ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

タグ:賀喜遥香

タオル補正

それが当たり前になればいいのに


前の記事では37th『歩道橋』を「3期4期5期の代表作」と評しました。

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そのセンターを任されたのは遠藤さくら

近年で最小のミーグリ部数ゆえ、セールス的には底。
これまでであれば山下美月が担ってきたであろう「一番厳しいとこ」
それを背負うところにまで遠藤さくらが来たのです。

運営からの絶対的な信頼。堂々たるエースに成長しました。
感慨深いです。

逆に、小川彩を3列目にしたのはどうなのか。
せっかく前作で一気にフロントにもってきたのだから継続性という意味でもここは2列目にしておくべきだったのでは。そうすれば38thでセンターにするという線も残ったのに。
ちょっと運営の「腰が引けた」感がして残念です。

奥田いろはの初選抜。

前作フル完売させた彼女を6期加入前に一度選抜に入れておきたいというのは理解できます。運営的にも『ロミオ&ジュリエット』に続き『1789』のヒロイン役も射止めたいろはを後押ししてあげたい気持ちはあるでしょう。

林瑠奈の選抜復帰。

これも「わかる」。私は林ちゃんの評価が高いので笑
ちゃんと喋れるかしこ。目を引く美人かつ個性のあるビジュアル。グループ内での推し変ではなく「外から」ファンを連れてくる可能性があるメンバーのひとり。だからなるべく外仕事をさせたいし選抜にしておきたいところです。

6期生が本格的に合流するとどうしても選抜発表での注目はそちらに集まるのでその前に、というのは正しい判断だと思います。

わからない…というか釈然としないのは、選抜を外れたのが菅原咲月冨里奈央であること。

私にはまた「結局落としやすいところを落としただけ」が繰り返されたように見えます。

15th『裸足でSummer』の井上小百合と伊藤万理華のように。
そして26th『僕は僕を好きになる』での北野日奈子のように。

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「アンダーを知らないメンバーをアンダーに落とすとモチベーションが心配だからアンダーでも気持ちを切らさずに活動した実績があるメンバーが落とされる」。
これは単なる推測です。

しかし運営がそう考えているようにしか見えない采配が過去にあったのも事実。
もしこれが本当なのであれば全員一度はアンダーを経験させてくれよ、とは思いますね。

例えば五百城茉央、一ノ瀬美空、川﨑桜の3人は32ndでの初選抜(抜擢センター中西アルノを除けば5期生で最初の選抜入り)から一度も選抜を外れていません。

別に3人のうち誰かが選抜から外れるべきとか言うつもりはありません。でももし今後人気が落ちて来た時に「外しづらい」。
連続選抜により清宮レイや柴田柚菜が他推しのファンからのヘイトを溜めてしまったのと同じ状況にならないかという懸念はあります。

メンバーからすれば選抜に出たり入ったりが一番辛い。かつて誰か(たしかきいちゃん)がそう語っていました。

でも個人的には「それが当たり前になればいいのに」

綺麗事なのは重々承知しています。妄想の類だとも思います。
でもあの頃は中元日芽香と北野日奈子のふたりだけだったいわゆる「ボーダーメン」が10人ぐらいいて、2~3シングルに1回ぐらい選抜入りできれば。出入りが激しいストレスを分かち合えるメンバーが何人もいて。選抜が遠すぎる閉塞感も軽減されて。

それが理想だと思ってしまうのです。

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最後に次作の予想を。

今から既に、待ち遠しいです。

38thはいよいよ6期生参加でしょう。
とはいえ表題参加ではなく期別曲での参加という4期生までのやり方に戻すと思います。

個人的には23rd『Sing Out!』の時と同じように、アルバム→シングルの順で短い期間で出してほしいです。
この時新人だった4期生はアルバムで『キスの手裏剣』シングルで『4番目の光』、そして24th『夜明けまで強がらなくてもいい』が表題初参加でした。
今回は12thバスラの円盤が2月にあるのでそこまでリリースは詰め込まないかな?という気もしますが。

39thで6期生抜擢センターというのもほぼ間違いないかと。

その場合38thの方のセンターが全ツ座長扱い(=39thはツアー終盤でリリース)でしょう。
さらに38thセンターは5月の味の素スタジアムでのバスラも最新曲センターとして迎えることになります。

それを考えるとやはり井上和かと

3年前の10thバスラ、日産スタジアム2DAYS14万人。
そこで「はじっこで何度も同じ振り付けを練習していた」5期生が、3年の時を経て堂々たる主力として6期生にその背中を見せつける

これはこの先のグループにとって必要なステップという気がしますね。

ただ井上和だと3年連続夏の座長になるのでさすがにそれは避けるとすれば賀喜遥香
さくちゃんが『歩道橋』でエースの貫録を見せただけに、かっきーにもWエースの一角として格好いいとこ見せてほしいです。

個人的には上でもちらっと書いた通り、小川彩に託してほしいと思っています。
あの若さと小さな身体で、常に期待以上のものを見せてきたあーや

高校3年生。後輩の加入。
その溢れんばかりのポテンシャルを解放するにはいいタイミングです。


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タオル補正
2024年11月9日、公式YouTubeチャンネル『乃木坂配信中』内で37thシングル『歩道橋』の選抜メンバー発表ならびに初披露が行なわれました。

「ただ単に」いい曲


個人的には、意外。

前作の選抜発表に関する記事で書いたように、年末のリリースはアルバムだと予想していました。

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6期生加入前に現体制のひと区切り。
と同時にシングルを出したらどう考えても売上枚数的には「底」となるでしょうから。

実際、シンプルに個別ミーグリ関連の数字を並べるとなかなか衝撃的です。

今作の個別ミーグリ参加人数は24人。同じく総部数は690部。
前作36th『チートデイ』は26人、745部ですからともにざっくり8%減。

その36thから既に4期生の個別免除が始まっており、37thでは遠藤さくら、賀喜遥香、田村真佑が免除で筒井あやめも5部のみ。
免除メン=フル完売メンですから直接的な売り上げ減少要因になります。

さらに5期生加入後の数字、という意味では初めて1次募集時点から参加していた(ただしフルではなく24部設定)のが30th『好きというのはロックだぜ!』。
その時が38人、1,006部なので、人数でも部数でも2年間で約2/3に減少しているのです。

その30thと比べてオリコン初週売り上げ枚数は約16%減に踏みとどまっているのですからむしろ「底堅い人気」と評価すべきでしょう。

とはいえ見た目上は厳しい数字になることは明らか。
ですから個人的には言い方は悪いですけど「アルバムでお茶を濁せばいいじゃん」と思っていました。
幸いアルバムを出してもおかしくないタイミングなのですから、なおのこと。

しかし運営はシングルリリースを選択しました。
まあトップアイドルグループだから目先の数字に捉われることなくどっしり構えていればいいんですよね。すみません、私が弱気でした笑

結果として37thは実に「エクスキューズのつかない」シングルになりました。

6期生加入もない。卒業ブーストもない(向井葉月は今作のミーグリに参加せず)。
現体制のプレーンな状態で一体どれだけの売り上げを叩き出せるのか。
ちなみに次の想定免除メンバーは金川紗耶で、最短で40thから免除と思われます。

ちょっと意地悪な言い方をすれば、運営にとってデータ取りには最適な条件
もっとシビアなことを言えば6期生が加入した時に先輩がどれだけ影響を受けるのか、現在のファンの行動様式を分析できるのではないかと。

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さて、既に発売され何度もTVで披露された『歩道橋』。
個人的にはこの曲結構好きです。

「バズり」にも「Z世代人気」にも一切色目を使わない、「ただ単に」いい曲。
でも、これこそ乃木坂ですよね。歌詞も含めて良い意味で時代性がない=エバーグリーン
『君の名は希望』をはじめとして、初期は「楽曲の乃木坂」と呼ばれたものです。

MVがまた実に良い。
「雪の世界」側でのメンバーは全員やたらめったら美しいですね。


全部好きなのですが、特に好きなポイントを5つ。

1:53、梅澤美波の柔らかな実にいい表情。
その直後のたゆたうように緩やかに舞う川﨑桜

2:06井上和の顔面の説得力
かつて『羽根の記憶』そして1年後の『裸足でSummer』で一気に階段を駆け上がった時の齋藤飛鳥が見せた、怖ろしいほどの美しさを思い出させます。

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3:46、鼻を赤くして心底寒そうなのが可愛い賀喜遥香
4:39からさくちゃん以外のフロント4人が清々しい笑顔で走り去っていく描写に芽生える「みんないつかこんな顔でここを旅立っていくのかな」という感傷。

そして4:52の遠藤さくら。サムネにもなっているあの微笑み。


新期生ブーストも卒業ブーストもない。
歌詞もアレンジも「狙った」ところのひとつもない「ただ単に」いい曲。
メンバーの魅力が余すところなく発揮されたMV。

6期生加入前のセールス的には底になるであろうタイミングで、堂々と一切エクスキューズのつかないシングルを出してきた。

3期4期5期の世界の決定版と呼ぶにふさわしい楽曲だと思います。


続きます。

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びーむ色調補正3
2024年の全ツはスタジアムツアー。そのファイナルは聖地神宮。

今年はDAY1のみ配信で観ました。

ひと時の安寧


セットリストはこちら。

Overture
01. チートデイ
02. 太陽ノック(センター:久保史緒里)
03. 裸足でSummer(センター:遠藤さくら)
04. 君に叱られた
05. ジコチューで行こう!(センター:井上和)

<期別コーナー>
06. 熱狂の捌け口
07. ジャンピングジョーカーフラッシュ
08. 僕の衝動

<ユニット&ソロコーナー>
09. Threefold choice
10. Am I Loving?
11. ぶんぶくちゃがま
12. あと7曲
13. Never say never
14. ここにはないもの(井上和ソロ)

15. あらかじめ語られるロマンス(理々杏、向井、与田、賀喜、田村、筒井、矢久保、池田、一ノ瀬、小川、冨里)
16. ロマンティックいか焼き(久保、楓、吉田、遠藤、黒見、璃果、林、五百城、川﨑、中西)
17. 君が扇いでくれた(岩本、梅澤、中村、金川、柴田、松尾、弓木、井上、岡本、奥田、菅原)
18. 自惚れビーチ(センター:奥田いろは)
19. ガールズルール(センター:一ノ瀬美空)
20. ひと夏の長さより…(センター:池田瑛紗&小川彩)

21. 落とし物
22. Wilderness world(センター:遠藤さくら、岩本、楓、金川、筒井、松尾、井上、一ノ瀬、菅原)
23. Actually…
24. おひとりさま天国
25. 好きというのはロックだぜ!
26. 夏のFree&Easy(センター:与田祐希)

27. シンクロニシティ(センター:梅澤美波)
28. 僕が手を叩く方へ
29. 誰かの肩

EN
EN1. ハウス!
EN2. スカイダイビング
EN3. ロマンスのスタート
EN4. Monopoly
EN5. 乃木坂の詩


印象に残ったシーンを挙げていきます。

『チートデイ』で早くもいちゃいちゃする遠藤さくら賀喜遥香
同曲での井上和、そして続く『太陽ノック』の久保史緒里と全力すぎる煽りで喉が心配笑
そしてとにかく風が強かったこの日。

『裸足でSummer』で小川彩のほっぺをツンツンする田村真佑
『ジコチューで行こう!』で再び井上和にセンターが戻る構成も良い。その和ちゃんを与田祐希がおんぶする茶番。

期別コーナーでは同じデザインで期ごとに差し色が異なる衣装。
4期のオレンジが可愛い。そして5期がグレーで一番シックなのがなんか良い(3期は青)。

プリンセス茶番をノリノリで演じる弓木奈於一ノ瀬美空
プリンセスバトルの司会はおなじみ高橋大輔アナ。対決するのが小川彩筒井あやめ与田祐希とはビジュアル強・強・強。

判定の結果5期が勝利し喜ぶ井上和と後ろで不服そうな小芝居をする遠藤さくら

『Am I Loving?』で遠藤さくらを取り合う梅澤美波井上和。梅ちゃんの圧に負けずにギュッといく和ちゃん。カメラに向かって自らアップになりに行くさくちゃんにどよめく神宮。

『ぶんぶくちゃがま』。たぬきのコスプレで出てくるメンバー(田村真佑筒井あやめ池田瑛紗一ノ瀬美空冨里奈央)の破壊力たるや。5者5様ですが全員どこか「2次元感」がある気がします。

『あと7曲』。林瑠奈!
『アトノマツリ』が好きなので同曲のメンバーに後輩ふたりを加えたこの曲が披露されるのは嬉しい。

『ここにはないもの』をソロ歌唱する井上和。ハート強いなあ。

つなぎVで奥義「じゃーん」を繰り出す岩本蓮加

そこから始まる夏曲コーナーではメンバー全員浴衣での歌唱。
短冊に「最強になる」と書く与田祐希矢久保美緒は「大きくなる」。

「most valuable Dance performer」という大煽りからソロダンスをつなぎ最後はバアァーーーン!という感じで遠藤さくら。そこから『Wilderness world』のイントロというかっちょいい流れはこの日のハイライトのひとつかと。

シングル曲4連発で盛り上げたあと、オーケストラとバラード3連発で本編終了。
たまにはこういうのもいいかと思いますが、ちょっと2017年東京ドームの本編ラストが『いつかできるから今日できる』でなんだかモヤモヤした空気になったのを思い出しました笑

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アンコール。

『ハウス!』フロート乗り換えで挙動不審な遠藤さくら
『スカイダイビング』のAフレでやたら長くカメラに抜かれてとまどう中西アルノ
『ロマンスのスタート』イケメン冨里奈央に捕獲される一ノ瀬美空

そんなアンコール定番の「楽しきゃいい」曲3連発からの『Monopoly』!ここで使うか!
「かきさく」=賀喜遥香遠藤さくらがイントロで迸らせる威風堂々Wエース感。
なのにサビ前に前髪を直してあげたり曲後わりでわちゃわちゃいちゃいちゃしたりという落差。

それは「決める時はビッシビシに決めるけどふざける時は思いっきりふざける」かつての1期生たちの姿を思い起こさせるもので。
ふたりがいよいよ本当に乃木坂の柱になったことを感じさせるシーンでした。

ラスト前のMC、アンコール中のコール指導で盛大に間違えてへこむ池田瑛紗
なのに梅澤美波に「抱きしめてほしい」と甘え、転んでもただでは起きない姿も微笑ましかったですね。

この日のビジュアル仕上がってんなあメンは、ひとつ結びの遠藤さくら
いつもの「ライブ大好きニッコニコさくちゃん」なだけでなく、この日は一際テンションが高かったのか「あざとさくちゃん」も全開。
賀喜遥香、そしてポニーテールの筒井あやめも印象に残りました。


2024年の夏は初座長もセンターやキャプテン経験者の卒業もない、言ってしまえば大きなトピックのない全ツでした。
そんなのいつ以来でしょうか。

もちろん史上初の2年連続座長であった和ちゃんには彼女にしかわからないプレッシャーがあったでしょうし、結果的に今年が最後の神宮になるメンバーもいるかもしれません。(当記事の作成中である2024年11月1日に向井葉月さんが年内での卒業を発表しました)

それでも、少なくとも多くのファンにとって「胸が締めつけられるような」シチュエーションの全ツではなかった。

結成13周年を超えこの先もメンバーの卒業と加入を繰り返しながら進んでいくグループに訪れた、ひと時の安寧

私にはそう見えましたし、それがとても得難いものだと感じました。



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タオル補正
2023年11月6日、『乃木坂工事中』内で34thシングルの選抜メンバーが発表されました。

センターは遠藤さくらと賀喜遥香。

ここじゃねえんじゃねえかな

真っ先に思ったのはそれでした。

消去法っぽい感じ


かきさくWセンター。

2020年末の4期生単独ライブ(いわゆる「新4期」が合流して初めての4期ライブ)に関する記事で私はこの日最も印象に残ったシーンとしてふたりがWセンターを務めた『ありがちな恋愛』を挙げ、こう評しています。

 その姿はまるで、西野七瀬と白石麻衣のようでした。
 理屈じゃなく、その佇まいが反射的にあのふたりを思い起こさせたのです。
 後からその理由を考えてみましたが、「ビシッと背骨が通った感覚」というのが一番近いように思います。
 かつて何度も観た白石西野Wエースの、あの絶対的な安心感

(『2020年の乃木坂46』収録 「【配信ライブレポ】ありったけのリスペクトを込めたリメイク~2020.12.06 乃木坂46 4期生ライブ 2020」より)

改めて見ると、絶賛してますね笑

まあでもそのぐらい思い入れがあるかきさくWセンター。

それを今回の34thで、消去法っぽい感じで使われたのが納得いかなかったのです。

個人的には井上和の連続センターが最善手だったろうと今でも思っているのですが、『新参者』『スタ誕ライブ』に加えて連続センターまでやらせたらさすがの和ちゃんでもパンクしていたでしょう。

そして32ndが久保史緒里と山下美月という3期生でしたから、ここは4期生。
とはいえどちらも2度単独センターを経験しているかきさくのふたりに優劣というか差をつけることを運営は良しとしなかった。

そういう判断が働いたように見えます。

ちなみに1年に2回もWセンターやるのも違うだろ…と思っていましたが、2017年すなわち乃木坂が初の東京ドーム公演からレコ大受賞へと一気に駆け上がった年に発売された3枚のシングル(『インフルエンサー』『逃げ水』『いつかできるから今日できる』)がすべてWセンターでした笑

どうせならもうちょっとやりようがあったのに、とも思います。

33rdシングルに収録されたこのふたりのユニット曲『マグカップとシンク』。

この曲が2023年の全ツで披露されることはありませんでした。
出し惜しみしたんですかね。

最も注目度が高く配信視聴者が多いであろう全ツ千秋楽に満を持して初披露し、このふたりが並んだ時の「強さ」を知らしめる。そこから次作でのWセンターという流れが美しかったのではないでしょうか。

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崩れ落ちる世界の美しい悪夢


公式Youtubeチャンネルでの先行プレミアム配信を観た時の感想を率直に言うと「う~ん」でした

この時、曲が始まる前に煽りV的に「かきさくのこれまでの歴史」をまとめたものが流れたのですが、個人的にはまずこれがちょっと引っ掛かりました。

こういうのって、運営からあまり押し出さない方がいいんじゃないかな。
「ね?運命的なふたりなんですよ、すごいでしょ?」と言われているようで、なんだかチープに感じます。
ましてや前々作で「大河」のくぼしたWセンターをやっているだけに。そしてその時はそんなこと声高に言わなかっただけに。

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そして詞は正直、酷すぎる。

今さらこのふたりに凡庸なラブソングを歌わせてどうする
仮に比喩的表現だとしても、22歳のふたりに「自転車立ち漕ぎして電車を追いかけ」させるのはあまりに幼稚ではないか、失礼ではないかという気がします。

曲も…いい曲だとは思うんですが「さすがの杉山勝彦も自己模倣に陥ったか」と。

それこそ『ありがちな恋愛』に似すぎている。
ドラマチックなイントロ。そこでの逆エスカレーション(デスカレーションと呼ぶのでしょうか?)するフレーズ。そこから少し弛緩するようなAフレ。
サビ(=イントロ)のコード進行も似てますね。

杉山さんにも2020年末4期生ライブの『ありがちな恋愛』の印象が強烈に残っていたのではないか…というのは勝手な推測ですが。

でもMVが公開されて、一気に評価が上がりました笑


これ、凄い好きです。

一言でいうなら「美しい悪夢」
色調は違いますがどこか『全部 夢のまま』と共通するものを感じます。
現在の乃木坂ならではの「金かかってんなあ」感満載のゴージャスな映像。
そこで繰り返し描かれる「崩れる均衡」。

そしてつい考察したくなるその内容

まず「僕」と「君」はどっちが賀喜遥香でどっちが遠藤さくらなのか。

MVの頭でよそのテーブルに愛想を振りまいているかっきーが一見「みんなにやさしい君」っぽいのですが私は逆だと思います。

愛想振りまいたり無邪気にもぐもぐするかっきーは「一人浮かれてた僕」
久保史緒里が駆け寄っても見向きもしないのも「誰も見えない僕」。

それに対し徹頭徹尾どこかミステリアスで、山下美月が近寄る前に背を向けて立ち去るさくちゃんの方が「(僕の見ていないところで)誰にも微笑む君」なのでしょう。

天秤とリンゴの描写も想像をかき立てられます。

イントロ。
「既に乗っている」リンゴ。
かっきー側に傾いた天秤。
そこに置こうと石を手に取り少し逡巡してみせるさくちゃん。

1サビ。
さくちゃんの置いた石でバランスが取れる。
無邪気に喜ぶかっきーと不敵な笑みを浮かべるさくちゃん。

ここまで一度もかっきーはリンゴを見てないんですよね。
さくちゃんと、その手にある石しか見ていない。
これは初めからリンゴがそこにあった=バランスが取れていなかったことに気づいていない、ということを示しているのでしょう。

リンゴを食べる(食べてしまう)かっきー。

ラスサビの入り。
リンゴに気づき手に取るかっきー。
天秤はさくちゃん側に傾き、
崩落する世界

冷めた目線を送るさくちゃん。
空のはずのかっきー側にゆっくりと傾く天秤。
リンゴを食べてしまったがゆえに、かっきーは自分から何かを天秤に差し出さなければいけなくなった。

こうしてみると、リンゴは乃木坂の「顔」「エース」「センター」という荷を象徴している気がします。

クレジットでリンゴの方が石より重い描写になっているのも、それが時とともに重さを増すことを表しているのでは。

ラストではかっきーの方から手を取り、それを握り返すさくちゃん。
背中合わせになるふたり。
ここでのかっきーの表情が素晴らしいですね(上のMVのサムネのところです)。
決意を固めたような、あるいは恐怖心を抑えるために感情を殺したような。

だらだらと書いてきましたがまとめます笑

加入当初からずっと乃木坂の看板というリンゴを食べさせられてきた遠藤さくら
その同じ荷を負ってくれる賀喜遥香を見つけ、彼女もそのリンゴを食べた

その先に待つものに怯えながらもふたりは手を取りあって前を向く。

というところではないでしょうか。


まあ「意味ありげな映像をつなげたから自由に考察してよ」という感じがしなくもないのですが。
別に作り手側もガチガチに答えを用意していないというか。

小説でも良くあるじゃないですか。意味ありげな伏線っぽいのが沢山あったけど作品中では回収されずにそのまま放り出されているパターン。あれと同じ雰囲気をちょっと感じます。


続きます。

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びーむ色調補正3

4年ぶりの帰還


2019年5月、4期生初の単独ライブが行なわれた横浜アリーナ。

4年ぶり…正確には3年9ヶ月ぶりの帰還です。

セットリストはこちら。

Overture
01. 夜明けまで強がらなくてもいい
02. ごめんねFingers crossed
03. 君に叱られた
04. 好きというのはロックだぜ!

<全員センター企画>
05. 君の名は希望(センター:清宮レイ)
06. シンクロニシティ(センター:松尾美佑)
07. きっかけ(センター:林瑠奈)
08. ファンタスティック三色パン(賀喜遥香、金川紗耶、田村真佑)
09. あらかじめ語られるロマンス(北川悠理、遠藤さくら、清宮レイ、松尾美佑、矢久保美緒)
10. 風船は生きている(弓木奈於、黒見明香、佐藤璃果、柴田柚菜、筒井あやめ、林瑠奈)
11. 制服のマネキン(センター:黒見明香)
12. アナスターシャ(センター:柴田柚菜)
13. 思い出ファースト(センター:筒井あやめ)
14. 僕のこと、知ってる?(センター:佐藤璃果)
15. ここにいる理由(センター:早川聖来)
16. Wilderness world(センター:金川紗耶)
17. ぐるぐるカーテン(センター:遠藤さくら)
18. Sing Out!(センター:田村真佑)
19. 他人のそら似(センター:矢久保美緒)

20. 4番目の光
21. Out of the blue
22. 猫舌カモミールティー
23. 図書室の君へ
24. キスの手裏剣
25. ジャンピングジョーカーフラッシュ
26. I see…

EN
EN1 アトノマツリ
EN2 ハウス!
EN3 サイコキネシスの可能性
EN4 おいでシャンプー


まずこの日のビジュアル仕上がってんなあメンは黒見明香。彼女は凄く雰囲気が柔らかくなりましたね。
遠藤さくら筒井あやめも可愛かった。

オープニングは『夜明けまで強がらなくてもいい』。ナゴヤドームの8thバスラを思い出します。
遠藤さくらのキメ顔エンディングからそのまま『ごめんねFingers crossed』!
両サイドに金川紗耶松尾美佑を並べ、さくちゃんと4期の誇るスタイル抜群のダンス巧者3人による強力布陣。

そこから一転ニコニコ笑顔の遠藤さくら、流れてくるイントロは『君に叱られた』。
賀喜遥香の煽り。続く『好きというのはロックだぜ!』でも煽りまくり。
なのに直後のMCでは「横アリはお腹痛くなる…」と笑うかっきー。
『好きロック』の途中、フロントでしゃがんで目を合わせてニッコリする遠藤さくら林瑠奈

早川聖来の「ただいま」。
結局泣いたけど「泣かない」と我慢するのも良かった。

佐藤璃果に「りか、大好き~」と早くもかかり気味の田村真佑

曲間のVで映し出された加入前の賀喜遥香が可愛すぎてたまげる

『君の名は希望』清宮レイなのはちょっと意外。ラスサビで泣く賀喜遥香

『シンクロニシティ』のイントロにどよめく客席。そして登場した松尾美佑に再び起こるどよめき。

『きっかけ』。
この曲の見せ場であるDフレは柴田柚菜弓木奈於林瑠奈

『ファンタスティック三色パン』の3人は強いな~。
本家(齋藤飛鳥、梅澤美波、山下美月)とは全然タイプが違うのに衣装が似合う。
そしてイントロの後ろ姿が既に格好いい金川紗耶
「好きなパンを言う」でお題「セクシー」に当たってしまった賀喜遥香の「あ~んパン」も素晴らしい笑

『あらかじめ語られるロマンス』でイチャイチャする遠藤さくら矢久保美緒

『風船は生きている』!

曲間のVでの弓木奈於の「乃木坂はずっと見てたそのまんま」「こういう人になりたいと思わせてくれる先輩たち」という言葉。

『制服のマネキン』は黒見明香!似合う。その両サイドがかきさく(賀喜遥香遠藤さくら)なのも良い。

『思い出ファースト』は筒井あやめ
また定義が曖昧な言葉を使ってしまいますが、彼女にはセンター適性あると思うんですよね。
あやめんのそれは楽曲を「自分のものに」ではなく自分のものの「ように」してしまう力かと。だって3期のスペシャルな曲ですよ。大園桃子というアイコンと分かちがたく結びついた曲をその呪縛とは別のところで鳴らせるというのは、やはり特別な能力でしょう。

『ここにいる理由』。
この歌詞をアンダーに歌わせるのか。オリジナル発表当時にそう思ったことを思い出しました。
この歌詞を今の早川聖来に歌わせるのかいや、きっと逆説なんだ
彼女の気迫がビシビシ伝わってくる良いパフォーマンスでした。

『Wilderness world』、まさにこれぞ金川紗耶

『ぐるぐるカーテン』、遠藤さくらという極めて妥当なセンターの隣に並ぶのは林瑠奈という意外なチョイス。

この曲の披露中に背後のモニターに映し出される4期生たちの手書きメッセージ。
その多くに「幸せ」という言葉が並ぶのが、なんかいいなあ

『Sing Out!』田村真佑のソロダンス。踊り終えた彼女に向けられる客席からのどよめき。

『他人のそら似』、センター矢久保美緒に後ろから投げキスを乱打する遠藤さくらのタレまゆ

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MCでの弓木奈於の「乃木坂の勢いにのまれちゃうことがあって」という発言。

この日のハイライト、遠藤さくらから15人へのメッセージと『4番目の光』については別途書きます。

『図書室の君へ』。あの演出について思うところはありますが、ご本人の状況が分からないのでコメントは差し控えます。

『キスの手裏剣』で筒井あやめを愛でたおす賀喜遥香

『ジャンピングジョーカーフラッシュ』が最高。
ラストの筒井あやめのやり切った表情。

そして本編最後、煽りまくる賀喜遥香
ひとしきりファンを煽ったかと思えばくるりとメンバーの方に振り返り「オイオイオイオイお前ら油断してただろ!?」
そして「4期生が大好きですか~!?」の絶叫。

アンコール『アトノマツリ』。キャップの林瑠奈が可愛いのは言うまでもないが、遠藤さくらも似合う。

トロッコを乗り換える際に名残惜しそうに抱き合う遠藤さくら賀喜遥香

最後のMC、いつもと違う声で「楽しかったでーす!」と叫ぶ北川悠理
「元生徒会長なめんなよ」と笑う清宮レイ

ラストは『おいでシャンプー』。
アンコールの選曲に意味などないのが実に乃木坂。


こう書き連ねて思うのが賀喜遥香の魅力満載というか、彼女が愛される理由が良くわかるライブだったなということ。

素直に泣いて笑って煽って「あ~んパン」して。

既に2度もシングル表題曲のセンターを務めている彼女が同期に囲まれて見せる感情の発露。それは時に無防備ですらあって。
まさに齋藤飛鳥が言うところの「周りに出ているピュアさが度を超えてる」状態。

椎名林檎的に言うならば「素顔で泣いて笑う君のそのままを愛している故に」というやつですね。


続きます。

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