ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

タグ:生田絵梨花

タオル補正

26thシングルの持つ重い意味


たぶんこれが正解なのでしょう。

新センター、山下美月。

この決定に至った経緯を私なりに推測してみます。

まず、今回の候補者は6人。

写真集で突出した売り上げを叩き出し、人気の裏づけとなる数字がある4人。
生田絵梨花、齋藤飛鳥、山下美月、与田祐希。

そしてエース候補として順調に支持を広げている4期生の遠藤さくら。
その彼女と並び立つ堂々の4期ツートップの地位を確立した賀喜遥香。かっきーには『I see…』のブレイクという追い風もありました。

前作『しあわせの保護色』では白石麻衣卒業シングルで1期生全員集合の例外的な選抜、その後リリースされた配信シングル『Route 246』は飛鳥センターで左から与田生田遠藤賀喜というフロント。
後の記事で詳しく書く予定ですが、この曲はかなり「超選抜」感の強いものでした。

それらを経て発売される26thシングル。
そのセンターにかかる重圧はこれまでの比ではありません。

白石麻衣卒業コンサートという大きな大きなひと区切りがついた、乃木坂のリスタート。

だけでなく、コロナの影響により次のシングルはほぼ間違いなく売り上げが減少、それも恐らく「激減」といっていいほどのダウンが想定されます。

なぜなら個別握手会がオンラインでのトーク、いわゆるミート&グリート(以下「ミーグリ」)になり、全国握手会も行なえないため。
(ちなみに先に発売した日向坂46のアルバムはこれまで同様の抽選での各種グッズプレゼントに加え、全国握手会の替わりであろう「2枚で全員当選の配信ミニライブ視聴権」。櫻坂46のシングルは記事作成時点ではまだ「応募特典シリアルナンバー」であり、特典内容は発表されていません)

ファンからすれば「そりゃこの状況じゃ減るよね」としか思わないことであっても、実際に売り上げの数字が出ればネットニュースで「握手会商法の現実が露呈」的な見出しが躍り、ここぞとばかりに叩いてくる輩が現れることでしょう。
あるいは「白石麻衣の卒業により乃木坂は終わった」的な悪意に満ちた記事も出てくるかもしれません。

26thシングルのセンターを担うとは売り上げダウンとそれにまつわるこうした非難の矢面に立つということなのです。

これはキツい。本当にキツい。

この時点でまだまだ売り出し途上である4期生のふたりは候補から消え、候補に浮上するのは生ちゃん。

「奥の手」であり「ジョーカー」。
人気、実力、実績すべてグループ屈指。ある意味「誰からも文句の出ない」センター。
10th『何度目の青空か?』以来、6年ぶりという話題性もあります。

そして揺るがぬ信念を持つ彼女なら、売り上げ激減に直面しても「この状況ではやむを得ないですね」とブレずに受け止められるでしょう。

しかしここでもうひとつの要素があります。それは次のシングルが持つ重要な意味。

白石麻衣卒業後の一発目。
世代交代をアピールするのであればここしかないというタイミングです。
それを考えると1期生である生ちゃんをセンターにするのは決して上策とは言えなくなり、同じ理由で「現状維持」を印象づける飛鳥もなくなります。

残るは3期生ふたり、今年どちらも写真集を大ヒットさせた与田祐希と山下美月。

今回のセンターにかかるプレッシャーに耐えうるメンタルの強さ。
さらにWセンターとはいえ18th『逃げ水』でそこに立った経験があるよだっちょではなく、「変革」を印象づける初センター。

そういう判断が働いた結果、山下美月という結論に至ったのではないでしょうか。

もう一度 肩寄せて支え合って一塊になろう


46時間TVの記事で私は彼女についてこう書きました。

 かつて橋本奈々未が醸し出していた「言葉にはしないけれど乃木坂のためなら身体を張る」感を思い出させます。

関連記事:

運営から今回のセンターにまつわる状況を説明されても

 わかりました、泥かぶればいいんですよね?

そう言ってニコッと笑いそうな凄味が今の美月にはあります。

実際に『乃木坂工事中』番組内でのコメントは冷静に状況を把握したもの。

「これから乃木坂がどうなっていくかとか
 どういう風に戦っていくかみたいなのを
 本当にしっかり考えなきゃいけない時期」

そして早々に出したブログの文章も100点でした。

「私は乃木坂がずっと変わらずに
 皆が笑顔になれる場所であってほしいと思うけれど
 現状維持ということがこの世界ではそう簡単に上手くはいかない事も理解しています」

「どうか温かい気持ちで
 私たちと一緒に
 これからの乃木坂を創ってくれませんでしょうか?
 今の私たちには
 皆様のお力添えが本当に必要です」

どうです。応援したくなりませんか。

山下美月は全部わかってるんです。

ファンの多くが乃木坂に変わってほしくないと思っていること。
でも1期生の卒業が相次ぐ中で否応なしに「変わってしまう」ことを。
白石麻衣卒業直後のこのタイミングで1期生以外のセンターを立てるのがベストの判断であることも。
そしてそこでセンターに立つ人間が変化の象徴として、1期至上主義のファンから激しく攻撃されるであろうことも。

全部わかったうえでその場所に立つ彼女を、私は応援したいですね。


そんな美月だからこの難局も大丈夫、と周囲もつい安心しがちかもしれません。

ただ、彼女が初センターであることも忘れないでほしいです。

まあ、運営もそれをわかっているからこそ同期ふたりを左右に配したのでしょう。
盟友・久保史緒里と3期のキャプテン(そんな役職はないですが笑)・梅澤美波。

乃木坂愛ということでは人後に落ちないふたり。
そして「わかってる」ふたりでもあります。

率直に言って個人としての人気では少なくとも先にあげた生ちゃん、飛鳥、よだっちょよりは下と思われます。でもこの難局において新センター美月を潰さないためにはどうしてもこのふたりが必要だったのでしょう。

さくちゃんが初センターを務めた『夜明けまで強がらなくてもいい』の時期に「かっきーとあやめんが一緒にいてくれたから頑張れた」と発言していましたが、それと同じです。

3人で、いえグループ全体が一塊になって支え合うべき「いつか」。
それはきっと今なのです。


色々書いてきましたが最後にもうひとつ。
ここで「よだももとくぼしたの物語」が新たなフェーズを迎えることになります。

24thシングルで私はくぼした=久保山下のWセンターを希望していました。
その記事で書いた「ストイックなエリート(くぼした)が雌伏の時を経て無垢の天才(よだもも)に再び並び立つ」時。それが今回ようやく訪れました。

この4人の織りなすライバルストーリーは、きっとこの先も乃木坂の物語のひとつの軸として転がり続けるのでしょう。

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涙を流す年長組、笑顔で見送る年少組


前の記事からの続きです。

まいやんのメッセージ、そしてソロ曲『じゃあね。』。
さらに感謝に溢れた手紙を読んだ後に「まいやんがいないとまちゅ頑張られへんねん…」と駄々をこねる松村沙友理を経て『しあわせの保護色』でライブは幕を閉じました。

そしてモバイル会員限定のアフター配信がスタートします。

まいやんを見送るために4期生から始まり1期生へと繋がる列が作られ、ひとりひとりと抱き合って言葉を交わしていきます。

ここでも数多くの印象に残るシーンがありました。

まずトップバッターだった遠藤さくらが他のメンバーとまいやんがハグするたびにのぞき込んでいる姿が可愛いかった笑

感激して涙にくれる弓木奈於を支える金川紗耶

梅澤美波大園桃子がまるで生ちゃんとまっつんのようにまいやんを取り合います。
そしてぞのっちにかけられた言葉「頑張るんだよ」にはちょっとグッときました。

その生田絵梨花松村沙友理も、まんま同じような取り合いを見せます。
がっちり決まった生田固めを「はよ終わらんかいワレ」という顔で威嚇するまっつん。

そしてようやく自分の番が来ると、言葉もなく抱き合いました。

いくばくかの時が過ぎ、マイクに入らない声でなにかを伝えるまいやん。
動きを止めた人形のようにしがみついたままのまっつん。
あの日地下鉄のホームで始まったふたりの日々が駆け巡ります。

長い長い無音の時間のあと、ようやくふたりは離れます。

ほどけた後はまいやんの涙を指ですくってなめようとして、また周囲をドン引かせていたりしましたが笑


この日全体を通して、まっつんと真夏さんは大泣きし生ちゃんと飛鳥ちゃんは微笑んでいました。

同じ苦楽を共にした1期生でも、隣にいて互いに弱さを見せあえる存在だった(まさに『ガールズルール』ですね)同世代のメンバーは寂しさに泣き、頼もしい背中を見てきた年少メンバーは感謝の笑顔を見せる。

上手く言えませんが、なんだかそれがとてもリアルで美しいと感じました。

きっとお姉さん組は年少メンバーに恥ずかしくない姿を見せようとずっと頑張ってきたのでしょう。そして年少組もそれを十分理解して感謝して、いつしか彼女たち自身も立派な大人へと成長してきた。

そんな素敵な関係性だったのではないでしょうか。

祭りの後の静けさに


アフター配信は1期生によるバスツアーへと続きます。

実はここでもうひとつ、個人的にはこの日一番ぐらい強く印象に残ったシーンがありました。

ふいに口を開いたのは齋藤飛鳥でした。
「まいやんの未来がすっごく楽しみ。何にでもなれちゃうもん」

それに対しおどけるまいやん。
「ヒーローになれる?」

「なれるよぉ、もちろん!」
何をそんな当たり前のことをと言わんばかりに目を見開く飛鳥ちゃん。

間髪入れず真夏さんが叫びます。
「もう私たちのヒーローだよ!」

内心「あれ?悪の帝王シロンジョ様(※)だったのでは?」と思いましたがそれは野暮というもの笑
※「埼玉から来た見せかけ天使」こと「さゆレンジャー」の宿命のライバルとして『NOGIBINGO!』内で2度にわたり死闘を繰り広げた

まいやんという存在が、どれほどメンバーにとって特別なものであったのか。
どれほど彼女たちを力づけ、前に進ませてきたのか。

白石麻衣への絶対的な信頼。

それが窺い知れる一幕でした。


こうして祭りの後の余韻を残し、まいやんは卒業していきました。

これからの白石麻衣と乃木坂46に、幸多からんことを。


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後輩との絆、大人メンバーとの絆


前の記事からの続きです。

『失いたくないから』に続き、各期の後輩たちとのパフォーマンスへ。
『バレッタ』『逃げ水』『夜明けまで強がらなくてもいい』と、それぞれの期が初めて参加したシングル曲。これはライトファンも一定数観ているであろうことを踏まえての選曲でしょうか。

リアルタイムでは「期別曲やればいいのに…」と思っていましたが、今にして思えば白石麻衣が『三番目の風』や『I see…』に入っても違和感の方が強かった気もします。『ライブ神』はちょっと観てみたかったですけど笑

1期の時と同様、ふたりずつまいやんに歩み寄り抱き合う演出。そして大間奏でのメッセージも共通です。

印象に残ったのはとりわけまいやんに懐いていた大園桃子

卒業発表後、まい姉さんを「笑顔で見送りたい」と何度も言っていた彼女。
加入当初は事あるごとに泣いていましたが、少しずつゆっくりと成長し最近では滅多なことでは涙を見せなくなっていた彼女。ここはこらえきれず泣きじゃくります。

しかしこの後はアフター配信での最後のハグまで笑顔でやり抜いたぞのっち。
強くなった自分を見せてまいやんに心配させまいというその気持ちが観る者にも伝わりました。


ここで一旦映像が挟まれ、その中では「大人メンバー」への特別な思いが語られます。

そして『立ち直り中』のイントロへ。好きなんですよこの曲。

大人メンバーって具体的にはデビュー直後に高校を卒業している93年組までを指すんでしょうかね?
94年組は結成当初バリバリの女子高生で大人って感じじゃなかったし、最多人数でわちゃわちゃしてましたし。

通常のライブであればユニット曲コーナーだったであろうこのセクション。
そこをすべて大人メンバーとの楽曲にし、しかもそれが8曲も続いたことにその絆が表れているように感じました。

そしてやっぱりまいやんは初期の楽曲に思い入れがあるように思います。

元祖ダンス曲『セカラバ』、鉄板ユニット曲『偶然』『でこぴん』『せっかち』、そしてホワイトハイ唯一の楽曲『渋谷ブルース』。
その多くが2012年末のZepp Tokyoライブや翌年のZepp真夏の全国ツアーなど、まだホールツアーすらできない頃から歌ってきたもの。

ライブが好きな彼女にとって忘れえぬ曲たちなのではないでしょうか。


この後、ライブは一気にエンディングへ向けて加速します。

『シンクロ』『インフル』。問答無用のレコ大受賞曲2連発。

続いて流れ出したイントロは、あの曲でした。

全員で作った花道


『サヨナラの意味』。

この曲がセトリに入っていることに、さらにこのライブ終盤で使われることにちょっと驚きました。

だって、この曲はどうあがいても「橋本奈々未の歌」じゃないですか。
ななみんの卒業後は「橋本奈々未を想って歌う歌」でしたよね。

センターが齋藤飛鳥であろうが、4期単独ライブの全員センター企画で「尊敬する同郷の先輩の曲です」と語った金川紗耶であろうがそれは変わることはありませんでした。

それを、白石麻衣卒コンのクライマックスで使う。

イントロ。
全員でまいやんを見送る花道を作ります。もうこの時点で私は泣きそうでした笑

そこから左右に展開し、歌い出すとまたふたりずつまいやんに歩み寄り抱き合います。

もうここからは息つく暇もない名シーンの連続。

最初は齋藤飛鳥秋元真夏
西野七瀬も白石麻衣もいなくなる乃木坂で、キャプテンとして後輩を引っ張らなければいけない真夏さんと「エース」として看板を背負わなければならない飛鳥ちゃん。

泣き崩れる真夏、対照的に笑顔の飛鳥が彼女ごとまいやんを抱きしめる姿にこちらの胸もまた締めつけられます。

高山一実と星野みなみが続き、この後は4期生から順に期をさかのぼっていきます。

後ろに退いてからボロ泣きする賀喜遥香

何度も泣きそうになりながら懸命に我慢して最後は必死に笑顔を見せようとするけれど、うまく笑えず泣き笑いになる柴田柚菜

久保史緒里と佐藤楓のあたりから歌えなくなるまいやん。

「うおぉぉん」という声が聞こえそうなくらい大泣きしている新内眞衣

樋口日奈と和田まあやの1期年少コンビを経て、最後は生田絵梨花松村沙友理でした。
笑顔で支える生ちゃん。悲しそうな顔でうつむくまっつん。

大の仲良しで、まいやんを愛し愛されたふたり。
冠番組でも『乃木撮』でも、まいやんを取り合うふたりの微笑ましい姿を何度も見せてくれました。

でも、それも今日で終わりなのです。

いくまいさゆ。
あんたたち、最高だったよ!


間違いなくこの日のハイライトとなった『サヨナラの意味』。

「橋本奈々未の歌」という「呪縛」。そう言ったら少し大げさかもしれません。
でもそれだけななみんの存在は大きかった。
そしてそれを解き放てるのはきっと、白石麻衣だけだったのでしょう。

この日をもって、ななみんを想う歌から乃木坂の卒業ソングへ。新たな意味を持つ楽曲へと昇華した『サヨナラの意味』。

この先も歌い継がれる、乃木坂を見守ってくれる1曲になりました。

後ろ手でピースしていたあの人のことは決して忘れないけれど。


続きます。

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ついにやってきたその日


松村沙友理が言っていた通り「2ヶ月なんてあっという間」でした。

今も、そしていつか振り返った時にも間違いなく「乃木坂にとって特別な日」になるであろうその日がやってきました。

2020年10月28日。
白石麻衣卒業の日。

本来であれば5月に東京ドーム3DAYSライブをもって卒業する予定でしたがコロナ禍により叶わず、この日に無観客の配信ライブという形での開催となりました。

チケットは国内外で229,000枚売れたといいます。

個人的にはどんな方向性のライブになるのか注目していました。
想定していたのは以下の3パターン。

1.白石麻衣ワンマンショー
2.これまでの乃木坂の総決算
3.この先の乃木坂を垣間見させる

結論から言うと1.のまいやんワンマンショー。
しかも全曲参加、全曲センターでした。

セットリストは以下の通り。

Overture
01. オフショアガール
02. おいでシャンプー
03. 制服のマネキン
04. 世界で一番孤独なLover

05. ぐるぐるカーテン
06. 失いたくないから
07. バレッタ
08. 逃げ水
09. 夜明けまで強がらなくてもいい

10. 立ち直り中
11. 偶然を言い訳にして
12. でこぴん
13. まあいいか?
14. 流星ディスコティック
15. せっかちなかたつむり
16. きっかけ(ピアノ伴奏:生田絵梨花)
17. 渋谷ブルース

18. シンクロニシティ
19. インフルエンサー
20. サヨナラの意味
21. ガールズルール

EN
EN1. じゃあね。
EN2. しあわせの保護色

全体的にはまいやんの思い入れの強い初期の楽曲を押さえつつ、その前後をシングル曲で挟んだセトリという印象です。

楽天TVの配信トラブルにより開演が30分遅れる波乱のスタート。

まいやんのソロ曲『オフショアガール』で幕を開けます。

『世界で一番孤独なLover』で最初の驚きがありました。
イントロでまいやんの後ろに立つのは…筒井あやめ!ここで最年少の彼女との2ショットをもってきたところにちょっと「おおっ」と思いました。

その『セカラバ』が終わるとこの日最初のMCに。
そこで話を振られたのは星野みなみ。話しているうちに泣きそうになり「いや泣かない絶対!」と言いますがその直後に「凄くさみしい!」と言い早くも大粒の涙をこぼします。

続けて各期別のパフォーマンスに白石麻衣が参加していくセクションへ。

トップバッターの1期はデビュー曲『ぐるぐるカーテン』。

印象的だったのが後列で齋藤飛鳥と和田まあやが楽しげにじゃれる姿。
同い年のふたり。グループ内での立ち位置は違っても、やっぱり関係性は変わらないんだなあと思わせます。
グループのフロントとして(ツンの体を装いながらも)後輩たちに気を遣って盛り立てている普段の飛鳥ちゃんとは違う、安心しきった無防備な笑顔。なんだか胸が締めつけられます。

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白石麻衣のように、生駒里奈のように


そして1期生でもう1曲、『失いたくないから』。
『ぐるカー』のカップリング。この曲が披露された横浜アリーナの4期単独ライブのレポで「何者でもなかった少女たちが舞台に上がる瞬間を切り取った、特別なMV」と表現したあの曲です。

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メンバーがふたりずつまいやんに近づき抱き合う演出。樋口日奈の顔を見たところでこらえきれずまいやんも泣き出します。

そして大間奏では生田絵梨花がメッセージを伝えます。

「やっとまいやんを見送れるんだ、っていう嬉しさが今はあるかな…」

これまでまいやんがトップランナーとして背負ってきたものの重さ(そしてそれを知るゆえに感じる申し訳なさ)と、ようやくそこから彼女を解放することができるという安堵。

そのふたつが入り混じった、同期ならではのとても重い言葉に感じました。

これまで多くのメンバーの卒業を泣きじゃくりながら見送ってきた生ちゃんですが、このコメント中は落ち着いた表情で噛みしめるように言葉を紡ぎます。

そのまなざしはまるで母親のようで。

まいやん卒業発表の時の記事で私はこう書きました。

「いつからか、いつもニコニコ慈愛に満ちた笑顔でメンバーを見守る母親のような姿が目立つようになった白石麻衣。深川麻衣の卒業をきっかけに、その「聖母」という重い役割を自分が少しでも果たそうと考えたのではないか」

それと同じように、まいやんの卒業が生ちゃんに新たな決意を与えたのかもしれません。

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話し終えた生ちゃんは緊張の糸が切れたように涙ぐみます。

ふいに思い出されたのは2017年の東京ドーム、ラストの『きっかけ』の生駒里奈。

卒業する伊藤万理華と中元日芽香の周囲にメンバーを呼び集め、全員が大きな輪になったのを見届けてから大きく顔を歪めて泣き崩れた彼女。
感情を抑えて懸命に自分の役割を果たしてから、ひとり涙するその姿。

どこかずっと「大きな子供」感があった生ちゃん。かつて『NOGIBINGO!』でひめたんにあやされ寝かしつけられていたのが懐かしいですね笑
そんな彼女が白石麻衣や生駒里奈を思わせる立派な姿を見せている。

それは間違いなく成長で、とても素晴らしいことで、だからこそまいやんも安心して卒業していくことができる。

そうなんだけど。

だけど、なんでしょうこの切なさは。

時が流れてしまったことへの感慨なのか。
これからさらに大きなものを背負おうとする彼女への憐憫の情なのか。

大きな外仕事を抱え猛スピードで走り続ける生ちゃんにとって、乃木坂は心安らぐホームであってほしい。気を抜いてわがままを言える場所であってほしい。

いちファンのすごく勝手な感傷なのは重々承知していますし本人もそんなことは望んでいないでしょうが、「そこまで頑張らなくていいんだよ」って言ってしまいそうになります。

この時の生ちゃんを観ながら私はそんなことを考えていました。


続きます。

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前の記事では頼もしくなった3期生たちをピックアップしました。

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この記事では引き続き印象に残ったメンバーを挙げていきます。

「安心感」の田村真佑、「かかりっぱなし」の北野日奈子、そして「無我」の中田花奈


田村真佑
凄く、凄く大人の信頼が厚いのがわかります。秋元真夏や梅澤美波が既に「真佑ちゃんに振っておけば大丈夫」という感覚を持っているのも見て取れます。彼女のキャリアを考えるとこれは驚異的。

とにかく物怖じしない。振られれば何かコメントを発する。しかも出しゃばらない。ついでに声が可愛い。和田まあやとおバカを争っていた時にはここまで有能な人物だとは夢にも思いませんでした笑

電視台でゲテモノ食べさせられても涙目になりながらやり切ったのも良かった。あれで泣いてしまうとまた違った空気になるところでした。


北野日奈子
46時間ずっと「かかりっぱなし」だった彼女。
久保史緒里の2ショットトークでは「さゆまい(=松村沙友理と白石麻衣)」を彷彿とさせるバカップルっぷりを見せつつ両者号泣。久保チャンネルでもイチャイチャし、2期生企画では本当の修学旅行生のようにとにかく声がデカかった笑
もうメンバーに会えて嬉しくてしかたがないのがダダ漏れで非常に微笑ましかったです。

正直彼女をそれほど好きでない人からは反感を買うんじゃないかと思うぐらいのハイテンション。そのまま最後まで走り切ったのは見事でした。

前回の46時間TVの時は活動休止中だったきいちゃん。メンバーがちぎり絵アートを作成するコーナーでフラッと現れた彼女を優しく迎えた星野みなみと相楽伊織。あれは僅か2年ちょっと前のことです。それを思うと今彼女がこんな楽しそうに活動しているのが本当に嬉しいですね。


中田花奈
これ、もう完全に受け取り手である私の主観なんですが、「落ち着いたなあ」と思いました。

3期バレンタイン企画でガンガン立候補して(2期生の時にガンガン立候補して振られまくった結果跳ねた齋藤飛鳥を真似して)批判を浴びていた彼女はもういません。

今回の46時間TVを通じて、後輩たちを愛でている彼女はなんだか子供の成長に目を細める母親のように見えました。

先日ある番組で「本当はもう卒業しているはずだった」というコメントもありましたが、今の彼女はもはや「無我」の境地に達しているのかもしれません…ってどんなアイドルやねん笑

自身の電視台「カナリナティカード」ではやりたいことやりつつちゃんと甘噛みしまくってビリビリペンのリアクションも松村沙友理に負けるというオチまで綺麗についていて良かったです。

「至宝」生田絵梨花の涙


最後に触れたいのは生田絵梨花です。

電視台の企画は2ヶ月で「触ったこともない」ヴァイオリンの生演奏をするというものでした。

曲は『帰り道は遠回りしたくなる』。
背後で流れるのは生ちゃんのソロ歌唱。オリジナルでは抑えめに歌われているこの曲を非常にドラマチックに歌っていて素晴らしかったです。ボーカリストとしての彼女の魅力が堪能できました。

逆に言えば演奏はそんなにピンときませんでした。自分はヴァイオリンを演奏できませんので2ヶ月であそこまで演奏することの難易度はまったくわかりません。それでもついこちらも「生ちゃんなら」ということでハードルを上げてしまう。良くないですね。

さらに企画は続きます。「実はギターも並行してイチから練習していました」。
うわこれ、また「ヴァイオリンをなめるな」とか言い出す輩がいそうだな…と心配になります。

しかし演奏後のコメント中、彼女がふいに目を潤ませた瞬間にすべてが変わりました。

直前に生ちゃんの口をついたのは「自分のモチベーションを保つ意味でも」という言葉。

ハッとさせられました。
あの「モチベーションおばけ」の生田絵梨花が、モチベーションを失っていたんだ。

コロナ禍により大きな仕事が飛びました。

『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド』は開幕直前に感染が拡大し初日が3度も延期されます。そして3月20日から27日(いわゆる「奇跡の1週間」ですね)だけの公演。4月に予定されていた公演はすべて中止。

そして世界初演で気合が入りまくっていたであろう『四月は君の嘘』も7月から8月まで全公演が中止。

どちらもまるまる2か月に及ぶロングラン、そして全国ツアーありの舞台でした。

そこに本来であれば5月に白石麻衣の卒コン、恐らくは乃木坂真夏の全国ツアーも重なり、夏の終わりまで彼女は舞台と乃木坂コンサートの同時進行で一心不乱に駆け抜けるはずでした。

気がつけばそのすべてが白紙に。


高すぎるハードルを設定して、それを私のような凡人では想像することすら及ばない努力により乗り越え続けてきた彼女。何かに憑りつかれたかのようにステージに上がり続け、その姿で我々に勇気を与えてきた彼女。

そんな彼女の溢れる情熱を叩きつける場所が、自分が努力してもどうにもならない「感染症」という敵によって理不尽に奪い去られた。

それがショックだったのではないでしょうか。

ここ何年も常軌を逸したスピードで走り続けてきた彼女が立ちすくみ、途方に暮れた。
初めて経験する「本当にどうすればいいのかわからない」状態は、生ちゃんにとって非常に苦しく辛いものだったんだと思います。

だからこそ今回、2ヶ月で「触ったこともない」ヴァイオリンとギターの生演奏をするという無理難題を自らに課し、懸命になんとか自分を奮い立たせようとした。

感受性の強い岩本蓮加はそれを敏感に感じ取ったのでしょう。
ポロポロと大粒の涙をこぼし、それを見た生ちゃんもついに堪えきれずに泣き出します。

誰かが卒業するたびに泣きじゃくる心優しき彼女ですが、こと「自分のこと」となるとほとんど涙を見せない印象があります。(すぐに思い出せるのは『おいでシャンプー』の選抜発表ぐらいです)

「少しでも誰かに届いたのかな…」

そう言いながら彼女が見せた涙は、観る者の心を打つものでした。

止まることができないのかのようにいつも猛スピードで走り続ける生ちゃん。
個人的には現在のような状況ぐらいはゆっくり休んでほしいという思いも正直あるのですが。

既に彼女はまた走り出しています。

本当にすごいな、この人は。


続きます。

この記事の続き:



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