ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

タグ:限定



実店舗に置かれず、公式サイト上に情報もないセイコーの「ネット限定」モデル。
メーカーが作らないならば、と今回手作業でカタログを作成してみました。

そのあたりの経緯を書いたインデックス記事はこちらです。

 

SBDY~のモデル(タートル、サムライ、モンスター、ベビーツナ)はこちらです。

 

当記事にはモデル名SBDC~のものをまとめました。

なお情報は全て記事作成時点、楽天市場で調べたものであることをお含みおきください。
また価格は全て税込です。
(調査日:2020年10月8日)

ファーストダイバー現代デザイン(旧型)


1965年発売の国産初のダイバーズウォッチ、通称「ファーストダイバー」のデザインを現代風にアレンジしたもの。2020年にフルモデルチェンジした現行モデルが現在絶賛大ヒット中。

このファースト旧型について詳しく書いた記事はこちら。

 

ファースト現行についての記事はこちらです。旧型との比較もこちらをご参照ください。



 

ちなみにファースト現行のネット限定モデルは現在のところリリースされていません。

共通スペック:
自動巻きキャリバー6R15、パワーリザーブ50時間。200m潜水用防水。SSケース+サファイヤクリスタルガラス。サイズ厚さ 13.8 ㎜、横 42.6 ㎜、縦 49.8 ㎜。

SBDC077

グリーングラデーションダイヤル+メタルブレス。実勢88,000円、実質83,600円。

SBDC085

ブルーグラデーションダイヤル+メタルブレス、オールブラック。実勢88,000円、実質83,600円。

1968ダイバー現代デザイン


1968年に初の300m空気潜水用防水を実現した通称「1968ダイバー」。そのデザインを現代風にアレンジしたものです。

なし

こちらのシリーズのネット限定モデルはありません。
1968ダイバーはオリジナルのデザインをほぼ踏襲したレギュラーモデル「MM300」が別にあるので、現代デザインは人気がいまひとつなのかもしれません。

調査日時点でレギュラーモデルのSBDC061に一部店舗ではなんとアンダー8万円の値段をつけていましたのでディスコンが近いのかもしれません。だとすればSBDC051の時と同じで「パワーリザーブもデザインも現行に不満がないのであれば今が買い」ですね。

スモウ(旧型)


「スモウ」というユニークな愛称で知られるシリーズ。由来はマッシブなケース形状がそっぷ型の力士を思わせるとか12時位置のインデックスが大銀杏っぽいからなど諸説あります。

下の現行スモウとの実機比較記事はこちら。

 

共通スペック:
自動巻きキャリバー6R15、パワーリザーブ50時間。200m潜水用防水。SSケース+ハードレックスガラス。サイズ厚さ 13.3 ㎜、横 45 ㎜、縦 52.6 ㎜。

SBDC069

ブルーダイヤル+メタルブレス。実勢52,800円、実質50,160円。在庫僅少。
上のリンク先記事で書いたSBDC057と同様に、旧型スモウを新品で購入するのはほぼラストチャンスでしょう。


スモウ(現行)


旧型からムーブメントも外装も正統進化した実に正しいモデルチェンジ。(その分値段も上がってしまいましたが)

スモウの特徴と旧型との詳細な変更点、そしてSBDC097の魅力を熱く語った記事はこちらです。

 

共通スペック:
自動巻きキャリバー6R35、パワーリザーブ70時間。200m潜水用防水。SSケース+サファイヤクリスタルガラス。サイズ厚さ 12.9 ㎜、横 45 ㎜、縦 52.6 ㎜。

SBDC097

グレーダイヤル+メタルブレス。実勢93,500円、実質88,825円。

SBDC099

ブルーグラデーションダイヤル+メタルブレス。実勢93,500円、実質88,825円。



これまでネット限定モデルは値引きなしが通例でしたが、ファースト現代デザイン旧型のSBDC077と085は2割引きになっています。
(SBDY系はほぼすべてのネット限定モデルが2割引きでした)

セイコーがなりふり構わなくなってきたのか…あるいはディスコンして売り切りなのかもしれません。ネット限定の買い時がさらに難しくなったということですね。





実店舗に置かれず、公式サイト上に情報もないセイコーの「ネット限定」モデル。
メーカーが作らないならば、と今回手作業でカタログを作成してみました。

そのあたりの経緯は前の記事をご覧ください。

 

当記事にはモデル名SBDY~のものをまとめています。

SBDC~のモデル(ファースト現代、1968現代、スモウ)は下のリンク先記事となります。


情報は全て記事作成時点、楽天市場で調べたものであることをお含みおきください。
また価格は全て税込です。
(調査日:2020年10月6日)

タートル(旧型)


セイコーが150m防水ダイバーズウォッチの第3世代として1976年にリリースしたモデルの復刻盤。その独特のケース形状から「タートル」という愛称で親しまれています。

下に書いている現行タートルとの違いを含め、タートル自体についての詳しい情報はこちらの記事をご参照ください。

 

共通スペック:
自動巻きキャリバー4R36、パワーリザーブ41時間。200m潜水用防水。SSケース+ハードレックスガラス。サイズ厚さ 13.4 ㎜、横 45 ㎜、縦 47.7 ㎜。

SBDY023

オレンジダイヤル+メタルブレス。シリコンラバーベルト付属。限定500本。実勢価格77,000円、実質価格73,150円。

SBDY039

グリーンダイヤル+メタルブレス。実勢51,000円、実質48,450円。

SBDY041

ブルーグラデーションダイヤル+ラバーベルト、PVD加工。実勢52,800円、実質50,160円。


タートル(現行)


旧型からベゼルインサートをセラミックに変更、風防もサファイヤクリスタルにしてサイクロップスレンズを追加。さらに特徴的な型押しブロックパターンのダイヤルにより全体的に質感が向上。それにより愛称もちょっと格が上がって「キングタートル」と呼ばれていたりします。

ただし外装以外の基本スペックにおける変更点は厚さが0.2mm薄くなったことのみ。

共通スペック:
自動巻きキャリバー4R36、パワーリザーブ41時間。200m潜水用防水。SSケース+サファイヤクリスタルガラス。サイズ厚さ 13.2 ㎜、横 45 ㎜、縦 47.7 ㎜。

SBDY049

ブラックダイヤル+メタルブレス。実勢61,600円、実質58,250円。



SBDY051

カーキダイヤル+ラバーベルト。実勢57,200円、実質54,340円。


サムライ


特徴的な鋭角のラグが日本刀を思わせるということで愛称「サムライ」。

サムライ自体についての詳しい情報はこちらの記事をご参照ください。

 

共通スペック:
自動巻きキャリバー4R35、パワーリザーブ41時間。200m潜水用防水。SSケース+ハードレックスガラス。サイズ厚さ 13.4 ㎜、横 43.8 ㎜、縦 48.4 ㎜。

SBDY043

グリーンダイヤル+メタルブレス。実勢51,900円、実質49,305円。


モンスター


怪物が口を開けているように見えるから「モンスター」。ボコボコしたベゼルが「怪物に掴まれた爪痕のよう」という説もありますね。

共通スペック:
自動巻きキャリバー4R36、パワーリザーブ41時間。200m潜水用防水。SSケース+ハードレックスガラス。サイズ厚さ 13.4 ㎜、横 42.4 ㎜、縦 49.4 ㎜。

SBDY037

オールブラックでメタルブレス。実勢54,500円、実質51,775円。


ベビーツナ


「モンスター」にセイコーダイバーのアイコンである外胴プロテクターをつけたモデル。48mmも横幅があってどこが「ベビー」なのか何度見ても疑問です笑
アワーマーカーのところに小さく数字で秒数が書いてあるのでむしろこちらが昔ながらのモンスターデザインを踏襲しています。
このベビーツナは現行レギュラーモデルがありません。

共通スペック:
自動巻きキャリバー4R36、パワーリザーブ41時間。200m潜水用防水。SSケース+ハードレックスガラス。サイズ厚さ 13.8 ㎜、横 48 ㎜、縦 51 ㎜。

SBDY053

アイスブルーダイヤル+メタルブレス。実勢51,900円、実質49,305円。調査時点ではこのモデルの在庫はあと僅かでした(再ロットの有無は不明です)。


SBDY055

ブルーグラデーションダイヤル+メタルブレス。実勢51,900円、実質49,305円。


これまでネット限定モデルは値引きなしが通例でした。そのため個人的に狙っていてウォッチしていたSBDY049が値下げ解禁した時にはわざわざ記事にまでしました。

 

しかし今回調査した時点で、この記事に掲載しているモデルの実勢価格はSBDY023を除きすべて定価の2割引きになっていました。ユーザーとしてはもちろん喜ばしいのですが、セイコーがなりふり構わなくなってきたという気もしますね。

あるいはディスコンして売り切りなのかもしれません。ネット限定の買い時がさらに難しくなったなあ笑





カタログ作成の経緯


セイコーの腕時計において「限定」には大きく分けて2種類あります。

「流通限定」「ネット流通限定(ややこしいので以下「ネット限定」
前者は特定ショップのみで販売するもの。後者も同じですが、さらに「店頭では販売しない」という条件が加わります。つまり商品を直接確認できないのです。

腕時計という高額商品、かつファッションアイテムでこの売り方をするとは…なんたる強気笑

ただしセイコーの場合ネット限定モデルは基本的に既存商品のカラーバリエーション。
つまり腕時計において極めて重要な要素であるサイズ感と質感は、ベースとなるレギュラーモデルを店頭で確認することによって補完できるのです。

ですので、まあそれは良しとしましょう。

しかしいただけないのが、ネット限定に関する情報が公式サイト上に影も形もないこと。
最悪発売したことすら気づかぬまま、自分にとって魅力的なモデルが現れては消えている可能性があります。

商品のスペックも各ショップが提示している情報のみというのはいかがなものかと思います。実際には既に述べたようにレギュラーモデルがあるのでそれと同等という推測はできます。でもねえ…そこはメーカーとしての責任じゃないのかなとは思います。

ちなみに楽天市場やyahooショッピングにおけるポイント倍率も「流通限定」は10倍なのに対し「ネット限定」は5倍という縛りがあるっぽいです。

まあ文句ばかり言っても何も変わらないので、公式が作る気ないなら俺がやったろうじゃないか、ということで今回作成してみました。

楽天市場を基準に、地道な手作業で調べました。

調査日時点で楽天市場でひとつでも在庫があったモデルについてはこのカタログに掲載しました。結構前に発売されていて正直既にディスコンだろうと思われるモデルもあります。
ただそもそもネット限定の製造ロットがどのように運営されているか(初回生産のみなのか追加生産があるのか)についての情報も全くありませんので、価格等含め、あくまでも調査時点での情報であるということをお含みおきください。

ベースモデルごとにまとめ、その中ではモデル名の数字が若い=発売日が古い方を上に載せています。


最後にもう一度書きます。
このカタログの対象は実店舗に置かれず、公式サイト上に情報もない「ネット限定」モデルです。「流通限定モデル」ではありません。

ちなみに実はプロスペックスの「ダイバースキューバ」シリーズだけに絞っています(「マリンマスター」や「アルピニスト」にもネット限定はある)。また個人的な好みにより機械式モデルだけです。

SBDY系(タートル、サムライ、モンスター、ベビーツナ)


 

SBDC系(ファースト現代、1968現代、スモウ)






2019年は国産クロノグラフのアニバーサリーイヤー


2019年12月7日にどちらも限定1,000本で同時発売された、国産クロノグラフのアニバーサリーモデルふたつ。

SBEC005


こちらのSBEC005は「国産自動巻きクロノ50周年記念」。

国産どころか世界初の自動巻きクロノグラフムーブメントではないかと言われているキャリバー6139から50年。しかし実はこのモデルのデザインはその後に開発されアンティーク市場でも高い人気を誇る6138-8000通称「61パンダ」に範を取っています。
これ、以前に「いつか手に入れたい時計」と書いたゼニスの「A384リバイバル」に似てますね。ブラックのチャプターリングにパンダダイヤル(こっちはホワイトではなくシルバーですが)、そしてクロノ針の差し色。

ダイヤル上の情報量が多いクロノグラフにおいて、視認性を確保しようとするとこうなるのでしょうか。クロノグラフの黎明期において洋の東西を問わず似たようなメリハリの効いたデザインになったというのは興味深い一致ですね。

関連記事:
独断と偏見で選ぶ!価格帯別腕時計ベストバイ⑤ 70~100万円部門【2019年版】

とはいえこちらのモデルはいわゆる現代デザイン。正直、タテ目の2カウンタークロノであるオリジナルとはだいぶイメージが違いますし、実物の印象としては現代的であまりクラシックな感じはしません。

でもこれは凄くいい。

ラグから横に張り出した美しいケース形状。にもかかわらず横幅41mmに収めたサイズ感(オリジナルは40mmのようです)。

すりばち状のチャプターリングに印字されたタキメーターと3カウンターによるギュッと凝縮感のあるダイヤル。かなり優れたデザインだと思います。



ブレスも安っぽくない。よく酷評されるプロスペックスのブレスよりむしろグランドセイコーに近いですね。ダイヤルからケース、ブレスまで仕上げの質感はかなり高く、実際に腕に乗せると非常に魅力のある時計です。

パワーリザーブ45時間の8R48ムーブメント、クラシカルなボックス型(ベゼルから盛り上がった形状)サファイアガラス、10気圧防水、そして裏蓋スケルトンまでは下のSARK015と共通の仕様になっています。

SARK015


SARK015は「国産初クロノ(=クラウン ワンプッシュクロノ)55周年記念」。
そのデザインコードを踏襲しつつ3カウンタークロノ化したモデル。


前の記事では同じ「クラウン ワンプッシュクロノ」のデザインをオマージュした3針モデルについて書きましたが、こちらは3針ではなくちゃんとクロノグラフです笑


3針モデルの記事で特徴として挙げたのは「オールドファッションで素敵な顔」「ダイヤル上の同心円」「細かい目盛りと秒印字が醸す計測機器感」「細めのベゼル」。これらの要素はすべてこちらのモデルにも存在しています。
ちなみにサイズが違うので3針モデルとのパーツ共有はしていない模様。

そのサイズは厚さ15.3 ㎜、横42.3 ㎜、縦49.3 ㎜。3針モデル同様、ちと大きい。

上のSBEC005より大きいのはいかがなものかと。
まあ同じムーブメントですから当然インダイヤルの位置は一緒。その外に配置しなければならないデザイン要素として、こちらの方が回転ベゼルもある分大きくなっちゃったんでしょうね。インダイヤルの直径を調整してどうにかできなかったんですかね。

こちらも全体に良好な仕上げでラグとか非常にいいのですが、SBEC005と比べるとそもそもステンレス部分の面積が小さいのであまり目立たないのが残念かな。

ブランディングと価格設定


どちらも時計自体は魅力的。

ただ例によって言いたいことはあります笑

そもそも「プレザージュ」「プロスペックス」にする必要ってあったんでしょうか。

個人的にはプレザージュって若いサラリーマンが初めて買う機械式時計のイメージです。
漆ダイヤルのSARW013やSARX029の印象が強いせいだと思いますが、高価なモデルでも15万くらいの感覚。

その認識からするとSARK015の385,000円(税込、以下同じ)という値段はいかにも高い。
数年前に出たプレザージュのクロノが定価20万超だった時ですら「高い」と感じましたし。

「クラウン」じゃいけなかったんですかね。その方がむしろ特別感があるのに。
(デザインオマージュのSARX069/071/073も、もちろんクラウンの方がいい)

同じくSBEC005もプロスペックスじゃなく「スピードタイマー」にすれば良かったのに。

どうせ限定モデルですぐにカタログ落ちするんだし笑

海外ではプレザージュというブランド自体に価値があるんでしょうかね。

そして価格。

定価はSBEC005は418,000円、SARK015が385,000円。
そして実勢価格は流通限限定モデルのため値引きはなしで定価と同じ。実質価格はポイント10倍想定でそれぞれ376,200円と346,500円です。

この35万から45万で買えるクロノグラフって、定価ではなく新品実勢価格同士での比較をするとなかなかの強力メンバーが揃っているんです(並行品であれば、ですが)。
(以下の価格は記事作成日、某有名並行店の楽天市場店価格です)
「スピードマスター プロフェショナル」(422,150円~)に「カレラ ホイヤー02」(391,250円~)。スピマスなら「スピードマスター38 コーアクシャル」(384,170円~)という小径のモデルもあります。

要するに40万出せばオメガとタグ・ホイヤーのフラッグシップが買えちゃうわけです。
個人的にはこの価格帯のクロノグラフで選ぶならチューダーの「ブラックベイクロノ」(399,800円~)とかタグ・ホイヤーの「オータヴィア」(調査時点で新品在庫なし)が好きですね。

セイコーさんはオメガとタグ・ホイヤーのフラッグシップが相手ってわかってます?
本気でスピマスやカレラと同じ価格帯で売れると思ったんですかね。

確かに外装のクオリティはこのあたりと比較しても引けを取らない、というか正直勝っている部分もあるでしょう。

でも、ライバルのネームバリューやブランド性、定価との差額から感じるお買い得感(これ結構大事!)なども含めると、相当分が悪い勝負のような気がします。

セイコーの価格戦略は誰もが正規新品を買うという、現実とは違う世界を見ているように思えてなりません。

これ、流通限定じゃなく2割引きで売ればよかったのに。

それならSBECは実勢価格334,400円、ポイント10倍想定で実質価格300,960円。
SARKは実勢価格が300,800円、実質価格270,720円。
前者は実質、後者は実勢でほぼ30万になります。これでだいぶ購入のハードルが下がりますよね。「ギリ30万ならなんとか…」というユーザーに訴求できると思います。

この価格帯だとライバルからオメガが消え、タグ・ホイヤーではカレラのキャリバー16搭載モデル「Ref.CBK2110」(288,250円)や「リンク クロノグラフ」(339,750円)。あとはSinnの「103」(284,260円)あたりになりますね。
個人的には40万って、完全復刻だったら多くのユーザーが迷わず(はちょっと言い過ぎですね)払える値段だと思います。

かつてのグランドセイコー復刻、SBGW033やSBGW047。そしてアンダー40万ですがファーストダイバーSBDX019のような「本気の復刻」。

どれも現在ではプレミアム価格で取り引きされているモデルです。

今回の2モデルは現代デザインなのですから歴史的価値でのプラスアルファがない。
であればこの値段はちょっと強気すぎるのではないでしょうか。

並行品や中古含め、無限と思えるほどの拡がりがある腕時計市場において「この1本を買おう」と思わせる。

考えてみれば大変なことです。

偉そうな言い方になってしまいますが、セイコーさんはせっかくいい時計を出しているのですからビジネス的に成功してほしい。そしてインバウンド顧客と既存セイコーマニアだけを相手にするのではなく、もっと多くの日本人を時計沼に突き落としてほしい笑

だからこそもう少し価格戦略でユーザーの目線に立ってほしいです。



歴史的モデル「クラウン ワンプッシュクロノ」とは


1964年に登場した初の国産クロノグラフである「クラウン クロノグラフ」。

公式ではスポンサードの関係か「日本で初めての国際スポーツ大会にあわせ開発された」と書いていますが、要するに東京オリンピックの記念モデルです。

グランドセイコーが最高級機とすると中堅機の位置づけだった「クラウン」にストップウォッチ機能を追加したもので、2時位置のプッシャーひとつでスタート・ストップ・リセットすべての操作を行なうため「ワンプッシュクロノ」なんて呼ばれ方もしますね。

そのデザインをほぼそのまま再現したのがこちらのモデル。

なのにクロノグラフじゃなく3針。

おい笑

勝手に企画の流れを想像するに、

2020年の東京オリンピック開催に合わせて前回大会にまつわるモデルを復刻しよう。
それでこのワンプッシュクロノに白羽の矢が立つ。
しかしワンプッシュクロノのムーブメントなんて現行にはないし、もちろん新たに開発するコストはかけたくない。

じゃあ得意の現代デザインってやつにする?でもあれあんまりマニアに受けがよくないんだよね…

しょうがない、いっそデザイン復刻ということで3針で出しちゃおう!

ってことですかね。斬新だな!

オールドファッションでありながら新鮮なデザイン


そうはいってもデザイン的にはこれ、かなりいいです。

オールドファッションな顔が実に素敵。ダイヤル上の同心円は現行にない表情ですね。
さらに細かい目盛りと秒印字が計測機器感を醸します。
そして細めのベゼル。ブラックですし当時はスポーティなデザインだったのでしょうが、現在の感覚からするとドレスウォッチに近い印象を受けます。



機能的にはもうおなじみ70時間ロングパワーリザーブの6R35。10気圧防水にサファイアガラスと日常的な使用には十分なスペックです。

カラーバリエーションは3色。
やっぱりオリジナルと同じパールイエロー(アイボリー)のSARX069ですね。
グランドセイコーにもある色味で、現行でいえばSBGX263あたりの色に近いかと思います。
SARX073のブラックも格好いいしオンオフ兼用でいけそうですけどちょっと普通っぽい。SARX071のグリーンは個人的には違和感があります。

各1,964本限定。
ただ記事作成時点で069の在庫はかなり少なくなっていそうでした。

そして気になるお値段。
セイコーの記事では毎回文句ばかりなのですが、今回は大丈夫です。

定価91,300円(税込)。流通限定モデルなので値引きはなく実勢価格も同じです。

以前に紹介した同一ムーブメントのアルピニストと比較すると税込定価で+6,600円。向こうは20気圧防水なんで機能的には下ですが、まあ限定モデルなんで正直こんなところかと。

このところセイコーの記事では先代との値段比較で「げっ!倍かよ」と叫んでばかりでしたので、それがないだけでも精神衛生上いいですね笑



不満はサイズ。
厚さ11.3 ㎜、横41.3 ㎜、縦48.3 ㎜。オリジナルの横幅は私が調べた範囲では38mmのようでした。

このデザインで41mm強というのはやっぱり大きいです。1mmでも小型化する努力をしてほしかった。

とっくに過ぎ去ったデカ厚ブームの名残か、ここ10年ちょっとでなんでもかんでも大型化してしまって戻らないセイコーの時計。昨今のトレンドの真逆を突き進むのはいかがなものかと。

裏は取っていませんがムーブメント自体が大きいんでしょうね。
セイコーさんはもういい加減、真剣に現行の4Rなり6Rムーブメントの小型版を開発して36mm径のモデルを出すことを考える必要があると思います。
というかプレザージュにもレディスの機械式で34mmとかのモデルがあるので、そのムーブメント使って(トルク足りないなら改良して)しまえばいいんじゃないでしょうか。

それで膨大なアーカイブの忠実な復刻が可能になるんですから、やりゃいいんですよ。

一番出してほしいのはやっぱりメカSUSです笑
メカSUSのデザインを完全復刻して36mm以下で実勢価格6万ぐらいで出してくれたらムーブメントが4R系でも買います。めちゃくちゃ売れるでしょうね。

まとめ


なんというか、すごく中途半端ではあるんです。そもそもクロノグラフのデザインなのに3針ですから。

でもこの値段で出したことの方を評価したいですね。
ワンプッシュクロノのムーブメントを新規開発して50万とかで出されても何の魅力もないですから。

歴史的モデルのデザインエッセンスがかなり濃厚に残っている、現行機ではどこにもない顔。
そしてロングパワーリザーブの6R35搭載機としては比較的安価。10気圧防水、メタルブレス。現実的でいいモデルです。



実はクロノグラフの現代デザインは別途2019年に「国産初クロノ55周年記念」としてSARK015というモデルが出ています。

同時に発売されたSBEC005は「国産自動巻きクロノ50周年記念」。
この2本、実物見ると凄くいいんですけど例によって値段がちょっと。

これについては別の記事にする予定です。

>しました>>>
セイコー プロスペックス SBEC005 & プレザージュ SARK015 国産クロノアニバーサリーモデル


このページのトップヘ