割をこなし安定した活躍を見せます。
さらば森田氏もぺこぱ松陰寺氏も彼女のことを信頼しているのが見て取れました。

そしてもうひとつ。

加入間もない2019年1月発売の『Platinum FLASH Vol.8』に掲載されたインタビュー。

「あなたにとってアイドルとは?」と尋ねられ、こう答えています

 一見華やかだけど、序列というかポジションとかがあるじゃないですか。
 ある意味で残酷な面もあって、そういうのも含めてきれいだと思います。
 それも含めてアイドルで、かわいいだけじゃないっていう。

当時これを読んで「憧れだけでなく覚悟も持って入ってきたんだな」そして「残酷な面も含めて云々というアンダラの本質を理解しているんだな」と感心したのを憶えています。(「アンダーメンバーの気持ちがわかるのか」と噛みつくファンがいそうだなとも思いましたけど)

この記事全体を通して「きちんとした受け答えのできるしっかりした子」という印象を受けました。


決して派手ではないけれど、どこにも文句のつけようがない整ったビジュアル
そして時々透けて見える「自分の能力の範囲内でちゃんと真面目にやってきた」雰囲気。

それが私の感じる掛橋沙耶香の魅力です。


この記事はそもそもコロナ前に書き始めたものでした。

何かと批判を浴びがちだった彼女。
それに対し「彼女の本質は努力家なところで、そこが魅力的」という私の考えを書きたかったのです。

例えばそらジローとのあれも、私には(制作側の意図を汲んで)「バラエティをやりにいった」ように見えましたし、そもそも批判の多くは溢れる愛嬌で一気に序列を上げた彼女に対する反発から来ていたように思います。

しかし書き上げるタイミングを見失っているうちにあの事故があり、出すに出せなくなりました。

今回、卒業発表を受けて書き上げましたが、タイトルも内容も当初から変えていません。

私が彼女から受ける印象が今でも変わっていないからです。

掛橋沙耶香が、好きでした


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「今にして思うこと」は各章の末尾に「追記」という形で新たに文章を加え、さらに書き下ろしとして4期生の初冠番組であった『乃木坂どこへ』を振り返っています。


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びーむ色調補正3
2022年6月26日、ぴあアリーナMMにて行なわれた乃木坂スター誕生!LIVE。その夜の部を視聴しましたのでレポします。

さすがの貫録の先輩たち(一名を除く)


セットリストはこちらです。

オープニング漫才(ぺこぱ)

01. ザ☆ピ〜ス!(掛橋沙耶香、黒見明香、佐藤璃果、清宮レイ、矢久保美緒)
02. DESIRE(賀喜遥香)
03. 青い珊瑚礁(柴田柚菜)
04. ラムのラブソング(遠藤さくら)
05. プレゼント(矢久保美緒)
06. Diamonds(佐藤璃果)
07. ひなげしの花(黒見明香)
08. プレイバックpart2(林瑠奈)

09. 淋しい熱帯魚(賀喜遥香、田村真佑)
10. かけめぐる青春(清宮レイ、松尾美佑)
11. Timing(ぺこぱ、掛橋沙耶香)
12. 春一番(佐藤璃果、柴田柚菜、筒井あやめ)
13. ペッパー警部(金川紗耶、弓木奈於)

14. 夏色のナンシー(清宮レイwith乃木スタメイツ:掛橋沙耶香、黒見明香、佐藤璃果、矢久保美緒)
15. 守ってあげたい(北川悠理)
16. 君は天然色(松尾美佑)
17. CHE.R.RY(田村真佑)
18. セーラー服と機関銃(筒井あやめ)
19. 渡良瀬橋(金川紗耶)

20. どうにもとまらない(山本リンダ、林瑠奈)
21. 狙いうち(山本リンダ、樋口日奈)
22. Everything(久保史緒里)
23. ツイてるねノッてるね(伊藤理々杏withスーパーたまちゃんず:阪口珠美、佐藤楓、吉田綾乃クリスティー)
24. 愛のしるし(与田祐希、筒井あやめ)

25. 心の旅(譚:掛橋沙耶香、北川悠理)
26. フライングゲット(佐藤璃果、柴田柚菜、清宮レイ、林瑠奈、矢久保美緒)
27. EZ DO DANCE(DJ KOO、松陰寺太勇、弓木奈於withスーパーやんちゃんず:遠藤さくら、金川紗耶、田村真佑、松尾美佑)
28. YOU ARE THE ONE(DJKOO、全員)

ノギザカスキッツ出張VTR
「まゆたんは愛されたい」+「保険ポリス」(さらば青春の光)

乃木坂46 4期生SPECIAL LIVE

Overture
01. 4番目の光
02. 走れ!Bicycle(センター:柴田柚菜)
03. ガールズルール(センター:賀喜遥香)

04. 命は美しい(センター:筒井あやめ)
05. 制服のマネキン(センター:柴田柚菜)
06. 猫舌カモミールティー
07. 図書室の君へ
08. キスの手裏剣
09. I see…

EN1 おいでシャンプー(センター:遠藤さくら)


印象に残ったシーンを挙げていきます。

オープニングの『ザ☆ピ〜ス!』は全員めちゃめちゃ力んでましたね。
後ろ足をピョコピョコ上げる振り付けがひときわ楽しげな清宮レイ

賀喜遥香の『DESIRE』で起きたどよめき。
かなりオリジナルの歌い方を研究している感じが好感。

遠藤さくらは『ラムのラブソング』。ド緊張で声を震わせながらも笑顔はしっかりキープ。
そして続く矢久保美緒の、歌い出し寸前までさくちゃんを肯定し続ける優しさ(自分の歌唱プレッシャーもあったろうに何ていいやつ!)。

『ひなげしの花』は頭のハイトーンが凄く強いバランスで出ていてびっくり。
黒見明香はだいぶ表情が柔らかくなりましたね。

MCで「また角生やしたの?」に「生やしました~」と微笑む遠藤さくら

『Timing』、ぺこぱのおふたりに挟まれ小っちゃくて可愛い掛橋沙耶香

北川悠理の『守ってあげたい』。彼女の声はちょっとユーミンっぽいんですね。

いわゆる田村真佑の「チャーミングなところ」が全開だった『CHE.R.RY』。

無表情が似合う筒井あやめの『セーラー服と機関銃』。
この日に限らず、いつも自分の歌割りではしっかりマイクに声を載せてくるあやめんの歌は好感が持てます。

金川紗耶は『渡良瀬橋』。
本人は「自信ない」らしいですけど、個人的に彼女の歌声も歌唱も嫌いじゃないです。

『どうにもとまらない』。
急遽この日欠場となった早川聖来の代打を務めた林瑠奈。しかも山本リンダさんご本人登場というプレッシャーのかかる場面を堂々と、実に堂々とやってのけます。

なんて男前。
むしろ普段のライブで乃木坂曲を歌う時の方が緊張しているように見えます。
きっと彼女にとっては「乃木坂の曲を歌い継ぐ」ことの方が「怖い」のでしょう。
そんなグループに対する強い愛情と憧憬が垣間見られ、個人的にはめちゃめちゃ好感度が上がりました。

続く『狙いうち』から先輩ゾーンに入ります。
樋口日奈はもう「さすがの貫録」の一言でいいですね。

「歌姫」と大煽りされて登場の久保史緒里『Everything』。
案外緊張していないように観えました。
ただ個人的には曲との相性の問題で、彼女本来の素晴らしさが十分には発揮されていなかったように思います。

それでも「あなたが想うより強く」の「う」一音だけファルセットにする出し入れが完璧だったのはさすが我らが久保ちゃん。

さらに『ツイてるねノッてるね』の伊藤理々杏もやっぱり「貫録」と表現したくなる落ち着きと安定感。スーパーたまちゃんず3人の美しさも。

そして出てきたのは初期PUFFYインスパイアのハイツインふたり組

よだめん=与田祐希筒井あやめによる『愛のしるし』。
「久しぶりのツインテールで変なスイッチが入った」らしい与田っちょがラスサビで頭をブンブン振り回し、マイクがちゃんと音拾うか観ているこちらが心配になります笑

先輩の中でただひとり「貫録など一切感じさせない」のがさすが与田っちょ
冗談でも皮肉でもなく、本当に彼女の素晴らしさだと思います。

掛橋沙耶香北川悠理のユニット「譚」による『心の旅』。
涙を流す悠理ちゃん。優しくハモるさぁちゃん。
ウッドベースとパーカッションも加わり、暖かな時間が流れます。

クライマックスはDJ KOOさん登場からの『EZ DO DANCE』。そら盛り上がりますわな。

いったん終了し、乃木坂曲でのスペシャルライブへ。

遠藤さくらの「皆さんにキスの手裏剣いっぱい投げちゃうもんね~」という煽り。

賀喜遥香に「ちばおえ」を強制される掛橋沙耶香も可愛かった。
彼女は『I see…』でこっそりやっていたプク顔ウインクも良かったですね。

この日の「仕上がってるメン」は与田祐希

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4期生たちのひと区切り


個人的には観ていて楽しかったです。

まあ正直、歌唱力という意味では何度か「あらら…」という場面もありました。

そして声を潰していたメンバーが複数いた気がします。
練習しすぎなのか、昼の部で潰したのか、単に緊張でノドが縮んでいたのかもしれませんが。

いつもはグループの中で何人かのうちのひとりとして歌う機会がほとんどの彼女たち。

観衆の前で歌声をソロで響かせる時、自分がどうなるのか
それを知れたことは大きいし、それぞれが今後の糧にすればいいと思います。

そして先輩たちの見せた貫録の姿。

与田祐希を除けば、全員『セラミュ』キャストかつ外仕事でも舞台経験ありなんですよね。

やっぱり連日お客さんの前で歌を歌った経験のあるメンバーは腹の据わり方が違うな、と思わされました。

『見殺し姫』『星の王女さま』そして『ザンビ』と、3期生はプリンシパル以外にも結構舞台を経験しています。(与田っちょも『見殺し姫』と『ザンビ』は出演)

そう考えると、4期生も一度全員出演の村内舞台をやっておくといい気がしますね。(スケジュールの都合で現実的には難しいでしょうが)


4期生にとってはここでいったん一区切り。

『乃木坂どこへ』『ノギザカスキッツ』そして『乃木坂スター誕生!』と2年半にもわたって冠番組を持ち続けた4期生。もちろんコロナの影響や新4期の途中加入という要素はあったけれど、それは彼女たちにとって「僥倖」以外の何物でもありませんでした。

それだけの機会を与えられて彼女たちはどこまで来たのか。

それを示すのが総決算であるこの日の意味であったと思います。
(だからこそ早川聖来もなんとしても出たかったんじゃないかな、と思います)

そしてそれぞれが番組で発掘された自分の個性を発揮したという面において、その2年半が無駄ではなかったことを彼女たちは証明してみせました。

冠番組は5期生に移りました。これからはきっと「期別」ではなく個人戦の要素が増えてきます。
それに焦りを覚えているメンバーもいるかもしれません。

でも4期生は先輩たちとは違い「TV慣れ」という経験(=TV的にどういうところがオンエアされてそれにどういう反響があるかを知ること)を活動初期から存分に積むことができた。

その強みを自覚して、これからの乃木坂を盛り上げていってほしいです。


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