ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

タグ:高山一実

びーむ色調補正3
2021年東京ドーム、DAY2は高山一実のラストステージとなりました。

DAY1のレポはこちらです。


笑顔の君とサヨナラを


基本、前日と同じセットリスト。

Overture
01. ごめんねFingers crossed
02. ジコチューで行こう!
03. 太陽ノック(センター:生田絵梨花)
04. おいでシャンプー(センター:山下美月)
05. シンクロニシティ(センター:梅澤美波)

06. ファンタスティック3色パン
07. せっかちなかたつむり(秋元真夏、生田絵梨花、高山一実、樋口日奈、新内眞衣、遠藤さくら、賀喜遥香)
08. 錆びたコンパス
09. ひと夏の長さより…(センター:秋元真夏、賀喜遥香)
10. ありがちな恋愛(センター:齋藤飛鳥、山下美月)
11. 日常
12. 裸足でSummer
13. 全部 夢のまま

<期別コーナー>
14. I see…
15. トキトキメキメキ
16. アナスターシャ
17. 失いたくないから

18. Route 246
19. 僕は僕を好きになる
20. インフルエンサー(センター:山下美月、与田祐希)

21. きっかけ
22. Sing Out!
23. 夏のFree&Easy(センター:与田祐希)
24. ガールズルール(センター:山下美月)
25. 君に叱られた
26. 他人のそら似

EN1. 私の色
EN2. サヨナラの意味(センター:高山一実)
EN3. 偶然を言い訳にして(センター:高山一実)
EN4. 君の名は希望(センター:高山一実)
EN5. 泣いたっていいじゃないか


この日の印象に残ったシーンを挙げていきます。

ビジュアル仕上がってるメンは田村真佑かな。掛橋沙耶香も良かったですね。

最初のMCの「ウォーミングアップで『日常』」ってどういうことだ笑

『せっかちなかたつむり』の自己紹介で樋口日奈が「しっかり者」。
いや…?それは初期の間だけで「坂之上くん」事件あたりで既にブレーキが壊れてる感は出てた気がしますよ笑
西野ポジの遠藤さくらが歌うAフレが爆発的に可愛い。

『錆びたコンパス』の山崎怜奈。今やグループでも上位の場数を踏んだ彼女であっても歌い出しで声が震えるんだ、となんか変なところでドームの大きさを感じました。

『ひと夏の長さより…』でのかずみんへのメッセージ、「食べられたい よだゆうき」ひらがなで書かれた名前が秀逸。

『全部 夢のまま』!この曲好き!
この日の佐藤楓は前日の反省を活かしちゃんとカメラに向かってアピールできていたので一安心。
…と思ったらその直後に伊藤理々杏と山下美月のプロぶりっこふたりが堂々のキメポーズ連打笑

MCの回しはこの日も樋口日奈。大丈夫なのかと思っていたら案の定「全部出し切っていくぞぉ」と脱力させてくれます。

賀喜遥香の手加減のない煽りが良い『I see…』。
『トキトキメキメキ』よだやま(与田山下)の小芝居。そしてこの日も驚くほどの美を見せつける岩本蓮加

後輩で固めた『きっかけ』前のMC。
そこで「乃木坂46は私たちが守り続けます」と宣言する山下美月

『Sing Out!』ではアンダーが前に出てくるフォーメーションが良かった。
『夏のFree&Easy』トロッコに乗りながら(関係者を見つけたのか)丁寧に会釈をする遠藤さくら
『ガールズルール』前日に続き全力で煽る山下美月。この日の喉はなんとか持ちこたえました。
『君に叱られた』で高山一実とハグした後に涙ぐむ賀喜遥香

本編ラスト、10周年記念曲の『他人のそら似』。
『夜明けまで強がらなくてもいい』そして『ごめんねFingers crossed』部分で長尺アップになった遠藤さくらの「画がもつ力」。

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アンコールから高山一実卒業セレモニーでした。

『サヨナラの意味』ですっかりタレまゆになる遠藤さくら

『偶然を言い訳にして』で気球に乗るかずみんの背中を見送って泣き崩れる樋口日奈
佐藤楓はこの日2度目のカメラアピールに成功。

フルサイズで披露された『君の名は希望』。やっぱり特別な曲。

そしてこの日のハイライトは和田まあやから高山一実への送る言葉でした。

 朝、楽屋に入ってまずずー(高山)のかばんを探してずーの席に座って
 私が先に着いたときはずーの席をとって
 昔から楽屋の近くの席にずーがいて、明日からかばん探せないんだなって思ったら寂しいです

この言葉で抜けに映る遠藤さくらの目からも一気に涙が溢れます。

冠番組でも何度も聞いたかずみん独特の「まあや~」
呆れるようなたしなめるような、それでいて「可愛くて仕方ない」感あふれる呼びかけが頭をよぎります。

ラストは自身唯一のセンター曲、『泣いたっていいじゃないか』。
寂しさを露わにするひなちまとまあやの年少組。やっぱりかずみんは幼くてわんぱくだった彼女たちをお姉さんのように、そして保護者のように見守ってきたのだろうと思わせます。

本編ラストでは感想を聞かれ「楽しい、幸せ」と言っていたかずみん。

それでも最後の最後、彼女はこう叫んだのです。

 寂しい~!!

いつもみんなを支えてきた、あの笑顔を浮かべながら。


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タオル補正
2021年7月22日、『乃木坂配信中』のライブ配信内で高山一実さんが卒業を発表しました。

笑顔の軌跡


デビューシングルから全作で選抜入りした最後のひとり。
結成当初から卒業までずっとグループ内で存在感を保ち続けたメンバーですが、ことシングルでのポジションという意味では割と不思議な推移をしました。

定位置は上手(向かって右)の端。
11thシングルまでで3列目の上手端がなんと6回。2列目の同じ位置が4回。残り1回も3列目の右端から2番目でした。

お見立て会で自己紹介しながらずっとマイクを持っていない方の手で肘をこすっていたため、ついたあだ名が「肘こすり一実」。その独特のキャラクターでその日の握手人気は白石麻衣と並び1位と見事なスタートダッシュを決めます。ちなみにその時に西野七瀬に並んだのはたった3人だったというのはあまりにも有名。

勢いそのままに『乃木坂って、どこ?』ではバラエティ担当として番組開始当初から活躍。
白石麻衣・松村沙友理と共にHK3(日村嫌いスリー)の一角を担い、初期の序列としては御三家と生生星に次ぐぐらいの位置にいた印象です。

実際にお姉さんユニット(『偶然を言い訳にして』『でこぴん』)や白石麻衣とのWHITE HIGH、そして『せっかちなかたつむり』等々、多くのユニット曲に参加していました。

シングルでのポジションもデビューから3作連続で2列目。
さらに最初のプリンシパルでは「最強」生田絵梨花にただひとり肉薄する結果を出します。

裏声で「16番、18歳、高山一実です!」と言うだけで会場が笑いに包まれ「声楽を習って裏声で歌っているうちに普段の声まで裏声になってしまいました!」で爆笑。
この強烈なインパクトの自己PRに、50音順で彼女の次だった中田花奈が毎日心をへし折られていたため途中から順番がランダムに変更されたほど。

しかしプリンシパル直後の『制服のマネキン』選抜発表で、彼女は最初に呼ばれます。
つまり、3列目端へ後退。

プリンシパルが、あの地獄が何の意味もなかった。
かずみんはもちろん、多くのメンバーが(なんなら秋元真夏の復帰即福神よりも)衝撃を受けたといいます。

そしてこのあたりから彼女の握手人気は相対的に下降していきます。(28thシングル特典映像の『Documentary of Kazumi Takayama』で本人も語っていた通りです)
松村沙友理の記事でも書いたのですが「真夏ショック」により多くのメンバーの握手対応が向上した結果、人気で先行していたメンバーがやや後退するという現象ですね。

 

また「ビジュアルの乃木坂」において基本的にバラエティメンは人気面で苦戦していました。今もその傾向はありますが、当時はさらに強かった。

これはリアクションを取るときにどうしても「顔が崩れてしまう」こと、そしてファンの中に「AKB的なもの」(この場合はバラエティでガツガツ行くこと)に対する否定的な見方が根強かったことが関係していると思われます。

結局、かずみんの握手人気は10番手から選抜ボーダー前後で落ち着きます。
にもかかわらず『太陽ノック』から『逃げ水』までは7作連続で福神。しかも16th『サヨナラの意味』ではフロント。

彼女が目に見える人気指標では最も苦戦していた時期でしたので当時は正直大いに疑問でしたが、今になってみれば周囲に笑顔と安定をもたらす彼女の働きは選抜に不可欠という運営の判断もわかります。

ですからこのフロント起用は運営の「高山は選抜から外さない」という意思表示だったのかもしれません。

ポジティブキャラですが決して生まれつきポジティブというわけではない(少なくとも私にはそう見えます)彼女に自信を持たせるため、高い評価をポジションで明確に伝えようとしたのではないでしょうか。

彼女自身も徐々に外仕事で実績を積み上げていきます。

2016年から「ダ・ヴィンチ」誌上で小説『トラペジウム』の連載を開始。
2018年に単行本化され累計発行部数25万部を超える大ヒット作となります。
(23rd『Sing Out!』でフロント復帰したのは『トラペジウム』の大ヒットご祝儀でしょう)

そしてクイズ番組にも数多く出演。さらに2018年春の『オールスター後夜祭』をはじめとしてMCとして起用されることも増えていきます。葛藤しながらの「バラエティ担当」が後に「タレント」として開花するために必要な助走期間だったのかもしれません。

こうして外部の仕事で着実に結果を出してきた彼女。
シングルでのポジションこそ相次いで選抜入りする3期生と入れ替わる形で3列目へ後退しましたが、グループ内での地位は不動のものとなりました。

そして27thシングル『ごめんねFingers crossed』ヒット祈願で付き添いとしてついていったバンジージャンプでの「今後のために飛んどいたほうがいいのかな」と発言。個人的にはここで「ああ、もう卒業が決まっているんだな」と思いました。

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「日本でいちばん優しい女性」


美脚女王で美人顔。
なのに冠番組でも猛烈に気合の抜けた顔面(すいません)をしていたり人中をいじられたり。

でも、そんな大らかさこそがかずみんの最大の魅力ですよね。

『乃木坂工事中』の「内輪ウケものまね大賞」で誰よりもマネされた彼女。

和田まあやにノーズシャドウを誇張しすぎモノマネされたり、白石麻衣に楽屋でエピソードトークをする時に手がうるさい姿を真似されたり。この時に思いっ切り足を開いていたのが印象深いです。

これもメンバーに愛されていることのひとつの証ではないでしょうか。

いいやつ。男前。

罰ゲームを代わってあげる。まいやんの代わりに電気ナマズを触り、ひめたんの代わりに電気ビリビリコイン立てをやる。

桶に入れた水を背負って神社の階段を上るという『いつかできるから今日できる』のヒット祈願。一緒に行った秋元真夏と星野みなみの倍の量を一度に運ぶ驚異的な体力を見せつけ「辛さが伝わらない~!」と言われていたのも印象深い。真夏さんが転んで水をこぼした時に「わざとじゃないんでしょ?」と何度も確認していたのも面白かった。

あとはやっぱり『乃木坂工事中』の体力テスト内での棒高跳びですね。

西野七瀬に「かずみん絶対背中からいってよ!」と言われて「わかった。私はこれから絶対背面跳びしかしない」と決心。背中を向けながら助走するという謎のムーブを繰り広げバナナマンのふたりから「そんなやついねえよ!」と総ツッコミを受けます。
しかしその5年後、再びチャレンジした彼女は謎ムーブのまま見事クリアし憧れを現実にするのです。いや書いてて思ったけどこれ全体的にどういうことだ笑


そして個人的にかずみんで一番好きなのが

 かぁわいぃ~!

という『乃木坂工事中』内でのガヤ。

3期4期(そして星野みなみ笑)がバナナマンにコメントを振られたり企画にチャレンジした時によく発していましたが、彼女のこれは抑えられずに思わず声が出てしまった感が抜群でした。

そう言ってもらえて自信を持てたり、完全にすべった場面でもこれと設楽さんの「いや可愛いとかそういうんじゃなくて」のセットで場が収まったりとか。

本当に、これに救われたメンバーは結構多いと思うんですよ。

ちょっと話がずれますが、やっぱり1期生は初期にバナナマンに鍛えられた部分が大きいですよね。

よく同じガヤを入れていた生駒里奈や松村沙友理も卒業し、現役では真夏さんと新内眞衣ぐらいしか残っていません。

ぜひ梅澤美波や久保史緒里、そして賀喜遥香、田村真佑、早川聖来あたりがガンガン「かぁわいぃ~!」を言えるようになってほしいです。
吉田綾乃クリスティーや林瑠奈、松尾美佑、矢久保美緒といったガチの「可愛い女の子大好き勢」が心から言うのもいいですね。

『乃木坂スター誕生』で遠藤さくらの『ラムのラブソング』に「かぁわいぃ~!」の声を上げていたのはたぶん清宮レイかな(田村真佑かも)。


最後に彼女の今後について。

小説を書きつつ現状の外仕事を続けていくというかずみん。

まっつん曰く「10年後のかずみんはタワマン最上階に高級車3台で犬4匹飼ってて凄い毛皮のコートにミニスカ履いてバーキン持ってる」らしいので笑、タレントとして成功して番宣で来たOGたちとわちゃわちゃ絡んでほしいですね。


かつてドキュメンタリー映画『いつのまにか、ここにいる』で彼女はこう語りました。

 どのメンバーも最後にもの凄い光を放って卒業していく

かずみん、あなたも同じです。

高山一実さん、10年間本当にお疲れさまでした。

乃木坂の暖かい雰囲気をずっと支えてくれてありがとう。



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タオル補正
物語が突然終わってしまった。
今はそういう気持ちです。

2021年7月4日、3期生オーディション募集開始日からちょうど5年のその日。
公式ブログ内で大園桃子さんが卒業を発表しました。

未完の物語


よろしければ、まずは2020年4月のこちらの記事をお読みください。



コロナ禍において彼女が発信したブログをきっかけに、大園桃子の「ゆいいつむに」の魅力と彼女の言葉が持つ力についてどうしても書いておきたくなったものです。


彼女は2016年夏の3期生オーディションに合格して乃木坂に加入しました。
きっかけは「高校の先輩に勧められて」だそうです。

合格発表は例の今野さんの「合格者は全員。皆さんです」。
その言葉に狼狽し目を泳がせる彼女の姿はたびたび3期生の歴史を辿る映像として流されてきました。

そしてその日、彼女は「暫定センター」に任命されます。
これ、オーディション会場でコメントをしている彼女の映像を観たことがある方なら納得だと思います。それぐらい彼女の原石感は見るものの目に明らかでした。

3期生がファンの前に初めてその姿を見せた2016年12月のお見立て会。
そこでパフォーマンスした3曲のうちの『命は美しい』ではセンターを務めます。(ちなみに残り2曲は『裸足でSummer』と『ガールズルール』。センターはそれぞれ与田祐希と山下美月)

この時の自己紹介で彼女は泣きじゃくるのですが、これ以降も泣いて泣いて泣きまくります。

2017年2月の『3人のプリンシパル』では早くも大きな挫折を味わいました。
2幕出演は15回中わずかに1回。この時点で既に明確なアンチとまでは言わなくとも、暫定センターである彼女に対する潜在的な反感のようなものがあったことがうかがわれます。

2年後の遠藤さくらも同じく16戦1勝ともがき苦しんだことを考えると、乃木坂ファンの間に根深く「運営推され」に対する拒否反応があるのでしょう。(さくちゃんは「暫定センター」と明言されてはいなかったと思いますが多くのメディアにより「エース候補」としての扱いを受けていました)

この拒否反応は、やはり生駒里奈や堀未央奈を運営が聖域扱いしてきたことによるものだと思います。それを見てきたファンとしてはどうしても身構えてしまうところがありますよね。

桃子はこのプリンシパルにおける自己PRでも「争うのは嫌」と言って泣き。
5thバスラのさいたまスーパーアリーナでも泣きじゃくりながらステージ上を彷徨い。

4月の『乃木坂工事中』初登場の3期お披露目回でもオープニングから大泣き。
小刻みに震えうつろな目であらぬところを見ながら設楽さんの「緊張してるの?」に「してません」と答える彼女の姿は、正直「大丈夫かこの子?」と思わせるものでした。

今観るとこの回は「先輩たちが3期生を紹介しつつ大いにふざける」というなかなか楽しい内容なんですけどね。
彼女と共に剣道着姿で登場した高山一実が懸命になだめながら進行するあたり、先輩の優しいお姉さんぶりも引き出す良い企画でもありました。

そのカズ先輩に「桃ちゃん、はいトマト!トマト食べていいよ!」と言われて口に運び、「おいしい…」とにっこり微笑む桃子の姿は可愛らしかったのですけれど。

さらに同時期に始まった3期冠番組の『NOGIBINGO!8』でも毎回のように泣き、企画に対して後ろ向きな姿勢を見せていました。

しかし運営は彼女を押し続けます。
同年3月、初の3期生楽曲『三番目の風』ではセンターに。
同年5月発表の3期生楽曲『思い出ファースト』でも引き続きセンター。

「暫定センター」から明確な「3期のセンター」へ。

2017年5月には3期生単独ライブも開催されました。
最近改めてこの映像を観たのですが(当時も現場で観ています)、初期の生駒里奈もかくやと思うほど桃子は「センター」を背負わされていました。

声がほとんど出ない状態での千秋楽。そして『君の名は希望』のピアノ伴奏。
その過剰とも思えるほどの「逆境」「大泣き」「周囲の支えと励ましでクリア」という流れは、やはり人によっては反感を覚えるものだったと思います。

暫定センターから3期センターといういわゆる「推されルート」。そのまま乃木坂のセンターになるのではないかという懸念。さらに大泣きして周りを振り回す一連の振る舞い。これらを受け入れがたく感じるファンも一定数いました。

上の記事で書いた通り、私も当初は彼女に対して否定的な見方をしていました。

「凄くストレートな言い方をすると、可愛い顔と泣き芸で嫌なことを回避してここまで人生乗り切ってきたタイプに見えた」んです。

ただ、今観ても彼女のセンター適性は抜群でした。
特に『命は美しい』でスイッチを切り替えた時の表情はちょっと「別格」と表現したくなるほど。プリンシパルで無双した久保史緒里や山下美月すら凌ぐ楽曲への没入度合い。(あくまでも当時は、の話です)

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そして7月。
18thシングル『逃げ水』の選抜発表が行われ、ある意味予想通りに彼女はセンターに抜擢されます(与田祐希とのWセンター)。

いわゆる「3期新規」のファンの中でも多くのアンチがいた彼女。
ここで全体シングルのセンターに立ち、ありていに言えば先輩メンバーのファンまで敵に回すことになったのです。

結果、猛烈にアンチが湧きました。

そしてそのまま真夏の全国ツアーが始まり、初のツアーに選抜メンバーとして参加することになります。そこで待っていたのは(あの「死にはせん」の)与田っちょさえ後に「体重が8kg減った」と語ったプレッシャーと負荷。

桃子もボロボロになった当時のことをこう振り返っています。

「裏にいる時はずっと泣いていたけど、ステージに出た瞬間には笑ってるんです。そんな自分が怖かった」

本当に、抜擢センターには反対。
どうせ5期でもやるんでしょうけど。
与田っちょやさくちゃんが人気メンバーになったのは奇跡みたいなものです。

19th『いつかできるから今日できる』は映画と舞台の『あさひなぐ』出演メンバーで固められた選抜でしたのでよだもものふたりはいったん選抜から外れます。

そして20th『シンクロニシティ』では久保史緒里、山下美月も加えた「よだももくぼした」の4人が揃って選抜入り。しかし与田っちょと美月はここからフロントに定着したのに対し、桃子は2列目そして3列目へとポジションを落としていきます。

これは握手人気に対し妥当なポジションだったため「ゴリ押し」という批判の声は少しずつ減っていきます。それと同時に徐々にグループに慣れてきた彼女はのびのび活動できるようになり本来の笑顔が戻ってきた。少なくとも私にはそう見えていました。

この2018年末、乃木坂は『シンクロニシティ』でレコード大賞連覇という偉業を成し遂げます。その舞台裏でグループの暖かさと先輩たちの想いに感動した桃子は「乃木坂も悪くないなって思った」と発言し、これは映画『いつのまにか、ここにいる』のハイライトにもなりました。

このように少しずつ変化の兆しを見せていた彼女に運営も改めて期待したのではないでしょうか。
山下美月の活動休止の穴を埋めるように、23rdシングル『Sing Out!』では『逃げ水』以来となるフロント復帰。

しかし、結果的にはこれが裏目に出ます。
その夏の全ツ、さらに24thシングル期間の活動を休止。

復帰は全ツファイナルの神宮球場でした。

続く25th『しあわせの保護色』で選抜にも復帰し、27th『ごめんねFingers crossed』まで3列目2列目3列目というポジションでした。

2020年10月にはずっと「まい姉さん」と慕ってきた白石麻衣が卒業します。

ファンの間にも、まいやんの卒業で精神的支えを失い活動へのモチベーションがなくなってしまうのではないかという不安と、逆に独り立ちして成長した姿を見せてくれるのではないかという期待の両方がありました。

個人的には、涙をこらえてまいやんを見送った卒コンでの姿から期待の方が膨らんでいたのですが、

彼女が選んだのは卒業。


物語は未完に終わりました。



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