ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

タグ:鈴木絢音

びーむ色調補正3
聖地・神宮での全ツファイナル3DAYS。

2022年8月30日に行なわれたそのDAY2を視聴しましたのでレポします。

鈴木絢音の感慨と実感


セットリストはこちらです。

Overture
01. 好きというのはロックだぜ!
02. 夏のFree&Easy(センター:与田祐希)
03. おいでシャンプー(センター:賀喜遥香)
04. ガールズルール(センター:山下美月)
05. 裸足でSummer

<期別コーナー>
06. 絶望の一秒前
07. バンドエイド剥がすような別れ方
08. 猫舌カモミールティー
09. ジャンピングジョーカーフラッシュ
10. 僕の衝動
11. 僕が手を叩く方へ
12. 海流の島よ

13. 会いたかったのかもしれない
14. ロマンスのスタート

<シャッフルコーナー>
15. 君の名は希望(センター:秋元真夏)
16. 涙がまだ悲しみだった頃(センター:山下美月)
17. 設定温度(センター:久保史緒里)
18. 13日の金曜日(センター:清宮レイ)
19. マシンガンレイン(センター:遠藤さくら)

20. 泣いたっていいじゃないか?(センター:賀喜遥香)
21. ひと夏の長さより…

22. 自由の彼方(センター:和田まあや)
23. Under’s Love(センター:和田まあや)

24. ごめんねFingers crossed
25. Actually…
26. 深読み
27. 太陽ノック(センター:遠藤さくら)
28. 空扉
29. ジコチューで行こう!
30. 君に叱られた

EN1 好きになってみた
EN2 自惚れビーチ
EN3 乃木坂の詩

例によって印象に残ったシーンを挙げていきます。

まあこの日はとにかく、雨

2016年神宮4thバスラを思い出させるほどの土砂降りでした。

まずオープニングはスモークが凄くて全くメンバーが見えずに、やむを得ずカメラは客席を映すという斬新なスタート。そこへさらに放水という暴挙笑

スモークが晴れるまで雨が降っていることにすら気づかないぐらいでした。

『おいでシャンプー』で賀喜遥香の髪の香りをかぐ齋藤飛鳥山下美月
「ダメダメダメ」のところで後方にいるのにきっちりカメラ目線で決めてみせたのもさすがの山下プロ。

『ガールズルール』でまた放水し、笑っちゃってる齋藤飛鳥

その彼女が「なんでこんな降ってるの~!?」と叫んで始まった『裸足でSummer』。
しかしそのラストでまたも放水。

最初のMCで「飛鳥さんみたいにとお願いして髪巻いたのに、いつもと一緒になっちゃいました」と笑顔で嘆く遠藤さくら

期別コーナーは5期生から。髪やメイクを直す間もなく出てきた彼女たち。
にもかかわらず小川彩の完成度は際立っているなあ。
菅原咲月の素早くカメラを見つけてニコッと微笑むところも好感度高い。

そして4期生のJJF!(『ジャンピングジョーカーフラッシュ』)この曲好き。
かきさく(=賀喜遥香遠藤さくら)の飛車角感よ。

3期生はこの日から復帰した伊藤理々杏センターの『僕の衝動』。
『乃木坂工事中』の「キメ顔グランプリ」効果で観客が完全に「待ち」の体勢にある中で堂々と決めて拍手を浴びる理々杏。

続く3期曲は『僕が手を叩く方へ』。
個人的には3期生が輪になってお互いを笑顔で見交わすだけでウルっときちゃうんです。
そこへ客席からのクラップが重なって、なんかもう。
1期2期5人の「後輩のためにできることを考えた」という言葉から始まったシャッフルコーナー。期も選抜もアンダーもシャッフルする、融合と継承の試み。

山下美月と『涙がまだ悲しみだった頃』という組み合わせは意外。

『13日の金曜日』、清宮レイの『ザンビ』コントが微笑ましい。
この曲で(いつも捕獲される側の)与田祐希が弓木奈於を捕獲するという珍しい光景も見られました。
その後、花道をキョンシーポーズを取りながら走る与田っちょ。自由で良い笑

『マシンガンレイン』でビシッとセンターを張ってからのコントという遠藤さくらの落差
「いきますよ~」から自己紹介するというのは、何ともひめスパイア(中元日芽香インスパイア系)。

この日のハイライトのひとつ、キャンプファイヤーコーナー。

『泣いたっていいじゃないか』。
歌メン揃いの中、嬉しそうにふたりで一緒に歌う久保史緒里佐藤璃果

MC企画「1分トーク」では小川彩に「いい意味で圧がある」と言われたと嘆く梅澤美波

『ごめんねFingers crossed』。
前年ツアーのリード曲だったのに、相次ぐ卒業や離脱によりソロ歌唱となってしまったパートが多くてふと切なくなります。
ラスト寸前で不敵な笑みを浮かべる山下美月

『太陽ノック』でべらぼうに可愛い投げキスをする遠藤さくら

『ジコチューで行こう!』、齋藤飛鳥にまとわりつくよだやま(与田祐希山下美月)。
与田っちょは大間奏で飛鳥から首を絞められなぜかガッツポーズ。

アンコールでオチに使われた筒井あやめの「飛鳥さん、私まだ汚れていいキャラじゃないと思うんですけど」というコメント。

鈴木絢音の「あの頃の乃木坂良かったな~」という感慨と「今の乃木坂も最高だな」という実感。

この日の仕上がってるメンは与田祐希久保史緒里阪口珠美筒井あやめも目を引かれました。



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タオル補正
前の記事では5期生のお見立て会について書きました。

あらかじめ語られるトラジディー


楽しかった46時間TVのフィナーレ、スペシャルライブ。

その最終盤で行なわれた29thシングルセンター発表。
空虚なキャッチコピーの後に表示された「中西アルノ」の文字。

それはあらかじめ予想された悲劇でした。


そこからずっと耐ショック姿勢を固めてきたので「あ~はいはいそうだろうと思ってましたよ」という感じ(もちろん落胆はしましたが)。

ただ直後の歌披露は、まるで悪い夢を見ているようでした。

サビ前まではほとんど中西さんのソロ歌唱。1番のラストまでほとんど歌いっぱなし。
彼女にだけフォーカスした振り付けとカメラワーク。

それ以外のメンバーでカメラに抜かれるのは齋藤飛鳥と山下美月ぐらい。
与田祐希、遠藤さくら、賀喜遥香ですらほとんど映りません。

「もう決まったことだから仕方がない」と中西さんのセンターを受け入れようと構えていたところにあの一本かぶりの歌割と演出。

 そりゃねえだろ
 乃木坂は中西アルノのバックダンサーじゃねえぞ

さすがに顔から血の気が引く思いでした。

事前リークを知っていたファンの方で私と同じ感想を抱いた人も多いのではないでしょうか。

この後からの大荒れは29thシングルについての記事で別途扱うとして、46時間TVの記事として書いておきたいことがあります。

それは現在の乃木坂の顔であるメンバーたちの電視台。


乃木坂を甘く見るな


齋藤飛鳥のタップダンス。
山下美月の殺陣。
賀喜遥香は46時間でメンバー全員のイラスト完成。
遠藤さくらのハウスダンス。
そして与田祐希の『逃げ水』ギター弾き語り。

どれも生披露でした。

表題曲センター経験者。
既にグループ内で確固たる地位を確立し、もはや何かを証明する必要のない彼女たち。
そんな5人が、奇しくも全員「チャレンジングな課題を」「生披露する」ことを選んだその意味。

いや、これはきっと「奇しくも」ではない。

メンバーのコメントからすると46時間TVの準備期間は2~3週間。(発表は1ヶ月前でした)

29thシングル選抜発表は一説によれば1月8日と言われていますから、中西さんの抜擢センターを知ってから電視台で何をやるのか決めたと考えるのが自然でしょう。恐らくはあの一本かぶりの歌割とダンスフォーメーションも知った上で。

そう思うと、彼女たち5人の電視台にはこんなメッセージが込められているように思えてなりません。

 乃木坂を甘く見るなよ

 その真ん中に立つってのは、そんな簡単なことじゃねえぞ

誰に対して?

中西アルノに。
秋元康に。
今野さんに。
今回の決定に関わった大人たちに。

そしてそこにはきっと、我々ファンに対するメッセージも込められていたのではないでしょうか。

元々は電視台でチャレンジングな課題に挑むメンバーはそれほど多くありません。
前回で言えば生田絵梨花、渡辺みり愛、金川紗耶ぐらいでしょうか。前々回はほぼゼロです。

それなのに今回、センター経験者が揃ってその選択をした。

さらに言えば、乃木坂愛では人後に落ちない久保史緒里が「乃木坂のピアノの文化を終わらせちゃいけない」とピアノの生演奏。(個人的には『羽根の記憶』という選曲にも「継承」の意志を感じました)

関連記事:


筒井あやめは書道パフォーマンス生披露。
そしてキャプテン秋元真夏も事前収録でしたが一輪車での演技。

つまり『Actually…』のフロントと2列目のほぼ全員が何らかのチャレンジをしていたのです。
(そんな中、副キャプテン梅澤美波が唯一ただの食べロケというのがなんか逆に面白かった笑)

久保ちゃんは「もうちょっと自分を追い込みたい」と譜面の難易度を上げ、飛鳥ちゃんはタップダンス披露後に倒れこみながら「チャレンジするのが乃木坂」と言い放ちました。

私にはそれらが単なる偶然とは思えません。

恐らくメンバーたちも予期していたのではないでしょうか。
今回のセンターとフォーメーションが大きな論争を巻き起こし「乃木坂終わった」というような意見が出ることを。
そしてファンからも「こんなの乃木坂じゃない」という声が(これまでの乃木坂を大切に思うあまりに)上がることも。

だから彼女たちは、乃木坂を愛するファンに向けてこう言いたかったのだと思います。

 乃木坂を甘く見るなよ

 こんぐらいで終わるわけねえだろ

なんて男前。

その下にあるもの


そしてもうひとつ、鈴木絢音の電視台。

事前の予告では「狂気的な彼女」というタイトルが明かされていました。
実際に電視台が始まった時に画面に表示された文字は

「真っ白いものを汚したい」。

この時点で思いました。まんま欅じゃん。
欅坂46のファーストアルバム『真っ白なものは汚したくなる』を直接的に想起させるサブタイトル。

控えめな音量でBGM(これも自作)が流れる中、真っ白な服を纏った絢音ちゃんが真っ白な壁と向き合います。

そして無言のままそこに色とりどりのペンキをぶちまけて汚していきます。

ただひたすらに。
ほとんどカメラに背を向けたまま。

美しくて不穏な静けさ、とでも表現すればいいのでしょうか。
鈴木絢音にしか出せない空気でその場が満たされます。

そしてそれは突然に終わりました。
満足したのか、ペンキが尽きたのか。私には「飽きた」ように見えました。

その後にMCのメンバーと会話をしながら「実は…」と真っ白に見えた壁に貼られていたシールをはがしていきます。

そこに現れたのは

 Effort Thanks Smile

言わずと知れた、乃木坂の基本精神でした。


ひとりだけにフォーカスした演出が欅坂的、もっと言えば『不協和音』以降の瓦解への道を進み始めた欅坂を思わせる『Actually…』。

その初披露を観た後に私が思い出したのは、絢音ちゃんがこの電視台につけた「真っ白いものを汚したい」というサブタイトルでした。

本人は「真っ白なものを汚してみたかったの~」とケラケラ笑いながら語っていましたが、こちらはどうしても勘ぐってしまいます。

不遇の2期と言われてきた。彼女自身も「実は29thが初めての連続選抜」。
そして抜擢センターとして強烈な反感を買った堀未央奈を同期として友人としてずっと見てきました。

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そこへ今回発表された堀未央奈以来となる、単独での新人抜擢センター。

それに対し鈴木絢音が何も思わないはずがないし、ましてや鋭い言語感覚を持つ彼女が何の考えもなくこの言葉をチョイスしたとはちょっと考えにくい。

もちろん真っ白いもの=乃木坂です。

 たとえ表面的にはどんなに汚されたとしても

 その下にはちゃんと「努力、感謝、笑顔」がある

 乃木坂の10年間の歴史をなめるなよ

 私たちは汚されたりなんかしない

鈴木絢音はそう言いたかったのではないでしょうか。

そう考えるとなんだか「狂気的な彼女」も「欅的な彼女」のダブルミーニングな気がしてきました…まあこれはさすがに考えすぎですね笑


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3度目の正直


本来は2020年5月に白石麻衣卒コンとして行なわれる予定でした。
2021年9月開催と発表されるも直前にまた延期。

そして3度目の正直で立つ、2度目の東京ドーム。

セットリストはこちらです。

Overture
01. ごめんねFingers crossed
02. ジコチューで行こう!
03. 太陽ノック(センター:生田絵梨花)
04. おいでシャンプー(センター:山下美月)
05. シンクロニシティ(センター:梅澤美波)

06. ざぶんざざぶん
07. ファンタスティック3食パン
08. 自惚れビーチ
09. ひと夏の長さより…(センター:秋元真夏、賀喜遥香)
10. 何度目の青空か?
11. 日常
12. 裸足でSummer
13. 空扉

<期別コーナー>
14. ぐるぐるカーテン
15. ゆっくりと咲く花
16. 毎日がBrand new day
17. I see…

18. Route 246
19. 僕は僕を好きになる
20. インフルエンサー(センター:山下美月、与田祐希)

21. きっかけ
22. Sing Out!
23. 夏のFree&Easy(センター:与田祐希)
24. ガールズルール(センター:山下美月)
25. 君に叱られた
26. 他人のそら似

EN1. 最後のTight Hug
EN2. 僕だけの光
EN3. ダンケシェーン
EN4. 乃木坂の詩

印象に残ったシーンを挙げていきます。

まず思ったのが「最初から凄い走るな~」でした。

齋藤飛鳥の「やっぱすごいかも東京ドーム」というコメント。これについては後でまた触れます。
秋元真夏の「バトン渡した感じもある」という言葉にはちょっとドキッとしました。

誕生日当日だった掛橋沙耶香。バースデーケーキでお祝いされて挙動不審になるのもロウソクに「ふ~」する姿も可愛い。

『ファンタスティック3食パン』では「今日は罰ゲームやらないのね」と思いました笑

『自惚れビーチ』、アカペラのオープニングで楽しそうなメンバーたちの中ひとり緊張した面持ちの鈴木絢音

『ひと夏の長さより…』は(センターである)松村沙友理の卒業を機に楽曲の良さが多くのファンに認識されてスタンダードになった感じ。あとこのところの賀喜遥香は本当に一段と可愛い。

氷のような悲しみをたたえたメンバーたち、そこからサビで北野日奈子が激情を炸裂させる『日常』も見事。

『空扉』で生田絵梨花とおでこをくっつけて嬉しそうな遠藤さくら
そしてカメラを見つけたのにタイミングを失ってアピールできないのが可愛い佐藤楓

鈴木絢音がMCで「数年後にまた戻ってこれたら」とコメント。同期がどんどん卒業していく中でこの前向きな発言は嬉しいですね。

期別コーナーに入り、1期『ぐるぐるカーテン』で和田まあやと顔を見合わせた瞬間に涙ぐむ樋口日奈
『ゆっくりと咲く花』で登場した2期生がたった4人であることに気づいた時にこみあげる寂しさ。四方からセンターステージに歩み寄り「2」のポーズで全員泣き、一瞬後に鈴木絢音は笑ってみせます。
次の『毎日がBrand new day』で出て来た岩本蓮加は泣いていました。恐らく2期生たちの姿に感極まっていたのしょう。

『僕は僕を好きになる』で山下美月が登場した瞬間の眩いスター感。

終盤のMCでは1期生が10年の重さを感じさせる言葉を発します。
生田絵梨花の「どれもひとりではかなえられなかった夢」。
齋藤飛鳥は「人生そのもの」。

そこから円陣を組み、『きっかけ』。
ドームでこの曲をやることの意味。花道を歩きながらAフレを歌い出した齋藤飛鳥の声が震えていたのは緊張のためだけではないでしょう。

短くソロ歌唱をつないでいく演出。
ひとりひとりが乃木坂であること。歌い継いでいくことへの意思表示。その両方を感じさせました。

完全に余談ですが、なぜか私はDフレ前に残りは生田絵梨花だけと思い込み「Dフレ全部生ちゃんか!」と思っていました。そしてその一瞬後に「おお!俺たちにはまだ久保史緒里がいた!」さらに生ちゃんの圧倒的貫録の歌唱の前に「この人は桁が違う」と激しく感情が揺れ動きました笑

『ガールズルール』の煽り一発でノドを壊す山下美月。そして久保史緒里にキスする遠藤さくら

『君に叱られた』のイントロに起きたどよめき。フルサイズなのも良かった。

アンコールはこれが初披露となる生田絵梨花の卒業曲『最後のTight Hug』から。
それが終わり次の『僕だけの光』でひとりひっそりと泣く秋元真夏

生田絵梨花高山一実と3人で抱き合い「こんなに楽しいんだから生ちゃんずっといればいいのにねえ」と冗談めかして本音を言う齋藤飛鳥

『ダンケシェーン』のラスト「やっぱかずみんだな!」に(予想できたであろうに笑)異様に喜ぶ高山一実

そのかずみんが『乃木坂の詩』の後に語った「サイリウムが最初はただのガラスの棒、その前は割りばしだった…」というコメントに、彼女たちが上ってきた坂道の途方もない長さが偲ばれます。

この日のビジュアル仕上がってるメンは岩本蓮加
観ていて「凄みすら感じる美しさ」と感じましたが、その後に明かされた通り体調不良をおしての出演でした(それを私は「凄み」と受け取ってしまったのだと思います)。どうか無理をせずお大事になさってください。



区切りではない自然体のドーム


全体の印象を率直に言えば、4年前の東京ドーム公演と比べて焦点がぼやけていた感が否めません。

でも、それは当たり前のことだとも思います。

そもそも東京ドームこそ4年ぶりですが、2018年の全ツはスタジアムツアー(野球場やサッカー場)で2019年はドームツアー(東京のみ神宮)。

つまりいわゆる新4期の5人を除けば全員がドームでのライブは経験しているのです。

やっぱり「到達点」という感覚があった4年前。
当時は燃え尽きによるその後の大量卒業がファンの間で懸念されていました。(実際はそうでもありませんでしたが)

前回はセットリストも集大成という印象の強いものでした。
それが端的に表れていたのがアンダーコーナー。

ひとりひとり名前を呼ばれて登場するアンダーメンバーたち。
そして齋藤飛鳥や衛藤美彩、伊藤万理華や井上小百合といった「アンダーレジェンド」までステージに上がります。

そこから6曲連続でアンダー曲を披露。
温泉トリオのセンター曲を4曲続けて黎明期の立役者に敬意を表し(伊藤万理華と中元日芽香のラストステージということもありました)つつ、残りの2曲は直近アンダー曲である『アンダー』『My rule』。
これもアンダーメンバーの苦闘を「過去の美談」ではなく現在進行形のものとして提示する意図が感じられます。

 アンダーはもうひとつの乃木坂の歴史である

それを明確に打ち出す演出でした。


それに対しこの日。

期別コーナーこそあったものの、明確なユニットコーナーもアンダーコーナーもなく2ブロック目がそれらをミックスした形。(もちろん最新アンダー曲センターの寺田蘭世が不参加という事情もあったでしょうが)

現在グループとして進めている各期そして選抜とアンダーの垣根を低くする「融合」。
それを色濃く反映した内容だったと思います。そしてそれ自体は卒業者が相次ぐ中で乃木坂の空気感を守っていくための重要なトライです。

ただ結果としてこの日のセトリは真夏の全国ツアーの延長線上のもの。
福岡公演2DAYSをともに視聴していたこともあり個人的には物足りない印象が残りました。ましてその両日が結成10周年と大園桃子卒コンという特別なライブだっただけに余計に。

…とここまでやや否定的なことを書いてきましたが、それでも私はこの日のライブは大きな意味を持つものであったと考えています。

鍵となるのは冒頭で述べた飛鳥ちゃんの「やっぱすごいかも東京ドーム」。

ここから想像するにやはりメンバーにとっても東京ドームのシンボリックな意義は「ある」。
(もちろん東京での大会場として乃木坂には「聖地」神宮球場があり東京ドームを使う機会が少ないというのも影響しているでしょうが)

であれば5期生加入直前というこのタイミングで現在のメンバーたちがそれを経験しておくことには計り知れない価値があるのではないでしょうか。

彼女たちとって、再び東京ドームに立つというのが特別なことでなくなる。
言い換えれば東京ドームが「悲願」ではなく現状と地続きの「未来」になる。

これ凄く大事なことだと思うんですよね。

すでにいくつもの坂を上った乃木坂。
メンバーの活動歴も年齢層も幅広くなった現状では、初の東京ドームのように全員が同じ熱量で追い求められる目標はもうない。

それでもそれぞれが「前回との差」で自分の成長を感じることができる。

それを今回一番実感したのは3期生たちでしょう。
前回は19th『いつかできるから今日できる』の時ですから、まだ大園桃子と与田祐希しか選抜を経験していないタイミングでした。
4年前は先輩たちに手を引かれてよちよち歩きでその場所に立った彼女たちが、今回は堂々たるグループの主力として帰ってきた。

きっと深い感慨があったことと思います。

そして次は4期生たちが同じように感じるはずです。


その意味で、2021年の東京ドームは未来へとつながるものでした。


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びーむ色調補正3
乃木坂黎明期にグループを牽引した「御三家」最後のひとり、松村沙友理。
ついにその卒業コンサートの日が来てしまいました。

その第1部は悲願のさゆりんご軍団ライブ。
なぜ卒業「コンサート」なのに軍団は「ライブ」なのだろうかと思わなくもありませんが笑

しんどい、でも素晴らしい


セットリストはこちら。

Overture(鼻歌Ver.)
01. ぐんぐん軍団
02. 白米様

替え歌コーナー
03. さゆりんごが咲く頃
04. 何度目の軍団か?
05. ライス!
06. りんごのパクリから(with秋元真夏、鈴木絢音)

07. 大嫌いなはずだった。(with秋元真夏、鈴木絢音)
08. 働き方改革
09. さゆりんご募集中

例によって印象に残ったシーンを挙げていきます。

そもそも『Overture』の替え歌を鼻歌でやるというのが既にまっつんイズム全開。

オープニングは軍団の自己紹介ソング『ぐんぐん軍団』。

伊藤かりん、佐々木琴子、中田花奈という卒業生たちが当たり前のように出てきますが、そもそも卒業生が乃木坂のライブに出ること自体が異例中の異例。ましてや琴子は他事務所だし。私の記憶が確かなら2ndバスラのアンコールに岩瀬佑美子と宮沢成良が登場して以来ではないでしょうか。(あれは出演ではなく飛び入りでしたし)

それにしても琴子美人だな~どうにか乃木坂で活かす方法はなかったのかと、いまだにしつこく思ってしまいます笑



少し大人っぽくなった印象の彼女。
こんなにしっかり歌声を聴いたのは初めてな気がします。さゆりんご軍団以外でソロ歌唱パートってありましたっけ?

そしてキラーチューン『白米様』はフルコーラス!

続く替え歌コーナーで改めて思い知らされます。
やっぱ俺、まっつんのセンス好きだな~。

『ライス!』の「炊く前 米 米 米よ 炊けたら メシ メシ メシよ~」とか抜群じゃないですか。

『さゆりんごマジョリティー』やらんのかとはちょっと思いました。

『りんごのパクリから』での秋元真夏との茶番が微笑ましいというか涙が出そうになるというか。そして真夏さんリスペクト軍団も既にもう真夏さんと鈴木絢音の2人しか残っていないという事実に切なさがこみ上げます。

軍団でハワイ旅行したいねトークの中での
松村「お金出すよ!」
琴子「じゃあ振り込んどいてください」
松村「それは話が違う」のやり取りも面白かった。

JAの人、前に積まれている唐揚げの量多すぎじゃないですかね?

ラストの『さゆりんご募集中』もフルコーラスだったのが良かった。

そして50年後の武道館はちょっと私は無理っぽいのでもう少し早めに実現していただけると助かります。



とまあつらつらと書いてきましたが、個人的に最も印象に残ったのはクライマックスの『大嫌いなはずだった。』。

この日が初披露だったそうです。

そもそも個人的にはボカロをまったく聴かないのでHoneyWorksさんも知りませんでしたし、この曲も初めて聴きました。

正直、甘酸っぱい青春ストーリーの断片をひたすら積み上げたようなこの曲の歌詞はおっさんには…まあ少なくとも私にはしんどかった。
冠番組でやる妄想シチュエーション系とか懐かしの「乃木恋リアル」のような気恥しさを1曲通して見せられ続ける感覚というか。

ですが、これがまた良かったんですわ。
いや、しんどかったんですよ。最後までずっと「この歌詞はおっさんにはしんどいな~」と思いながら聴いていて、なのに終わった時の感想は「でもすげえ良かったな」でした。

その理由として思い当たるのは、この軍団ライブで唯一のシリアスな楽曲だったという点。

そう、我々は初めて「さゆりんご軍団(with真夏さんリスペクト軍団)の本気」を目にしたのです。

基本的に「まっつんが面白いと思ったことをやる」というコンセプトで進んできたさゆりんご軍団。でもそれは結果的に軍団員のアイドル性(※)の高さを笑いというオブラートにくるんでしまっていたのではないか!それは天才・松村沙友理とは思えない失策だったのではないか!などと今さらにも程がある感情がこみ上げてきて我ながら始末に負えないです笑
※この記事における「アイドル性」は「萌え」とか「胸キュン」させる能力、ぐらいの表層的な意味で使っています

まあ軍団に限らず、乃木坂って基本「ゴリゴリのアイドル」やらないじゃないですか。
上で書いた妄想シチュエーションや乃木恋リアルもあくまでも「演じています」「ファンサービスです」というスタイルでやって、その後照れるところまでがワンセットですよね。

ファンも概ね「ナチュラル」であることを是としているように思います。
それこそ真夏さんやまっつんは「ぶりっ子」だけど、そのふたりでさえそうでない部分を特に隠そうとしない。あくまでも引き出しのひとつという位置づけです。

普段グループでは使っていないアイドル性。
しかしこの曲で私が目にしたのは寺田蘭世や鈴木絢音、そして佐々木琴子が本気でアイドルをやり切った時の破壊力でした。

だとすると天才・松村沙友理はそのラストステージで我々にこう言いたかったのかもしれません。

「普段やってないだけで、乃木坂ちゃんが本気出したらめっちゃアイドルなんやで!」



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びーむ色調補正3
前の記事に書いたように初の2期生単独ライブは素晴らしいものでした。

しかし、この日のライブを観終わった時に私が思ったのは、

「ああ、これで本当に2期は終わったんだ」でした。

いや、これだとめちゃめちゃ語弊ありますね。
少しだけ柔らかい言葉で言い換えると「この先の2期生たちの姿」が思い描けなかったんです。

夢の実現は夢の終わりで


その大きな理由のひとつは「2期生ライブ」というタイトルでありながら、その実態は「堀未央奈卒業コンサート」だったこと。

ほぼ全曲出ずっぱりの真ん中たちっぱなし。
過去の卒業生でいえば生駒里奈や若月佑美、そして西野七瀬や白石麻衣と同じですね。まあソロコンをやった衛藤美彩というさらに突き抜けた人もいるわけですが笑
しかしこれらのメンバーは明確に「卒業コンサート」として開催していました。

堀ちゃんの卒業に全振りするのはアンコール以降だけで良かったと思うんです。

桜井玲香でさえそうだったじゃないですか。
彼女は「あくまでも乃木坂の全体コンサート」であることを貫きました。(しかもバスラではなく普通の全ツファイナルでしたが)



繰り返しになりますが、「堀未央奈卒業コンサート」と銘打っているならともかく「2期生ライブ」なんです。それもずっとファンやメンバー待望の。

なのに『風船は生きている』も『自惚れビーチ』も『ブランコ』もやらないって何?

個人的にはそこが大いに不満でした。

ライブ中盤の「全員センター企画」。
おぉ、いいじゃん!と思っていましたが次第に気づきました。あれ、実は単なるユニットコーナーでしたよね。

全員センター企画=それ以外の曲は全部堀ちゃんセンター。

もちろんこの原因はそもそも期別曲のセンターをすべて堀ちゃんにしてきた運営側の采配にあります。

「未央奈の最後だから、彼女に花を持たせたい」という2期生たちの思いがあったことも想像に難くありません。

でもそんな企画をせずとも極めて自然な形で全員がセンターを務めた翌日の1期生たちとはあまりにも対照的で少し残念でした。

それだけ堀未央奈の存在は大きかったと言えばそれまでかもしれません。

でも私はこれからの彼女たちの姿を見せてほしかった。

『スカウトマン』で真ん中に立つ新内眞衣とか『そんなバカな…』でおちゃらける渡辺みり愛とか。オリジナルセンターは堀ちゃんの楽曲であっても、誰かがそれを引き継ぐ姿が見たかったです。

さらにすごく勝手な妄想を押しつけると、北野日奈子には「最後まで全然敵わなかったけど、私はずっと未央奈をライバルだと思ってきた!ずっと負けたくないって思ってた!」と叫んでほしかった(そして堀ちゃんには「わかってたよ、日奈子」と応じてほしい)。
そして鈴木絢音には「これからは私が2期を守るから」と言ってほしかった。

その点さすが寺田蘭世は『ボーダー』で「私はこの6人が辞めるその日まで、この曲を大切に歌いたいです」と力強く言っていましたね。まあ若干彼女は名言言いたい癖がある気もするのですが笑

堀ちゃんが言うところの「みんな自分を責めすぎる」が出てしまった結果、せっかくの晴れ舞台なのに他のメンバーが前に出られていなかったように思います。

ずっと自分に自信を持てない状況が続いたゆえのブレーキ、なのでしょうか。だとしたら悲しい。




不遇はもう終わりにしよう


私は決していわゆる「2期生推し」ではありませんから、ずっと彼女たちを応援してきたファンの方からすると以下の文章はまるで見当違いかもしれません。それでも結成当初からの古参オタとして彼女たちの決して平たんではない歩みをある程度は見てきたつもりです。

やっぱり始まりは2017年神宮の期別コーナーだったんだと思います。

あの日「キラッキラの3期生」と「オールスター感謝祭の1期生」に挟まれて、自分の存在意義とはなにかという問いを突き付けられた2期生たち。

そこで彼女たちが見せたのは、自分たちのこれまでと現状に涙を流しながら異様な迫力でパフォーマンスをする姿でした。キツい言い方をすれば「気持ち」しかなかったんです。

この瞬間に「不遇の2期」というフレーズが生々しい形でファンの前に表れた。いや、表れてしまったと言うべきでしょうか。(それまでも言葉として使われてはいたもののそれほど表立ってはいなかったように思います)

その後も容赦なく3期生の快進撃は続きました。

直後に発表された『逃げ水』では3期生の大園桃子と与田祐希の抜擢センター。
そして翌2018年の『シンクロニシティ』では久保史緒里と山下美月が、続く『ジコチューで行こう!』では岩本蓮加と梅澤美波がいずれも初選抜即福神。さらに『帰り道は遠回りしたくなる』で伊藤理々杏と佐藤楓が初選抜と、3期生は順調に選抜内での地保を固めていきます。

そして気づけばネット上では「2期推し」と「3期推し」の対立構造が目につくようになりました。

流れを変える契機もあったんです。
2019年6月の『乃木坂工事中』では「あらためて知って欲しい!2期生のいいところ」と題し2週にわたって2期生がフィーチャーされます。伊藤かりんや新内眞衣の語り口にバナナマンのサポートもあり「不遇」を「今となっては思い出」という切り口で処理できたように思われました。

しかし2019年夏に発表された24thシングル『夜明けまで強がらなくてもいい』で今度は4期生3人がフロントに抜擢されます。
さらに同年末に放送された配信番組内でニューカレドニアへ二人旅をした堀ちゃんときいちゃんは現状について「悔しい」と口を揃え、2期推しのファンはまたも不満を募らせます。

いつしか「不遇」は2期生を語る際の枕詞のようになっていました。

しかし。
この日のライブで私が感じたのは、あの神宮で観せた情念とは真逆の「清々しさ」でした。

それは諦めでも自己憐憫でもなくて、不遇と言われながら懸命に生きた者だからこそ到達できる自己肯定。

 もう、いいじゃないか。

私はこの同じ言葉を2019年末のアンダラ東京シリーズのライブレポでも使いました。

2014年4月のアンダーライブ・シーズンゼロから皆勤賞だった「アンダラの守護神」川後陽菜が卒業したライブ。
あの時の笑顔でさよならした川後陽菜に通じるものを感じたのです。

 思い通りにはいかなかったし、悔しいことも辛いことも惨めな思いもいっぱいしたけど。後悔だって山ほどあるけど。

 でも、誇りに思う。
 私たちは、よくやった。

この日の2期生たちはそんな清々しさを振りまいていました。



2期だけでの単独ライブは皆が望んでいたことでしょう。

でもかつて堀ちゃんが言っていたような「2期全員で選抜に入りたい」とか「2期全員でひとつになってグループを変えよう」みたいなことはもう誰も思っていないような気がします。(凄く勝手な思い込みかもしれませんが)

彼女たちがこの日目指したのはきっと、ここでひとまず「2期生の物語」にケリをつけること。

 だから、記念碑を建てよう

 でっかい、でっかい記念碑を

 私たちがここにいた証を。

この日、間違いなくその記念碑は建ちました。

膨らみすぎてしまった「不遇」という言葉への落とし前を、見事に自らの手でつけてみせた2期生たち。

もうここからは「誰かを見返すため」にではなく、「自分」と「乃木坂46」のためにその力を使ってほしいと思います。

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