ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

タグ:橋本奈々未

びーむ色調補正3

後輩との絆、大人メンバーとの絆


前の記事からの続きです。

『失いたくないから』に続き、各期の後輩たちとのパフォーマンスへ。
『バレッタ』『逃げ水』『夜明けまで強がらなくてもいい』と、それぞれの期が初めて参加したシングル曲。これはライトファンも一定数観ているであろうことを踏まえての選曲でしょうか。

リアルタイムでは「期別曲やればいいのに…」と思っていましたが、今にして思えば白石麻衣が『三番目の風』や『I see…』に入っても違和感の方が強かった気もします。『ライブ神』はちょっと観てみたかったですけど笑

1期の時と同様、ふたりずつまいやんに歩み寄り抱き合う演出。そして大間奏でのメッセージも共通です。

印象に残ったのはとりわけまいやんに懐いていた大園桃子

卒業発表後、まい姉さんを「笑顔で見送りたい」と何度も言っていた彼女。
加入当初は事あるごとに泣いていましたが、少しずつゆっくりと成長し最近では滅多なことでは涙を見せなくなっていた彼女。ここはこらえきれず泣きじゃくります。

しかしこの後はアフター配信での最後のハグまで笑顔でやり抜いたぞのっち。
強くなった自分を見せてまいやんに心配させまいというその気持ちが観る者にも伝わりました。


ここで一旦映像が挟まれ、その中では「大人メンバー」への特別な思いが語られます。

そして『立ち直り中』のイントロへ。好きなんですよこの曲。

大人メンバーって具体的にはデビュー直後に高校を卒業している93年組までを指すんでしょうかね?
94年組は結成当初バリバリの女子高生で大人って感じじゃなかったし、最多人数でわちゃわちゃしてましたし。

通常のライブであればユニット曲コーナーだったであろうこのセクション。
そこをすべて大人メンバーとの楽曲にし、しかもそれが8曲も続いたことにその絆が表れているように感じました。

そしてやっぱりまいやんは初期の楽曲に思い入れがあるように思います。

元祖ダンス曲『セカラバ』、鉄板ユニット曲『偶然』『でこぴん』『せっかち』、そしてホワイトハイ唯一の楽曲『渋谷ブルース』。
その多くが2012年末のZepp Tokyoライブや翌年のZepp真夏の全国ツアーなど、まだホールツアーすらできない頃から歌ってきたもの。

ライブが好きな彼女にとって忘れえぬ曲たちなのではないでしょうか。


この後、ライブは一気にエンディングへ向けて加速します。

『シンクロ』『インフル』。問答無用のレコ大受賞曲2連発。

続いて流れ出したイントロは、あの曲でした。

全員で作った花道


『サヨナラの意味』。

この曲がセトリに入っていることに、さらにこのライブ終盤で使われることにちょっと驚きました。

だって、この曲はどうあがいても「橋本奈々未の歌」じゃないですか。
ななみんの卒業後は「橋本奈々未を想って歌う歌」でしたよね。

センターが齋藤飛鳥であろうが、4期単独ライブの全員センター企画で「尊敬する同郷の先輩の曲です」と語った金川紗耶であろうがそれは変わることはありませんでした。

それを、白石麻衣卒コンのクライマックスで使う。

イントロ。
全員でまいやんを見送る花道を作ります。もうこの時点で私は泣きそうでした笑

そこから左右に展開し、歌い出すとまたふたりずつまいやんに歩み寄り抱き合います。

もうここからは息つく暇もない名シーンの連続。

最初は齋藤飛鳥秋元真夏
西野七瀬も白石麻衣もいなくなる乃木坂で、キャプテンとして後輩を引っ張らなければいけない真夏さんと「エース」として看板を背負わなければならない飛鳥ちゃん。

泣き崩れる真夏、対照的に笑顔の飛鳥が彼女ごとまいやんを抱きしめる姿にこちらの胸もまた締めつけられます。

高山一実と星野みなみが続き、この後は4期生から順に期をさかのぼっていきます。

後ろに退いてからボロ泣きする賀喜遥香

何度も泣きそうになりながら懸命に我慢して最後は必死に笑顔を見せようとするけれど、うまく笑えず泣き笑いになる柴田柚菜

久保史緒里と佐藤楓のあたりから歌えなくなるまいやん。

「うおぉぉん」という声が聞こえそうなくらい大泣きしている新内眞衣

樋口日奈と和田まあやの1期年少コンビを経て、最後は生田絵梨花松村沙友理でした。
笑顔で支える生ちゃん。悲しそうな顔でうつむくまっつん。

大の仲良しで、まいやんを愛し愛されたふたり。
冠番組でも『乃木撮』でも、まいやんを取り合うふたりの微笑ましい姿を何度も見せてくれました。

でも、それも今日で終わりなのです。

いくまいさゆ。
あんたたち、最高だったよ!


間違いなくこの日のハイライトとなった『サヨナラの意味』。

「橋本奈々未の歌」という「呪縛」。そう言ったら少し大げさかもしれません。
でもそれだけななみんの存在は大きかった。
そしてそれを解き放てるのはきっと、白石麻衣だけだったのでしょう。

この日をもって、ななみんを想う歌から乃木坂の卒業ソングへ。新たな意味を持つ楽曲へと昇華した『サヨナラの意味』。

この先も歌い継がれる、乃木坂を見守ってくれる1曲になりました。

後ろ手でピースしていたあの人のことは決して忘れないけれど。


続きます。

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タオル補正
『羽根の記憶』
乃木坂46の12thシングル『太陽ノック』カップリング曲。セブンイレブン限定版収録。2015年7月22日リリース。歌唱メンバーは『太陽ノック』選抜メンバー18人、センターは生駒里奈。

杉山楽曲そして乃木坂の「美」のワンオブザベスト


杉山勝彦楽曲の中でも屈指の名曲。

と言うたびに友人からは「いやMV補正入ってるだろ」とつっこまれますが、まあそりゃ補正も入りますわな。

誤解を恐れずに言えば「一番美しい頃の乃木坂46を永久保存したMV」でしょう。

こういうことを言うと「1期至上主義者かよ」と叩かれそうですが、私は正真正銘のWMD(割とみんな大好き)ですのでまあ怒らずに最後まで読んでください。

乃木坂の全盛期はいつか。

ファンそれぞれに思うところがあるし、そもそも推しメンが誰かによって全然認識も違ってくることでしょう。何なら非常に揉めるところです笑
個人的にはその話題になると頭をよぎるのがこの『羽根の記憶』のMVです。
(まあグループとしての全盛期がここだとは正直思っていないんですが)

もちろんそれぞれのメンバーにおける「美の極致」は時期がバラけるでしょう。ただこと「1期生」というくくりでは全員のビジュアルがひと通り洗練され完成の域に達したのはこの頃だと思っています。

それはつまり、最後のピースである齋藤飛鳥のビジュアルが仕上がったということを意味します。

MV開始1分過ぎの飛鳥の美しさたるや。
彼女が15thシングル『裸足でSummer』のセンターに抜擢され一気にブレイクするまだ1年前のことです。

歌唱メンバー=『太陽ノック』の選抜である18人も、斉藤優里を除けば全員が後に選抜固定となる強力布陣。ちなみに新内眞衣はこの時が初選抜でしたのでちょっと初々しいです。

さらにそのメンバー全員がきちんとフィーチャーされるカット割り。
これだけのビジュアルが揃っていればそれを素直に見せるだけで素晴らしい作品になるということを証明しています。秋元康なら「こんな当たり前のことやってもしょうがないんだよ!」とか的外れな指摘をするところでしょうが笑

そして何より、深川麻衣と橋本奈々未がいます。

グループにおいて特別な役割を果たし、多くの年少メンバーから慕われ、高い人気でグループを牽引したふたり。

乃木坂を乃木坂たらしめたのは間違いなく1期生たちで。
そんな彼女たちの作り上げた世界の完成形こそ、この頃から翌2016年6月にまいまいが卒業するまでの1年にも満たない期間。

私はそう考えています。

「ベストワン」はそれぞれのファンの思い入れで決めればいい。
ただ乃木坂の「美」という視点では、まいまいとななみんがいるこの時期が「ワンオブザベスト」に入るのは間違いないでしょう。

まいまい卒業寸前の『NOGIBINGO!6』でのメンバーのビジュアルは本当にとんでもなく素晴らしいです。これ書いちゃうと論旨がずれますが笑



やはりこの人、橋本奈々未


そしてもうひとつ。
この曲、個人的には「あらかじめ作られた乃木坂の解散シングル」だと思っています笑

 想像してみた 10年後の自分

こんなセンチメンタル全開のフレーズで始まるこの曲。

MVで描かれるのは「乃木坂後」のメンバーの姿。
ただ星野みなみと齋藤飛鳥が学生服なので少なくとも「10年後」ではないですね笑

彼女たちは離れ離れで、それぞれの場所でそれぞれの時間を生きています。

明らかに芸能界に残っている描写なのは生駒里奈、生田絵梨花、そして松村沙友理の3人だけ。他のメンバーは一般人に戻っているような日常が描かれています。

そしてその中でも異彩を放つのがやはりこの人。

橋本奈々未。

彼女のいる場所はコインランドリー。

生活感。
ななみんのシーンだけ、それがあるのです。

ずっと前から、卒業する時は芸能界引退と決めていた。
だからあえてこんな生活感を醸し出すシチュエーションでの撮影を選んだんじゃないか。

他のメンバーたち(どこかスタイリッシュな日常を切り取ったイメージ)との対比でそんな幻想を抱かせるのも彼女ならではですね。

 その時2人 友達のままで
 冗談言いながら 生きていられたらいい

既に歌唱メンバーの過半数が卒業している現在、この歌詞を聴くとそれだけで切なさを覚えます。


この曲が出た2015年夏。

全ツファイナルの神宮球場で桜井玲香が叫びました。

 絶対皆さんを後悔させないようなグループになります!
 どこにも負けないようなグループになります!
 なので乃木坂のことを愛し続けてください!

まだ紅白もレコ大も東京ドームも知らない、坂の途中にいた彼女たちの記憶です。


そしてあれから5年近くが経った2020年春。

再びこの『羽根の記憶』が脚光を浴びます。

配信ドラマ『サムのこと』で4期生5人(遠藤さくら、掛橋沙耶香、金川紗耶、田村真佑、早川聖来)が演じる解散したアイドルグループ「ホワイトベアーズ」のデビュー曲としてこの曲が使われたのです。アイドル時代のMV、さらに解散後に当時を思いながらカラオケで歌うというシーンもあります。

美しさの極みにあった2015年の乃木坂が10年後の自分たちを思って歌ったこの曲を、当時を知らない後輩たちが5年後に歌う。劇中でアイドルとして、そしてアイドルでなくなった者として。

このシチュエーションもかなりグッとくるものがあります。

これについて本気で語りだすとかなり長くなりそうなので、いつか『サムのこと』に関する記事で書きたいと思います。


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伝説のアンダーライブ2ndシーズンを題材にしたセミドキュメンタリー小説。あの頃の熱量を叩き込んだ渾身の50,000文字です。
 

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