ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

タグ:菅原咲月

びーむ色調補正3
前の記事では座長・冨里奈央について書きました。

関連記事:


当記事では副キャプテン・菅原咲月について。

それでも力になりたい


千秋楽の座長挨拶で冨里奈央は「プレッシャーとか責任とかで押しつぶされそうになった時に、いつも必ず誰かがそばにいてくれた」と語りました。だから自分も挫けずにいられたと。

同じ言葉を我々はこれまで何度も耳にしてきました。

座長としてアンダラ横浜アリーナ2DAYSを控えた松尾美佑は「乃木坂はひとりにしてくれない場所」。
齋藤飛鳥も自身の卒コンで「いつかどこかで誰かが助けてくれる、だってそれが乃木坂だもん」。

今回、「ひとりにされなかった」メンバーがなおなお以外にもうひとりいました。

それは菅原咲月

37thアンダラのさっちゃんは本当に苦しい立場でした。

2024年12月の「乃木坂46 大感謝祭2024」で発表された彼女の副キャプテン就任。

まだお披露目から2年10ヶ月後輩も加入する前の段階グループで3番目に若いメンバーです。

これがいかに異例のことであるか、他の期に当てはめるとよくわかります。

4期生でいえば『君に叱られた』の頃に柴田柚菜が副キャプテンになるようなもの。
3期生は2年違いで既に4期生が加入していましたのでちょっと状況が違うのですが、時期としては秋元真夏がキャプテン就任してすぐの頃の阪口珠美
2期生はさらに極端で最初の紅白出場というか初の46時間TVの頃(『ハルジオンが咲く頃』の選抜発表ぐらいの伊藤純奈です。

実際に梅澤美波が副キャプテンに就任したのはまさに上で書いた『君に叱られた』期間中でした。

そこから秋元真夏を齋藤飛鳥を山下美月を送り出し「私たちが乃木坂46です」と宣言した。
個人的にはこれをゆんちゃんがやっている姿は全くイメージできない。というか、4期の誰であっても考えられない。

菅原咲月はそんな極めて早いタイミングで副キャプテンに任命されたのです。
彼女が感じているプレッシャーはいかばかりか。我々には想像することしかできません。

しかもそれがグループ内に発表されたのは37th選抜発表と同じタイミングでした。
副キャプテンになる不安と選抜から外れた悔しさ。それが同時に襲いかかる言いようのない感情を味わったことでしょう。

そして悪意はなくとも一部のファンから「でも君はいずれ選抜固定なんでしょ?」という目が向けられるであろう(そしてそれは無理もないであろう)ことも分かっていたでしょう。

迷いや悩みや不安。そんなマイナスの感情もライブにぶつけて昇華したい。
でも、もしかしたらその日の客席はアウェイかもしれない

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そんな中で始まった今回のアンダラ。

DAY1のソロ歌唱コーナーで『何もできずにそばにいる』を選び、その理由を「この曲の歌詞に何度も救われてきたから、これからは自分が乃木坂の力になりたい」と語ったさっちゃん。

正直、個人的には「そこまで抱え込まないでほしい」と感じました。
副キャプテンだけど、まだ下から3番目の年少メンバーなんだから。

そして千秋楽。

序盤は素晴らしくしなやかなダンスをしていた彼女が本編ラスト前のブチ上げコーナーでは髪を振り乱して一心不乱に踊ります。
「ライブ映えする」という自身の長所を堂々と観る者に印象づけました。

それでも最後の『乃木坂の詩』前のMCでとうとう溢れ出した感情

副キャプテン就任から複雑な思いを抱えて色んなことを考えてプレッシャーを感じて苦しかったこと、それでも「このライブでは自分の立場とかを気にせずにいることができた」と。

そんな彼女にこう語りかけたのは吉田綾乃クリスティー。
「せめてここにいる時ぐらいはその重圧から解放されてほしい」。

言葉に詰まり涙を流すさっちゃん
その身体を隣でずっと優しくさするあやてぃー
ふたりの様子を微笑みながら見つめるメンバーたち

乃木坂の暖かさに満ちた素敵なシーンでした。


菅原咲月が最後に涙を流せたこと。
おかしな表現かもしれませんが、これは本当に「良かった」。

年末から何度も梅澤美波の隣に立っていたさっちゃん。
2025年はきっとさらにその機会が増えるでしょう。
彼女がいちプレイヤーとしていられる場面はこの先どれほどあるのだろうとか考えると胸が苦しくなります。

それでも。

キャプテンや副キャプテンの重圧を知ることはできなくても。
選抜聖域と見られることの苦しさを知ることはできなくても。

「それでも力になりたい」と思ってくれる人が乃木坂にはいる

さっちゃんはこの日、改めてそのことを実感できたのではないでしょうか。


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びーむ色調補正3
年明け一発目の乃木坂ライブは37thアンダラ。
初日と千秋楽のチケットが当選したので中1日で幕張に通ってきました笑

概ねセトリが同じだったのでいちおう「千秋楽」のライブレポにしていますが両日の内容を含んでいます。

とてつもなく盛り上がる


凄かった

なんでしょうね、この感覚。
ライブから数日経った今でもその理由がまだうまく言語化できないのですが。

セットリストはこちら。

Overture
01. それまでの猶予
02. Hard to say(センター:菅原咲月)
03. Wilderness world(センター:柴田柚菜)
04. 制服のマネキン(センター:冨里奈央)
05. Out of the blue(センター:岡本姫奈)
06. 自分じゃない感じ(センター:佐藤璃果)
07. 心にもないこと(センター:佐藤楓)

<ソロ歌唱コーナー>
08. 孤独な青空(吉田綾乃クリスティー)
09. ないものねだり(佐藤璃果)
10. 歳月の轍(中村麗乃)
11. 今、話したい誰かがいる(冨里奈央)

※DAY1は以下の通り
 08. 明日がある理由(矢久保美緒)
 09. 光合成希望(佐藤楓)
 10. 〜Do my best〜じゃ意味はない(松尾美佑)
 11. 何もできずにそばにいる(菅原咲月)

<企画コーナー>
「全員達成して福袋プレゼントチャレンジ」

12. 狼に口笛を(センター:伊藤理々杏)
13. 13日の金曜日
14. バンドエイド剥がすような別れ方
15. 思い出が止まらなくなる(センター:冨里奈央)

16. シンクロニシティ(センター:冨里奈央)
17. あの日 僕は咄嗟に嘘をついた(センター:柴田柚菜)
18. 落とし物(センター:菅原咲月)
19. 悪い成分
20. 踏んでしまった
21. 日常(センター:冨里奈央)
22. 考えないようにする

EN
EN1. 太陽ノック
EN2. 風船は生きている
EN3. 帰り道は遠回りしたくなる(センター:冨里奈央)
EN4. 乃木坂の詩

※ソロ歌唱コーナー以外は3日間共通セトリ

印象に残ったシーンを挙げていきます。

オープニングは『それまでの猶予』。
1曲目が最新アンダー曲という伝統的なスタイル好き。(アンダラ2ndシーズンや2017年東京体育館なんかがそうですね)

『Wilderness world』で途中からスタンドマイク持ってきてフェイクを入れだす柴田柚菜

『制服のマネキン』イントロ(オリジナルは「生生星」が見えを切る部分)での菅原咲月柴田柚菜冨里奈央という流れで感じた「強さ」。

『Out of the blue』から期別曲のセンターを別の期のメンバーがやる3連発。
どれもセンターのキャラクターに合っていて良い。

今回初の試みだったソロ歌唱コーナー。

ダンス封印。アレンジ封印というレギュレーション。特に後者が厳しい。
「新たな色をつける」ことを許されない、あるいは自分の歌だけでやらねばならないんですから。
それでも皆「今の自分がこの曲を歌う理由」をしっかり持っていて、それを目の前の観客に伝えたいと震えながら歌う姿は心に訴えかけてくるものがありました。

もちろん中村麗乃は全く動じることなく『歳月の轍』。もう何というか「帝劇女優」

伊藤理々杏がメガホンで歌う『狼に口笛を』。良い。
(どこかのアンダラでこの演出観た記憶があるんですが、勘違いでしょうか?)

トロッコでスタンド2階外周を移動しながら「さっちゃん、それ何?」「これですか?バンドエイドです!やっぱバンドエイドですよね~!」という茶番からの『バンドエイド剥がすような別れ方』。
ほっぺたにバンドエイドを貼ったメンバーがすこぶる可愛い

『思い出が止まらなくなる』でカメラに「だいすき」と書く冨里奈央

その座長にフォーカスする幕間Vからの『シンクロニシティ』。

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ここまでアンダー楽曲少な目の構成でしたが、続く『あの日 僕は咄嗟に嘘をついた』からノンストップでアンダー曲5連発。
それも『落とし物』『悪い成分』『踏んでしまった』と比較的新しめかつダンサブルな楽曲を連ね、止めに『日常』。

そりゃとてつもなく盛り上がりますとも
(『悪い成分』中村麗乃の「女帝感」については次の記事で)

本編ラストは『考えないようにする』。期別曲で締めたのは驚きでした。

そしてアンコール。

『風船は生きている』でトロッコから降りステージの突端で煽る菅原咲月。(この日は客席側につき出す三角形のステージでした)

ラスト前で『帰り道は遠回りしたくなる』をもってきたのにも驚きました。
ライブでこのイントロが流れてくるといまだに鳥肌が立ちます。
カメラを使った演出も実にセンチメンタリズムを刺激するものでした。


この日のビジュアル仕上がってんなあメンは岡本姫奈

見た目が変わったというより表情が凄く良くなった…というか生き生きしていました

活動休止などもありライブの場数が5期生の中では少なかったおかひな。
これまではライブ中に不安そうな表情をしていることもあったのですが、昨年1年間フル稼働したことでかなり自信をもってライブを楽しめるようになったんじゃないでしょうか。

「アンダラのために1ヶ月焼肉断ちをして絞った」らしいのでその効果もあったかもしれませんね。でもコンディションを整えるために節制しているメンバーを「10回(15回?)ぐらい焼肉に誘った」とは鬼だな、さっちゃん笑


続きます。

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タオル補正

それが当たり前になればいいのに


前の記事では37th『歩道橋』を「3期4期5期の代表作」と評しました。

関連記事:


そのセンターを任されたのは遠藤さくら

近年で最小のミーグリ部数ゆえ、セールス的には底。
これまでであれば山下美月が担ってきたであろう「一番厳しいとこ」
それを背負うところにまで遠藤さくらが来たのです。

運営からの絶対的な信頼。堂々たるエースに成長しました。
感慨深いです。

逆に、小川彩を3列目にしたのはどうなのか。
せっかく前作で一気にフロントにもってきたのだから継続性という意味でもここは2列目にしておくべきだったのでは。そうすれば38thでセンターにするという線も残ったのに。
ちょっと運営の「腰が引けた」感がして残念です。

奥田いろはの初選抜。

前作フル完売させた彼女を6期加入前に一度選抜に入れておきたいというのは理解できます。運営的にも『ロミオ&ジュリエット』に続き『1789』のヒロイン役も射止めたいろはを後押ししてあげたい気持ちはあるでしょう。

林瑠奈の選抜復帰。

これも「わかる」。私は林ちゃんの評価が高いので笑
ちゃんと喋れるかしこ。目を引く美人かつ個性のあるビジュアル。グループ内での推し変ではなく「外から」ファンを連れてくる可能性があるメンバーのひとり。だからなるべく外仕事をさせたいし選抜にしておきたいところです。

6期生が本格的に合流するとどうしても選抜発表での注目はそちらに集まるのでその前に、というのは正しい判断だと思います。

わからない…というか釈然としないのは、選抜を外れたのが菅原咲月冨里奈央であること。

私にはまた「結局落としやすいところを落としただけ」が繰り返されたように見えます。

15th『裸足でSummer』の井上小百合と伊藤万理華のように。
そして26th『僕は僕を好きになる』での北野日奈子のように。

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「アンダーを知らないメンバーをアンダーに落とすとモチベーションが心配だからアンダーでも気持ちを切らさずに活動した実績があるメンバーが落とされる」。
これは単なる推測です。

しかし運営がそう考えているようにしか見えない采配が過去にあったのも事実。
もしこれが本当なのであれば全員一度はアンダーを経験させてくれよ、とは思いますね。

例えば五百城茉央、一ノ瀬美空、川﨑桜の3人は32ndでの初選抜(抜擢センター中西アルノを除けば5期生で最初の選抜入り)から一度も選抜を外れていません。

別に3人のうち誰かが選抜から外れるべきとか言うつもりはありません。でももし今後人気が落ちて来た時に「外しづらい」。
連続選抜により清宮レイや柴田柚菜が他推しのファンからのヘイトを溜めてしまったのと同じ状況にならないかという懸念はあります。

メンバーからすれば選抜に出たり入ったりが一番辛い。かつて誰か(たしかきいちゃん)がそう語っていました。

でも個人的には「それが当たり前になればいいのに」

綺麗事なのは重々承知しています。妄想の類だとも思います。
でもあの頃は中元日芽香と北野日奈子のふたりだけだったいわゆる「ボーダーメン」が10人ぐらいいて、2~3シングルに1回ぐらい選抜入りできれば。出入りが激しいストレスを分かち合えるメンバーが何人もいて。選抜が遠すぎる閉塞感も軽減されて。

それが理想だと思ってしまうのです。

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最後に次作の予想を。

今から既に、待ち遠しいです。

38thはいよいよ6期生参加でしょう。
とはいえ表題参加ではなく期別曲での参加という4期生までのやり方に戻すと思います。

個人的には23rd『Sing Out!』の時と同じように、アルバム→シングルの順で短い期間で出してほしいです。
この時新人だった4期生はアルバムで『キスの手裏剣』シングルで『4番目の光』、そして24th『夜明けまで強がらなくてもいい』が表題初参加でした。
今回は12thバスラの円盤が2月にあるのでそこまでリリースは詰め込まないかな?という気もしますが。

39thで6期生抜擢センターというのもほぼ間違いないかと。

その場合38thの方のセンターが全ツ座長扱い(=39thはツアー終盤でリリース)でしょう。
さらに38thセンターは5月の味の素スタジアムでのバスラも最新曲センターとして迎えることになります。

それを考えるとやはり井上和かと

3年前の10thバスラ、日産スタジアム2DAYS14万人。
そこで「はじっこで何度も同じ振り付けを練習していた」5期生が、3年の時を経て堂々たる主力として6期生にその背中を見せつける

これはこの先のグループにとって必要なステップという気がしますね。

ただ井上和だと3年連続夏の座長になるのでさすがにそれは避けるとすれば賀喜遥香
さくちゃんが『歩道橋』でエースの貫録を見せただけに、かっきーにもWエースの一角として格好いいとこ見せてほしいです。

個人的には上でもちらっと書いた通り、小川彩に託してほしいと思っています。
あの若さと小さな身体で、常に期待以上のものを見せてきたあーや

高校3年生。後輩の加入。
その溢れんばかりのポテンシャルを解放するにはいいタイミングです。


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前の記事ではこの日のセトリについての感想、そして梅澤美波の「未来の乃木坂を見ているみたい」というコメントについて思うところを書きました。

関連記事:


当記事ではこの日に感じた「あの頃の匂い」について。

こんな最高の瞬間を


あの頃。
もちろん、初期アンダラのことです。

当時と通じる何かを感じたそのひとつの要因は前の記事に書いた沸点越えの熱気。
そして「有明」という舞台設定も影響していたかもしれません。

でもたぶん一番の理由は刹那性

常に存続の危機と隣り合わせ。
無料の招待イベントでも集客できなかった幕張メッセでの初回開催。
続くO-EASTでは募集期間が終了するも、運営から「まったく、埋まっていない」と言われメンバーが2次募集を懇願しました。

「次がある保証なんてどこにもない」から「今この瞬間に死ぬ気でやるしかない」。
それがスタート当時のアンダラでした。

そしてもうひとつ、アンダラはその構造上「別れ」が内在しています。

常に1回限りの座組
誰かが選抜入りすればもうこのメンバーは揃わない。
むしろアンダラで活躍すればするほど選抜が近づく=ここからいなくなる確率が高い。

文字通りの一期一会。

ある意味「特殊選抜」だった今回はこの刹那性=2度と揃わないメンツ感が満載でした。
さらにラストには「サンフラワー」清宮レイとの別れが待っていたのです。それこそ2ndシーズンでの伊藤寧々のように。

この日2度歌われた『ジャンピングジョーカーフラッシュ』。

意味もなくはしゃいでバカみたいに笑った愚かで愛おしい日々の記憶
底抜けに明るいのに、そこに込められた刹那性ゆえに沁みる曲です。(とりわけ私のようなおっさんには)

そしてまさしく4期の青春そのもののような楽曲であるにもかかわらず「16人の4期生」では一度も披露することが叶いませんでした。

今回の15人もこの日が最後。

でも。だからこそ。
メンバーたちは必死に互いに顔を見合わせながら歌うのです。

忘れないでくれよ。

俺たちの合言葉を。

こんな最高の瞬間があったことを。

ジャンジャンジャンピングジョーカー…

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「個として、そして集団としてより良くあるために」


山下美月卒業に伴う3期全員選抜の副産物として生まれた今回の「史上最強アンダー」。

本当に素晴らしいライブであり、かつこの先に多くの実りを予感させるものでした。

例えば筒井あやめは座長挨拶でこう語りました。

 みんな1人ひとり自分にできることをやって
 このアンダーライブという場所を守るために頑張って

アンダーライブという場所
新人抜擢フロントといういわば「エリートコース」を歩んできたあやめんが、アンダラという乃木坂の重要なファクターを体感し、そこを「守るべき場所」と知りました。

菅原咲月

『セラミュ』の主演、生放送『ラヴィット!』レギュラー、そして初のアンダラ=誰よりも覚える曲が多いという状況。
それでも自身のブログで「辛かったし、苦しい時もあったけれど」、「全て出し切った」「楽しかった」と言い切った彼女。

称賛に値します

そして「急遽キャプテンに任命された」という松尾美佑を筆頭に、初めて「3期生のいないアンダラ」を任された4期生たち

アンダラに初めて参加した28th『マシンガンレイン』から2年半。
3期4期だけになった31st『悪い成分』からはまだ1年4ヶ月しか経っていません。
3期生の場合は和田まあやが長く在籍してくれたため(そして1期全員選抜『しあわせの保護色』の時はアンダラが開催されなかったため)どちらも4年8ヶ月ありました。

ついこの間3期が引っ張る時代が始まったはずなのに、もう自分たちがその立場に立たなければいけなくなった。

その戸惑いと恐怖

ましてや座長は初アンダラの同期あやめん。
「支えなければ」そう思ったでしょう。
自分には何ができるのか。何をしなければいけないのか。そう自問自答したことが彼女たちの言葉から見て取れます。

開幕直前のブログにこう綴った矢久保美緒

 不安がないと言えば嘘になります。でも絶対に大丈夫だと言えるほど練習しました。
 だから期待して、待っていてくださいね。

松尾美佑は後にこう振り返りました。

 今回のライブはみんなそれぞれ思っている不安な部分があったからこそ、
 それぞれが得意な事で助け合えて心強かったです。

そしてこう総括したのは林瑠奈でした。

 15人それぞれが自分の役割を模索しながら、
 個として、そして集団としてより良くあるために、足を止めずにいた期間だったと思います。


この日に出演したメンバーたちそれぞれが今後どのような乃木坂人生を送るかはわかりません。

階段を駆け上がるメンバーも、そうでないメンバーもいるでしょう。

それでもこの日彼女たちがひとつになって作り上げた35thアンダラ千秋楽はきっと、また新たな伝説となって乃木坂の歴史とファンの記憶に刻まれることでしょう

少なくとも私の記憶には深く刻まれました。


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いいものを観た

この日現地参戦した私が、終わった瞬間にしみじみ思ったことです。

もはや卑怯


セットリストはこちら。

Overture
01. ジャンピングジョーカーフラッシュ
02. バンドエイド剥がすような別れ方
03. 自惚れビーチ(センター:冨里奈央)
04. 思い出が止まらなくなる
05. 13日の金曜日(センター:筒井あやめ)
06. 錆びたコンパス(センター:筒井あやめ)
07. あの日 僕は咄嗟に嘘をついた(センター:小川彩)
08. 嫉妬の権利(センター:柴田柚菜)
09. 不等号(センター:金川紗耶)
10. 狼に口笛を(センター:黒見明香)

<ユニットコーナー>
11. ブランコ(センター:小川彩)
12. 羽根の記憶(センター:林瑠奈)
13. その女(センター:金川紗耶)
14. Against(センター:清宮レイ)

15. ハウス!
16. 扇風機

<企画コーナー>
「あーやと遊ぼう」

17. 日常(センター:筒井あやめ)
18. Hard to say(センター:菅原咲月、冨里奈央)
19. さざ波は戻らない(センター:林瑠奈)
20. 踏んでしまった
21. Actually. . . 
22. 夜明けまで強がらなくてもいい(センター:筒井あやめ)
23. 車道側

EN
EN1. ざぶんざざぶん
EN2. 太陽ノック
EN3. 左胸の勇気(センター:筒井あやめ)

WEN
WEN1. ジャンピングジョーカーフラッシュ


Overtureに続いて流れて来たのはド派手なイントロ。

『ジャンピングジョーカーフラッシュ』。
もうこの瞬間に客席はあっさり沸点越えしてました。

期待感でパンパンに膨れ上がったところにニトログリセリンを放り込むようなものですからね。完全に出来上がりきった客席。2014年の有明コロシアムみたいだ。

そして息もつかせず『バンドエイド剝がすような別れ方』。

現在の乃木坂ブチ上げ曲で5本の指に入るであろう両曲のオリジナルセンターが揃い踏みした今回のアンダラ。そりゃセトリに入れるでしょうよ。

でもド頭で2曲続けるか!しかもフルで。
もはや卑怯だ笑

しかしそれ以外はいつものアンダラ同様に、アンダー楽曲中心の構成。
例外はユニットコーナーとトロッコ曲と『Actually...』『夜明けまで強がらなくてもいい』ぐらいですね。

新旧アンダラのアンセム『錆びたコンパス』『あの日 僕は咄嗟に嘘をついた』。
2期生全員アンダーだった『嫉妬の権利』。
中元日芽香の想い『不等号』。
初期アンダラの鉄板曲『13日の金曜日』『狼に口笛を』。

アンダラが初めてなファンにも、そしてもちろん初参加となる筒井あやめと菅原咲月にも「これがアンダラだよ」と伝えるような選曲です。

ユニットコーナーでアンダー楽曲史に残る名曲『ブランコ』が入ったのもセトリを締めた要因でしょう。
それをまた小川彩という、最年少でありながらもはやひとつの磁場になっているメンバーのセンターでやるというのが素晴らしい。

この日のハイライトのひとつ、清宮レイ渾身の『Against』。こちらについては彼女の卒業の記事で書くつもりです。

企画コーナーで一度完全に緩めた空気を一気に引きずり戻す『日常』。

どこまでいっても北野日奈子のものであるはずのこの曲を、自分のものの「ように」してみせた筒井あやめ。11thバスラ4期生ライブで『思い出ファースト』のセンターを務めた時にも感じた、彼女のスペシャリティ。
最後の薄ら笑いのド迫力

そこから近年のアンダー楽曲を連ね、超速の『踏んでしまった』。
畳み掛ける『Actually…』。オリジナルの清宮レイによる最後の英語台詞

「私にとってとても大切な曲」ここまできて何をやるのかと思えば『夜明けまで強がらなくてもいい』。

筒井あやめの座長挨拶。
そして本編ラストはみんな待ってた『車道側』

アンコールはあやレイファイナル
そしてWアンコールでは私服姿の奥田いろはも加わって2度目の『ジャンフラ』。

大満足の素晴らしいセトリでした。

この日のビジュアル仕上がってんなあメンはやっぱり、筒井あやめ
デコ出しで美形お姉さんっぷりが強調されていた金川紗耶林瑠奈のふたりも印象に残りました。フレッシュなフロント3人との対比という面でも非常に良かった。

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梅澤美波は今回のアンダラを観て「未来の乃木坂を見てるみたい」と語ったそうです。

それもそのはず。

山下美月が卒業し、いよいよ4期Wエース「かきさく」=賀喜遥香と遠藤さくらが乃木坂の先頭に立ちました。
これから4期5期の時代が始まります。すなわちある意味「4期5期ライブ」でもあったこの日のメンバーが中心となる未来がもうすぐそこまで来ているということです。

しかもこの日の最年長は金川紗耶と佐藤璃果の2001年組ですからかきさくと同い年。
つまりこの日のアンダラはさらにその先の、やがて来る「かきさく後」の世界を垣間見せるものだったのです。

もちろんここに井上和をはじめとした5期生選抜組5人が加わります。その頃には6期生からも何人か「センター級」「エース格」が生まれていることでしょう。

それでもその時に筒井あやめがひとつの柱として存在してくれたら
中学生にしてかきさくとともに抜擢フロントを経験し、ふたりの苦悩とその後のエースへの歩みをそばで見てきた彼女がいてくれたならなんと心強いことか。ましてや彼女は和ちゃんと同い年なのです。

ここではあやめんにフォーカスを当てて書いていますが、もちろん彼女以外でもかきさく後に「4期生ここにあり」と感じさせてくれるメンバーがいることを願っています。

余談ですが個人的には岩本蓮加もしれっとその頃まで在籍していてほしい。
彼女は2003年組(あやめんのひとつ上の代)のしかも早生まれなので3年後の夏でもまだ23歳ですからね。


続きます。

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「今にして思うこと」は各章の末尾に「追記」という形で新たに文章を加え、さらに書き下ろしとして4期生の初冠番組であった『乃木坂どこへ』を振り返っています。


『2019年の乃木坂46』 kindle版
過去に当ブログに掲載した記事を再構成し加筆したもの。
こちらは総文字数10万文字、加筆部分だけでも22,000文字以上のボリュームです。


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