ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

タグ:林瑠奈

びーむ色調補正3
前の記事では印象に残ったシーンを列挙しました。

関連記事:


こちらではライブの中心となったふたりのセンター、伊藤理々杏と林瑠奈についてです。

支える先輩、向き合う後輩


この日、本編ラストの座長MCを務めたのは4期生の林瑠奈。

Wセンターのもうひとりである伊藤理々杏はこの場面に限らず、この日ずっと後輩である林ちゃんに花を持たせている感じがありました。
そしてその姿は非常に好感の持てるものでした。

自分の役割は初の4期生センターを支えること。そしてパフォーマンスで中心となること。

そのふたつにしっかりと集中できていた感じです。

理々杏自身、初のアンダーセンターでした。
相当、期するところがあったはずです。

まして33枚目シングルで選抜入りした際に「アンダーセンターは選抜入りへのラストチャンスだと思っていた」と語った彼女。

その認識がありながら、それでも理々杏はしっかりと後輩を立ててみせました。

彼女が自らその境地に達したのか誰かに言われてなのかはわかりません。
だとしてもまだ20歳の彼女がそれを受け入れるのは決して簡単なことではなかったでしょう。

それを単純に美談として語るのは違う気がしますが、ただただ「立派だな」と思います

そんな「一歩引いた」印象でありながら、パフォーマンスではちゃんと存在感をアピールしていたのも見事でした。


そして林瑠奈。

ド迫力だった『ショパンの噓つき』

シャンソン歌手のようなイメージの衣装と演出。

こういうの=宝塚やシャンソン歌手のような演出って基本アイドルは「パロディ」としてやるじゃないですか。
そしてそれは別に悪いことではないと思うんですよ。観客に「ゴージャス」を直感的に伝えることができますから。

それこそ例えば仮に生田絵梨花がこれをやっていてもやはり「パロディ」だったと思います。
それは歌唱力がどうとか演技力がどうのとかいう話ではなく、生ちゃんが持つコメディエンヌとしての資質と「陽」の力が強いから。そして「アイドル」自体が生田絵梨花のひとつの側面であって全体像ではないからです。

しかしこの日の林瑠奈は、真っ向からそして生真面目にその演出に向き合いました。

「パロディ」や「学芸会」にならないそのビジュアルと歌唱、それ以上に「佇まい」の説得力たるや。
「重厚」かつ「耽美的」と表現したくなるような素晴らしいパフォーマンスでした。

彼女には「湿度」があるのだと思います。
観る者を引きずり込むような、一種の緊張を強いる独特な雰囲気

個人的には舞台での演技を観てみたいと思いました。

当サイトはアフィリエイトプログラムで雀の涙未満の微々たる収益を得てはおりますが、本文の内容は100%私の個人的な意見であり忖度は一切ございません。


正解はそのうちわかる


もうひとつ、32ndアンダーについて語るなら触れずにはいられないことがあります。

4月7日放送の『ミュージックステーション』で披露された『人は夢を二度見る』。

大河ドラマの撮影で欠席する久保史緒里に代わり、山下美月とWセンターを務めたのは林瑠奈でした。

井上小百合推しの自分としては地上波生放送の歌番組でアンダーセンターが代打を務めるというだけでグッときてしまいます

大間奏。
メンバーたちが作った輪の中心で美月とハイタッチをする林ちゃん。

乃木坂ドリーム、とでも言えばいいのでしょうか。

8thバスラで挨拶をした直後にコロナ禍が始まり、握手会もライブも知らずにいた「新4期生」。

彼女たちが初めてファンと直接交流したのは26thシングル『僕は僕を好きになる』のミーグリ。既に加入から約1年が経過していました。

「初動」で躓いた影響は大きく、ミーグリ人気はなかなか上がりませんでした。
林ちゃんもほんの1年前(『Actually…』の時)まで完売はひとつかふたつの枠だけ。

そんな彼女が今、グループの顔のひとりである美月と笑顔でハイタッチを交わしている

最高にかっこ良く、痺れる瞬間でした。


しかしアンダラ閉幕後から体調不良でミーグリの欠席が目立ち始めた林ちゃんは6月に活動休止を発表します。

この1年で本当に大きな変化を経験した彼女。

大学に入学し。
バナナマン設楽さんに『乃木坂工事中』の「キメ顔グランプリ」で10thバスラの姿を「アイドルがステージで輝いているのを絵に描いたみたい」と褒められ。
ミーグリの完売が少しずつ増え。
ひとりで外番組に出演するようになり。
『ここにはないもの』で初選抜。
同シングルのカップリング『アトノマツリ』MVの編集を行い。
次作では「特別な想いを持っている場所」アンダーセンターに。

「いつか」と思っていた目標が、手を伸ばせば届く距離にあることに気づいてしまった

選抜入りした時の素直に喜べない姿。
アンダラの舞台裏で見せた不安気な表情。

今にして思えば、突然広がった自分の可能性に戸惑い混乱し怯えていたように見えます。


それでも、いわゆる「古参オタ」である私は思ってしまうのです。

林瑠奈なら

伊藤万理華のように、アンダラを再び「今一番熱いライブ」へと押し上げ。
その先に開ける道を、待望の(齋藤飛鳥以来誕生していない)「叩き上げのスター」への道を歩んでくれるのではないか、と。

ずっと乃木坂を見てきた運営も、彼女にその可能性を感じたから

4期生で最初にアンダーセンターとして選んだ。
生放送での代打センターとして選んだ。

私にはそう思えます。


ここまでおっさんオタの勝手な期待を書いてきてしまいましたが、
林瑠奈さんがご自分のペースでゆっくりとお身体を癒されることを心から願っています。


『2020年の乃木坂46』 kindle版
過去に当ブログに掲載した記事を再構成し加筆したもの。
総文字数84,000文字、加筆部分だけでも10,000文字以上のボリュームでブログをご覧になった方にも楽しんでいただけることと思います。

「今にして思うこと」は各記事の末尾に「追記」という形で新たに文章を加え、さらに書き下ろしとして4期生の初冠番組であった『乃木坂どこへ』を振り返っています。


Kindle本が読み放題になる Kindle Unlimited の新規登録は こちら から。 
初めてご利用の方は30日間の無料体験が可能。期間終了後は月額980円です。

また、note上で乃木坂46に関する有料記事を公開しています。どちらも無料で読める部分がありますのでぜひご覧ください。

『アンダラ伝説』¥300
伝説のアンダーライブ2ndシーズンを題材にしたセミドキュメンタリー小説。あの頃の熱量を叩き込んだ渾身の50,000文字です。
 

マガジン「2019年の乃木坂46」¥200
当ブログに掲載された記事を再構成し加筆したもの。総文字数10万文字、加筆部分だけでも22,000文字以上のボリュームでブログをご覧の方にも楽しんでいただけることと思います。



 


びーむ色調補正3
個人的には本当に久しぶりとなるアンダラ現地参戦。

Wセンターとはいえ4期生初となるアンダーセンター林瑠奈、さらに5期生合流と「ここは観ておいた方がいい」予感でいっぱい

幸いにも千秋楽のチケットが取れたので行ってきました。

「ネクスト・ビッグ・シング」冨里奈央


セットリストはこちら。

01. 新しい世界(3期生)
02. マシンガンレイン(4期生)
03. 左胸の勇気(5期生→全員)

Overture

04. さざ波は戻らない
05. ここにいる理由(センター:林瑠奈)
06. あの日 僕は咄嗟に嘘をついた(センター:伊藤理々杏)

<チーム理々杏VSチーム林>
07. 音が出ないギター(センター:伊藤理々杏、佐藤、吉田、黒見、矢久保、冨里、中西)
08. 命は美しい(センター:吉田綾乃クリスティー、理々杏、佐藤、黒見、矢久保、冨里、中西)
09. ショパンの嘘つき(センター:林瑠奈、阪口、向井、北川、清宮、池田、小川、奥田)
10. ごめんねFingers crossed(センター:阪口珠美、向井、北川、清宮、林、池田、小川、奥田)

11. ありがちな恋愛(センター:伊藤理々杏/林瑠奈)
12. 狼に口笛を(センター:佐藤楓)
13. 13日の金曜日(センター:向井葉月)

<ユニットコーナー>
14. Out of the blue(黒見明香、矢久保美緒、池田瑛紗、冨里奈央)
15. アトノマツリ(北川悠理、林瑠奈)
16. もしも心が透明なら(阪口珠美、佐藤楓、向井葉月、清宮レイ、小川彩)
17. パッションフルーツの食べ方(伊藤理々杏、吉田綾乃クリスティー、奥田いろは、中西アルノ)

18. 自惚れビーチ(センター:清宮レイ)
19. 口ほどにもないKISS
20. 嫉妬の権利(センター:北川悠理/矢久保美緒)
21. 届かなくたって…
22. 錆びたコンパス(センター:吉田綾乃クリスティー)
23. 日常(センター:向井葉月)
24. 誰よりそばにいたい(センター:伊藤理々杏/林瑠奈)

EN
EN1. そんなバカな…
EN2. ガールズルール(センター:林瑠奈)
EN3. 乃木坂の詩

WEN ロマンスのスタート


印象に残ったシーンを挙げていきます。

まずこの日のビジュアル仕上がってるメンは冨里奈央
ライブ中盤から、彼女のあざといポーズがモニターに映し出されるたびに客席が沸く現象が起きていました。まさに「ネクスト・ビッグ・シング」。

個人的には高身長と長い手足を活かした彼女の躍動感のあるダンスも印象に残りました。
舞台上のメンバーを直接(モニターではなく、という意味です)観ている時にダンスで目を引かれて「あれ、誰だろ?」とオペラグラスで確認すると冨里奈央、ということが何度かありました。

「集団として踊っている中で目を引く」という意味ではこの日、それこそ佐藤楓と双璧だったのではないかと思います。

当サイトはアフィリエイトプログラムで雀の涙未満の微々たる収益を得てはおりますが、本文の内容は100%私の個人的な意見であり忖度は一切ございません。


オープニングは各期の「初めて参加したアンダー曲」。

『ここにいる理由』そして『あの日 僕は咄嗟に嘘をついた』のイントロで上がる、全体ライブでの披露時とは明らかにボリュームが違う歓声。

『音が出ないギター』での伊藤理々杏のロングトーン。

『ショパンの嘘つき』と林瑠奈については別途書きます。

『ごめんねFingers crossed』!
どよめく客席。そしてセンターが阪口珠美であることに気づいてさらに沸き上がる歓声。

『Out of the blue』が意外と似合う黒見明香(いやそもそもオリメンですけど)。
想定通り、いやそれ以上に似合う冨里奈央

オリジナルは長身美脚ユニット(梅澤美波、中村麗乃、早川聖来、松尾美佑)の『もしも心が透明なら』。それを真ん中で踊る小川彩。驚愕の15歳を支える先輩たち。

もういっちょ珍しい曲来た『パッションフルーツの食べ方』。
オリジナルは梅澤美波、久保史緒里、与田祐希、遠藤さくらというエース級なのだが何とも地味なこの楽曲。

中西アルノがフェイクで下パートだったのですが、下支えが実に上手い。やはり彼女の低音には魅力があります。余談ですが『超・乃木坂スター誕生!』での『今夜はブギーバック』の歌い出しも素晴らしかった

その本編最終ブロック。

怒涛のアンダー曲連打。
サイリウムカラー固定曲の連続で忙しかったですが笑
『錆びたコンパス』から『日常』というアンダラの誇る両アンセムの流れは圧巻でした。

ラスト前のMCまでは座長以外が入れ替わり立ち代わりセンターを務める構成。
29thアンダラ(座長は佐藤楓)もこのパターンで、その時は「もっとでんちゃん一本かぶりでもいいのでは」とややネガティブに捉えていました。

でもこの日は最初のブロックからチーム対抗までは、かなりセンターふたりにフォーカスしていたので良いかと。

アンコールはブチ上げ曲+『乃木坂の詩』という実にスタンダードなもの笑

『ガールズルール』における林瑠奈の「これまでの人生ではっちゃけてこなかった人のフルスイング(山下美月も見せるあれです)」も非常に好感が持てました。

いや~、いいセトリでしたね。

アンダー楽曲中心。

まずオープニングと本編ラストでそれぞれ6曲と7曲連続披露とガッチリ固めています。
ライブ中盤はチーム対抗戦とユニットコーナーでバリエーションを見せましたが、その真ん中にも『狼に口笛を』『13日の金曜日』という重要な楽曲を配置。

そんな「重心の低い」構成。ユニット曲もマイナーめ。
そこへ突如割って入る『ごめんねFingers crossed』と『ありがちな恋愛』。

期待に応える部分とそれを良い方に裏切る部分のバランスが絶妙でした。

そして、各期の持ち味が実によくミックスされていました。

32ndが初めて「1期2期のいない世界」だった選抜とは違い、31stで既に先輩のいないアンダラを経験していたことも大きかったのだと思います。

言うまでもなく圧倒的な軸である3期
確かな自信を手にした4期
北川、矢久保、黒見、林と加入当初はダンスに苦労していたメンバー揃いなところがまたグッときますね。

そこにフレッシュさと勢い、そして明るさを加えた5期
それだけでなく各自の得意分野(例えば小川彩のダンス)では高い完成度も見せるところが凄い。

そしてこの日のライブをビシッと成立させたのは、ふたりのセンター。

伊藤理々杏と林瑠奈については次の記事で書きます。


続きます。


『2020年の乃木坂46』 kindle版
過去に当ブログに掲載した記事を再構成し加筆したもの。
総文字数84,000文字、加筆部分だけでも10,000文字以上のボリュームでブログをご覧になった方にも楽しんでいただけることと思います。

「今にして思うこと」は各記事の末尾に「追記」という形で新たに文章を加え、さらに書き下ろしとして4期生の初冠番組であった『乃木坂どこへ』を振り返っています。


Kindle本が読み放題になる Kindle Unlimited の新規登録は こちら から。 
初めてご利用の方は30日間の無料体験が可能。期間終了後は月額980円です。

また、note上で乃木坂46に関する有料記事を公開しています。どちらも無料で読める部分がありますのでぜひご覧ください。

『アンダラ伝説』¥300
伝説のアンダーライブ2ndシーズンを題材にしたセミドキュメンタリー小説。あの頃の熱量を叩き込んだ渾身の50,000文字です。
 

マガジン「2019年の乃木坂46」¥200
当ブログに掲載された記事を再構成し加筆したもの。総文字数10万文字、加筆部分だけでも22,000文字以上のボリュームでブログをご覧の方にも楽しんでいただけることと思います。



 


タオル補正
前の記事では「5期生選抜入りせず」から想像される次回作の展望を書きました。

関連記事:


当記事では今回の選抜発表に先立ち、よく話題に上がっていた佐藤璃果と林瑠奈について。

林、林に追いついたか?


共に新4期生として加入し、前作の4期生曲『ジャンピングジョーカーフラッシュ』ではセンター筒井あやめの両隣を務めたふたり。

「選抜入りか?」「4期生初のアンダーセンターかも?」「久々のアンダーWセンターというのはどうだ」等々、期待が膨らんでいました。

そして選抜が発表され、ふたりの明暗は分かれます。

初選抜を勝ち取ったのは林瑠奈でした。

当ブログをご覧いただいている方はお気づきかと思いますが、個人的には林ちゃんを非常に高く評価しています。

彼女の強みは「フック」の多さ

はっきりした顔立ち、しかもあまりアイドルにはいないタイプの目を引く美人顔
「ドスの効いた」声を出せる歌唱力。『乃木坂スター誕生!』での『白い恋人達』は実に良かったですね。
加入当初の白目やつい先日の『乃木坂工事中』内輪ウケものまねでもわかるように笑いに積極的。
しかもきちんと話せるしっかり者なので外番組にも安心して送り出せる。

そのフックの多さはすなわちきっかけ」の多さであり「化ける」可能性の高さでもあります。

しかし私が思う彼女の最大の魅力は「乃木坂愛」。

コントでアドリブ放り込んだり、突然の代打で山本リンダさんとの共演をやってのけたりとこれまで何度もハートの強さを見せてきた彼女。
それなのに乃木坂の曲を歌う時は大切すぎて緊張で震えてしまうという、グループへの強い想い

そして2期生ラブ、アンダーラブの熱いハート。
それを隠さない彼女ですから、私は29thシングルアンダーライブの記事で「近い将来のアンダーセンター候補」と評しました。

この時点では「だがミーグリ完売実績という数字の裏付けがないためまだそこには時期尚早」という但し書きがついていたのですが。

関連記事:


30thシングルのアンダラでも評価を上げ、ミーグリはじりじり完売を伸ばし最終的に18/30。
29thでの2/30から大躍進しそのまま今回の選抜入りへ。

個人的には正直驚きました笑

当サイトはアフィリエイトプログラムで雀の涙未満の微々たる収益を得てはおりますが、本文の内容は100%私の個人的な意見であり忖度は一切ございません。


正念場にして大チャンス


選抜入りが叶わなかった佐藤璃果。

彼女は加入当初からミーグリの完売では健闘を続けてきました。
新4期生の中ではスタートダッシュを決め、アンダーメンバーの中でもほぼ最上位。

柴田柚菜や金川紗耶、そして弓木奈於といったなんらかのきっかけを掴んだメンバーが選抜入りするのを見ながら、ずっと「次こそは」と思っていたはずです。

そして30thシングルのミーグリでは舞台出演の都合により総部数が20だったものの8次で待望のフル完売を成し遂げます。

その舞台と全ツ、さらにアンダーライブというハードスケジュール。
それを駆け抜けた先に目標である選抜入りというゴールがあると信じていたのに、叶わなかった落胆。

かつて井上小百合が14thシングル選抜期間に舞台3本同時進行という常軌を逸したスケジュールをこなした挙句、15thで選抜から外れるというあまりにあまりな仕打ちを受けたことが思い出されます。
その時に盟友・伊藤万理華が激怒してくれたことも。
彼女自身もこの時に選抜から外れたのですが、それでも自分のことではなく井上小百合のために「あんな無茶苦茶なスケジュールをやり遂げたさゆを外すのはおかしい」と怒ってくれたことを。

話を佐藤璃果に戻します。

選抜発表直後のブログで「涙枯れるくらい泣きました」と辛い気持ちを吐露したさとりか。

そして「アンダーも素敵で大切で大好きだけど、私の目標はいつだって選抜です」と。

この悔しさを露わにした文章は賛否両論を呼びました。

否定的な意見もわかるんです。

「何作もフル完売を続けてそれでも選抜入りできなかった先輩メンバーもいる」のはその通り。でも握手とミーグリはイコールで比べられるものでもないよなとも思います。(ミーグリの方が「推し増し」を誘発しづらい)

「メンバーがこういうネガティブなことをストレートに言うのは苦手」という方もおられるでしょう。でもまあ1期2期のメンバーはもっとバッチバチの時期を何年も過ごして、それを越えたうえであのお互いを尊重し合う空気を纏ったんですけどね。

ということで個人的には、さとりかのブログは圧倒的に「賛」です。

凄く無責任な表現で彼女とファンの方には怒られると思いますが、「本気で悔しいと言える状況までようやくたどりついた」ことが嬉しい。

やっと競争できるところまできたというか。

2020年夏の『Route246』は選抜常連メンバーで固められ完全に「新・超選抜」の雰囲気がありました。(元祖超選抜は『ハルジオンが咲く頃』)

そこから1期生の卒業が相次ぎ空席ができるものの、そこに収まった4期生とそれ以外のメンバーとの間にミーグリ完売実績で差が開きます。

結果として約2年もの間「選抜からアンダーになるメンバーがほとんどいない」という異常事態が続きました。

そこに風穴を開けたのが前作における金川紗耶と弓木奈於

センター佐藤楓の左右を務めた29thアンダラで評価を上げ、ミーグリの売り上げもアンダーメンバーの中では少し抜けた数字を叩き出し一気に選抜入り。

さらに30thのミーグリはともに4次完売。
これはほぼ福神固定メン(と田村真佑)に次ぐ堂々の売り上げでした。
当然のようにふたりとも31stで連続選抜を勝ち取ります。

アンダーメンバーもそのファンにも、このふたりの躍進が光明になったのではないでしょうか。これが佐藤璃果と林瑠奈が30thでミーグリの完売を伸ばした理由のひとつであるのは間違いないと思います。

やっと乃木坂が活性化してきた。そんな印象です。


もうひとつ、最後に書いておきたいのは佐藤璃果が「アンダーに選ばれた可能性」

かつての伊藤万理華のように。

8th『生まれたままで』9th『ここにいる理由』と2作連続でアンダーセンターを務め、かつては無料でも全然客を呼べなかったアンダラを「今、一番熱いライブ」と言われるまでにしていた万理華。それでも10thシングルもアンダーだった万理華。

今回のさとりかも集客面で大きな期待をされていることと思います。(であればアンダーセンターに据えるべきだったのに、とも思います)

そこで「濃い」アンダラファンに何を見せられるか

彼らの心を動かすことができるのか。

佐藤璃果にとって、正念場であると同時に大チャンスです。


『2020年の乃木坂46』 kindle版
過去に当ブログに掲載した記事を再構成し加筆したもの。
総文字数84,000文字、加筆部分だけでも10,000文字以上のボリュームでブログをご覧になった方にも楽しんでいただけることと思います。

「今にして思うこと」は各記事の末尾に「追記」という形で新たに文章を加え、さらに書き下ろしとして4期生の初冠番組であった『乃木坂どこへ』を振り返っています。


Kindle本が読み放題になる Kindle Unlimited の新規登録は こちら から。 
初めてご利用の方は30日間の無料体験が可能。期間終了後は月額980円です。

また、note上で乃木坂46に関する有料記事を公開しています。どちらも無料で読める部分がありますのでぜひご覧ください。

『アンダラ伝説』¥300
伝説のアンダーライブ2ndシーズンを題材にしたセミドキュメンタリー小説。あの頃の熱量を叩き込んだ渾身の50,000文字です。
 

マガジン「2019年の乃木坂46」¥200
当ブログに掲載された記事を再構成し加筆したもの。総文字数10万文字、加筆部分だけでも22,000文字以上のボリュームでブログをご覧の方にも楽しんでいただけることと思います。



びーむ色調補正3
2022年6月26日、ぴあアリーナMMにて行なわれた乃木坂スター誕生!LIVE。その夜の部を視聴しましたのでレポします。

さすがの貫録の先輩たち(一名を除く)


セットリストはこちらです。

オープニング漫才(ぺこぱ)

01. ザ☆ピ〜ス!(掛橋沙耶香、黒見明香、佐藤璃果、清宮レイ、矢久保美緒)
02. DESIRE(賀喜遥香)
03. 青い珊瑚礁(柴田柚菜)
04. ラムのラブソング(遠藤さくら)
05. プレゼント(矢久保美緒)
06. Diamonds(佐藤璃果)
07. ひなげしの花(黒見明香)
08. プレイバックpart2(林瑠奈)

09. 淋しい熱帯魚(賀喜遥香、田村真佑)
10. かけめぐる青春(清宮レイ、松尾美佑)
11. Timing(ぺこぱ、掛橋沙耶香)
12. 春一番(佐藤璃果、柴田柚菜、筒井あやめ)
13. ペッパー警部(金川紗耶、弓木奈於)

14. 夏色のナンシー(清宮レイwith乃木スタメイツ:掛橋沙耶香、黒見明香、佐藤璃果、矢久保美緒)
15. 守ってあげたい(北川悠理)
16. 君は天然色(松尾美佑)
17. CHE.R.RY(田村真佑)
18. セーラー服と機関銃(筒井あやめ)
19. 渡良瀬橋(金川紗耶)

20. どうにもとまらない(山本リンダ、林瑠奈)
21. 狙いうち(山本リンダ、樋口日奈)
22. Everything(久保史緒里)
23. ツイてるねノッてるね(伊藤理々杏withスーパーたまちゃんず:阪口珠美、佐藤楓、吉田綾乃クリスティー)
24. 愛のしるし(与田祐希、筒井あやめ)

25. 心の旅(譚:掛橋沙耶香、北川悠理)
26. フライングゲット(佐藤璃果、柴田柚菜、清宮レイ、林瑠奈、矢久保美緒)
27. EZ DO DANCE(DJ KOO、松陰寺太勇、弓木奈於withスーパーやんちゃんず:遠藤さくら、金川紗耶、田村真佑、松尾美佑)
28. YOU ARE THE ONE(DJKOO、全員)

ノギザカスキッツ出張VTR
「まゆたんは愛されたい」+「保険ポリス」(さらば青春の光)

乃木坂46 4期生SPECIAL LIVE

Overture
01. 4番目の光
02. 走れ!Bicycle(センター:柴田柚菜)
03. ガールズルール(センター:賀喜遥香)

04. 命は美しい(センター:筒井あやめ)
05. 制服のマネキン(センター:柴田柚菜)
06. 猫舌カモミールティー
07. 図書室の君へ
08. キスの手裏剣
09. I see…

EN1 おいでシャンプー(センター:遠藤さくら)


印象に残ったシーンを挙げていきます。

オープニングの『ザ☆ピ〜ス!』は全員めちゃめちゃ力んでましたね。
後ろ足をピョコピョコ上げる振り付けがひときわ楽しげな清宮レイ

賀喜遥香の『DESIRE』で起きたどよめき。
かなりオリジナルの歌い方を研究している感じが好感。

遠藤さくらは『ラムのラブソング』。ド緊張で声を震わせながらも笑顔はしっかりキープ。
そして続く矢久保美緒の、歌い出し寸前までさくちゃんを肯定し続ける優しさ(自分の歌唱プレッシャーもあったろうに何ていいやつ!)。

『ひなげしの花』は頭のハイトーンが凄く強いバランスで出ていてびっくり。
黒見明香はだいぶ表情が柔らかくなりましたね。

MCで「また角生やしたの?」に「生やしました~」と微笑む遠藤さくら

『Timing』、ぺこぱのおふたりに挟まれ小っちゃくて可愛い掛橋沙耶香

北川悠理の『守ってあげたい』。彼女の声はちょっとユーミンっぽいんですね。

いわゆる田村真佑の「チャーミングなところ」が全開だった『CHE.R.RY』。

無表情が似合う筒井あやめの『セーラー服と機関銃』。
この日に限らず、いつも自分の歌割りではしっかりマイクに声を載せてくるあやめんの歌は好感が持てます。

金川紗耶は『渡良瀬橋』。
本人は「自信ない」らしいですけど、個人的に彼女の歌声も歌唱も嫌いじゃないです。

『どうにもとまらない』。
急遽この日欠場となった早川聖来の代打を務めた林瑠奈。しかも山本リンダさんご本人登場というプレッシャーのかかる場面を堂々と、実に堂々とやってのけます。

なんて男前。
むしろ普段のライブで乃木坂曲を歌う時の方が緊張しているように見えます。
きっと彼女にとっては「乃木坂の曲を歌い継ぐ」ことの方が「怖い」のでしょう。
そんなグループに対する強い愛情と憧憬が垣間見られ、個人的にはめちゃめちゃ好感度が上がりました。

続く『狙いうち』から先輩ゾーンに入ります。
樋口日奈はもう「さすがの貫録」の一言でいいですね。

「歌姫」と大煽りされて登場の久保史緒里『Everything』。
案外緊張していないように観えました。
ただ個人的には曲との相性の問題で、彼女本来の素晴らしさが十分には発揮されていなかったように思います。

それでも「あなたが想うより強く」の「う」一音だけファルセットにする出し入れが完璧だったのはさすが我らが久保ちゃん。

さらに『ツイてるねノッてるね』の伊藤理々杏もやっぱり「貫録」と表現したくなる落ち着きと安定感。スーパーたまちゃんず3人の美しさも。

そして出てきたのは初期PUFFYインスパイアのハイツインふたり組

よだめん=与田祐希筒井あやめによる『愛のしるし』。
「久しぶりのツインテールで変なスイッチが入った」らしい与田っちょがラスサビで頭をブンブン振り回し、マイクがちゃんと音拾うか観ているこちらが心配になります笑

先輩の中でただひとり「貫録など一切感じさせない」のがさすが与田っちょ
冗談でも皮肉でもなく、本当に彼女の素晴らしさだと思います。

掛橋沙耶香北川悠理のユニット「譚」による『心の旅』。
涙を流す悠理ちゃん。優しくハモるさぁちゃん。
ウッドベースとパーカッションも加わり、暖かな時間が流れます。

クライマックスはDJ KOOさん登場からの『EZ DO DANCE』。そら盛り上がりますわな。

いったん終了し、乃木坂曲でのスペシャルライブへ。

遠藤さくらの「皆さんにキスの手裏剣いっぱい投げちゃうもんね~」という煽り。

賀喜遥香に「ちばおえ」を強制される掛橋沙耶香も可愛かった。
彼女は『I see…』でこっそりやっていたプク顔ウインクも良かったですね。

この日の「仕上がってるメン」は与田祐希

当サイトはアフィリエイトプログラムで雀の涙未満の微々たる収益を得てはおりますが、本文の内容は100%私の個人的な意見であり忖度は一切ございません。




4期生たちのひと区切り


個人的には観ていて楽しかったです。

まあ正直、歌唱力という意味では何度か「あらら…」という場面もありました。

そして声を潰していたメンバーが複数いた気がします。
練習しすぎなのか、昼の部で潰したのか、単に緊張でノドが縮んでいたのかもしれませんが。

いつもはグループの中で何人かのうちのひとりとして歌う機会がほとんどの彼女たち。

観衆の前で歌声をソロで響かせる時、自分がどうなるのか
それを知れたことは大きいし、それぞれが今後の糧にすればいいと思います。

そして先輩たちの見せた貫録の姿。

与田祐希を除けば、全員『セラミュ』キャストかつ外仕事でも舞台経験ありなんですよね。

やっぱり連日お客さんの前で歌を歌った経験のあるメンバーは腹の据わり方が違うな、と思わされました。

『見殺し姫』『星の王女さま』そして『ザンビ』と、3期生はプリンシパル以外にも結構舞台を経験しています。(与田っちょも『見殺し姫』と『ザンビ』は出演)

そう考えると、4期生も一度全員出演の村内舞台をやっておくといい気がしますね。(スケジュールの都合で現実的には難しいでしょうが)


4期生にとってはここでいったん一区切り。

『乃木坂どこへ』『ノギザカスキッツ』そして『乃木坂スター誕生!』と2年半にもわたって冠番組を持ち続けた4期生。もちろんコロナの影響や新4期の途中加入という要素はあったけれど、それは彼女たちにとって「僥倖」以外の何物でもありませんでした。

それだけの機会を与えられて彼女たちはどこまで来たのか。

それを示すのが総決算であるこの日の意味であったと思います。
(だからこそ早川聖来もなんとしても出たかったんじゃないかな、と思います)

そしてそれぞれが番組で発掘された自分の個性を発揮したという面において、その2年半が無駄ではなかったことを彼女たちは証明してみせました。

冠番組は5期生に移りました。これからはきっと「期別」ではなく個人戦の要素が増えてきます。
それに焦りを覚えているメンバーもいるかもしれません。

でも4期生は先輩たちとは違い「TV慣れ」という経験(=TV的にどういうところがオンエアされてそれにどういう反響があるかを知ること)を活動初期から存分に積むことができた。

その強みを自覚して、これからの乃木坂を盛り上げていってほしいです。


『2020年の乃木坂46』 kindle版
過去に当ブログに掲載した記事を再構成し加筆したもの。
総文字数84,000文字、加筆部分だけでも10,000文字以上のボリュームでブログをご覧になった方にも楽しんでいただけることと思います。

「今にして思うこと」は各記事の末尾に「追記」という形で新たに文章を加え、さらに書き下ろしとして4期生の初冠番組であった『乃木坂どこへ』を振り返っています。


Kindle本が読み放題になる Kindle Unlimited の新規登録は こちら から。 
初めてご利用の方は30日間の無料体験が可能。期間終了後は月額980円です。

また、note上で乃木坂46に関する有料記事を公開しています。どちらも無料で読める部分がありますのでぜひご覧ください。

『アンダラ伝説』¥300
伝説のアンダーライブ2ndシーズンを題材にしたセミドキュメンタリー小説。あの頃の熱量を叩き込んだ渾身の50,000文字です。
 

マガジン「2019年の乃木坂46」¥200
当ブログに掲載された記事を再構成し加筆したもの。総文字数10万文字、加筆部分だけでも22,000文字以上のボリュームでブログをご覧の方にも楽しんでいただけることと思います。



びーむ色調補正3
この日のライブを観て思ったことがもうひとつ。

それは「今こそアンダラにスターを生むべき時だ」です。

アンセム、伝説、そしてスター


これまで書いてきたように、今回のライブでは新たなアンセムと新たな伝説が生まれました。

関連記事:



残すは、アンダラの核となるメンバー。

新たな「スター」です。

今野義雄氏は2016年1月のインタビューでこんなことを語っていました。

 アンダーライブでは、アンダーメンバーの中にスターが生まれなければと思っています。最初はそれを伊藤万理華に背負わせ、彼女は見事に重責を果たしてくれました。
 そのあとバトンをタッチした井上小百合も、またここで確変して、カリスマ感のあるセンターになりました。
 それを去年引き継いだのが中元(日芽香)と堀(未央奈)ですよね。この二人には、一期と二期、Wセンターなどいろんなテーマがありました。

前年末に日本武道館に到達し、既にアンダラが大きな成功を収めていた時点での言葉です。

「スターが生まれなければならない」。

運営がゴリ押しにより特定のメンバーを祭り上げて「スターを作る」のではありません。

ポテンシャルを評価しているメンバーを、機運が高まった適切なタイミングで良いポジションにつけることによって階段を上らせた結果、「スターが生まれる」のです。

そしてスターになったメンバーには選抜への道が開かれる。
このサイクルが上手く回っていれば、アンダーの地位は向上し、アンダラのコンテンツとしての価値は高まり、アンダーメンバーのモチベーションもアップする。
そして最終的にはグループの層が厚くなります。

上で今野さんが語っていた通りにアンダラ黎明期では温泉トリオ(そして齋藤飛鳥)がスターになりました。

そして『シークレットグラフィティー』から『新しい世界』までの「樋口日奈と2期生の時代」では、アンダーセンターに選ばれたメンバーが存在感を高め選抜入りを手繰り寄せるケースが多く見られました。

この頃まではスターが生まれるサイクルが機能していたように思います。

しかし今回の29thアンダラは言うなれば「全方位気配り方式」でした。

全員センター企画があっただけでなく、それ以外でも佐藤楓以外のメンバーがセンターに立つ機会が多かった。

フロントとしてでんちゃんを挟む金川紗耶と弓木奈於。

そのふたりはオープニングでは2曲目と3曲目でセンターを務めます。
そしてライブのクライマックスであるアンダー曲コーナー。でんちゃんセンターの最新曲『届かなくたって…』から始まったのですが、ここでもまた続く2曲をやんちゃんと弓木ちゃんに任せているんですよね。

さらにこの後はフロントの両サイド阪口珠美と佐藤璃果、そして別枠の山崎怜奈と和田まあやが入れ代わりセンターに立ちます。

でんちゃんセンターはノンストップ披露のラスト『別れ際』そして座長MCを挟んでの本編ラスト『新しい世界』。

正直「もっと佐藤楓にフォーカスしてもいいのでは」と思いました。

メンバーそれぞれにスポットライトが当たっているのは素晴らしいことですし、センターに立った彼女たちのパフォーマンスも非常に良かった。

ただ、厳しい言葉を使えばどこか軸が定まっていないような印象も受けました。

当ブログでたびたび引き合いに出す、2018年12月武蔵野の森のアンダラも途中まではこの日と同じ感じだったんです。

当時のセンターは北野日奈子、アンダー曲は『日常』。
あの日は全員センター企画こそなかったものの、多くのメンバーが入れ代わり立ち代わりセンターに立ちそれぞれの魅力を炸裂させていました。

しかし本編最終ブロック。
『アンダー』から始まり『日常』で終わる圧巻のノンストップ連打。
全曲、センター北野日奈子。

強烈な印象を残しました。

あれできいちゃんはひとつステージが上がったように思います。
あまりいい言葉ではないのですが『アンダーレジェンド』級になったのではないでしょうか。

当サイトはアフィリエイトプログラムで雀の涙未満の微々たる収益を得てはおりますが、本文の内容は100%私の個人的な意見であり忖度は一切ございません。



アンダーの連続性


ここ数作、アンダー曲のフォーメーションは「今回はこうするしかない」という明確な理由があるものでした。

まず、白石麻衣の卒業という大きな大きなひと区切りである25thシングル『しあわせの保護色』では期別曲祭りでアンダー曲はありませんでした。

26th『口ほどにもないKISS』では世代交代を印象づける初センター阪口珠美
それを支えるように1期2期のお姉さんたちが囲むという新人抜擢センターっぽいフォーメーション。
ちなみに他の3期生はほぼ3列目。2列目端に伊藤理々杏がいるだけでした。

27th『錆びたコンパス』。こちらは大ベテランの初センター山崎怜奈
選抜経験なしのままグループ屈指の知名度を誇るところまで来たれなちさん。目に見える人気以外の価値観でアンダーセンターという偉業。
両サイドはこの曲をもって卒業する同期の伊藤純奈と渡辺みり愛でした。

28th『マシンガンレイン』。センターはこの曲をもって卒業する寺田蘭世。ついに合流した4期生にぶっとい背中を見せます。
両サイドはアンダーメンバーではミーグリ完売速度が最上位の4期生柴田柚菜と、抜群のスタイルと高い歌唱力で今後のパフォーマンスの中核となることが期待される中村麗乃。

センターにもフロントにも全部ちゃんと理由がありましたし、これが正解だったとも思っています。

ただ、「流れ」がない。1話完結のドラマになっているんですよね。
実際には流れを作れる状況になかった、というのが正しいのでしょうが。

アンダラ黎明期や樋口日奈と2期生の時代には流れがありました。

アンダーセンターは次作でセンター横に立ち次の座長を支えてからその次で選抜入りするというかつてのスタイル。これにはアンダラに連続性を持たせる効果もありました。

やはり、以前のようにある程度フロントを固定しつつそこから何人かを選抜に送り込むというのがアンダーとしてあるべき姿だと思います。

アンダー内でのポジションに一貫性がある。だからこそ前に行くことに価値がある。

少し余談になりますがその前提があればこそ、史上最少最弱と自ら言い放った17thアンダー『風船は生きている』の渡辺みり愛、鈴木絢音、山崎怜奈フロントという大抜擢(アンダーでもほぼ3列目しか経験のない3人)にファンは「うお!運営、思い切ったな!」と感じ、そこにドラマが生まれた。そして東京体育館が伝説のひとつに数えられたのです。

そういう意味で、次作は佐藤楓の連続センターもいいんじゃないかと思います。

(以下、個人的に思うアンダーのスター候補を何人か挙げていきますが、もちろん「選抜に入ってほしくない」という意味ではありません。念のため)

全体的には「熱さ」や「気迫」よりも「楽しさ」が勝っていたこの日のライブですが、私がその中で最もパフォーマンスに気迫を乗せていたと感じたのは彼女でした。

あまり感情の起伏を見せずに「棒読み」が持ち味笑のでんちゃんですが、「やっぱりセンターになると違うな」と思わせました。

だからこそ、本編最終ブロックはもっと彼女にフォーカスしてほしかったですね。

ビジュアルはずっと仕上がってますしスポーツ系の外仕事という可能性もある彼女。
ここで連続アンダーセンターに据えて内外にアピールというのは大いにありだと思います。
ちなみに連続でのアンダーセンターは過去に伊藤万理華と中元日芽香(1曲は堀未央奈とのWセンター)しかいないので、ファンにもそれなりのインパクトを与えるかと。

金川紗耶もいいですね。

遠藤さくらの隣に立っても互角以上というその超絶スタイル。そしてキメキメのダンス。
もの凄くステージ映えするやんちゃん。

ソロダンスからの『My rule』も実に印象的でした。

一頓挫あったので賛否両論あるかもしれませんが、個人的にはこのまま埋もれさせるにはあまりに惜しい人材だと思っています。(「埋もれさせる」という表現はアンダーメンバーたちに失礼ですが上手く言い換えられませんでした)

そしてやはり、阪口珠美

彼女もステージ上で目を引きます。
そのダンスの美しさは既にファンの間でも定着しているのであともうひと押し。

「自然で優雅」なダンスの彼女ですが、逆に今のたまちゃんがアンダーセンターとして『日常』を踊ったらどんな表情を見せてくれるのか、興味をそそられます。

最後にもうひとり、林瑠奈

加入当初の白目をむいたエキセントリックキャラから2期生大好き闘魂キャラ、そして恐れ多くて震えてしまうけどそれでも歌い継がせていただきたいキャラときて、現在はきちんと喋れる安心して外仕事に送り出せるキャラになりました。

先日ゴールデンタイムのバラエティ番組に弓木奈於とペアで出演していましたが、いいコンビですね。

以前と比べ角は取れてきたものの、内面に熱い心を持った彼女はアンダーセンターっぽい。井上小百合や寺田蘭世の系譜ですね。

ビジュアルも特徴的かつ整っており、凄い偏見ですが個人的には「深田恭子さんが好きなおじ様たちに受けるのでは?」と思っています。根拠はありません笑

ただ現状彼女はミーグリ完売状況で苦戦しているので、もう少し数字の裏付けがついてきて機運が高まってからアンダーセンターに据えるのが良いでしょうね。

弓木奈於はなんか別路線というか新内眞衣ルートというか、気がついたら選抜にいる形がいい気がします。あえてアンダーセンターに置く必要はないのでは。


29thアンダラは非常に素晴らしく、多くの好意的なレポがありました。

だからこそ、次の一手は重要です。

ここで1話完結ではないアンダーの物語を見せてほしい。

そして新たなスターが生まれる瞬間を、見せてほしいです。


『2020年の乃木坂46』 kindle版
過去に当ブログに掲載した記事を再構成し加筆したもの。
総文字数84,000文字、加筆部分だけでも10,000文字以上のボリュームでブログをご覧になった方にも楽しんでいただけることと思います。

「今にして思うこと」は各記事の末尾に「追記」という形で新たに文章を加え、さらに書き下ろしとして4期生の初冠番組であった『乃木坂どこへ』を振り返っています。


Kindle本が読み放題になる Kindle Unlimited の新規登録は こちら から。 
初めてご利用の方は30日間の無料体験が可能。期間終了後は月額980円です。

また、note上で乃木坂46に関する有料記事を公開しています。どちらも無料で読める部分がありますのでぜひご覧ください。

『アンダラ伝説』¥300
伝説のアンダーライブ2ndシーズンを題材にしたセミドキュメンタリー小説。あの頃の熱量を叩き込んだ渾身の50,000文字です。
 

マガジン「2019年の乃木坂46」¥200
過去に当ブログに掲載した記事を再構成し加筆したもの。総文字数10万文字、加筆部分だけでも22,000文字以上のボリュームでブログをご覧になった方にも楽しんでいただけることと思います。



このページのトップヘ