ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

タグ:樋口日奈

タオル補正
2022年7月18日、公式ブログで樋口日奈さんが卒業を発表しました。

私は以前にそれを「ストレートを磨いた」と表現しましたが、11年間まっすぐで優しい乃木坂人生を送ったメンバーでした。

ひなちまってる


まずはその経歴を簡単に振り返ります。

通った鼻筋と大きな目に黒髪ロング。
中学生なのにどこか艶っぽさのようなものをたたえた顔立ちで穏やかな笑顔。

加入当初の雰囲気は「和風美少女」
特技として披露した歌舞伎もその印象を強めました。

東京出身なのにキャッチコピーで「おいでやんす」と言っていたので川後陽菜に「ニセ京都人」なんてあだ名をつけられたこともありました笑

齋藤飛鳥、和田まあやと共に「年少組」のイメージがある彼女ですが、実際にはふたりより1学年上の97年組。
川後陽菜、相楽伊織、佐藤楓、星野みなみ、山崎怜奈というなかなかクセの強いメンバー揃いですね。

8th『気づいたら片想い』で初選抜。

しかしそれ以降は選抜の厚い壁に跳ね返され続けます。

「(齋藤飛鳥や星野みなみといった)同世代のメンバーに対し遅れをとっている」という思いから高校卒業後は進学せずに芸能活動に専念。
その夏に15th『裸足でSummer』のアンダー曲『シークレットグラフィティー』で初のアンダーセンターを務めます。

18th期間のアンダラ九州シリーズ(『アンダー』の時です)では座長である中元日芽香と北野日奈子が共に不安定な体調を抱え欠場を続ける中、その代役を果たし続けます。
続く19thのアンダー曲『My rule』では再びセンターに。

末っ子キャラからアンダーの柱へと成長した彼女。
同時期に台頭してきた寺田蘭世、渡辺みり愛、鈴木絢音ら2期生たちと共にアンダーライブを盛り上げ、選抜の座を争うようになります。

この15thからのアンダーを私は「樋口日奈と2期生の時代」と認識しています。ちなみにその前は「温泉トリオ時代」でブリッジとなるのが「サンダル脱ぎ捨て隊時代」かと。

若干話が前後しますが、待望の選抜入りは約3年ぶりの17th『インフルエンサー』そしてその1年後の『シンクロニシティ』でした。

2018年4月には『JJ』の専属モデルになります。

3期生合流以降のグループにおける立ち位置は「安定勢力」「中堅メンバー」という感じ。
握手人気は斉藤優里や中田花奈といったかつての選抜常連組や寺田蘭世、渡辺みり愛ら2期生たちと比べて突出するところまではいかず「アンダー最上位」というところでした。

1期生全員集合の25th『しあわせの保護色』で選抜復帰。
26thは選抜落ちしたものの27thから卒業する30thまで4作連続選抜入りしました。

2022年4月には写真集『恋人のように』発売。推定売上部数5万7千部強となかなかの数字を叩き出します。

舞台メンのひとりでもありました。

井上小百合とWキャストでヒロイン白鳥美美子役を務めた『帝一の國』シリーズに始まり、グループ内舞台でも『じょしらく弐』『墓場、女子高生』『セーラームーン』と中核を担います。
2019年にはいわゆる外部の舞台に4本も出演。2021年の『フラガール』では自身初の主演も経験しています。


アンバランスなバランス


変な人でした。

メンバーが彼女を評する言葉でよく聞くのは「とにかく優しい」
ただ苦楽を共にしてきた1期生からは「ノリで生きている」とも言われていますね笑

もの凄く真面目で自分を律するしっかり者なのは先日の久保史緒里とのラジオでもわかるのですが、やっぱり私の印象は真面目さとクレイジーさが同居したような「変な人」です。

中高一貫の有名校出身と言われており、学業との両立に励んでいるエピソードが多かったことから初期は「生真面目な優等生」だと思っていました。

しかしその印象もいつしか薄れていきます。

初選抜の時に冠番組で披露した「恐竜の真似をする坂之上くんの真似」や後に見せた「ダイナミックすぎて怖い鉄棒」など、徐々に「ブレーキが壊れてる感」溢れる言動が目立ち始めます。
(逆に言えば、当時の乃木坂はアンダーメンバーの露出が少なく初選抜までなかなかキャラクターがわからなかったのです)

天真爛漫で世間知らずなお嬢さん。
そんなどこか危なっかしい雰囲気もありました。

『乃木坂工事中』のメンバー投票企画で「将来お金に困りそう選挙」堂々の2位。
理由も「悪い男に貢ぎそう」「ダメな男に尽くしそう」という危険極まりないものでした笑

そして初選抜からアンダーに落ちた頃からでしょうか。自身の「セクシーさ」を武器にしなければいけないと感じている節もありました。
『のぎ天』での「布は少ない方がいいかと思って」という発言や「憧れの女性は壇蜜さん」など、なかなか上がらない人気に焦りを感じていたのではないでしょうか。

写真集以外は露出度が低いという暗黙のルールがある乃木坂において、真面目で幸薄そうなビジュアルの年少メンバーがセクシーさを武器にするというのはあまり得策ではなかったように思います。

そんなどこか危ういアンバランスさのある彼女には、たぶん時間が必要だったのでしょう。

アンダーライブや外舞台の出演を積み重ね磨かれたパフォーマンス。

髪をバッサリ切って明るめのショートカットにしてからのビジュアル、特に2021年の9thバスラ前後の充実ぶりには目を見張るものがありました。

グループ加入10年を目前にし自身も「年少メン」から「お姉さん」へと成長する中で、色々なものがやっとかみ合ってきたという印象です。

この頃から顕著に見えてきた「優しくてとぼけた無自覚におもろい姉さん」というキャラがきっと彼女の本質に近いのでしょう。


最後にこれからの彼女について。

ほぼ間違いなく演技の道へ進むでしょう。

『乃木坂工事中』の「キメ顔グランプリ」を観てわかるように彼女は映像に強い。
ただあの度胸は舞台向きだし、舞台上での華やかさも兼ね備えています。

ヒロイン役というよりも女性キャストの3番手4番手で登場し、「あの人綺麗だったな、何て名前だろ?」と視聴者がエンドロールで確認するような俳優さんになりそうな気がします。

上で書いたアンバランスさゆえに、エキセントリックな役もひたすら優しい聖母キャラもどちらも素で行けそうな彼女。

役柄に振り幅のあるバイプレイヤーとして息の長い活躍を見せてくれるかもしれません。

樋口日奈さん、11年間お疲れさまでした。



note上で乃木坂46に関する有料記事を公開しています。どちらも無料で読める部分がありますのでぜひご覧ください。

『アンダラ伝説』¥300
伝説のアンダーライブ2ndシーズンを題材にしたセミドキュメンタリー小説。あの頃の熱量を叩き込んだ渾身の50,000文字です。
 

マガジン「2019年の乃木坂46」¥200
過去に当ブログに掲載した記事を再構成し加筆したもの。総文字数10万文字、加筆部分だけでも22,000文字以上のボリュームでブログをご覧になった方にも楽しんでいただけることと思います。



びーむ色調補正3
2021年東京ドーム、DAY2は高山一実のラストステージとなりました。

DAY1のレポはこちらです。


笑顔の君とサヨナラを


基本、前日と同じセットリスト。

Overture
01. ごめんねFingers crossed
02. ジコチューで行こう!
03. 太陽ノック(センター:生田絵梨花)
04. おいでシャンプー(センター:山下美月)
05. シンクロニシティ(センター:梅澤美波)

06. ファンタスティック3色パン
07. せっかちなかたつむり(秋元真夏、生田絵梨花、高山一実、樋口日奈、新内眞衣、遠藤さくら、賀喜遥香)
08. 錆びたコンパス
09. ひと夏の長さより…(センター:秋元真夏、賀喜遥香)
10. ありがちな恋愛(センター:齋藤飛鳥、山下美月)
11. 日常
12. 裸足でSummer
13. 全部 夢のまま

<期別コーナー>
14. I see…
15. トキトキメキメキ
16. アナスターシャ
17. 失いたくないから

18. Route 246
19. 僕は僕を好きになる
20. インフルエンサー(センター:山下美月、与田祐希)

21. きっかけ
22. Sing Out!
23. 夏のFree&Easy(センター:与田祐希)
24. ガールズルール(センター:山下美月)
25. 君に叱られた
26. 他人のそら似

EN1. 私の色
EN2. サヨナラの意味(センター:高山一実)
EN3. 偶然を言い訳にして(センター:高山一実)
EN4. 君の名は希望(センター:高山一実)
EN5. 泣いたっていいじゃないか


この日の印象に残ったシーンを挙げていきます。

ビジュアル仕上がってるメンは田村真佑かな。掛橋沙耶香も良かったですね。

最初のMCの「ウォーミングアップで『日常』」ってどういうことだ笑

『せっかちなかたつむり』の自己紹介で樋口日奈が「しっかり者」。
いや…?それは初期の間だけで「坂之上くん」事件あたりで既にブレーキが壊れてる感は出てた気がしますよ笑
西野ポジの遠藤さくらが歌うAフレが爆発的に可愛い。

『錆びたコンパス』の山崎怜奈。今やグループでも上位の場数を踏んだ彼女であっても歌い出しで声が震えるんだ、となんか変なところでドームの大きさを感じました。

『ひと夏の長さより…』でのかずみんへのメッセージ、「食べられたい よだゆうき」ひらがなで書かれた名前が秀逸。

『全部 夢のまま』!この曲好き!
この日の佐藤楓は前日の反省を活かしちゃんとカメラに向かってアピールできていたので一安心。
…と思ったらその直後に伊藤理々杏と山下美月のプロぶりっこふたりが堂々のキメポーズ連打笑

MCの回しはこの日も樋口日奈。大丈夫なのかと思っていたら案の定「全部出し切っていくぞぉ」と脱力させてくれます。

賀喜遥香の手加減のない煽りが良い『I see…』。
『トキトキメキメキ』よだやま(与田山下)の小芝居。そしてこの日も驚くほどの美を見せつける岩本蓮加

後輩で固めた『きっかけ』前のMC。
そこで「乃木坂46は私たちが守り続けます」と宣言する山下美月

『Sing Out!』ではアンダーが前に出てくるフォーメーションが良かった。
『夏のFree&Easy』トロッコに乗りながら(関係者を見つけたのか)丁寧に会釈をする遠藤さくら
『ガールズルール』前日に続き全力で煽る山下美月。この日の喉はなんとか持ちこたえました。
『君に叱られた』で高山一実とハグした後に涙ぐむ賀喜遥香

本編ラスト、10周年記念曲の『他人のそら似』。
『夜明けまで強がらなくてもいい』そして『ごめんねFingers crossed』部分で長尺アップになった遠藤さくらの「画がもつ力」。



アンコールから高山一実卒業セレモニーでした。

『サヨナラの意味』ですっかりタレまゆになる遠藤さくら

『偶然を言い訳にして』で気球に乗るかずみんの背中を見送って泣き崩れる樋口日奈
佐藤楓はこの日2度目のカメラアピールに成功。

フルサイズで披露された『君の名は希望』。やっぱり特別な曲。

そしてこの日のハイライトは和田まあやから高山一実への送る言葉でした。

 朝、楽屋に入ってまずずー(高山)のかばんを探してずーの席に座って
 私が先に着いたときはずーの席をとって
 昔から楽屋の近くの席にずーがいて、明日からかばん探せないんだなって思ったら寂しいです

この言葉で抜けに映る遠藤さくらの目からも一気に涙が溢れます。

冠番組でも何度も聞いたかずみん独特の「まあや~」
呆れるようなたしなめるような、それでいて「可愛くて仕方ない」感あふれる呼びかけが頭をよぎります。

ラストは自身唯一のセンター曲、『泣いたっていいじゃないか』。
寂しさを露わにするひなちまとまあやの年少組。やっぱりかずみんは幼くてわんぱくだった彼女たちをお姉さんのように、そして保護者のように見守ってきたのだろうと思わせます。

本編ラストでは感想を聞かれ「楽しい、幸せ」と言っていたかずみん。

それでも最後の最後、彼女はこう叫んだのです。

 寂しい~!!

いつもみんなを支えてきた、あの笑顔を浮かべながら。


note上で乃木坂46に関する有料記事を公開しています。どちらも無料で読める部分がありますのでぜひご覧ください。

『アンダラ伝説』¥300
伝説のアンダーライブ2ndシーズンを題材にしたセミドキュメンタリー小説。あの頃の熱量を叩き込んだ渾身の50,000文字です。
 

マガジン「2019年の乃木坂46」¥200
過去に当ブログに掲載した記事を再構成し加筆したもの。総文字数10万文字、加筆部分だけでも22,000文字以上のボリュームでブログをご覧になった方にも楽しんでいただけることと思います。



びーむ色調補正3
2021年8月22日に行なわれた真夏の全国ツアー福岡公演。
前日に続き配信を観たのでレポします。

2日連続でも高い満足度


セットリストはこちらです。

Overture
01. 太陽ノック(センター:遠藤さくら)
02. ロマンティックいか焼き(センター:秋元真夏、高山一実)
03. あらかじめ語られるロマンス(センター:齋藤飛鳥、星野みなみ)
04. 13日の金曜日(センター:北野日奈子)
05. 裸足でSummer
06. 他人のそら似

<ユニット&アンダーコーナー>
07. あの日 僕は咄嗟に嘘をついた(センター:和田まあや)
08. ~Do my best~じゃ意味はない
09. ファンタスティック3色パン
10. 制服を脱いでサヨナラを…(齋藤飛鳥、星野みなみ)

<期別曲&期ミックスコーナー>
11. 空扉
12. Against(センター:生田絵梨花、星野みなみ)
13. I See…
14. アナスターシャ(センター:北野日奈子、新内眞衣)
15. トキトキメキメキ
16. ひと夏の長さより…(センター:秋元真夏、賀喜遥香)

<ユニット&アンダーコーナー>
17. 他の星から(岩本蓮加、久保史緒里、清宮レイ、田村真佑、筒井あやめ、早川聖来、与田祐希)
18. 友情ピアス
19. 生まれたままで(センター:阪口珠美)
20. My rule

21. 世界で一番 孤独なLover(センター:齋藤飛鳥)
22. 何度目の青空か?
23. 逃げ水
24. ガールズルール(センター:山下美月)
25. ごめんねFingers crossed

EN1. 三番目の風
EN2. 思い出ファースト
EN3. やさしさとは
EN4. 孤独な青空
EN5. 転がった鐘を鳴らせ
EN6. 乃木坂の詩(センター:大園桃子)

WEN1. 逃げ水


オープニングからアップテンポな曲を続け、MCを挟んで「ユニット&アンダーコーナー」「期別曲&期ミックスコーナー」そして再びの「ユニット&アンダーコーナー」。
そこから一気にクライマックスで本編ラストは『ごめフィン』。

その構成自体は前日と同じなのですが、真ん中の「期別曲&期ミックスコーナー」以外はほぼ全て前日と違うセトリ。
今年の全ツは事前にファンクラブで募集した「この夏ツアーで聞きたい曲」に基づき選曲されているのがその理由なのですが、まずそこが素晴らしい。

同じ理由で素直に人気曲が並んでいるため2日連続で観ても満足度が高いですね。齋藤飛鳥関連が強すぎるなという気もしますが笑

そしてアンコールは大園桃子卒業セレモニー。ラストは『乃木坂の詩』で大団円と思いきゃWアンコールで『逃げ水』。

ざっとまとめるとこんな流れでした。



「お互いを凄く褒め合うこと」


大園桃子関連は次の記事で書くとして、それ以外の印象に残ったシーンを挙げていきます。

前日は泣き顔で多くのファンを心配させた遠藤さくら。この日のオープニングは笑顔で登場したのでまずはひと安心。

前日からの流れか、『ロマいか』で遠藤さくらのことを凄く気にかけている齋藤飛鳥

『裸足でSummer』、目を見合わせてニコニコする秋元真夏新内眞衣
凄く今さらですが、この曲のイントロでやるフロント5人のミニ円陣が好き。(橋本奈々未卒業後は推しの井上小百合がやっていたのもその理由のひとつです)

『他人のそら似』、期も選抜もアンダーもぐちゃぐちゃなのがいい。

『3色パン』での過去制服。
そして3人でくじを引いた結果、罰ゲームをやらされ「私を映さないで」と悲鳴をあげる齋藤飛鳥
飛鳥に「(私のぶりっ子が)ちょっと古いと思ってんだろ」と言われ無言で悪い笑い方をする山下美月

『制服を脱いでサヨナラを…』で投げキスの応酬をする齋藤飛鳥星野みなみ。個人的にはあしゅみなのふたりがイチャイチャしてるとウルっときます。

『空扉』でこの日も2期と3期が入り乱れてわちゃわちゃするんですが、新内眞衣山下美月のお調子者ふたりがノリノリでふざけてるのが微笑ましかった。

『Against』のラスト付近、「このまま」の部分でキックステップした樋口日奈のシルエットの美しさよ。

ライブ終盤MCでの後輩から先輩への質問コーナー。

柴田柚菜からの「乃木坂の伝統は?」に対して星野みなみは「お互いを凄く褒め合うこと」と答えます。

これ、芯食ってる。

個人的にはもの凄く納得しました。それが乃木坂なんだ、と。
私もこれまで多くの言葉で「乃木坂らしさ」や「やっぱ乃木坂だな!」の源が何なのかを表現してきましたが、これがひとつの正解だと感じました。(メンバー自身の言葉ですし)

そこから凄い落差の賀喜遥香の「好きな食べ物は?」で、再び齋藤飛鳥が追い込まれ「いちごみるく」という流れも良かった。

ジャイアンとして楽しそうに飛鳥に迫る生田絵梨花
「ちゃちゃっとやってよ」「終わった?」と心ない笑発言を連発する司会進行の樋口日奈
ひなちまの「私はねえ、数の子!」というオチもパーフェクトでしたね笑


最後にこの日のビジュアル仕上がってんなあメンは山下美月
いつも素晴らしいけど、こういう(大園桃子の卒コンで配信もあってという)大切な日にいつも以上に素晴らしいというのが本当にさすが美月。

この表現で上手く伝わるかわかりませんが、なんか「生田絵梨花が乃木坂にいること」を当たり前だと思っちゃいけないのと同じベクトルで「山下美月のビジュアルがいつも素晴らしいこと」を当たり前だと思っちゃいけないと感じました。


続きます。


note上で乃木坂46に関する有料記事を公開しています。どちらも無料で読める部分がありますのでぜひご覧ください。

『アンダラ伝説』¥300
伝説のアンダーライブ2ndシーズンを題材にしたセミドキュメンタリー小説。あの頃の熱量を叩き込んだ渾身の50,000文字です。
 

マガジン「2019年の乃木坂46」¥200
当ブログに掲載された記事を再構成し加筆したもの。総文字数10万文字、加筆部分だけでも22,000文字以上のボリュームでブログをご覧の方にも楽しんでいただけることと思います。



タオル補正

ストレートを磨いた樋口日奈


前回書いた清宮レイ以外に選抜入りに対し一部で異論が出ていたのは樋口日奈でした。

理由は単純にミーグリの売り上げ。
掛橋沙耶香、北野日奈子、渡辺みり愛、金川紗耶の4人が彼女と同等以上の完売実績でした。
まあミーグリ当日の待ち行列状況レポを見る限りではそこまで大きな差はなかったりもするのですが(とはいえソース自体が少ないです)。

私自身はこの選抜入りは肯定的にとらえています。

26thシングル選抜発表時に「この1年で超選抜化が進み、ボーダーメンという概念が消滅。超選抜+4期お試し枠だけになってしまった」と書きました。

 

そこから今回、ひなちまの選抜入りによってボーダーメンという概念が復活したことは素直に喜ばしいと思います。

そしてミーグリの売り上げこそ遅れを取っていますが、年明けからの彼女の活動も充実していました。
年明け早々のドラマ『教場』での木村拓哉との共演。舞台『フラガール』主演。そしてショートにしてさらに綺麗になった印象。ここへきてさらに自身のビジュアルの最高値を更新するという驚異の10年選手です。

1期生全員集合の25th『しあわせの保護色』を別にすると、20th『シンクロニシティ』以来なんと3年ぶり通算5度目の選抜入り。それでも今なお毎回選抜に選ばれるたびに素直に喜びを表す彼女はとても好感が持てます。

愚直にまっすぐ、正攻法で。腐ることなく自分を磨き続け外仕事で結果を出す。
その成果として選抜に返り咲いたというのは本当に素晴らしい。

10年目にして追い風が吹くことだってある。ひなちまはそれを証明してくれました。

選抜の厚い壁にくじけそうになる後輩たちにとっていいお手本だと思います。(もちろん、既に選抜固定メンとなった後輩にとっても)

山崎怜奈のチェンジアップ


しかし。

今回の選抜発表後に更新された各メンバーのブログ。
アンダーメンバーのそれは重苦しい閉塞感に覆われていました。

 どうすればいいかわからない

そんな叫びはかつての選抜固定時代(12th~16th)、あるいはさらに前のアンダラ黎明期(10th)を思い起こさせました。

恐らくミーグリの完売状況でくっきりと明暗が分かれたことがひとつの原因ではないでしょうか。

コロナの影響で直接ファンと接する機会はない。冠番組でスタジオに呼ばれる人数も抑えられている。そんな中でどうやって自分のファンを増やせばいいのか。そんな苦悩があるように思います。

こんな状況だからこそ、山崎怜奈を選抜に入れても良かったのではないでしょうか。

一時期かなり握手人気を上げていた彼女ですが、それでも選抜ボーダーの域から突き抜けるまでには至りませんでした。23rdあたりからは徐々にそれも降下していきます。「握手会売上での選抜入りが叶わなかったのでファンの心が折れた」とも言われています。

そしてなんと26thミーグリの完売数はゼロ。

しかしれなちさんが凄かったのはその間も自身の歩みを止めなかったことです。自ら発信し得意分野を作り、現在ではグループ屈指の売れっ子にまでなりました。

選抜経験なしでここまで売れたのも見事ですが、ミーグリ完売ゼロで選抜に入ったらこれまでの価値観がひっくり返りますよね。
彼女が選抜に入ったら「こういう形もあるんだ」と今燻ぶっているメンバーの励みにもなります。ひなちまとは違う意味でロールモデルたりうる存在です。


選抜発表のたびに書いていますが、選抜の人数を増やして色々試せばいいんですよ。
そうすればれなちさん選抜のようないい意味での「遊び」だって出てきます。


現在の乃木坂は間違いなく過渡期なんですからそれが必要なんです。
2年ちょっとの間に3期生の5人がバリバリの選抜固定メンへと成長し、それ以外に11人も試せた17th『インフルエンサー』から23rd『Sing Out!』の期間と同じです。

ましてや枠をひとつふたつ増やすのを惜しんでファン同士の対立をもたらして何になるんですか。

コロナの影響で業界全体が困難な状況にあり、メンバーそれぞれだって将来に対する不安が大きくなる現状です。運営にはそんな中で皆が希望を持てるような采配をしていただきたいものです。




note上で乃木坂46に関する有料記事を公開しています。どちらも無料で読める部分がありますのでぜひご覧ください。

『アンダラ伝説』¥300
伝説のアンダーライブ2ndシーズンを題材にしたセミドキュメンタリー小説。あの頃の熱量を叩き込んだ渾身の50,000文字です。
 

マガジン「2019年の乃木坂46」¥200
当ブログに掲載された記事を再構成し加筆したもの。総文字数10万文字、加筆部分だけでも22,000文字以上のボリュームでブログをご覧の方にも楽しんでいただけることと思います。



びーむ色調補正3
前の記事では個人的に印象に残ったシーンを列挙しましたが、この記事ではタイトルにもあるふたりのメンバーについて主に取り上げます。

松村沙友理の帰る場所


この日のハイライトのひとつだった、生田絵梨花プロデュースによる松村沙友理の『釣り堀』。

 いつも頑張っているから、さゆりんごを乃木坂46を、たまにはサボってみよう
 いつでもこの場所はあるから、自分の好きなようにいていいよ

私はこの生ちゃんのコメントの時点でもう心がかき乱されました。

いや、それそのままあんたにも言いたいわ!
っていうか1期生みんなそうだよな!真夏さんもかずみんも、飛鳥ちゃんも。

乃木坂内では後輩にちゃんとした姿を見せて、外出たら大きくなった乃木坂の看板背負って。大変だよな。すごいな。

このところ3期生たちが一気に「看板背負ってる感」出してきてくれて頼もしいし、どこか「少しでも先輩を楽にしてあげたい」っていう感じがするのが痺れるよな。

…みたいなことをゴチャゴチャ考えているうちに曲が始まりました笑

ステージの上、最新シングル『僕は僕を好きになる』の衣装で踊るメンバーたちの姿を遠い客席から眺めるまっつん。
生ちゃんの意図は「たまにはちょっと休んで」なんでしょう。でも私には正直「もう乃木坂じゃなくなった彼女が外から乃木坂を観ている」姿にしか見えませんでした。

…と書いていたらたった今(2021/4/15)松村沙友理さんの卒業が発表されました。
だとすれば当日には語れなかった生ちゃんの本当の意図はこうだったのかもしれません。

 ずっと、さゆりんごを乃木坂46を頑張ってきてくれたから、もう自分のために生きていいんだよ
 卒業してもずっとここに乃木坂はあるから、辛くなったらいつでも連絡してね

ふいに立ち上がり、ステージに背を向け歩き出すまっつん。客席からロビーへ、そして会場外へと。

ラスト、ベンチに横たわり居眠りする彼女にそっとブランケットがかけられ、母親のような表情をしたメンバーたちがまっつんの身体を優しくさする。

いや泣いちゃうよ。こんなの観せられたら。

などとこちらは感傷的になっているというのに、有無を言わさず始まるのが和田まあや主演のインド映画『ガールズルール』。このとてつもない落差。

ナンセンスでごった煮で、最終的にはさっき俺を泣かせたはずのまっつんが「1日に100枚ナンを食べる女」を演じていました。

なんちゅーカオス。ジーニアスとしか言いようがない。

そして「まあやのモノマネが好きなんですよね」という煽りVのコメントが全く本編と関係ない。マシュマロぐらい関係ない。

どう考えても唯一無二の存在ですよね…寂しいな、ホントに。




齋藤飛鳥が末っ子に戻れる場所


いきなりですが、可愛かったですよねこの日の齋藤飛鳥。
いやもちろんいつも可愛いですし、秋元真夏プロデュースの「あしゅりん」に引っ張られたわけでもありません(むしろ個人的にはああいうの苦手です笑)。

凄くシンプルに言えば、とても自然に笑っていました。
たぶん、久しぶりにのびのびと「末っ子としての自分」を満喫していたからだと思うんです。

以前に私は2019年真夏の全国ツアーのライブレポで飛鳥への依存度の高さを危惧し「飛鳥ちゃんを壊すな」と書きました。



そう言いたくもなるぐらい、西野七瀬卒業後のライブでは常に彼女が中心で多くの負担を背負っていました。(白石麻衣や生田絵梨花が欠場しがちということもあります)

そして3期4期から見れば、加入時点で既に憧れのスーパーエースだったであろう飛鳥。
ずっと背中を見せてきたプレッシャーは我々ファンの想像も及ばないほど大きかったのではないでしょうか。

でもこの日は1期生ライブ。

スーパーエースの鎧を脱いで、あの頃のあしゅりん…っていうと怒られそうなので「最年少の飛鳥ちゃん」でいられる場所。

気心の知れた同期であり「何をやっても乃木坂」な歴史に裏打ちされた底力のあるメンバーたちに囲まれて、きっとここ数年のライブの中で最もリラックスしていたのではないでしょうか。

最初の『マネキン』からしてそうです。全体ライブだとこの曲も飛鳥センターが多いですが、この日の彼女は後ろの方で和田まあやとじゃれていました。個人的には1期生の中でこういう「その他大勢感」を出している時の飛鳥が大好物笑

『でこぴん』もこれがもし全体ライブであれば白石麻衣ポジションもやっぱり飛鳥だったんじゃないでしょうか。(樋口日奈が悪いという意味ではなく。前の記事で書いた通りむしろ嬉しい)

そして8人それぞれが入れ替わりながらセンターを務め、敢えて言わずともサラッと「全員センター」をやってのけます。

気づけばラストまでほとんど飛鳥がセンターに立つことはなく、そしてそれがごく自然なことに感じられました。

やっぱり同期って特別なんだな、と思います。

まあやが46時間TVで「飛鳥昔は明るかったじゃん!」と発言していましたが、そんな昔の飛鳥が垣間見られた気がしました。

アンコール、やり切った笑顔で互いの顔を見やる8人の姿はもう歴戦の勇者そのものでした。

もう大勢いなくなって、今ここにいる仲間の残り時間もほんの少しで。

だからこそ愛情を思い切り溢れさせよう。
この時間を無邪気に、全力で楽しもう。

8人全員がそう感じているような、そんな空気感。

一体、どれだけのものを越えてここにたどり着いたんだろう。
そう思うと、最高に楽しいのにこちらの胸も締めつけられます。


以前に4期生ライブのレポで書いた、ファンの側が「乃木坂のこういうところが好き」とか「バックヤードでも実際にそうだったらいいな」と願う部分。

それが本当だと思わせてくれるシーンがこの日もありました。

お姉さん組と年少チームの曲を交換したところと、アンコールでの後輩曲3連打。
いわゆる自分の「持ち曲」ではない楽曲を本当に楽しそうにパフォーマンスするメンバーたち。

過去何度もメイキング映像で流された、自分がステージに上がっていない時も袖やモニターで観ながら一緒に踊っている姿が思い出されます。

みんな、グループがそしてメンバーのことが大好きでしょうがない。

年少チームはお姉さんたちに憧れ、お姉さんは年少メンバーを愛で。
同じ構図が今では先輩と後輩の間にも存在しているという奇跡のような幸福。

乃木坂独特の「多幸感」。

その源をこの日の1期生ライブで改めて感じることができました。

前へ   次へ
2/2ページ


note上で乃木坂46に関する有料記事を公開しています。どちらも無料で読める部分がありますのでぜひご覧ください。

『アンダラ伝説』¥300
伝説のアンダーライブ2ndシーズンを題材にしたセミドキュメンタリー小説。あの頃の熱量を叩き込んだ渾身の50,000文字です。
 

マガジン「2019年の乃木坂46」¥200
当ブログに掲載された記事を再構成し加筆したもの。総文字数10万文字、加筆部分だけでも22,000文字以上のボリュームでブログをご覧の方にも楽しんでいただけることと思います。



このページのトップヘ