ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

タグ:樋口日奈

タオル補正

ストレートを磨いた樋口日奈


前回書いた清宮レイ以外に選抜入りに対し一部で異論が出ていたのは樋口日奈でした。

理由は単純にミーグリの売り上げ。
掛橋沙耶香、北野日奈子、渡辺みり愛、金川紗耶の4人が彼女と同等以上の完売実績でした。
まあミーグリ当日の待ち行列状況レポを見る限りではそこまで大きな差はなかったりもするのですが(とはいえソース自体が少ないです)。

私自身はこの選抜入りは肯定的にとらえています。

26thシングル選抜発表時に「この1年で超選抜化が進み、ボーダーメンという概念が消滅。超選抜+4期お試し枠だけになってしまった」と書きました。

 

そこから今回、ひなちまの選抜入りによってボーダーメンという概念が復活したことは素直に喜ばしいと思います。

そしてミーグリの売り上げこそ遅れを取っていますが、年明けからの彼女の活動も充実していました。
年明け早々のドラマ『教場』での木村拓哉との共演。舞台『フラガール』主演。そしてショートにしてさらに綺麗になった印象。ここへきてさらに自身のビジュアルの最高値を更新するという驚異の10年選手です。

1期生全員集合の25th『しあわせの保護色』を別にすると、20th『シンクロニシティ』以来なんと3年ぶり通算5度目の選抜入り。それでも今なお毎回選抜に選ばれるたびに素直に喜びを表す彼女はとても好感が持てます。

愚直にまっすぐ、正攻法で。腐ることなく自分を磨き続け外仕事で結果を出す。
その成果として選抜に返り咲いたというのは本当に素晴らしい。

10年目にして追い風が吹くことだってある。ひなちまはそれを証明してくれました。

選抜の厚い壁にくじけそうになる後輩たちにとっていいお手本だと思います。(もちろん、既に選抜固定メンとなった後輩にとっても)

山崎怜奈のチェンジアップ


しかし。

今回の選抜発表後に更新された各メンバーのブログ。
アンダーメンバーのそれは重苦しい閉塞感に覆われていました。

 どうすればいいかわからない

そんな叫びはかつての選抜固定時代(12th~16th)、あるいはさらに前のアンダラ黎明期(10th)を思い起こさせました。

恐らくミーグリの完売状況でくっきりと明暗が分かれたことがひとつの原因ではないでしょうか。

コロナの影響で直接ファンと接する機会はない。冠番組でスタジオに呼ばれる人数も抑えられている。そんな中でどうやって自分のファンを増やせばいいのか。そんな苦悩があるように思います。

こんな状況だからこそ、山崎怜奈を選抜に入れても良かったのではないでしょうか。

一時期かなり握手人気を上げていた彼女ですが、それでも選抜ボーダーの域から突き抜けるまでには至りませんでした。23rdあたりからは徐々にそれも降下していきます。「握手会売上での選抜入りが叶わなかったのでファンの心が折れた」とも言われています。

そしてなんと26thミーグリの完売数はゼロ。

しかしれなちさんが凄かったのはその間も自身の歩みを止めなかったことです。自ら発信し得意分野を作り、現在ではグループ屈指の売れっ子にまでなりました。

選抜経験なしでここまで売れたのも見事ですが、ミーグリ完売ゼロで選抜に入ったらこれまでの価値観がひっくり返りますよね。
彼女が選抜に入ったら「こういう形もあるんだ」と今燻ぶっているメンバーの励みにもなります。ひなちまとは違う意味でロールモデルたりうる存在です。


選抜発表のたびに書いていますが、選抜の人数を増やして色々試せばいいんですよ。
そうすればれなちさん選抜のようないい意味での「遊び」だって出てきます。


現在の乃木坂は間違いなく過渡期なんですからそれが必要なんです。
2年ちょっとの間に3期生の5人がバリバリの選抜固定メンへと成長し、それ以外に11人も試せた17th『インフルエンサー』から23rd『Sing Out!』の期間と同じです。

ましてや枠をひとつふたつ増やすのを惜しんでファン同士の対立をもたらして何になるんですか。

コロナの影響で業界全体が困難な状況にあり、メンバーそれぞれだって将来に対する不安が大きくなる現状です。運営にはそんな中で皆が希望を持てるような采配をしていただきたいものです。




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びーむ色調補正3
前の記事では個人的に印象に残ったシーンを列挙しましたが、この記事ではタイトルにもあるふたりのメンバーについて主に取り上げます。

松村沙友理の帰る場所


この日のハイライトのひとつだった、生田絵梨花プロデュースによる松村沙友理の『釣り堀』。

 いつも頑張っているから、さゆりんごを乃木坂46を、たまにはサボってみよう
 いつでもこの場所はあるから、自分の好きなようにいていいよ

私はこの生ちゃんのコメントの時点でもう心がかき乱されました。

いや、それそのままあんたにも言いたいわ!
っていうか1期生みんなそうだよな!真夏さんもかずみんも、飛鳥ちゃんも。

乃木坂内では後輩にちゃんとした姿を見せて、外出たら大きくなった乃木坂の看板背負って。大変だよな。すごいな。

このところ3期生たちが一気に「看板背負ってる感」出してきてくれて頼もしいし、どこか「少しでも先輩を楽にしてあげたい」っていう感じがするのが痺れるよな。

…みたいなことをゴチャゴチャ考えているうちに曲が始まりました笑

ステージの上、最新シングル『僕は僕を好きになる』の衣装で踊るメンバーたちの姿を遠い客席から眺めるまっつん。
生ちゃんの意図は「たまにはちょっと休んで」なんでしょう。でも私には正直「もう乃木坂じゃなくなった彼女が外から乃木坂を観ている」姿にしか見えませんでした。

…と書いていたらたった今(2021/4/15)松村沙友理さんの卒業が発表されました。
だとすれば当日には語れなかった生ちゃんの本当の意図はこうだったのかもしれません。

 ずっと、さゆりんごを乃木坂46を頑張ってきてくれたから、もう自分のために生きていいんだよ
 卒業してもずっとここに乃木坂はあるから、辛くなったらいつでも連絡してね

ふいに立ち上がり、ステージに背を向け歩き出すまっつん。客席からロビーへ、そして会場外へと。

ラスト、ベンチに横たわり居眠りする彼女にそっとブランケットがかけられ、母親のような表情をしたメンバーたちがまっつんの身体を優しくさする。

いや泣いちゃうよ。こんなの観せられたら。

などとこちらは感傷的になっているというのに、有無を言わさず始まるのが和田まあや主演のインド映画『ガールズルール』。このとてつもない落差。

ナンセンスでごった煮で、最終的にはさっき俺を泣かせたはずのまっつんが「1日に100枚ナンを食べる女」を演じていました。

なんちゅーカオス。ジーニアスとしか言いようがない。

そして「まあやのモノマネが好きなんですよね」という煽りVのコメントが全く本編と関係ない。マシュマロぐらい関係ない。

どう考えても唯一無二の存在ですよね…寂しいな、ホントに。




齋藤飛鳥が末っ子に戻れる場所


いきなりですが、可愛かったですよねこの日の齋藤飛鳥。
いやもちろんいつも可愛いですし、秋元真夏プロデュースの「あしゅりん」に引っ張られたわけでもありません(むしろ個人的にはああいうの苦手です笑)。

凄くシンプルに言えば、とても自然に笑っていました。
たぶん、久しぶりにのびのびと「末っ子としての自分」を満喫していたからだと思うんです。

以前に私は2019年真夏の全国ツアーのライブレポで飛鳥への依存度の高さを危惧し「飛鳥ちゃんを壊すな」と書きました。



そう言いたくもなるぐらい、西野七瀬卒業後のライブでは常に彼女が中心で多くの負担を背負っていました。(白石麻衣や生田絵梨花が欠場しがちということもあります)

そして3期4期から見れば、加入時点で既に憧れのスーパーエースだったであろう飛鳥。
ずっと背中を見せてきたプレッシャーは我々ファンの想像も及ばないほど大きかったのではないでしょうか。

でもこの日は1期生ライブ。

スーパーエースの鎧を脱いで、あの頃のあしゅりん…っていうと怒られそうなので「最年少の飛鳥ちゃん」でいられる場所。

気心の知れた同期であり「何をやっても乃木坂」な歴史に裏打ちされた底力のあるメンバーたちに囲まれて、きっとここ数年のライブの中で最もリラックスしていたのではないでしょうか。

最初の『マネキン』からしてそうです。全体ライブだとこの曲も飛鳥センターが多いですが、この日の彼女は後ろの方で和田まあやとじゃれていました。個人的には1期生の中でこういう「その他大勢感」を出している時の飛鳥が大好物笑

『でこぴん』もこれがもし全体ライブであれば白石麻衣ポジションもやっぱり飛鳥だったんじゃないでしょうか。(樋口日奈が悪いという意味ではなく。前の記事で書いた通りむしろ嬉しい)

そして8人それぞれが入れ替わりながらセンターを務め、敢えて言わずともサラッと「全員センター」をやってのけます。

気づけばラストまでほとんど飛鳥がセンターに立つことはなく、そしてそれがごく自然なことに感じられました。

やっぱり同期って特別なんだな、と思います。

まあやが46時間TVで「飛鳥昔は明るかったじゃん!」と発言していましたが、そんな昔の飛鳥が垣間見られた気がしました。

アンコール、やり切った笑顔で互いの顔を見やる8人の姿はもう歴戦の勇者そのものでした。

もう大勢いなくなって、今ここにいる仲間の残り時間もほんの少しで。

だからこそ愛情を思い切り溢れさせよう。
この時間を無邪気に、全力で楽しもう。

8人全員がそう感じているような、そんな空気感。

一体、どれだけのものを越えてここにたどり着いたんだろう。
そう思うと、最高に楽しいのにこちらの胸も締めつけられます。


以前に4期生ライブのレポで書いた、ファンの側が「乃木坂のこういうところが好き」とか「バックヤードでも実際にそうだったらいいな」と願う部分。

それが本当だと思わせてくれるシーンがこの日もありました。

お姉さん組と年少チームの曲を交換したところと、アンコールでの後輩曲3連打。
いわゆる自分の「持ち曲」ではない楽曲を本当に楽しそうにパフォーマンスするメンバーたち。

過去何度もメイキング映像で流された、自分がステージに上がっていない時も袖やモニターで観ながら一緒に踊っている姿が思い出されます。

みんな、グループがそしてメンバーのことが大好きでしょうがない。

年少チームはお姉さんたちに憧れ、お姉さんは年少メンバーを愛で。
同じ構図が今では先輩と後輩の間にも存在しているという奇跡のような幸福。

乃木坂独特の「多幸感」。

その源をこの日の1期生ライブで改めて感じることができました。

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8/33(34)


前日の2期生ライブの余韻も色濃く残る中行なわれた1期生ライブ。

正直、始まる前は少し怖さのようなものを感じていました。

わずか8人。たった8人。

いや、人数でいえば前日の2期生だって同じです。

でも我々は33人で始まった乃木坂46を見てしまっている。

相次ぐ卒業生を成長著しい3期4期で埋めてきたのがここ数年の乃木坂でした。
1期至上主義のファンの中には大きくメンバーが入れ替わってしまったグループを認めない人もいることでしょう。私自身は現在の乃木坂も本当に素晴らしいと思っていて、だからこそ推しである井上小百合が卒業してもグループを応援し続けています。

ただ、この日は1期生だけ。

白石麻衣も西野七瀬も生駒里奈も桜井玲香も若月佑美も衛藤美彩も深川麻衣も温泉トリオも、そして橋本奈々未もいない1期生。

それは果たして「乃木坂」なのか。

何年も応援してきた1期生たちを「こんなの乃木坂じゃない」と感じてしまうのではないか。そんな漠然とした不安を抱えながらTVの前に座っていました。

セットリストはこちらです。

Overture
01. 制服のマネキン(センター:生田絵梨花・星野みなみ)
02. 会いたかったかもしれない(センター:生田絵梨花)
03. 指望遠鏡(センター:星野みなみ)
04. 君の名は希望(センター:齋藤飛鳥)

他己プロデュースコーナー(演者/プロデュース)
05. 13日の金曜日(生田絵梨花/星野みなみ)
06. Out of the blue(秋元真夏/齋藤飛鳥)
07. 僕のこと、知ってる?(高山一実/松村沙友理)
08. 命は美しい(樋口日奈/星野みなみ)
09. ロマンスのスタート(齋藤飛鳥/秋元真夏)
10. 欲望のリインカーネーション(星野みなみ/和田まあや)
11. 釣り堀(松村沙友理/生田絵梨花)
12. ガールズルール(和田まあや/松村沙友理)

13. でこぴん(センター:樋口日奈)
14. ここじゃないどこか(センター:高山一実)

15. インフルエンサー(センター:高山一実・樋口日奈)
16. あの日 僕は咄嗟に嘘をついた(センター:和田まあや)
17. Against
18. 裸足でSummer
19. ごめんね、スムージー(センター:星野みなみ・松村沙友理)
20. 心の薬

21. ぐるぐるカーテン(センター:生田絵梨花・星野みなみ)

EN1. 思い出ファースト(センター:秋元真夏)
EN2. ボーダー(センター:松村沙友理)
EN3. I see…(センター:星野みなみ)

EN4. 左胸の勇気(センター:生田絵梨花・齋藤飛鳥)

観終わった時の気持ちをどう言葉にすればいいんでしょう。

色んな記憶と感情が揺さぶられたけど、一言でいうならば幸せな時間でした。




「奇跡のような者たちが集まった」


例によって印象に残ったシーンを挙げていきます。

本日のビジュアル仕上がってんなあメンバーは、齋藤飛鳥と悩むところですが星野みなみ

結成当初から見てきた古参からすると、目くるめく名シーンの連続でした。

まず最初の『マネキン』からして色々思うところがありますよね。
2017年東京ドームのオープニング曲。そして生駒里奈の「死ぬまで私の代名詞と言わせてください」。

全体ライブだと飛鳥センターでやることが多いこの曲ですが、そこは1期ライブ。
オリジナルフロント生生星のうち2枚が現役ですから素直に生田絵梨花星野みなみがセンターに立ちます。
しかもいつ以来なのかちょっと思い出せないぐらい久々の「胡坐振り付け」。

どうしてもコスプレ感が強くなってしまうこの曲の衣装をなんとなく(「難なく」ではない)着こなしてみせる齋藤飛鳥と星野みなみはさすがとしか言いようがない笑

MCを挟んでメンバープロデュース企画、真夏の全国ツアーでやった「ジコチュープロデュース」の他己版ですね。

トップバッターは生田絵梨花センターで、乃木坂史上屈指の可愛い衣装を誇る『13日の金曜日』。こんなにAフレのボーカルが安定したこの曲を聴くのは初めてだ笑
この衣装を着る星野みなみ松村沙友理というのも新鮮。

そして「日本でいちばん優しい女性」こと高山一実は『僕のこと、知ってる?』をピアノ弾き語りで披露。というフェイク。エンディングだけ本当に弾いたのですが、めちゃめちゃ手が震えていたのがなんとも微笑ましかったですね。

そしてこの日のハイライトのひとつでしょう、生田絵梨花プロデュースによる松村沙友理の『釣り堀』でファンをしんみりさせてからの和田まあや『ガールズルール』というとてつもない落差。(ここは後の記事で別途書きます)

MCでこのコーナーを振り返った時の生田絵梨花秋元真夏に対するコメント「いい感じに腹が立った」がなんか横澤夏子や吉住あたりの女芸人に対する誉め言葉っぽい。

そして大人っぽいパフォーマンスを誉められた星野みなみが「じゃあこれからは乃木坂のセクシー担当で!」と意気込むも、色めき立った周囲の「いいんですかあ!?」に一瞬で腰が引けて「嫌ですやっぱ」も面白かったですね。

続いてお姉さん組と年少組が曲を入れ替えるという企画。

『でこぴん』のセンター、すなわち白石麻衣ポジションが樋口日奈なのが良かった。

そして『ここじゃないどこか』では可愛い声を出そうとして全然出せていない高山一実
メンバーが幕を持つ演出はシンプルに1stバスラの再現だったんですね。
一瞬『走れ!Bicycle』を全握で初披露した時に、選抜メンバーがスタンバイするのをアンダーメンバーが持った幕で隠すという屈辱の記憶のオマージュ…というかそれを乗り越えて今があるというメッセージかと思ってしまいましたがそれは穿った見方が過ぎますね。

『ごめんね、スムージー』。
一度もオリジナルメンバーで披露することが叶わなかったこの曲をセレクトしたのは「温泉トリオへのメッセージだ!」と思いたいところですが、単に「この曲、可愛くて好き~」ぐらいのゆるい理由でしょうね笑

そして生田絵梨花ピアノ伴奏での『心の薬』!これにはちょっと「うおっ」と声が出ました。

古参オタにとってはとてもとても特別な曲です。
最初のプリンシパル。彼女たちが初めて見た地獄。今となっては笑い話かもしれないけれど、当時は本当にボロボロになった記憶。

そして『ぐるぐるカーテン』で本編は幕を閉じます。

アンコール1曲目。
そこから怒涛の後輩曲3連打。

エンディング目前のメンバーたちの感想がまた、なんとも胸に沁みるものでした。

「いい人の周りにはいい人が集まる」そう言った星野みなみ

違いますよね。
いい人には、周りまでいい人にしてしまう力があるんです。
北野優二(『いいひと。』の)がそうであったように。

松村沙友理の「本当に素敵なライブになったんじゃないかな」という言葉にはメンバーの素直な満足感が表れていたように思います。

最後の最後に歌われたのがデビューシングル、ではなくそのアンダー曲というのがまた最高じゃないですか。

そういえばこれ、最初のプリンシパルのエンディング曲でもありましたね。


終わってみれば私が開演前に感じていた不安など、まったくの杞憂でした。

たった8人でも、乃木坂を象徴するメンバーが卒業しても。
地味めなセトリでもセンターに誰が立っても後輩の曲をやっても。

もう、何をやっても乃木坂。猫語でさえ笑

やっぱり1期生は「余裕」とか「懐の深さ」とか「地力」とかそういうものが違います。

なぜなら彼女たちがThe Originalだから。



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前の記事ではライブ全体についての感想を書きましたが、今回は個人的に印象に残ったシーンを書いていきます。

美しき予定調和


まず最初に「ビジュアル仕上がってんな~」と思ったのは山下美月でした。いや、もちろんこのところずっと素晴らしいんですがこの日は輪をかけて凄かった。

オープニングの『ぐるぐるカーテン』が終わり、コツ…コツ…という足音を響かせるふたつの影。
「うお、ここで『行くあてのない僕たち』が来るとかマジか!」と大いに盛り上がったのですが『インフルエンサー』でしたね。井上小百合推し特有の脊髄反射です(5thバスラで強烈に刷り込まれたあれです)。

『シンクロニシティ』で白石麻衣の代わりにセンターを任されたのは梅澤美波
もの凄いプレッシャーだったことでしょう。

彼女は7thバスラでも橋本奈々未の場所に立つという大役を務めました。
ななみんの卒業からまだ2年、ファンの間にその記憶が色濃く残っている状態でそこに立った彼女の姿は本当に気高いものでした。

関連記事:

(こちらは有料noteマガジン内の記事なので宣伝です笑)

『Out of the blue』で自分のところに遠藤さくらが来るのを待っている間、ひとりでわちゃわちゃする掛橋沙耶香

『毎日がBrand new day』の祝祭感。今なお12人揃っていることの喜びを全身で表現するメンバーたち。3期の絆とかそんな言葉では語りつくせない、幸福な空気。

関連記事:
『毎日がBrand new day』~3年半の月日がもたらしたもの【乃木坂楽曲考察】

1期コーナーでは『狼に口笛を』というまさかの選曲!
フロントは樋口日奈和田まあや齋藤飛鳥。この3人が最後に残ったオリジナルメンバーなんですよね。センターがひなちまなところもなんかグッときます。オッオー部分の振り(これ見るとどうしても日村さん思い出します)をやる飛鳥は久しぶりに見た気が。

向井葉月がMCをまわす姿にも「なんだか随分しっかりしたなあ」と思いました笑

そして『しあわせの保護色』。
センターは大園桃子でした。
恐らく誰もが、なんならリリース時にフォーメーションが発表された当初から予想していたでしょう。

でも、それの何が悪い。出来レースだって感動することはあるんです。
5thバスラでさいたまスーパーアリーナのステージを大泣きしてブルブル震えながら徘徊していたぞのっちが、優しく身体を支えてくれた白石麻衣の顔を見ることすらできなかった彼女がこんなに大きくなりましたよ笑

この辺りからメンバー同士の関係性が垣間見えるシーンが続きます。

『明日がある理由』、仲良しの岩本蓮加センターで嬉しそうな様子がただただ可愛い遠藤さくら

『自惚れビーチ』で寺田蘭世渡辺みり愛のふたりが大笑いしながらノリノリで踊っていたのも微笑ましかったです。

『Sing Out!』では同期の岩本蓮加阪口珠美が顔を見合わせてとびきりの笑顔。
飛鳥ソロダンス前に松村沙友理が自分のポジションを見失ってウロウロしていたのも可愛かった。

さらに本編ラスト。
『僕は僕を好きになる』を歌う前に山下美月はこう語りました。

 乃木坂のセンターという大きすぎる場所に、私が今ちゃんと立てているのか、正直まだ自信がありません。
 でもこんな私でも笑顔で迎えてくださって、居場所を作ってくれるみなさんがいてくださったおかげで、自分のことをちょっとだけ好きになれたような気がしています。

それを聞いていた梅澤美波が感極まって目を潤ませます。
上に書いた7thバスラから『僕僕』まで、梅ちゃんの見せてきた乃木坂への愛と覚悟を思い起こすとこちらの胸も熱くなります。

関連記事:

そしてアンコール。

毎年思うのですが、バスラで聴く『ダンケシェーン』はやっぱり格別です。

また1年分積み重なった「ありがとう」が溢れる日ですから。




自分をどうやって認めればいいのか?


最後に、誰からも共感を得られないと思うのですが書きます。

4期が『夜明けまで強がらなくてもいい』を歌っている姿を観ながら、私は奇妙な感覚にとらわれていました。

この「闘っている」感、どこかで観たことがある。

なんだ?
『サイレントマジョリティー』の頃の欅坂46か?

いや、違う。

アンダラ2ndシーズンだ。

正直、自分自身が驚きました。
さゆ推しである私にとって「至高」であるアンダラ2nd。まさかそれを4期生のパフォーマンスを観ながら思い出すことになるなんて。


まあ全然似てない誰かを見て、なぜか昔好きだった人を思い出しちゃうことってありますよね。

…ないか。

冗談はさておき、まずその「構成」がどこか似ているんだと思います。

無敵感溢れるフロント。
「見かけによらず、熱いハート!」のセンターと、その隣に立つ盟友。
そして逆サイドにいるのは「未来」そのものの最年少。

その強力なフロントを中心に全員が一枚岩となってまとまっている構図。(まあさすがに永島聖羅のキャプテンシーを感じるメンバーこそいませんが)

そう考えると新4期生の存在は当時ほとんどライブ経験のなかった2期生たちの姿と重なり出すから不思議です。

でもそれだけでは説明しきれません。

「無職」と呼ばれ冠番組にも全く呼ばれず、己の身を切るような切羽詰まりまくったパフォーマンスを繰り広げた当時のアンダーメンバーたち。
それに対し冠番組を1年半も継続している4期生。

あまりにも状況が違うこの両者がなぜ私の脳の中で結び付いたのか。

たぶん、

 自分をどうやって認めればいいのか?

『夜明けまで』で歌われるこの歌詞と、空に手を差し伸べるメンバーたちの姿。

「自分は本当にここにいていいのか」という問いかけに対し、仲間と共に懸命に手を伸ばして「私は、私たちはここにいたい」と叫んでいるあの感じ。

それがきっとアンダラ2ndの記憶を呼び覚ましたのでしょう。

ただここまで書いてきて思いましたが、これは別にアンダラ2ndと4期に限った話じゃないですよね。

アンダーも3期生も、遡れば2期生たちも同じ。

 ここにいていいのか。

これは多くの、というよりむしろほとんどのメンバーが抱えてきた問いです。それを超えた者もいれば今なおそれと向き合い続けている者もいるでしょう。

乃木坂としての時間が最も短い4期生たちが今まさにそれを感じているのは、むしろ当然のことなのかもしれません。

『僕僕』の3期フロント3人ですらHuluで配信されたドキュメンタリー『僕たちは居場所を探して』の中で同じようなことを述べています。久保史緒里はそれを「後から入ってきた者の宿命」とまで表現しました。

その葛藤と、それに立ち向かう意志の現出。
これこそが乃木坂を構成する重要な要素であり、誤解を恐れずに言ってしまえば魅力のひとつでもある。

少なくとも私はそう思っています。

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連続選抜の重さ


そしてパターン2。

どうしてもこのシングルで4期抜擢をする場合。

であればフロントと2列目の両サイド、齋藤飛鳥・堀未央奈を山下美月・与田祐希にスイッチですね。
3期4期だけで構成されたフロントで本気の世代交代をアピール。そして2列目は最強布陣で全力サポートする。この図式を強調した方が良かったと思います。

さらに歌番組では司会者の隣に喋れる先輩(白石・生田・飛鳥、あるいは高山・真夏・松村の誰か)が座り「今回は後輩を売り込みに来ました!」と明るく紹介してくれれば。
それが「いやいや私はまだまだ卒業する予定はないんで場所を譲るつもりはないんですけど~」と言える(本当に当面卒業予定のない)メンバーであればなお良いですね。

そしてもうひとつ。
24thでボーダーメン切りをするのであれば、前作『Sing Out!』選抜の時点でもっと細やかな配慮が必要だったと思います。

現時点で改めて前作の選抜を眺めてみると、こんな判断が働いていたように推測されます。

4期合流前に阪口珠美と渡辺みり愛を初選抜することは確定。
伊藤理々杏と佐藤楓は22nd『帰り道は遠回りしたくなる』で1回限りのお試し初選抜というシナリオだったのが、ふたりとも握手が売れすぎた(4次で30部完売)ため外しづらくなった。片方だけ外すわけにもいかず両者残留。

また運営として「りりれん」の間で扱いに大きな差をつけることは望んでいなかったので岩本蓮加が選抜復帰。れんたんよりも握手完売速度の速いメンバーが複数いるのでもう1枠増やすことになり、そこを鈴木絢音、寺田蘭世そして樋口日奈で争った結果、絢音ちゃん。

つまり、たまちゃんとみり愛の選抜は既定路線だったが、より握手完売速度の速いメンバーが何人もいたためそのバランスに苦慮し、最終的に蘭世とひなちまが割を食う形になった。

しかし結果として連続で選抜入りしたりりあとでんちゃんのふたりはアンダーメンバーのファンから大きなヘイトを集めてしまいました。

連続選抜=選抜定着がこれまでの流れであり、過去何人ものメンバーがこの厚い壁に跳ね返されてきました。
24thのアンダーメンバー(活動休止の井上小百合と大園桃子を除く)で連続選抜の経験があるのはこのふたりと6th『ガールズルール』以前の中田花奈だけです。
そう考えると「ふたりにはまだ時期尚早」という拒絶反応が出てくるのもある意味無理からぬことではないでしょうか。

運営はもう少し「連続選抜」というものの重みに自覚的であるべきだと思います。


どうか心を折らないで


さらに気になるのは蘭世とひなちまのショックです。
選抜実績という切り口ではりりあ、でんちゃん、れんたん、絢音ちゃんとの勝負づけがついてしまったように見えるのです。本人たちもファンも、これは非常につらい。

『Sing Out!』時点
りりあ、でんちゃん(連続選抜) > れんたん、絢音ちゃん(アンダーを1作挟んで復帰) > 蘭世、ひなちま(3作連続アンダー)

24th時点
りりあ、でんちゃん、れんたん、絢音ちゃん(1作アンダー) > 蘭世、ひなちま(4作連続アンダー)

この6人は全員揃って24th選抜から外れたので現時点ではいわゆるボーダーメンであると推測されます。そうであれば、前作の時点でここまでの差をつける必要があったか大いに疑問です。


ここまで「どうするのがベストだったのか」と謳って書いてきましたが、正直ここの判断は非常に難しいです。(この6人全員選抜だと人数的にアンダラが成立しないという問題もありました)

ほぼ横一線とみて単純にローテーションで蘭世とひなちま選抜で残りの4人アンダーでも良かった気がします。たまちゃんが憧れのひなちまと一緒に選抜入りというトピックにもなりますし。もうひとり増やすのであればりりれんのバランスを考慮し絢音ちゃんかと。

いずれにせよ苦渋の選択であることに変わりはありません。


全員が納得する選抜などありえません。
ファンに過度に阿る必要もないと思います。

ただ、4期生合流により選抜入りのライバルが11人増えるという極めてナイーブな状況で先輩メンバーたちの心を折りにいくような選択だけは避けていただきたいです。


文句ばかり言い続けてきたので、最後に24thシングルに期待することを書きます。


続きます。

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