ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

タグ:白石麻衣

タオル補正
前の記事では主に白石麻衣の功績について振り返りましたが、今回は思い出をつらつらと綴ります。

気さくで料理上手で男前なのにビビりのヘタレ


初登場した時の彼女はリア充感漂うギャルっぽいメイクで気が強そう。宣材写真もそんな感じ(これは西野七瀬や斉藤優里もそうでした)。

ドルオタが嫌う…というか苦手とするタイプ。多くの人がそう思ったはず。

しかしそんな予想はすぐに覆されます。圧倒的な美貌の前にドルオタの嗜好など無力笑というのももちろんあります。ですがそれだけではなく、早いタイミングから見えてきた彼女の人柄がとても好感が持てるものだったことが大きかったと思います。

気さくなお笑い好き。
初期でいえば『乃木坂って、どこ?』でドランクドラゴンのコント「ハチャメチャ拳法」を楽しげにコピーしたり、後には46時間TVでのひょっこりはん、最近では『乃木坂工事中』でのシソンヌとのコントなどが記憶に新しいですね。

手際のよい料理上手。
『乃木どこ』で日村さんの好きな料理を振舞うという企画、何をしていいかわからず呆然と佇む松村沙友理(これがまた可愛い)を尻目に時短テクを使いながらテキパキと料理を作り上げる姿が印象的でした。
余談ですがこの時酒飲みながら録画を観ていて、ふたりが「頑張るぞ」とピースする姿に「何だこの可愛さ」と思わず声が出たのを憶えています。

男前。
バカップルの相方・まっつんとの出会いはオーディションの帰り。地下鉄の駅でしつこいナンパに困っていた彼女を救出したのがきっかけだったとか。それ以来まっつんはまいやんにデレデレ。かつて番組で「まいやんと結婚したい~」と言っていたのが懐かしいですね。

なのにビビりのヘタレ。
罰ゲームで電気ナマズを泣いて拒否して例によって高山一実が漢を見せたり。『乃木どこ』の日村さん買い物企画でゲームに負けて買ってもらえず黒い涙を流したり。

初期のまいやんはよく泣いている印象がありました。

『ガルル』で初めてセンターに選ばれた時も「できない~」とまた黒い涙。

本当は前に立ちたいわけではなかったのでしょう。

センター回数は単独2回、Wで2回。
西野七瀬の単独4回、Wで3回の計7回に比べるといかにも少ない。

それが学生時代にあったトラブルに起因するものかはわかりません。ただそのビジュアルで嫌でも目立ってしまうまいやんにとって、皆の前に出て背中からの視線を感じるというのは決して心地よいものではなかったのではないでしょうか。

そのためか、なーちゃんというもうひとりのエースが台頭してきた時に彼女はむしろホッとしているように見えました。

なーちゃんとの関係性はWエース。ふたりでのWセンターも2度ありました。
でもライバルというイメージはほとんどなく、それぞれが相手を尊重し、変な表現ですが相互不可侵な感じがありました。
なーちゃんがまいやんにくっつきに行けないと泣いていたのなんてもう大大大昔の話になってしまいましたね…


そういう意味で彼女と並び立つ存在だったのはやはり御三家のふたり。とりわけ橋本奈々未でした。

どうしても忘れられない場面があります。

2017年2月、5thバスラでの『偶然を言い訳にして』。この日を最後に卒業するななみんとまいやんがふたりでバックステージからセンターステージへと歩を進めます。

後ろ歩きで前を歩くななみん。顔を見合わせ笑顔になるふたり。
しかし次の瞬間、まいやんが突然泣き崩れます。

崩れ落ちそうな彼女に寄り添い、肩を組んで歩きだすななみん。
グループの最初期から、こうして支えあいながら乃木坂を牽引してきたんだろうな。そんなことを観る者に思わせるシーンでした。

まったく違うタイプなのに並び立っていたふたり。孤独兄弟。

奇跡のようなふたり。

いつからか 母のように


いつからか、いつもニコニコ慈愛に満ちた笑顔でメンバーを見守る母親のような姿が目立つようになります。

恐らくそれは深川麻衣の卒業がきっかけだったのでしょう。
彼女の果たしていた「聖母」という役割が失われることを誰よりも重く受け止め、少しでもその役割を果たそうと考えたのではないかと思います。

それに続いて齋藤飛鳥や川後陽菜など拗らせた系の年少メンに慕われていたななみんも卒業を発表。

年長者として、これからは自分がメンバーたちのことを見守らなければならない。
そう決意したとしても不思議はありません。

同じ頃に3期生が加入しその傾向に拍車がかかります。
『逃げ水』では保護者役として大園桃子を暖かく包み込み、彼女の心を開きました。『乃木中』のバレンタイン企画でジングルが鳴るより早くダッシュでまいやんに抱きついたぞのっちの姿が思い出されます。

『パスポート』大ヒット以降はスポークスマンとしての役割も増え、外番組で各方面に気を遣った優等生的なコメントをする姿が多くなります。

いつも穏やかな笑顔で受け答えをする彼女の姿が時々なんだかとても窮屈そうに見えました。

だからこそ冠番組でノリノリで企画に参加したり、バックヤードでまっつんや生ちゃんとはしゃぐ姿が嬉しかったものです。


最後に卒業後のまいやんについて考えます。

卒業後も「基本このままのお仕事を続けていく」らしい彼女。
モデルをやってCMに出て、時々TVに出たり演技をしたりという「タレント」ですね。

彼女もみさ先輩同様に万能型ですが逆に器用貧乏な印象があるので、それが一番いいように思います(その美貌が際立ちすぎているのもそう感じる理由のひとつですが)。

今まで背負ってきた色々なものを一度下ろして、穏やかな気持ちで活動してくれたらと思います。

そして凄く個人的な意見ですけど、運営は彼女のこれまでの貢献に対するご褒美としてソロアルバムを1枚出させてあげてほしい。秋元康の詞ではなく、ソニーミュージックの総力を結集した優秀な作家群で。

彼女の最初の夢だった歌の世界で、ひとつ作品を残してほしいと思います。


8年半もの間、ずっと先頭を走り続けた白石麻衣さん。

あなたがいたから乃木坂は乃木坂になれました。

本当にお疲れさまでした。


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タオル補正
じ~ん~ぐうぅぅぅぅぅ~
さ~わ~げぇぇぇぇぇ~っ!!!

もうこの叫びを、そしてその後に鳴り響く野郎どもの雄叫びを聞くことはないのかと思うと寂しい限りです。

2020年1月7日、スポーツ紙上で白石麻衣さんの卒業が発表されました。

乃木坂の「女神」「美の象徴」と称された彼女。卒業発表を受けて「坂道グループの象徴」という表現も見られました。

ずっと前から覚悟はしていたので衝撃はありませんが、来るべき時が来たという何とも言えない感覚です。

向かい風を切り裂いて


最初から最後まで彼女はトップランナーでした。

デビュー前のお見立て会の時点で既に一番人気。
デビュー曲から福神。24thシングル『夜明けまで強がらなくてもいい』まで全シングルでその座を守り続けたのは彼女ただひとりです。
初めてセンターを務めたのは6th『ガールズルール』。それ以降は23rd『Sing Out!』まですべてフロント。『夜明けまで』では4期生3人をフロントに配置した関係で6年2ヶ月ぶりにフロントから外れたことが話題になりました。

センター回数は24thまでの間に4回。ですが単独は『ガルル』『シンクロニシティ』だけで残る2曲『今、話したい誰かがいる』『インフルエンサー』はいずれも西野七瀬とのWセンターでした。

いち早く個人での活動を始めたのも彼女でした。

2013年1月に『うまズキッ!』で初のTVレギュラー、同年3月には初のファッション誌専属モデル、2014年12月に初の写真集『清純な大人』とそれぞれ「グループ初」の肩書を背負いながらチャレンジし、いずれも高い評価を得たことにより自身だけでなくグループの活躍の場を広げていきます。

そして2017年2月、2nd写真集『パスポート』でついに彼女の名は世間に轟きます。「21世紀に最も売れた写真集」ともいわれるこの作品、その驚異的な売り上げがワイドショー等で取り上げられ、それにあわせてグループの名前もメジャー化します。
その勢いはとどまるところを知らず、2018年にはCM女王の称号までも手にしました。

Get my way


ブレイクスルー。

思えば乃木坂がひとつ壁を乗り越えるとき、そこにはいつも彼女がいた気がします。

例えば初センターとなった『ガルル』。
1st~5thの「生生星路線」では高評価を得ながらも、売り上げという面では足踏み状態が続いていました。
そこでリリースされたのが『ガルル』。一気に売り上げを前作の約1.5倍にまで伸ばします。

当初「AKBの曲みたいで乃木坂らしくない」という批判を浴びましたが(正直私も当時そう思っていました)ライブのブチ上げ曲として完全に定着し、今ではこの曲を嫌いな乃木坂ファンはほとんどいないんじゃないでしょうか。

そして1st写真集。
「1万部売れればヒット」と言われる写真集業界で3万部を超える初週売上をたたき出します(その後も売れ続け現在までに10万部近い売れ行きだそうです)。

翌年2月の西野七瀬『普段着』も同様の好調な売り上げを見せ、ここから各メンバーが続々と写真集を出す流れとなります。実際にすべてのメンバーが2万部を超える累計売り上げを記録し「乃木坂の写真集は売れる」という評価は不動のものとなりました。

さらに2017年。
この年、乃木坂は一気に坂道を駆け上ります。ミリオン達成、ドーム、レコード大賞受賞。
その中心にはいつも彼女がいました。

初のミリオンにしてレコ大受賞曲の『インフルエンサー』ではなーちゃんとのWセンターを務めます。そして前述した通り『パスポート』の記録的ヒットは彼女だけでなくグループの知名度を飛躍的に上げ、間違いなくこの年の大爆発の要因のひとつとなりました。

そしてまいやんは乃木坂にとっての壁だけでなく、アイドル界の常識も壊してきました。

橋本奈々未、松村沙友理とともに「御三家」と称され絶大な人気を誇り「美人よりかわいい方が人気が出る」という定説をあっさりと覆してみせました。

そしてアイドルの寿命。かつては20歳を超えれば「BBA」呼ばわりされ25歳までいる方がおかしいぐらいだったそれを延ばした第一人者も彼女でしょう。

AKB48の篠田麻里子や小嶋陽菜といった先達も20代後半まで在籍しましたが、グループの活動からは完全に一歩引いた印象がありました。それに対しまいやんは卒業発表の瞬間までグループの先頭を走り続け、常にシングルのセンター候補であり続けました。

その姿は20代半ばを過ぎた他のアイドルたちに勇気を与えました。それだけでなく「若さに重きを置きすぎる」既存のアイドルファンの意識を変えたという点で彼女の功績は非常に大きいと言えます。


続きます。

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