ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

タグ:生田絵梨花

びーむ色調補正3
前の記事では個人的に印象に残ったシーンを列挙しましたが、この記事ではタイトルにもあるふたりのメンバーについて主に取り上げます。

松村沙友理の帰る場所


この日のハイライトのひとつだった、生田絵梨花プロデュースによる松村沙友理の『釣り堀』。

 いつも頑張っているから、さゆりんごを乃木坂46を、たまにはサボってみよう
 いつでもこの場所はあるから、自分の好きなようにいていいよ

私はこの生ちゃんのコメントの時点でもう心がかき乱されました。

いや、それそのままあんたにも言いたいわ!
っていうか1期生みんなそうだよな!真夏さんもかずみんも、飛鳥ちゃんも。

乃木坂内では後輩にちゃんとした姿を見せて、外出たら大きくなった乃木坂の看板背負って。大変だよな。すごいな。

このところ3期生たちが一気に「看板背負ってる感」出してきてくれて頼もしいし、どこか「少しでも先輩を楽にしてあげたい」っていう感じがするのが痺れるよな。

…みたいなことをゴチャゴチャ考えているうちに曲が始まりました笑

ステージの上、最新シングル『僕は僕を好きになる』の衣装で踊るメンバーたちの姿を遠い客席から眺めるまっつん。
生ちゃんの意図は「たまにはちょっと休んで」なんでしょう。でも私には正直「もう乃木坂じゃなくなった彼女が外から乃木坂を観ている」姿にしか見えませんでした。

…と書いていたらたった今(2021/4/15)松村沙友理さんの卒業が発表されました。
だとすれば当日には語れなかった生ちゃんの本当の意図はこうだったのかもしれません。

 ずっと、さゆりんごを乃木坂46を頑張ってきてくれたから、もう自分のために生きていいんだよ
 卒業してもずっとここに乃木坂はあるから、辛くなったらいつでも連絡してね

ふいに立ち上がり、ステージに背を向け歩き出すまっつん。客席からロビーへ、そして会場外へと。

ラスト、ベンチに横たわり居眠りする彼女にそっとブランケットがかけられ、母親のような表情をしたメンバーたちがまっつんの身体を優しくさする。

いや泣いちゃうよ。こんなの観せられたら。

などとこちらは感傷的になっているというのに、有無を言わさず始まるのが和田まあや主演のインド映画『ガールズルール』。このとてつもない落差。

ナンセンスでごった煮で、最終的にはさっき俺を泣かせたはずのまっつんが「1日に100枚ナンを食べる女」を演じていました。

なんちゅーカオス。ジーニアスとしか言いようがない。

そして「まあやのモノマネが好きなんですよね」という煽りVのコメントが全く本編と関係ない。マシュマロぐらい関係ない。

どう考えても唯一無二の存在ですよね…寂しいな、ホントに。




齋藤飛鳥が末っ子に戻れる場所


いきなりですが、可愛かったですよねこの日の齋藤飛鳥。
いやもちろんいつも可愛いですし、秋元真夏プロデュースの「あしゅりん」に引っ張られたわけでもありません(むしろ個人的にはああいうの苦手です笑)。

凄くシンプルに言えば、とても自然に笑っていました。
たぶん、久しぶりにのびのびと「末っ子としての自分」を満喫していたからだと思うんです。

以前に私は2019年真夏の全国ツアーのライブレポで飛鳥への依存度の高さを危惧し「飛鳥ちゃんを壊すな」と書きました。



そう言いたくもなるぐらい、西野七瀬卒業後のライブでは常に彼女が中心で多くの負担を背負っていました。(白石麻衣や生田絵梨花が欠場しがちということもあります)

そして3期4期から見れば、加入時点で既に憧れのスーパーエースだったであろう飛鳥。
ずっと背中を見せてきたプレッシャーは我々ファンの想像も及ばないほど大きかったのではないでしょうか。

でもこの日は1期生ライブ。

スーパーエースの鎧を脱いで、あの頃のあしゅりん…っていうと怒られそうなので「最年少の飛鳥ちゃん」でいられる場所。

気心の知れた同期であり「何をやっても乃木坂」な歴史に裏打ちされた底力のあるメンバーたちに囲まれて、きっとここ数年のライブの中で最もリラックスしていたのではないでしょうか。

最初の『マネキン』からしてそうです。全体ライブだとこの曲も飛鳥センターが多いですが、この日の彼女は後ろの方で和田まあやとじゃれていました。個人的には1期生の中でこういう「その他大勢感」を出している時の飛鳥が大好物笑

『でこぴん』もこれがもし全体ライブであれば白石麻衣ポジションもやっぱり飛鳥だったんじゃないでしょうか。(樋口日奈が悪いという意味ではなく。前の記事で書いた通りむしろ嬉しい)

そして8人それぞれが入れ替わりながらセンターを務め、敢えて言わずともサラッと「全員センター」をやってのけます。

気づけばラストまでほとんど飛鳥がセンターに立つことはなく、そしてそれがごく自然なことに感じられました。

やっぱり同期って特別なんだな、と思います。

まあやが46時間TVで「飛鳥昔は明るかったじゃん!」と発言していましたが、そんな昔の飛鳥が垣間見られた気がしました。

アンコール、やり切った笑顔で互いの顔を見やる8人の姿はもう歴戦の勇者そのものでした。

もう大勢いなくなって、今ここにいる仲間の残り時間もほんの少しで。

だからこそ愛情を思い切り溢れさせよう。
この時間を無邪気に、全力で楽しもう。

8人全員がそう感じているような、そんな空気感。

一体、どれだけのものを越えてここにたどり着いたんだろう。
そう思うと、最高に楽しいのにこちらの胸も締めつけられます。


以前に4期生ライブのレポで書いた、ファンの側が「乃木坂のこういうところが好き」とか「バックヤードでも実際にそうだったらいいな」と願う部分。

それが本当だと思わせてくれるシーンがこの日もありました。

お姉さん組と年少チームの曲を交換したところと、アンコールでの後輩曲3連打。
いわゆる自分の「持ち曲」ではない楽曲を本当に楽しそうにパフォーマンスするメンバーたち。

過去何度もメイキング映像で流された、自分がステージに上がっていない時も袖やモニターで観ながら一緒に踊っている姿が思い出されます。

みんな、グループがそしてメンバーのことが大好きでしょうがない。

年少チームはお姉さんたちに憧れ、お姉さんは年少メンバーを愛で。
同じ構図が今では先輩と後輩の間にも存在しているという奇跡のような幸福。

乃木坂独特の「多幸感」。

その源をこの日の1期生ライブで改めて感じることができました。

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びーむ色調補正3

8/33(34)


前日の2期生ライブの余韻も色濃く残る中行なわれた1期生ライブ。

正直、始まる前は少し怖さのようなものを感じていました。

わずか8人。たった8人。

いや、人数でいえば前日の2期生だって同じです。

でも我々は33人で始まった乃木坂46を見てしまっている。

相次ぐ卒業生を成長著しい3期4期で埋めてきたのがここ数年の乃木坂でした。
1期至上主義のファンの中には大きくメンバーが入れ替わってしまったグループを認めない人もいることでしょう。私自身は現在の乃木坂も本当に素晴らしいと思っていて、だからこそ推しである井上小百合が卒業してもグループを応援し続けています。

ただ、この日は1期生だけ。

白石麻衣も西野七瀬も生駒里奈も桜井玲香も若月佑美も衛藤美彩も深川麻衣も温泉トリオも、そして橋本奈々未もいない1期生。

それは果たして「乃木坂」なのか。

何年も応援してきた1期生たちを「こんなの乃木坂じゃない」と感じてしまうのではないか。そんな漠然とした不安を抱えながらTVの前に座っていました。

セットリストはこちらです。

Overture
01. 制服のマネキン(センター:生田絵梨花・星野みなみ)
02. 会いたかったかもしれない(センター:生田絵梨花)
03. 指望遠鏡(センター:星野みなみ)
04. 君の名は希望(センター:齋藤飛鳥)

他己プロデュースコーナー(演者/プロデュース)
05. 13日の金曜日(生田絵梨花/星野みなみ)
06. Out of the blue(秋元真夏/齋藤飛鳥)
07. 僕のこと、知ってる?(高山一実/松村沙友理)
08. 命は美しい(樋口日奈/星野みなみ)
09. ロマンスのスタート(齋藤飛鳥/秋元真夏)
10. 欲望のリインカーネーション(星野みなみ/和田まあや)
11. 釣り堀(松村沙友理/生田絵梨花)
12. ガールズルール(和田まあや/松村沙友理)

13. でこぴん(センター:樋口日奈)
14. ここじゃないどこか(センター:高山一実)

15. インフルエンサー(センター:高山一実・樋口日奈)
16. あの日 僕は咄嗟に嘘をついた(センター:和田まあや)
17. Against
18. 裸足でSummer
19. ごめんね、スムージー(センター:星野みなみ・松村沙友理)
20. 心の薬

21. ぐるぐるカーテン(センター:生田絵梨花・星野みなみ)

EN1. 思い出ファースト(センター:秋元真夏)
EN2. ボーダー(センター:松村沙友理)
EN3. I see…(センター:星野みなみ)

EN4. 左胸の勇気(センター:生田絵梨花・齋藤飛鳥)

観終わった時の気持ちをどう言葉にすればいいんでしょう。

色んな記憶と感情が揺さぶられたけど、一言でいうならば幸せな時間でした。




「奇跡のような者たちが集まった」


例によって印象に残ったシーンを挙げていきます。

本日のビジュアル仕上がってんなあメンバーは、齋藤飛鳥と悩むところですが星野みなみ

結成当初から見てきた古参からすると、目くるめく名シーンの連続でした。

まず最初の『マネキン』からして色々思うところがありますよね。
2017年東京ドームのオープニング曲。そして生駒里奈の「死ぬまで私の代名詞と言わせてください」。

全体ライブだと飛鳥センターでやることが多いこの曲ですが、そこは1期ライブ。
オリジナルフロント生生星のうち2枚が現役ですから素直に生田絵梨花星野みなみがセンターに立ちます。
しかもいつ以来なのかちょっと思い出せないぐらい久々の「胡坐振り付け」。

どうしてもコスプレ感が強くなってしまうこの曲の衣装をなんとなく(「難なく」ではない)着こなしてみせる齋藤飛鳥と星野みなみはさすがとしか言いようがない笑

MCを挟んでメンバープロデュース企画、真夏の全国ツアーでやった「ジコチュープロデュース」の他己版ですね。

トップバッターは生田絵梨花センターで、乃木坂史上屈指の可愛い衣装を誇る『13日の金曜日』。こんなにAフレのボーカルが安定したこの曲を聴くのは初めてだ笑
この衣装を着る星野みなみ松村沙友理というのも新鮮。

そして「日本でいちばん優しい女性」こと高山一実は『僕のこと、知ってる?』をピアノ弾き語りで披露。というフェイク。エンディングだけ本当に弾いたのですが、めちゃめちゃ手が震えていたのがなんとも微笑ましかったですね。

そしてこの日のハイライトのひとつでしょう、生田絵梨花プロデュースによる松村沙友理の『釣り堀』でファンをしんみりさせてからの和田まあや『ガールズルール』というとてつもない落差。(ここは後の記事で別途書きます)

MCでこのコーナーを振り返った時の生田絵梨花秋元真夏に対するコメント「いい感じに腹が立った」がなんか横澤夏子や吉住あたりの女芸人に対する誉め言葉っぽい。

そして大人っぽいパフォーマンスを誉められた星野みなみが「じゃあこれからは乃木坂のセクシー担当で!」と意気込むも、色めき立った周囲の「いいんですかあ!?」に一瞬で腰が引けて「嫌ですやっぱ」も面白かったですね。

続いてお姉さん組と年少組が曲を入れ替えるという企画。

『でこぴん』のセンター、すなわち白石麻衣ポジションが樋口日奈なのが良かった。

そして『ここじゃないどこか』では可愛い声を出そうとして全然出せていない高山一実
メンバーが幕を持つ演出はシンプルに1stバスラの再現だったんですね。
一瞬『走れ!Bicycle』を全握で初披露した時に、選抜メンバーがスタンバイするのをアンダーメンバーが持った幕で隠すという屈辱の記憶のオマージュ…というかそれを乗り越えて今があるというメッセージかと思ってしまいましたがそれは穿った見方が過ぎますね。

『ごめんね、スムージー』。
一度もオリジナルメンバーで披露することが叶わなかったこの曲をセレクトしたのは「温泉トリオへのメッセージだ!」と思いたいところですが、単に「この曲、可愛くて好き~」ぐらいのゆるい理由でしょうね笑

そして生田絵梨花ピアノ伴奏での『心の薬』!これにはちょっと「うおっ」と声が出ました。

古参オタにとってはとてもとても特別な曲です。
最初のプリンシパル。彼女たちが初めて見た地獄。今となっては笑い話かもしれないけれど、当時は本当にボロボロになった記憶。

そして『ぐるぐるカーテン』で本編は幕を閉じます。

アンコール1曲目。
そこから怒涛の後輩曲3連打。

エンディング目前のメンバーたちの感想がまた、なんとも胸に沁みるものでした。

「いい人の周りにはいい人が集まる」そう言った星野みなみ

違いますよね。
いい人には、周りまでいい人にしてしまう力があるんです。
北野優二(『いいひと。』の)がそうであったように。

松村沙友理の「本当に素敵なライブになったんじゃないかな」という言葉にはメンバーの素直な満足感が表れていたように思います。

最後の最後に歌われたのがデビューシングル、ではなくそのアンダー曲というのがまた最高じゃないですか。

そういえばこれ、最初のプリンシパルのエンディング曲でもありましたね。


終わってみれば私が開演前に感じていた不安など、まったくの杞憂でした。

たった8人でも、乃木坂を象徴するメンバーが卒業しても。
地味めなセトリでもセンターに誰が立っても後輩の曲をやっても。

もう、何をやっても乃木坂。猫語でさえ笑

やっぱり1期生は「余裕」とか「懐の深さ」とか「地力」とかそういうものが違います。

なぜなら彼女たちがThe Originalだから。



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タオル補正

26thシングルの持つ重い意味


たぶんこれが正解なのでしょう。

新センター、山下美月。

この決定に至った経緯を私なりに推測してみます。

まず、今回の候補者は6人。

写真集で突出した売り上げを叩き出し、人気の裏づけとなる数字がある4人。
生田絵梨花、齋藤飛鳥、山下美月、与田祐希。

そしてエース候補として順調に支持を広げている4期生の遠藤さくら。
その彼女と並び立つ堂々の4期ツートップの地位を確立した賀喜遥香。かっきーには『I see…』のブレイクという追い風もありました。

前作『しあわせの保護色』では白石麻衣卒業シングルで1期生全員集合の例外的な選抜、その後リリースされた配信シングル『Route 246』は飛鳥センターで左から与田生田遠藤賀喜というフロント。
後の記事で詳しく書く予定ですが、この曲はかなり「超選抜」感の強いものでした。

それらを経て発売される26thシングル。
そのセンターにかかる重圧はこれまでの比ではありません。

白石麻衣卒業コンサートという大きな大きなひと区切りがついた、乃木坂のリスタート。

だけでなく、コロナの影響により次のシングルはほぼ間違いなく売り上げが減少、それも恐らく「激減」といっていいほどのダウンが想定されます。

なぜなら個別握手会がオンラインでのトーク、いわゆるミート&グリート(以下「ミーグリ」)になり、全国握手会も行なえないため。
(ちなみに先に発売した日向坂46のアルバムはこれまで同様の抽選での各種グッズプレゼントに加え、全国握手会の替わりであろう「2枚で全員当選の配信ミニライブ視聴権」。櫻坂46のシングルは記事作成時点ではまだ「応募特典シリアルナンバー」であり、特典内容は発表されていません)

ファンからすれば「そりゃこの状況じゃ減るよね」としか思わないことであっても、実際に売り上げの数字が出ればネットニュースで「握手会商法の現実が露呈」的な見出しが躍り、ここぞとばかりに叩いてくる輩が現れることでしょう。
あるいは「白石麻衣の卒業により乃木坂は終わった」的な悪意に満ちた記事も出てくるかもしれません。

26thシングルのセンターを担うとは売り上げダウンとそれにまつわるこうした非難の矢面に立つということなのです。

これはキツい。本当にキツい。

この時点でまだまだ売り出し途上である4期生のふたりは候補から消え、候補に浮上するのは生ちゃん。

「奥の手」であり「ジョーカー」。
人気、実力、実績すべてグループ屈指。ある意味「誰からも文句の出ない」センター。
10th『何度目の青空か?』以来、6年ぶりという話題性もあります。

そして揺るがぬ信念を持つ彼女なら、売り上げ激減に直面しても「この状況ではやむを得ないですね」とブレずに受け止められるでしょう。

しかしここでもうひとつの要素があります。それは次のシングルが持つ重要な意味。

白石麻衣卒業後の一発目。
世代交代をアピールするのであればここしかないというタイミングです。
それを考えると1期生である生ちゃんをセンターにするのは決して上策とは言えなくなり、同じ理由で「現状維持」を印象づける飛鳥もなくなります。

残るは3期生ふたり、今年どちらも写真集を大ヒットさせた与田祐希と山下美月。

今回のセンターにかかるプレッシャーに耐えうるメンタルの強さ。
さらにWセンターとはいえ18th『逃げ水』でそこに立った経験があるよだっちょではなく、「変革」を印象づける初センター。

そういう判断が働いた結果、山下美月という結論に至ったのではないでしょうか。

もう一度 肩寄せて支え合って一塊になろう


46時間TVの記事で私は彼女についてこう書きました。

 かつて橋本奈々未が醸し出していた「言葉にはしないけれど乃木坂のためなら身体を張る」感を思い出させます。

関連記事:

運営から今回のセンターにまつわる状況を説明されても

 わかりました、泥かぶればいいんですよね?

そう言ってニコッと笑いそうな凄味が今の美月にはあります。

実際に『乃木坂工事中』番組内でのコメントは冷静に状況を把握したもの。

「これから乃木坂がどうなっていくかとか
 どういう風に戦っていくかみたいなのを
 本当にしっかり考えなきゃいけない時期」

そして早々に出したブログの文章も100点でした。

「私は乃木坂がずっと変わらずに
 皆が笑顔になれる場所であってほしいと思うけれど
 現状維持ということがこの世界ではそう簡単に上手くはいかない事も理解しています」

「どうか温かい気持ちで
 私たちと一緒に
 これからの乃木坂を創ってくれませんでしょうか?
 今の私たちには
 皆様のお力添えが本当に必要です」

どうです。応援したくなりませんか。

山下美月は全部わかってるんです。

ファンの多くが乃木坂に変わってほしくないと思っていること。
でも1期生の卒業が相次ぐ中で否応なしに「変わってしまう」ことを。
白石麻衣卒業直後のこのタイミングで1期生以外のセンターを立てるのがベストの判断であることも。
そしてそこでセンターに立つ人間が変化の象徴として、1期至上主義のファンから激しく攻撃されるであろうことも。

全部わかったうえでその場所に立つ彼女を、私は応援したいですね。


そんな美月だからこの難局も大丈夫、と周囲もつい安心しがちかもしれません。

ただ、彼女が初センターであることも忘れないでほしいです。

まあ、運営もそれをわかっているからこそ同期ふたりを左右に配したのでしょう。
盟友・久保史緒里と3期のキャプテン(そんな役職はないですが笑)・梅澤美波。

乃木坂愛ということでは人後に落ちないふたり。
そして「わかってる」ふたりでもあります。

率直に言って個人としての人気では少なくとも先にあげた生ちゃん、飛鳥、よだっちょよりは下と思われます。でもこの難局において新センター美月を潰さないためにはどうしてもこのふたりが必要だったのでしょう。

さくちゃんが初センターを務めた『夜明けまで強がらなくてもいい』の時期に「かっきーとあやめんが一緒にいてくれたから頑張れた」と発言していましたが、それと同じです。

3人で、いえグループ全体が一塊になって支え合うべき「いつか」。
それはきっと今なのです。


色々書いてきましたが最後にもうひとつ。
ここで「よだももとくぼしたの物語」が新たなフェーズを迎えることになります。

24thシングルで私はくぼした=久保山下のWセンターを希望していました。
その記事で書いた「ストイックなエリート(くぼした)が雌伏の時を経て無垢の天才(よだもも)に再び並び立つ」時。それが今回ようやく訪れました。

この4人の織りなすライバルストーリーは、きっとこの先も乃木坂の物語のひとつの軸として転がり続けるのでしょう。

関連記事:




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涙を流す年長組、笑顔で見送る年少組


前の記事からの続きです。

まいやんのメッセージ、そしてソロ曲『じゃあね。』。
さらに感謝に溢れた手紙を読んだ後に「まいやんがいないとまちゅ頑張られへんねん…」と駄々をこねる松村沙友理を経て『しあわせの保護色』でライブは幕を閉じました。

そしてモバイル会員限定のアフター配信がスタートします。

まいやんを見送るために4期生から始まり1期生へと繋がる列が作られ、ひとりひとりと抱き合って言葉を交わしていきます。

ここでも数多くの印象に残るシーンがありました。

まずトップバッターだった遠藤さくらが他のメンバーとまいやんがハグするたびにのぞき込んでいる姿が可愛いかった笑

感激して涙にくれる弓木奈於を支える金川紗耶

梅澤美波大園桃子がまるで生ちゃんとまっつんのようにまいやんを取り合います。
そしてぞのっちにかけられた言葉「頑張るんだよ」にはちょっとグッときました。

その生田絵梨花松村沙友理も、まんま同じような取り合いを見せます。
がっちり決まった生田固めを「はよ終わらんかいワレ」という顔で威嚇するまっつん。

そしてようやく自分の番が来ると、言葉もなく抱き合いました。

いくばくかの時が過ぎ、マイクに入らない声でなにかを伝えるまいやん。
動きを止めた人形のようにしがみついたままのまっつん。
あの日地下鉄のホームで始まったふたりの日々が駆け巡ります。

長い長い無音の時間のあと、ようやくふたりは離れます。

ほどけた後はまいやんの涙を指ですくってなめようとして、また周囲をドン引かせていたりしましたが笑


この日全体を通して、まっつんと真夏さんは大泣きし生ちゃんと飛鳥ちゃんは微笑んでいました。

同じ苦楽を共にした1期生でも、隣にいて互いに弱さを見せあえる存在だった(まさに『ガールズルール』ですね)同世代のメンバーは寂しさに泣き、頼もしい背中を見てきた年少メンバーは感謝の笑顔を見せる。

上手く言えませんが、なんだかそれがとてもリアルで美しいと感じました。

きっとお姉さん組は年少メンバーに恥ずかしくない姿を見せようとずっと頑張ってきたのでしょう。そして年少組もそれを十分理解して感謝して、いつしか彼女たち自身も立派な大人へと成長してきた。

そんな素敵な関係性だったのではないでしょうか。

祭りの後の静けさに


アフター配信は1期生によるバスツアーへと続きます。

実はここでもうひとつ、個人的にはこの日一番ぐらい強く印象に残ったシーンがありました。

ふいに口を開いたのは齋藤飛鳥でした。
「まいやんの未来がすっごく楽しみ。何にでもなれちゃうもん」

それに対しおどけるまいやん。
「ヒーローになれる?」

「なれるよぉ、もちろん!」
何をそんな当たり前のことをと言わんばかりに目を見開く飛鳥ちゃん。

間髪入れず真夏さんが叫びます。
「もう私たちのヒーローだよ!」

内心「あれ?悪の帝王シロンジョ様(※)だったのでは?」と思いましたがそれは野暮というもの笑
※「埼玉から来た見せかけ天使」こと「さゆレンジャー」の宿命のライバルとして『NOGIBINGO!』内で2度にわたり死闘を繰り広げた

まいやんという存在が、どれほどメンバーにとって特別なものであったのか。
どれほど彼女たちを力づけ、前に進ませてきたのか。

白石麻衣への絶対的な信頼。

それが窺い知れる一幕でした。


こうして祭りの後の余韻を残し、まいやんは卒業していきました。

これからの白石麻衣と乃木坂46に、幸多からんことを。


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後輩との絆、大人メンバーとの絆


前の記事からの続きです。

『失いたくないから』に続き、各期の後輩たちとのパフォーマンスへ。
『バレッタ』『逃げ水』『夜明けまで強がらなくてもいい』と、それぞれの期が初めて参加したシングル曲。これはライトファンも一定数観ているであろうことを踏まえての選曲でしょうか。

リアルタイムでは「期別曲やればいいのに…」と思っていましたが、今にして思えば白石麻衣が『三番目の風』や『I see…』に入っても違和感の方が強かった気もします。『ライブ神』はちょっと観てみたかったですけど笑

1期の時と同様、ふたりずつまいやんに歩み寄り抱き合う演出。そして大間奏でのメッセージも共通です。

印象に残ったのはとりわけまいやんに懐いていた大園桃子

卒業発表後、まい姉さんを「笑顔で見送りたい」と何度も言っていた彼女。
加入当初は事あるごとに泣いていましたが、少しずつゆっくりと成長し最近では滅多なことでは涙を見せなくなっていた彼女。ここはこらえきれず泣きじゃくります。

しかしこの後はアフター配信での最後のハグまで笑顔でやり抜いたぞのっち。
強くなった自分を見せてまいやんに心配させまいというその気持ちが観る者にも伝わりました。


ここで一旦映像が挟まれ、その中では「大人メンバー」への特別な思いが語られます。

そして『立ち直り中』のイントロへ。好きなんですよこの曲。

大人メンバーって具体的にはデビュー直後に高校を卒業している93年組までを指すんでしょうかね?
94年組は結成当初バリバリの女子高生で大人って感じじゃなかったし、最多人数でわちゃわちゃしてましたし。

通常のライブであればユニット曲コーナーだったであろうこのセクション。
そこをすべて大人メンバーとの楽曲にし、しかもそれが8曲も続いたことにその絆が表れているように感じました。

そしてやっぱりまいやんは初期の楽曲に思い入れがあるように思います。

元祖ダンス曲『セカラバ』、鉄板ユニット曲『偶然』『でこぴん』『せっかち』、そしてホワイトハイ唯一の楽曲『渋谷ブルース』。
その多くが2012年末のZepp Tokyoライブや翌年のZepp真夏の全国ツアーなど、まだホールツアーすらできない頃から歌ってきたもの。

ライブが好きな彼女にとって忘れえぬ曲たちなのではないでしょうか。


この後、ライブは一気にエンディングへ向けて加速します。

『シンクロ』『インフル』。問答無用のレコ大受賞曲2連発。

続いて流れ出したイントロは、あの曲でした。

全員で作った花道


『サヨナラの意味』。

この曲がセトリに入っていることに、さらにこのライブ終盤で使われることにちょっと驚きました。

だって、この曲はどうあがいても「橋本奈々未の歌」じゃないですか。
ななみんの卒業後は「橋本奈々未を想って歌う歌」でしたよね。

センターが齋藤飛鳥であろうが、4期単独ライブの全員センター企画で「尊敬する同郷の先輩の曲です」と語った金川紗耶であろうがそれは変わることはありませんでした。

それを、白石麻衣卒コンのクライマックスで使う。

イントロ。
全員でまいやんを見送る花道を作ります。もうこの時点で私は泣きそうでした笑

そこから左右に展開し、歌い出すとまたふたりずつまいやんに歩み寄り抱き合います。

もうここからは息つく暇もない名シーンの連続。

最初は齋藤飛鳥秋元真夏
西野七瀬も白石麻衣もいなくなる乃木坂で、キャプテンとして後輩を引っ張らなければいけない真夏さんと「エース」として看板を背負わなければならない飛鳥ちゃん。

泣き崩れる真夏、対照的に笑顔の飛鳥が彼女ごとまいやんを抱きしめる姿にこちらの胸もまた締めつけられます。

高山一実と星野みなみが続き、この後は4期生から順に期をさかのぼっていきます。

後ろに退いてからボロ泣きする賀喜遥香

何度も泣きそうになりながら懸命に我慢して最後は必死に笑顔を見せようとするけれど、うまく笑えず泣き笑いになる柴田柚菜

久保史緒里と佐藤楓のあたりから歌えなくなるまいやん。

「うおぉぉん」という声が聞こえそうなくらい大泣きしている新内眞衣

樋口日奈と和田まあやの1期年少コンビを経て、最後は生田絵梨花松村沙友理でした。
笑顔で支える生ちゃん。悲しそうな顔でうつむくまっつん。

大の仲良しで、まいやんを愛し愛されたふたり。
冠番組でも『乃木撮』でも、まいやんを取り合うふたりの微笑ましい姿を何度も見せてくれました。

でも、それも今日で終わりなのです。

いくまいさゆ。
あんたたち、最高だったよ!


間違いなくこの日のハイライトとなった『サヨナラの意味』。

「橋本奈々未の歌」という「呪縛」。そう言ったら少し大げさかもしれません。
でもそれだけななみんの存在は大きかった。
そしてそれを解き放てるのはきっと、白石麻衣だけだったのでしょう。

この日をもって、ななみんを想う歌から乃木坂の卒業ソングへ。新たな意味を持つ楽曲へと昇華した『サヨナラの意味』。

この先も歌い継がれる、乃木坂を見守ってくれる1曲になりました。

後ろ手でピースしていたあの人のことは決して忘れないけれど。


続きます。

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『アンダラ伝説』¥300
伝説のアンダーライブ2ndシーズンを題材にしたセミドキュメンタリー小説。あの頃の熱量を叩き込んだ渾身の50,000文字です。
 

マガジン「2019年の乃木坂46」¥200
当ブログに掲載された記事を再構成し加筆したもの。総文字数10万文字、加筆部分だけでも22,000文字以上のボリュームでブログをご覧の方にも楽しんでいただけることと思います。



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