ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

タグ:阪口珠美

タオル補正
2024年5月22日、公式ブログで阪口珠美さんが卒業を発表しました。

まずは彼女の乃木坂人生を振り返りましょう。

たまちゃん。


2016年9月、乃木坂46の3期生オーディションに合格。同年12月の日本武道館におけるお見立て会で初めてファンの前に立ちます。

第一印象は「目がクリクリした不思議ちゃん」
特技披露が「Y字バランスをしながら般若心経」だったこともその印象を強めました。

しかし同期は個性派集団3期生。何人も握手人気でロケットスタートを決める化け物がいました。

3期生が本体に合流したのは(抜擢組のよだももを除き)20thシングルから。
そこから16枚のシングルに参加し選抜3回、すべて3列目。
アンダー13回。うちセンター1回、それ以外のフロント2回、2列目8回、3列目1回。

初選抜は加入から2年半後の23rdシングル『Sing Out!』
よだももくぼした梅れんたんでんりりあに先んじられ、同期の中では9番目。
続く24th『夜明けまで強がらなくてもいい』から4期生が選抜入りし、その先は彼女にとって選抜の壁はさらに厚いものとなりました。

ここでひとつだけ妄想を書いておきます。

21st『三角の空き地』で実際はセンター中田花奈、フロント伊藤理々杏と樋口日奈だったところをセンター佐藤楓、フロント伊藤理々杏と阪口珠美にしていれば。(別に中田花奈に対して含むところはないのでファンの方は怒らないでください)

そこから『日常』フロント、『Sing Out!』選抜とつなげれば、アンダラのスター(=アンダーフロント常連で常に選抜候補)への道はあったようにも思います。

基本「アンダーの2列目」でしたから、言葉を選ばずに言えば「中堅メンバー」だったのだと思います。

久保史緒里・中村麗乃と同い年の「新・中3トリオ」。
若様軍団のフォーク担当。
46時間TVなどで披露した「たまトレ」。
「画伯」としても活躍。描かれる対象が誰であれ常に毛髪が点で表現される人物画は観る者に恐怖を与えました。

そして古くは川村真洋、渡辺みり愛から連なる「ダンス番長」でした。

私は彼女のダンスを観るといつも「優雅」という印象を受けます。
クラシックバレエを約9年間習っていたという経歴からの刷り込みかもしれませんが笑

2023年1月に公式ブログで耳の病気(右耳低音障害型難聴)を公表。
「1年ほど前からライブのリハが始まると同時に耳の調子が悪くなる事が多々ありました」と書いていました。

その時から「遠くない将来に卒業するんじゃないか」と言われてきましたが、1年半もの間グループに留まってくれました。

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たまちゃんの煌めき


彼女の代表作といえばやっぱり初選抜の『Sing Out!』そしてセンター曲『口ほどにもないKISS』が挙がるでしょう。

ただ私が思い浮かべるのは『平行線』です。

『Sing Out!』収録のユニット曲。
メンバーは3期生だけ。大園桃子、与田祐希、久保史緒里、岩本蓮加、そして阪口珠美。

そこにあったのは目を離したらその瞬間に消えてしまいそうな刹那の煌めき

そんな圧倒的なキラキラと切なさを同時に表現するにはたまちゃんこそがふさわしい。
山下美月や伊藤理々杏のような濃い目の顔立ちで外連味のあるメンバーではこうはいきません。(どちらが上とか下ではなく向き不向きの話です、念のため)

私がたびたび用いる「青春感」
3期生でそれを最も感じさせたのは彼女だと思っています。

もうひとつ、「たまちゃんといえばこれ」という名場面があります。

2020年7月『乃木坂工事中』での「第3回内輪ウケものまね大賞」

まずは山下美月が「楽屋にいる時の岩本蓮加のギャル感」を演じます。
それに対しれんたんが「たまみとかとふざけている時に出ちゃう」。そして「彼女は意外と私よりJK味のある方」と丁寧に露払い。
そこからの梅澤美波による「若者言葉で会話をし続けるが何を言っているか分からなくなる阪口珠美」

バナナマンのおふたりに「阪口そんな感じなんだ?」と驚かれた彼女。
語尾に「ンゴ」をつけるのが流行っていたので大園桃子を「ももンゴ」と呼んで嫌がられた話から始まり、秋元真夏は「まなンゴ」生田絵梨花は「いくンゴ」では日村さんは?に「ヒ」

最後に設楽さんから「ちゃんと今時の言葉で謝って」と言われ「すまん」

面白さ、3期生の仲の良さ、そして「ギャル言葉を言うとみんなに嫌われます」「私はやめなさいって言います(梅ちゃん)」という乃木坂の治安の良さ笑が相まって凄く印象に残っています。

「珠美がずっとアンダーだった自分を憧れと言ってくれたから救われた」と樋口日奈は語りました。

グループの全員から愛でられ倒している小川彩からお歳暮を贈られ「好きだからです」と言われたのですから、可愛くて優しくて素敵な女性なのでしょう。

初期からビジュアルのイメージはずっと変わりませんでしたが、ゆっくりと洗練の度合いを高めていました。

今年のバスラも仕上がりまくっていましたよね。
彼女のブログはいつもこう始まっていました。

 さかぐち 坂道 登り坂!
 たまにはたまみと登ってね。

ここで「たまには」と言ってしまう奥ゆかしさ

それはグループアイドルの中でサヴァイブしていくには決して有利ではなかったかもしれない。
でもそれがたまちゃんらしさだったよな、なんて私は無責任にも思ってしまうのです。

卒業発表したブログでも素敵な言葉を残しています。

 乃木坂46の一員になる夢を叶えたあとも
 無理と思っていた
 沢山の願いを叶えられたことは
 これからの私の人生の
 大きな自信になります。

(乃木坂46 阪口珠美公式ブログより引用)


最後に彼女のこれからについて。

「このグループに入る事だけが人生の夢だった」たまちゃんですが、卒業発表後のインタビューで「また皆さんの前で頑張れたらなって思っています」ともコメントしています。

何だろう?
「たまトレ」のYoutubeチャンネルを始めるというのが一番ありそうな気がしますね。

どこかでまた彼女のニコニコ笑顔が見られることを期待しています。

阪口珠美さん、約7年半お疲れさまでした。



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びーむ色調補正3

あれを超えられるのか


2年前、9thバスラでの3期生ライブ。


私はそれを「完成されたアイドルの姿」「まさに彼女たちの4年半の総決算」と表現しました。

アイドルとして脂がのり切っていた彼女たち。
デビュー当初以来となる4年ぶりの期別ライブ。
そして大園桃子の卒業が見え隠れし、メンバーもファンも「12人での最後のライブだろう」と薄々感じていたというシチュエーション。

開演前からもの凄い期待感が充満し、そしてそれを易々と超えてみせたあの日

あれから2年が経ち、太陽たる大園桃子はグループを去りました。

あれを超えられるのか。
身勝手な観客である私はついそんなことを考えてしまうのです。

そしてこうも思っていたのです。
桃子がいないというその一点において、超えられるはずがない。


セットリストはこちら。

Overture

01. 僕は僕を好きになる
02. 空扉
03. 三番目の風(センター:与田祐希)
04. トキトキメキメキ
05. 自分じゃない感じ

<ユニットコーナー>
06. 嫉妬の権利(向井葉月、山下美月、与田祐希)
07. Threefold choice(佐藤楓、梅澤美波、吉田綾乃クリスティー)
08. 大人への近道(阪口珠美、中村麗乃、久保史緒里)
09. 心のモノローグ(伊藤理々杏、岩本蓮加)

10. 失いたくないから
11. 別れ際、もっと好きになる(センター:吉田綾乃クリスティー)
12. 錆びたコンパス(センター:中村麗乃)

<お見立て会リバイバル>
13. 命は美しい(センター:向井葉月)
14. 裸足でSummer(センター:与田祐希)
15. ガールズルール(センター:山下美月)

16. 設定温度(センター:吉田綾乃クリスティー)
17. 世界で一番 孤独なLover(センター:佐藤楓)
18. 欲望のリインカーネーション(センター:阪口珠美)

19. 大人たちには指示されない
20. 未来の答え
21. 毎日がBrand new day
22. 僕の衝動
23. 僕が手を叩く方へ

EN
EN1 そんなバカな…
EN2 転がった鐘を鳴らせ!
EN3 思い出ファースト
EN4 三番目の風


印象に残ったシーンを挙げていきます。

この日のビジュアル仕上がってんなあメンは与田祐希阪口珠美梅澤美波も印象に残りました。

1曲目に選ばれたのは『僕は僕を好きになる』。
白石麻衣卒業後の一発目。3期生3人のフロント。

最初から煽りまくるメンバーたち。

MCで客席からの声援に喜び「あ~素晴らしい人々~」とほのぼのする阪口珠美
「すっごい楽しいれんか~」と興奮を抑えられない岩本蓮加

『Threefold choice』。お姉さん組3人が全力でぶりっ子。

『大人への近道』は新・中3トリオ。
「私たちこんなに大人になったね」という感慨と「憧れたこの曲をやれる」喜びと。
3人だけどサンエトポーズ。

りりれん=伊藤理々杏岩本蓮加による『心のモノローグ』。
私はここでやっと年齢別のユニットであることに気づきました笑
伸びやかなれんたんの歌声が良いですね。個人的に彼女はもっと歌メンとして前に出てほしい。

岩本蓮加向井葉月がギターの準備をし「あの曲をやります」って言うから2年前と同じ『僕だけの光』だと思っていたら違いました。
譜面に目を落とすれんたんの横顔の美しさたるや。まさに超彫刻

『錆びたコンパス』で客席が黄色に染まらなかったのはちょっと残念。

ライブ中盤では「お見立て会リバイバル」と題して6年半前にやった3曲を再現するコーナー。

『命は美しい』では大園桃子に代わり向井葉月がセンター。
この曲の山下美月の肩の入れ方が異様にかっこよかった。

その美月、『ガールズルール』ではド迫力の煽り。

「初めて私たちが先輩と一緒に歌った曲」、『設定温度』。

久保史緒里のボーカルの安心感。
サビでは全員のリズムが走ってしまっているのすら「気持ちが入りすぎたため」と思わせます。
そしてラスト、モニターに映し出される3期生の初期アー写。

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『世界で一番 孤独なLover』!

そして『欲望のリインカーネーション』。
オリジナルバージョンは胸を強調した振り付けに目隠しで好きじゃないのですが、この日は振り付けを変えて変ないやらしさがなくなっていました。なんだ、いい曲じゃん笑

そして初披露時に「欅かよ」と書いた『大人たちには指示されない』も「ちゃんと乃木坂の曲に」なっていました。

このあたり楽曲を再解釈して自分たちのものにするという3期生の地力を感じさせます。

そしてここで「今、最も歌うべき曲」のイントロが流れます。
『未来の答え』。これについては別途書きます。

『僕の衝動』。
目がバキバキの久保史緒里。その場にいる全員に期待されているという状況の中でしっかりキメ切る貫録の伊藤理々杏

本編ラストは『僕が手を叩く方へ』。
モニターに映し出される3期生たちのメッセージ、山下美月は「全員まとめて愛してるよ」。
さすが美月。最高だな。

ラスサビ、会場全体のクラップ。みんな泣く。
普段泣かない与田祐希が凄く泣いています。

アンコール『そんなバカな…』。山下美月の「バカになれ~!」という煽り。
バズーカを撃てないのが可愛い伊藤理々杏
みんながインする中でひとりだけTシャツの後ろを出すという違う着こなしの岩本蓮加
そのれんたん、バズーカ撃って「おおっ!?」という驚愕の表情。

アンコールラストは『思い出ファースト』。フルサイズ!
外周を歩きながら笑い転げるれんたま(岩本蓮加阪口珠美)。

エンディングで「みんな本当に大好き!」と叫ぶ梅澤美波

その間にこっそりスタッフさんに了解を取りに行っていた山下美月が梅ちゃんに耳打ちし、予定外のもう1曲。

はじまりの曲、『三番目の風』。


一言でいうと「分厚い」ライブでした。

言い換えれば、幅が広い。
感情の幅。表現の幅。そしてキャラクターの幅。

なんかやっぱり「さすがは最上級生」という感じ。

最初に書いた「2年前を超えられるか」なんて、どうでもいいことだと思わせるだけの満足感でした。


続きます。

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びーむ色調補正3
この日のライブを観て思ったことがもうひとつ。

それは「今こそアンダラにスターを生むべき時だ」です。

アンセム、伝説、そしてスター


これまで書いてきたように、今回のライブでは新たなアンセムと新たな伝説が生まれました。

関連記事:



残すは、アンダラの核となるメンバー。

新たな「スター」です。

今野義雄氏は2016年1月のインタビューでこんなことを語っていました。

 アンダーライブでは、アンダーメンバーの中にスターが生まれなければと思っています。最初はそれを伊藤万理華に背負わせ、彼女は見事に重責を果たしてくれました。
 そのあとバトンをタッチした井上小百合も、またここで確変して、カリスマ感のあるセンターになりました。
 それを去年引き継いだのが中元(日芽香)と堀(未央奈)ですよね。この二人には、一期と二期、Wセンターなどいろんなテーマがありました。

前年末に日本武道館に到達し、既にアンダラが大きな成功を収めていた時点での言葉です。

「スターが生まれなければならない」。

運営がゴリ押しにより特定のメンバーを祭り上げて「スターを作る」のではありません。

ポテンシャルを評価しているメンバーを、機運が高まった適切なタイミングで良いポジションにつけることによって階段を上らせた結果、「スターが生まれる」のです。

そしてスターになったメンバーには選抜への道が開かれる。
このサイクルが上手く回っていれば、アンダーの地位は向上し、アンダラのコンテンツとしての価値は高まり、アンダーメンバーのモチベーションもアップする。
そして最終的にはグループの層が厚くなります。

上で今野さんが語っていた通りにアンダラ黎明期では温泉トリオ(そして齋藤飛鳥)がスターになりました。

そして『シークレットグラフィティー』から『新しい世界』までの「樋口日奈と2期生の時代」では、アンダーセンターに選ばれたメンバーが存在感を高め選抜入りを手繰り寄せるケースが多く見られました。

この頃まではスターが生まれるサイクルが機能していたように思います。

しかし今回の29thアンダラは言うなれば「全方位気配り方式」でした。

全員センター企画があっただけでなく、それ以外でも佐藤楓以外のメンバーがセンターに立つ機会が多かった。

フロントとしてでんちゃんを挟む金川紗耶と弓木奈於。

そのふたりはオープニングでは2曲目と3曲目でセンターを務めます。
そしてライブのクライマックスであるアンダー曲コーナー。でんちゃんセンターの最新曲『届かなくたって…』から始まったのですが、ここでもまた続く2曲をやんちゃんと弓木ちゃんに任せているんですよね。

さらにこの後はフロントの両サイド阪口珠美と佐藤璃果、そして別枠の山崎怜奈と和田まあやが入れ代わりセンターに立ちます。

でんちゃんセンターはノンストップ披露のラスト『別れ際』そして座長MCを挟んでの本編ラスト『新しい世界』。

正直「もっと佐藤楓にフォーカスしてもいいのでは」と思いました。

メンバーそれぞれにスポットライトが当たっているのは素晴らしいことですし、センターに立った彼女たちのパフォーマンスも非常に良かった。

ただ、厳しい言葉を使えばどこか軸が定まっていないような印象も受けました。

当ブログでたびたび引き合いに出す、2018年12月武蔵野の森のアンダラも途中まではこの日と同じ感じだったんです。

当時のセンターは北野日奈子、アンダー曲は『日常』。
あの日は全員センター企画こそなかったものの、多くのメンバーが入れ代わり立ち代わりセンターに立ちそれぞれの魅力を炸裂させていました。

しかし本編最終ブロック。
『アンダー』から始まり『日常』で終わる圧巻のノンストップ連打。
全曲、センター北野日奈子。

強烈な印象を残しました。

あれできいちゃんはひとつステージが上がったように思います。
あまりいい言葉ではないのですが『アンダーレジェンド』級になったのではないでしょうか。

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アンダーの連続性


ここ数作、アンダー曲のフォーメーションは「今回はこうするしかない」という明確な理由があるものでした。

まず、白石麻衣の卒業という大きな大きなひと区切りである25thシングル『しあわせの保護色』では期別曲祭りでアンダー曲はありませんでした。

26th『口ほどにもないKISS』では世代交代を印象づける初センター阪口珠美
それを支えるように1期2期のお姉さんたちが囲むという新人抜擢センターっぽいフォーメーション。
ちなみに他の3期生はほぼ3列目。2列目端に伊藤理々杏がいるだけでした。

27th『錆びたコンパス』。こちらは大ベテランの初センター山崎怜奈
選抜経験なしのままグループ屈指の知名度を誇るところまで来たれなちさん。目に見える人気以外の価値観でアンダーセンターという偉業。
両サイドはこの曲をもって卒業する同期の伊藤純奈と渡辺みり愛でした。

28th『マシンガンレイン』。センターはこの曲をもって卒業する寺田蘭世。ついに合流した4期生にぶっとい背中を見せます。
両サイドはアンダーメンバーではミーグリ完売速度が最上位の4期生柴田柚菜と、抜群のスタイルと高い歌唱力で今後のパフォーマンスの中核となることが期待される中村麗乃。

センターにもフロントにも全部ちゃんと理由がありましたし、これが正解だったとも思っています。

ただ、「流れ」がない。1話完結のドラマになっているんですよね。
実際には流れを作れる状況になかった、というのが正しいのでしょうが。

アンダラ黎明期や樋口日奈と2期生の時代には流れがありました。

アンダーセンターは次作でセンター横に立ち次の座長を支えてからその次で選抜入りするというかつてのスタイル。これにはアンダラに連続性を持たせる効果もありました。

やはり、以前のようにある程度フロントを固定しつつそこから何人かを選抜に送り込むというのがアンダーとしてあるべき姿だと思います。

アンダー内でのポジションに一貫性がある。だからこそ前に行くことに価値がある。

少し余談になりますがその前提があればこそ、史上最少最弱と自ら言い放った17thアンダー『風船は生きている』の渡辺みり愛、鈴木絢音、山崎怜奈フロントという大抜擢(アンダーでもほぼ3列目しか経験のない3人)にファンは「うお!運営、思い切ったな!」と感じ、そこにドラマが生まれた。そして東京体育館が伝説のひとつに数えられたのです。

そういう意味で、次作は佐藤楓の連続センターもいいんじゃないかと思います。

(以下、個人的に思うアンダーのスター候補を何人か挙げていきますが、もちろん「選抜に入ってほしくない」という意味ではありません。念のため)

全体的には「熱さ」や「気迫」よりも「楽しさ」が勝っていたこの日のライブですが、私がその中で最もパフォーマンスに気迫を乗せていたと感じたのは彼女でした。

あまり感情の起伏を見せずに「棒読み」が持ち味笑のでんちゃんですが、「やっぱりセンターになると違うな」と思わせました。

だからこそ、本編最終ブロックはもっと彼女にフォーカスしてほしかったですね。

ビジュアルはずっと仕上がってますしスポーツ系の外仕事という可能性もある彼女。
ここで連続アンダーセンターに据えて内外にアピールというのは大いにありだと思います。
ちなみに連続でのアンダーセンターは過去に伊藤万理華と中元日芽香(1曲は堀未央奈とのWセンター)しかいないので、ファンにもそれなりのインパクトを与えるかと。

金川紗耶もいいですね。

遠藤さくらの隣に立っても互角以上というその超絶スタイル。そしてキメキメのダンス。
もの凄くステージ映えするやんちゃん。

ソロダンスからの『My rule』も実に印象的でした。

一頓挫あったので賛否両論あるかもしれませんが、個人的にはこのまま埋もれさせるにはあまりに惜しい人材だと思っています。(「埋もれさせる」という表現はアンダーメンバーたちに失礼ですが上手く言い換えられませんでした)

そしてやはり、阪口珠美

彼女もステージ上で目を引きます。
そのダンスの美しさは既にファンの間でも定着しているのであともうひと押し。

「自然で優雅」なダンスの彼女ですが、逆に今のたまちゃんがアンダーセンターとして『日常』を踊ったらどんな表情を見せてくれるのか、興味をそそられます。

最後にもうひとり、林瑠奈

加入当初の白目をむいたエキセントリックキャラから2期生大好き闘魂キャラ、そして恐れ多くて震えてしまうけどそれでも歌い継がせていただきたいキャラときて、現在はきちんと喋れる安心して外仕事に送り出せるキャラになりました。

先日ゴールデンタイムのバラエティ番組に弓木奈於とペアで出演していましたが、いいコンビですね。

以前と比べ角は取れてきたものの、内面に熱い心を持った彼女はアンダーセンターっぽい。井上小百合や寺田蘭世の系譜ですね。

ビジュアルも特徴的かつ整っており、凄い偏見ですが個人的には「深田恭子さんが好きなおじ様たちに受けるのでは?」と思っています。根拠はありません笑

ただ現状彼女はミーグリ完売状況で苦戦しているので、もう少し数字の裏付けがついてきて機運が高まってからアンダーセンターに据えるのが良いでしょうね。

弓木奈於はなんか別路線というか新内眞衣ルートというか、気がついたら選抜にいる形がいい気がします。あえてアンダーセンターに置く必要はないのでは。


29thアンダラは非常に素晴らしく、多くの好意的なレポがありました。

だからこそ、次の一手は重要です。

ここで1話完結ではないアンダーの物語を見せてほしい。

そして新たなスターが生まれる瞬間を、見せてほしいです。


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びーむ色調補正3
北野日奈子卒業コンサートの翌日から始まったアンダーライブ3DAYS。

その最終日の配信を観たのでレポします。

全力の「イエーイ!」


セットリストはこちらです。

Overture
01. 狼に口笛を(センター:佐藤楓)
02. 自惚れビーチ(センター:弓木奈於)
03. My rule(センター:金川紗耶)
04. 13日の金曜日(センター:佐藤楓)

<思い出セレクションコーナー>
05. 命は美しい(センター:向井葉月)
06. マシンガンレイン(センター:矢久保美緒)
07. Route 246(センター:金川紗耶)
08. その先の出口(センター:吉田綾乃クリスティー)
09. 何もできずそばにいる(センター:山崎怜奈)
10. 三角の空き地(センター:黒見明香)
11. サヨナラの意味(センター:北川悠理)
12. 女は一人じゃ眠れない(センター:和田まあや)
13. 自由の彼方(センター:佐藤璃果)
14. 何度目の青空か?(センター:中村麗乃)
15. 君の名は希望(センター:林瑠奈)
16. 制服のマネキン(センター:弓木奈於)
17. 世界で一番 孤独なLover(センター:松尾美佑)
18. ガールズルール(センター:伊藤理々杏)
19. Sing Out!(センター:阪口珠美)
20. 帰り道は遠回りしたくなる(センター:佐藤楓)

21. 行くあてのない僕たち(センター:和田まあや、阪口珠美)
22. Wilderness world(センター:佐藤楓)

<アンダー曲コーナー>
23. 届かなくたって…(センター:佐藤楓)
24. ここにいる理由(センター:弓木奈於)
25. 嫉妬の権利(センター:金川紗耶)
26. あの日 僕は咄嗟に嘘をついた(センター:和田まあや)
27. 口ほどにもないKISS(センター:阪口珠美)
28. 風船は生きている(センター:佐藤璃果)
29. 錆びたコンパス(センター:山崎怜奈)
30. 別れ際、もっと好きになる(センター:佐藤楓)
31. 新しい世界(センター:佐藤楓)

EN1. 人はなぜ走るのか?(センター:佐藤楓)
EN2. 扇風機(センター:佐藤楓)
EN3. 乃木坂の詩(センター:佐藤楓)

WEN. ハウス!

この日の印象に残ったシーンを挙げていきます。

影ナレで嚙みまくる弓木奈於。そのたびに「すいません。」と謝るのですが、目を伏せて申し訳ない顔をしている彼女が容易に想像できて面白い。

『狼に口笛を』!いいオープニング!煽る座長の佐藤楓
「オッオー」を見るとどうしても日村さんを思い出してしまいますね

『自惚れビーチ』は弓木奈於センター。「ありえないから」のありえない顔がキュート。

『My rule』は金川紗耶のソロダンス。

煽りVで和田まあやが語った言葉。

 みんな乃木坂愛があって、人として尊敬できるところがあって、
 頑張ってきたことがみんなの性格の良さに出ていると思う

『Route 246』、金川紗耶の歌声は可愛いですね。

『その先』吉田綾乃クリスティーのスタイルの良さ!

『サヨナラの意味』を「ずっと近くで歩んできた曲」と表現した北川悠理
私はこれを「あまりにも卒業が多かったため」という意味でとらえたのですがどうなんでしょう。

『女は一人じゃ眠れない』で一旦MCを挟むのですが、そこで回し(矢久保美緒だったかな?)が「じゃあ最初にまあちゃん」とセンターで踊り切ったばかりの和田まあやに振るという鬼采配。いや後にしてやれよ笑

林瑠奈の『君の名は希望』というセレクト。反射的に「怖いもの知らずだな」と思ったんですが、違いました。

『乃木坂スター誕生』で何度もソロ歌唱を披露してきた彼女ですが、ド緊張の表情を浮かべ声を震わせながら歌います。

彼女はその曲の歴史も重みもそれを歌う怖さも知ったうえで「それでも歌いたい」と願ってくれているんですよね。

最後にはハモりに入る林瑠奈。本当にかっこよかったです。

『制服のマネキン』弓木奈於。研修生ツアーで歌ったという思い出の曲。
堂々たるパフォーマンスで「緊張しないのか?」と思いました。制服もまだセーフな気が笑

『Sing Out!』阪口珠美、『帰り道は遠回りしたくなる』佐藤楓
そりゃそうだよね、という選曲。「強くなりたい」と願うアンダーメンバーたち。

ここでMC。
すごく細かいことなんですけど、声を出せない観客に代わり「イエーイ!」をメンバーが全力でいくのがいい。

全体ライブではMC中にそんなに全力でイエーイはいかないじゃないですか。それは気恥ずかしさだったり、控えめで清楚な乃木坂のパブリックイメージゆえだったりすると思うのですが、この日のメンバーたちはもう一生懸命声を出すんですよ。

なんとかして盛り上げたい、みんなで支え合っていきたい、恥ずかしがってる場合じゃない。そんな気持ちが感じられて。
なんだか永島聖羅や能條愛未や斉藤優里が必死に盛り上げようとしていた黎明期のアンダラを思い出しました。

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そして後半戦のスタート。

イントロで私は一瞬、思考停止しました。

え?『行くあて』?

乃木坂史上屈指の名コンビ。背中合わせの相棒。
そして反骨の炎の旗頭たる「さゆまり」=井上小百合と伊藤万理華のユニット曲『行くあてのない僕たち』!

それをメンバー全員での披露というのは珍しい(もしかしたら初かも)。
赤と青の対峙する照明に神宮の、さいたまスーパーアリーナの記憶が甦ります。

次の曲へのブリッジで佐藤楓が客席にクラップを要求します。
「ドン、ドン」声を枯らすでんちゃん。そして流れて来たイントロは『Wilderness world』。意外!

続く曲はなんと『Another Ghost』!かと本気で思いましたが最新アンダー曲『届かなくたって…』でした。イントロのリフがアナゴーのサビそっくりなんですよね。

『あの日 僕は咄嗟に嘘をついた』。
客席が一瞬映された時、他の曲の時に比べ明らかに増えていた「白×白」のサイリウム。この曲のオリジナルセンター井上小百合のサイリウムカラーです。今も憶えているファンがいる。さゆ推しの自分としてはグッとくる瞬間でした。

『口ほどにもないKISS』で誰か(恐らく阪口珠美)と目が合ってニコッと笑った向井葉月

『風船は生きている』は佐藤璃果に合ってるなあ。そして北川悠理の歌声はいいですね。

そして間違いなくこの日のハイライトのひとつ、『錆びたコンパス』。

今日もまた真打ち感全開で登場してくる山崎怜奈
そのなんというか一種「ダサかっこいい」トゥーマッチさが「新内感」でもありますね笑

オリジナルのフロント左右はこの曲をもって卒業した2期生ふたり、伊藤純奈と渡辺みり愛でした。
この日は阪口珠美金川紗耶という現アンダラのダンス飛車角。
そのふたりを引き連れたれなちさんは実にパワフルな、いやむしろ大仰と言ってもいいようなダンスを見せます。

照明も客席も、黄色一色に染め上げられた場内。
突き上げられる拳。

なんだこの高揚感。

その中心のれなちさんは、満面の笑みというかもはやゲラゲラ笑いながら踊っているようにさえ見えました。(個人的にはちょっとエレファントカシマシを思い出しました)

アンダラに新たなアンセムが誕生した。そう感じました。

さらに『別れ際』までなんと8曲ノンストップ。これぞアンダラ。

本編ラストは意外な曲、『新しい世界』でした。

この日のビジュアル仕上がってんなあメンは伊藤理々杏
佐藤楓林瑠奈弓木奈於も良かった。ただ4期のふたりは足が細すぎてちょっと心配になります。でんちゃんも同じくらい細いけどあれで走ったり動いたりできる姿を見ているので心配はしていません。

北川悠理のアイドルっぽい仕草や表情が上手くなっていたのも驚きました。

そして矢久保美緒。MC頑張ってましたね。挙動不審でしたが笑

ダンスはやっぱり阪口珠美金川紗耶が印象に残りました。

北野日奈子卒コンでも書いた通り、常に余裕を感じさせ無理なところがひとつもない自然で優雅なたまちゃんのダンス。
それに対しやんちゃんはキメキメのダンスという感じ。
目を伏せたり顔を背けたり髪を上手に使ったりと、彼女は「絵になる」瞬間の多さが際立っていますね。

お互いやろうと思えば逆もできるでしょうから、どっちが優れているという話ではなくスタイルの違い。そして、ふたりとも自分の良さを理解しそれを活かしているように思います。


本編ラストまで、本当に素晴らしいライブでした。
アンダーの矜持を感じさせるセットリスト。全員センターで輝きを放つメンバーたち。そして終盤のノンストップ連打。

それでも。

正直私は物足りなさのようなものを感じていました。

アンコールであのシーンを観るまでは。


続きます。

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びーむ色調補正3
前の記事では印象に残ったシーンを挙げていきました。

でも実を言うと、私がこの日最も強い印象を抱いたのは北野日奈子と後輩たちのやり取りでした。

たまちゃんが感情を吐き出した


ライブの最終盤、阪口珠美からの送る言葉。

 日奈子ちゃん

そう呼びかけたことにまず驚きました。
(すぐ後に「日奈子ちゃんって呼んでいいよって言ってくださった」と説明していましたね)

そしてこう続けます。

 このラストライブをアンダーメンバーと一緒にやってくれるって選んでくださって本当に有難いです

きいちゃんが選んだんだ。そして選抜メンバーのサプライズ出演がないのもきっと彼女の意志なんだ。

きいちゃんが望めば、それこそ齋藤飛鳥だって来たでしょう。
でも、彼女は最後のステージをアンダーメンバーとだけ行なうことを選んだ。

もうそれだけで私はグッときました。

ポジションにこだわり続けたきいちゃん。
ずっと「選抜メンバーを目指すことがあるべき姿だと」考えてきたきいちゃん。
自信を失って、それでもあきらめきれない向井葉月に「選抜を目指してもいいんだよ」と語りかけたきいちゃん。

それでもアンダラに誇りと思い入れを持ち続けたきいちゃん。

そんな彼女が最後に共演することを望んだのが、今まさにポジションで辛い思いをしているアンダーメンバーたち。

さらに言葉をつなぐたまちゃん。

 私は辛くても表に出す自信もなくて勇気もないけど、
 私たちアンダーメンバーも今この場所で自信を持って頑張れば良いんだって思えるようになったのは日奈子ちゃんのおかげです

確かにその言葉通り、めったに感情を表に出さない印象のたまちゃん。
そんな彼女が表情を乱し泣きながら絞り出した言葉の重み。

そんな彼女にきいちゃんはこう答えます。

 立場上、ポジション的にも凄く苦しい場面が今までもこれからもあるかもしれない

「立場上」。

もはや先頭を走らねばならない3期生たち。
加入6年目でふたつ下の代の後輩ができる。これはまさにかつて=2017年当時の1期生の立場です。

「ポジション的に」。

ダンススキルが高く、代打での歌番組出演はある。
選抜もアンダーセンターも経験し、一定の人気もある。
それでも目に見える人気指標であるミーグリの完売実績において、選抜入り当確というところには至っていない。

「凄く苦しい場面が今までもこれからもあるかもしれない」。

後輩に抜かれるのではないか。
自分は便利屋として使われているだけではないか。
もう選抜には入れないんじゃないか。

そんな不安や葛藤、そして恐怖。

私の勝手な(そして大変失礼な)推測ですが、かつて中田花奈や斉藤優里が感じていたかもしれない感情。
そしてもしかしたら、26th『僕は僕を好きになる』で選抜落ちした時のきいちゃん自身も。

だから彼女はこう言います。

 でも乃木坂を好きな気持ちを大切にしてね

辛くても苦しくても、乃木坂が好きでいられるのならここにいればいいんだよ。

たとえ選抜が遠くても、この場所を愛し活動を続けた先輩たちのように。

安易な慰めではなくリアルな、でもとても暖かいメッセージ。

この日の最後、きいちゃんはもう一度後輩たちに語りかけます。

 自分の心を大切に
 大事な人を大切に
 元気で楽しく

もがき苦しんで心が折れて、それでも今笑って卒業していく彼女だから言える言葉でした。

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観なければきっと後悔する


この日、苦しさを吐露したのはたまちゃんだけではありませんでした。

序盤のMCでの中村麗乃。

 頑張ることがわからなかった時期に
 日奈子さんがめちゃくちゃリハーサルで頑張ってるのを見て
 こうやって頑張るんだ、って思えた

その顔を隣でじっと見ながら目を潤ませる北川悠理。
きっと彼女にだって思うところはあって。

5期生の加入。そして中西アルノの抜擢センター。

そんな状況で現在のアンダーメンバーたちが抱える不安を受け止めてきた北野日奈子が卒業してしまう。

だからこそ。

この日のライブ序盤できいちゃんはファンにこう語りかけたのです。

 アンダラに来ない乃木坂ファンにアンダーの魅力を伝えてほしい

思えば初期アンダラもそうでした。

超選抜メンバーのファンの多くはアンダラに全く興味がありませんでした。
さらに悪いことに一部にはアンダラを「アンダーメンバーのガス抜き企画」と揶揄する人たちさえいました。

そんなアンダラが瞬く間にファンの支持を集めたのは、メンバーの熱気とそれを観たファンの口コミによるもの。

2ndシーズンで大きなムーブメントになり、翌年には武道館に到達。
最少最弱と言われた17thアンダラ東京体育館も成功させ、東京近郊では1万人キャパの会場で行なわれることが当たり前になって。
アンダーの地位はかつてとは比べ物にならないくらい向上しました。

しかし、メンバーが大きく入れ替わりファンも入れ替わった現在。

再びアンダラ黎明期と同じように「超選抜メンバーのファン」のアンダーに対する関心が低くなっているように思います。

かくいう私もアンダラの会場に行ったのは2018年末の武蔵野の森が最後。

コロナ禍以降の配信も毎回観ているわけではありませんし、この翌日からのアンダラも正直迷っていました。

私は今も初期アンダラの反骨の炎が燃え盛った、切羽詰まりまくった空気が忘れられずにいます。
そのためアンダーメンバーにも色々な仕事があるという現在の状況を嬉しく思いながらも、どこか物足りなさのようなものを感じていたのも事実です。

でも。

この日のメンバーたちの姿、そしてきいちゃんの言葉に背中を押されて配信チケットを購入しました。

観なければきっと後悔する。

そんな予感めいたものがありました。



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