ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

タグ:齋藤飛鳥

タオル補正
前の記事では齋藤飛鳥の乃木坂人生を振り返りました。

関連記事:


乃木坂のすべてを知る者


星野みなみと齋藤飛鳥。

このふたりは最初期からよく比較されてきました。

そしてふたりを語る際によく用いられたのが「エリート」のみなみちゃんと「雑草」の飛鳥という対比。

しかしこの構図は明らかに運営が「意図して作り上げた」ものでした。

運営が当初から飛鳥のポテンシャルに高い期待を寄せていたことに疑問の余地はありません。
なにせあの「奇跡の軍団」乃木坂46の1期生の中で、デビューシングルの選抜16人に選ばれたのですから。

結成時に中学生だったメンバー8人(※)の中で1st~6thシングルの間に選抜入りしたのは生田絵梨花、星野みなみのフロントふたりを除けば飛鳥ただひとりでした。
(率直に言ってしまえばそれ以外の5人は「思い出選抜」での初選抜だったのです)
※生田絵梨花、斎藤ちはる、中元日芽香(96年組)、川後陽菜、樋口日奈、星野みなみ(97年組)、齋藤飛鳥、和田まあや(98年組)

とはいえデビュー曲から「生生星」の一角としてフロントを任されたみなみちゃんと3列目だった飛鳥の間には明確な差がありました。

その時点での完成度やタレント性でも先を行っていた印象がありますし、そもそも年齢がひとつ上ですのでこれは妥当な判断でしょう。

運営はこのふたりがライバルとしてフロントで並び立つ未来がいつか訪れればそれが最高だと思っていた節があります。

「いつか」。
例えば御三家(白石麻衣、橋本奈々未、松村沙友理)が全員卒業した頃に。
それはきっと、2016年か遅くとも2017年には訪れる想定だったのでしょう。

こうして並び立つライバルではなく追いかけるべき目標として「星野みなみ」を設定され、年少組の(生田、星野に次ぐ)離れた3番手として活動をスタートした飛鳥。

1stに続き4thシングル『制服のマネキン』、7th『バレッタ』で選抜入りします。
余談ですが1st、4th、7thで選抜だったので3作品ごとに飛鳥選抜説=10thも選抜では?なんていう噂が流れたこともありました。

さらに3rdシングル収録の年少組ユニット曲『海流の島よ』ではセンター。
6thシングルアンダー曲『扇風機』でもセンター。
ちなみにアンダーセンターはその1回でしたが基本フロント。例外は2nd『狼に口笛を』のみ(この時は3列目)。

こうしてみると活動初期において「最も出入りの激しいメンバー」でした。
もちろん既に述べたようにそれは運営の大きな期待の裏返しだったのでしょうが、年端もゆかぬ彼女にとってそれは想像も及ばないほど苦しい日々だったことでしょう。

10thシングル『何度目の青空か?』までの期間。

それは齋藤飛鳥、雌伏の時。

そこで彼女はありとあらゆる経験をします。

右も左も分からぬまま活動していたデビュー当時の選抜
TVで何度も司会者に「乃木坂48」と紹介されたことも。
デビュー曲『ぐるぐるカーテン』のヒット祈願である駅前でのティッシュ配りも。

本当に全く仕事がなかった初期のアンダー
『走れ!Bicycle』を全握で初披露した時に、選抜メンバーがスタンバイするのを隠すための幕をアンダーメンバーが持たされるという屈辱の記憶も。

アンダーライブ
その立ち上げから激動の2ndシーズンまで(つまり「一番キツいとこ」です)立ち会ったのも本当に大きかった。

グループ立ち上げ時に受けた様々な屈辱と、お姉さんメンバーたちがそこで歯を食いしばって頑張ったこと。
2期生たちの不安や混乱。
アンダーの絶望と不屈。

そのすべてを実際に経験し目撃してきた飛鳥。

この「叩き上げ感」こそ彼女に対するファンからの絶大な信頼の基盤です。

飛鳥ちゃんは全部わかってる、という。

結成当初からのメンバーであり、過去31作すべてのシングルに参加。
その中でアンダー、選抜3列目、2列目、フロント、センターとあらゆるポジションを経験した齋藤飛鳥。
ちなみにアンダー経験後に表題曲のセンターになったのは深川麻衣と齋藤飛鳥のふたりだけです。

彼女は文字通り「乃木坂のすべてを知る者」でした。

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The miracle of miracles


結成当初から見てきた古参オタとして言わせてください。

乃木坂46はいくつもの奇跡が折り重なってできあがった奇跡のようなグループです。

あれほどの美貌を持った白石麻衣が加入したこと

アイドルとは無縁に見える橋本奈々未が加入したこと(しかも「ロケ弁で飢えをしのげる」という今考えても少々意味不明な理由で!)。
そしてそのクールなイメージからは想像もつかないほど熱い想いをもってグループを愛してくれたこと。


その3人がそれぞれ全く違う個性で、負けず劣らず魅力的だったこと。
にもかかわらず3人がお互いをリスペクトし仲良しだったこと。

そして彼女が常軌を逸した努力の天才であったこと。
その超人的な頑張りと、外仕事による不在を埋められるグループの層の厚さにより自身の夢を追いながらもグループに長く在籍できた(してくれた)こと。

御三家と生ちゃんだけでも十分に奇跡でした。

でも。

乃木坂最大の奇跡はやっぱり齋藤飛鳥だと思うんですよ。

彼女が我々の想像を遥かに超えて美しく成長したこと。
中二病全開だったのに、こんなにも優しく気遣える人になったこと。
11年以上にわたり4つも下の代が加入するまでグループに留まり、その背中を後輩に見せてくれたこと。

何より、こんなにもグループを愛してくれたこと。

最年少が「やさぐれ」も「やらかし」もせず、勘違いにも甘ったれにもならず。
大エースへと成長し、かつグループを愛し長くそこに留まってくれた。
そして最年少だからこそ、オリジンのスピリットを継承することができた。

こんな理想的なことありますか

全部が全部、奇跡としか言いようがない。

これもちょっと蛇足ですが、彼女がブレイクしたのも最高のタイミングでした。

『裸足でSummer』がリリースされた当時、駅のホームで電車を待っていたら周りにいた男子高校生たちが「飛鳥ちゃん、めっちゃ可愛いよな!」と盛り上がっていたのを憶えています。

2016年ですから白石麻衣ら御三家が24歳、西野七瀬ら94年組で22歳の年。
彼女たちが中高生からするとだいぶお姉さんになっていた頃です。

しかもその年の4月には欅坂46がデビュー。
『サイレントマジョリティー』のMVが強烈なインパクトを与えます。そのインパクトとフレッシュさで一気に中高生からの支持を獲得しているまさにその最中でした。

あまり語られていませんが、このタイミングで学生の年齢層に対して齋藤飛鳥が訴求できたのは乃木坂にとってめちゃめちゃ大きかった。欅坂の勢いに飲み込まれず、三番目の風が吹くのを待つことができたのは彼女の功績でしょう。


私が(勝手に)齋藤飛鳥の本質に近いと思っている言葉がふたつあります。

いつのことだったか思い出せないのですが、同期に対する想いとして語ったもの。

 とにかく幸せであってくれ

もうひとつは、5期生募集CMの中で。

 人の事を想ったら、
 自分を好きになれるなんて
 知りませんでした。

この言葉が飛鳥ちゃん発信かどうかは知りませんが、その歩みをずっと見てきたファンとしては彼女自身からのものに聞こえます。

お姉さんたちに愛された飛鳥がいつしか周囲を大きな愛で包むようになった。

そんな年月の重さを感じさせるふたつの言葉です。


最後に、これからの彼女について。

CMではちょこちょこ見るけどTVにはあまり出てこない、「生活の匂いがしない」タイプのタレントさんになってくれたら嬉しいです。

でも、まずはゆっくり休んでほしいですね。

齋藤飛鳥さん、11年以上にわたり本当にお疲れさまでした。

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タオル補正
2022年11月4日、公式ブログで齋藤飛鳥さんが卒業を発表しました。

もう何度目かはわかりませんが、それでもやはり「来るべき時が来た」と思いました。

まずはその足跡を振り返ります。

2011-2014


1998年8月生まれの1期生最年少。同学年は和田まあや。

当初の印象は「幼女」。

川後陽菜につけられたあだ名が「ロリ手羽先」でしたが、まさにそんな感じ。
応援するのもはばかれるぐらい幼かったので、個人的には正直まったく興味がありませんでした笑

そんな中でも強く記憶に残っているのが2012年9月に行なわれた最初の『16人のプリンシパル』。

私が行った日の投票で彼女は5位と大健闘したのですが、その時の自己PRが秀逸でした。

細かい言い回しは憶えていませんが「私は一番小顔で一番若くて未来しかない!」みたいな内容を、お姉さん組への若干の毒を交えながら満面の笑みで語っていました笑

当時「中学2年生があんな台本思いつくはずがない!背後に優秀なブレーンがいるに違いない!」と驚愕したのを憶えています。

まあ後に飛鳥の得意技となる「笑顔で毒舌」の原型ですから、本人発信だったんでしょう。

あとはその少し後ぐらいに『乃木坂って、どこ?』のハロウィン仮装企画では幼稚園児のコスプレ。「セクシーな一言」というお題に対して「たまごボーロ」も強烈でしたね。

私が次に彼女の存在を強く意識したのは約2年後、アンダーライブ2ndシーズンでのこと。

既に1stシーズンで会場人気が爆発しており彼女の覚醒はアンダーファンの間では周知の事実だったようですが、個人的に飛鳥の評価が爆発的に上がったのはここでした。

10thアンダー曲『あの日 僕は咄嗟に嘘をついた』でセンター井上小百合の両サイドを伊藤万理華と共に固めた飛鳥。
お顔も声も可愛くて、しかも踊れるこの3人のフロントは超強力。

しかし。
ご存知の方も多いでしょうが、アンダラ2ndシーズンは想像を遥かに超える過酷な日々でした。

(この伝説の日々を題材にした小説をnoteで公開しています。
有料記事ですが全14話中の第4話までは無料で読めますので、よろしければこちらもどうぞ)


15日18公演という超ハードスケジュールに離脱者が続出。
ついにセンター井上小百合までが故障で欠場を発表。
それと時を同じくして件のスキャンダルが報道されます。

当時高校1年生だった彼女にとって、あの壮絶な毎日は到底受け止め切れるものではなかったでしょう。

2ndシーズンの期間中や有明でのファイナルが発表された全国握手会、そしてその有明でのWアンコール。顔を真っ赤にしてぐちゃぐちゃに泣き崩れる彼女の姿を何度も見ました

まだ幼さを残したその顔で、それでもグループを守りたいと懸命に足掻く姿は心を打つものでした。

ちなみにかの有名な「どうせお前らクリスマス過ごす相手いねえだろ?」(文字にすると激辛ですが最高に愛らしい敬礼ポーズつきです)が発せられたのは、2ndシーズンのゴール地点であるこの年末の有明コロシアムでのことです。

そういえば(凄く蛇足なのですが)2ndシーズン直前の全国握手会で「井上小百合×齋藤飛鳥×中元日芽香」というアンダラ推し垂涎の超絶レーンが組まれ、西野七瀬や白石麻衣に匹敵するほどの並びになったこともありました。

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2015-2022


続く11thシングルで選抜入り。

ちなみにアイドルらしい前髪ぱっつんだった髪型をいわゆる「今野分け」に変えたのもこのタイミングでした。
結果的に…いや今野さんの思惑通りに笑、そのビジュアルが急速に完成されつつあることがファンの目にも明らかになります。

そこからはまさに「ライジングスター」。一気に階段を上っていきます。

『羽根の記憶』MVで鮮烈な美しさを放ち、まさに「未来がここにある」と観る者に思わせ。
同時期の『乃木坂工事中』で「ラジオ体操をしたことがない」ということで音だけを頼りに面白可愛い体操をしてみたり。

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そして彼女の人気を決定的にしたのが2016年2月、同番組の2期生バレンタイン企画

2期生から1期生にバレンタインのプレゼントを贈るのですが、まずは「この子からはもらえるんじゃないか」と思っている1期生が立候補しなければならないという鬼のフォーマット。

そこで主役になったのが飛鳥でした。

開始早々に北野日奈子と伊藤純奈に連続で振られ、涙。
「ちょっと休憩します」と引き下がるも番組後半で相楽伊織に再度挑戦。
しかしここでもあえなく玉砕し「もういいよ」と言い残してまた涙。

その哀愁漂う姿と可愛い泣き顔に多くのファンが心を鷲掴みにされ、大反響を呼びました。

さらに2016年4月『乃木坂工事中』での「齋藤飛鳥・独り立ち計画 初めての○○」。
要するに飛鳥ちゃんのひとりでできるもん企画。「朝ご飯をお母さんに食べさせてもらっている」という衝撃のカミングアウトもありました。

完全に彼女ひとりをフィーチャーしたこの日の放送を観ながら私は「ああこれもうフルスイングで飛鳥ちゃん売り出すのね、うんうんそれ凄くいいと思うよ」と思っていました笑

そして迎えた2016年7月に発売された15thシングル『裸足でSummer』。

満を持して。全箱推し待望の。
齋藤飛鳥、初センター。

そしてそれは紛れもなく、1期2期の世界におけるラストピースがはまった瞬間でもありました。

選抜発表の『乃木坂工事中』では「今いい調子で乃木坂来てるのに私のせいで売れなくなっちゃう」とベソベソ泣いていました。(実際には前作に比べ売り上げは伸びた)

しかしMVでは頭に羽根飾りをつけ土色の海で踊る彼女はまたも我々に鮮烈な美しさを見せつけます。

その年の真夏の全国ツアーでは高校3年生、弱冠18歳にして座長。

ファイナルは4thバスラも兼ねて全曲披露を行なった神宮球場3DAYS。
3日目本編ラスト、乃木坂ライブの名場面と言えば誰もが思い出すあの「じんぐ~う!」です。

こうして2016年の夏は終わり、「最年少愛でられキャラ」だった彼女はいつしか押しも押されもせぬ「乃木坂の主要メンバー」になっていました。

自分を「嫁」と呼んで慕った飛鳥の独り立ちを見届けて安心したかのように、橋本奈々未が卒業を発表したのはこの年の10月のことでした。

そのななみんの卒業シングル、16th『サヨナラの意味』こそ2列目中央に下がりますが、次作『インフルエンサー』以降はすべてフロント。

翌2017年は既に先輩の風格を漂わせはじめ、客前での『逃げ水』初披露となる「お台場みんなの夢大陸」時にはもう与田祐希の首を絞めていました。

同年の舞台『あさひなぐ』でも主演。
18thシングル『いつかできるから今日できる』では映画版主人公を演じた西野七瀬とのWセンター。

2018年の21st『ジコチューで行こう!』そして2019年の23rd『Sing Out!』では単独センター。
西野七瀬卒業シングルである22nd『帰り道は遠回りしたくなる』の前後でセンターを任されたのですから、どこからどう見ても「託された」形です。

なーちゃんの卒業と時を同じくして白石麻衣と生田絵梨花のふたりはどこか一線から退いた「別格」扱いになり、それ以外の1期生福神常連組も自身のゴールを見据えた活動という印象が強くなります。

そんな中で飛鳥はグループの顔としてライブでも常に獅子奮迅の活躍を見せ、CMにも皆勤賞。

そして遠藤さくら、山下美月、賀喜遥香、中西アルノと新センターを支え続けました。

まさに最後の最後まで最前線に立ち続けた飛鳥。

 尊敬に値する

そんな平凡な言葉しか思いつきませんが、本当に見事な11年間でした。


続きます。

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びーむ色調補正3
聖地・神宮での全ツファイナル3DAYS。

2022年8月30日に行なわれたそのDAY2を視聴しましたのでレポします。

鈴木絢音の感慨と実感


セットリストはこちらです。

Overture
01. 好きというのはロックだぜ!
02. 夏のFree&Easy(センター:与田祐希)
03. おいでシャンプー(センター:賀喜遥香)
04. ガールズルール(センター:山下美月)
05. 裸足でSummer

<期別コーナー>
06. 絶望の一秒前
07. バンドエイド剥がすような別れ方
08. 猫舌カモミールティー
09. ジャンピングジョーカーフラッシュ
10. 僕の衝動
11. 僕が手を叩く方へ
12. 海流の島よ

13. 会いたかったのかもしれない
14. ロマンスのスタート

<シャッフルコーナー>
15. 君の名は希望(センター:秋元真夏)
16. 涙がまだ悲しみだった頃(センター:山下美月)
17. 設定温度(センター:久保史緒里)
18. 13日の金曜日(センター:清宮レイ)
19. マシンガンレイン(センター:遠藤さくら)

20. 泣いたっていいじゃないか?(センター:賀喜遥香)
21. ひと夏の長さより…

22. 自由の彼方(センター:和田まあや)
23. Under’s Love(センター:和田まあや)

24. ごめんねFingers crossed
25. Actually…
26. 深読み
27. 太陽ノック(センター:遠藤さくら)
28. 空扉
29. ジコチューで行こう!
30. 君に叱られた

EN1 好きになってみた
EN2 自惚れビーチ
EN3 乃木坂の詩

例によって印象に残ったシーンを挙げていきます。

まあこの日はとにかく、雨

2016年神宮4thバスラを思い出させるほどの土砂降りでした。

まずオープニングはスモークが凄くて全くメンバーが見えずに、やむを得ずカメラは客席を映すという斬新なスタート。そこへさらに放水という暴挙笑

スモークが晴れるまで雨が降っていることにすら気づかないぐらいでした。

『おいでシャンプー』で賀喜遥香の髪の香りをかぐ齋藤飛鳥山下美月
「ダメダメダメ」のところで後方にいるのにきっちりカメラ目線で決めてみせたのもさすがの山下プロ。

『ガールズルール』でまた放水し、笑っちゃってる齋藤飛鳥

その彼女が「なんでこんな降ってるの~!?」と叫んで始まった『裸足でSummer』。
しかしそのラストでまたも放水。

最初のMCで「飛鳥さんみたいにとお願いして髪巻いたのに、いつもと一緒になっちゃいました」と笑顔で嘆く遠藤さくら

期別コーナーは5期生から。髪やメイクを直す間もなく出てきた彼女たち。
にもかかわらず小川彩の完成度は際立っているなあ。
菅原咲月の素早くカメラを見つけてニコッと微笑むところも好感度高い。

そして4期生のJJF!(『ジャンピングジョーカーフラッシュ』)この曲好き。
かきさく(=賀喜遥香遠藤さくら)の飛車角感よ。

3期生はこの日から復帰した伊藤理々杏センターの『僕の衝動』。
『乃木坂工事中』の「キメ顔グランプリ」効果で観客が完全に「待ち」の体勢にある中で堂々と決めて拍手を浴びる理々杏。

続く3期曲は『僕が手を叩く方へ』。
個人的には3期生が輪になってお互いを笑顔で見交わすだけでウルっときちゃうんです。
そこへ客席からのクラップが重なって、なんかもう。

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1期2期5人の「後輩のためにできることを考えた」という言葉から始まったシャッフルコーナー。期も選抜もアンダーもシャッフルする、融合と継承の試み。

山下美月と『涙がまだ悲しみだった頃』という組み合わせは意外。

『13日の金曜日』、清宮レイの『ザンビ』コントが微笑ましい。
この曲で(いつも捕獲される側の)与田祐希が弓木奈於を捕獲するという珍しい光景も見られました。
その後、花道をキョンシーポーズを取りながら走る与田っちょ。自由で良い笑

『マシンガンレイン』でビシッとセンターを張ってからのコントという遠藤さくらの落差
「いきますよ~」から自己紹介するというのは、何ともひめスパイア(中元日芽香インスパイア系)。

この日のハイライトのひとつ、キャンプファイヤーコーナー。

『泣いたっていいじゃないか』。
歌メン揃いの中、嬉しそうにふたりで一緒に歌う久保史緒里佐藤璃果

MC企画「1分トーク」では小川彩に「いい意味で圧がある」と言われたと嘆く梅澤美波

『ごめんねFingers crossed』。
前年ツアーのリード曲だったのに、相次ぐ卒業や離脱によりソロ歌唱となってしまったパートが多くてふと切なくなります。
ラスト寸前で不敵な笑みを浮かべる山下美月

『太陽ノック』でべらぼうに可愛い投げキスをする遠藤さくら

『ジコチューで行こう!』、齋藤飛鳥にまとわりつくよだやま(与田祐希山下美月)。
与田っちょは大間奏で飛鳥から首を絞められなぜかガッツポーズ。

アンコールでオチに使われた筒井あやめの「飛鳥さん、私まだ汚れていいキャラじゃないと思うんですけど」というコメント。

鈴木絢音の「あの頃の乃木坂良かったな~」という感慨と「今の乃木坂も最高だな」という実感。

この日の仕上がってるメンは与田祐希久保史緒里阪口珠美筒井あやめも目を引かれました。



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びーむ色調補正3
前の記事ではDAY1の印象に残ったシーンを纏めました。



当記事ではDAY2について。

『Actually…』の完成形


セットリストはこちらです。

Overture

<2017年>
01. インフルエンサー(センター:齋藤飛鳥、山下美月)
02. 逃げ水(センター:岩本蓮加、与田祐希)
03. いつかできるから今日できる(センター:齋藤飛鳥、賀喜遥香)
04. スカイダイビング(センター:秋元真夏、梅澤美波)
05. 三番目の風(センター:与田祐希)

<2018年>
06. 日常(センター:久保史緒里)
07. 誰よりそばにいたい(センター:佐藤楓)
08. キャラバンは眠らない
09. ジコチューで行こう!
10. 空扉
11. 帰り道は遠回りしたくなる(センター:西野七瀬)

<2019年>
12. ありがちな恋愛(センター:齋藤飛鳥、山下美月)
13. 夜明けまで強がらなくてもいい
14. Sing Out!
15. 4番目の光

<2020年>
16. 毎日がBrand new day
17. I see...
18. しあわせの保護色(センター:秋元真夏、齋藤飛鳥→白石麻衣)
19. シンクロニシティ(センター:白石麻衣)
20. 世界中の隣人よ
21. Route 246

<2021年>
22. 僕は僕を好きになる
23. ごめんねFingers crossed
24. 君に叱られた
25. 最後のTight Hug(センター:生田絵梨花)

<2022年>
26. 絶望の一秒前
27. 届かなくたって…
28. Actually…

29. 制服のマネキン(センター:遠藤さくら)
30. 世界で一番 孤独なLover(センター:齋藤飛鳥)
31. 他人のそら似
32. おいでシャンプー(センター:秋元真夏)
33. 夏のFree&Easy(センター:賀喜遥香)
34. 太陽ノック(センター:筒井あやめ)
35. 裸足でSummer

<オーケストラコーナー>
36. きっかけ
37. サヨナラの意味(センター:秋元真夏)
38. 君の名は希望(センター:齋藤飛鳥)

EN1. ガールズルール
EN2. ロマンスのスタート
EN3. 乃木坂の詩


DAY2は2017年から2022年の曲を中心にしたセトリということで、古参のおっさんからするともう最近の曲たちです笑

印象に残ったシーンを挙げていきます。

この日のビジュアル仕上がってんなあメンは休養十分で出走の与田祐希

影ナレは乃木坂46合同会社代表、今野義雄氏。

オープニングは5期生から順に期別での登場。
5期生井上和に触発されたか、遠藤さくらが「4期生でーす!」と彼女らしからぬ元気さで挨拶。すると梅澤美波も負けじと声を張り上げ、鈴木絢音はもはやヤケ気味に「2期生でーす!!」。
その後まったり登場する1期生というコントラストも良かった。

『逃げ水』。大園桃子の位置に立ったのは岩本蓮加でした。

この日の『スカイダイビング』はちゃんとヒコーキ振り付けやってくれて嬉しかった笑

『三番目の風』、こちらのセンターは与田祐希!走りながら「桃」ポーズを決めてみせます。

『日常』センターは久保史緒里。これについては別途書きます。

『誰よりもそばにいたい』。
佐藤楓が語るアンダラへの想い。7万人のうち何人に届いたかはわからないけれど。
ラストをハモったのはアンダーの矜持でしょう。

齋藤飛鳥のMC「生きて帰れないぐらい頑張らないと」。

そして西野七瀬登場。『帰り道は遠回りしたくなる』。
後ろで大泣きする佐藤楓

間のVでの遠藤さくらの「先輩のポジションに入るプレッシャーって本当に凄くて」という発言。

雨の中での『夜明けまで強がらなくてもいい』。

『Sing Out!』で顔を見合わせてニッコリするれんたま=岩本蓮加阪口珠美

『しあわせの保護色』では背後の仕切り板が動いていて「まいやん出るな」から予想通りの白石麻衣登場。予想通り泣く梅澤美波

『世界中の隣人よ』。
目を潤ませる山下美月。大きく息をつく早川聖来
コロナ禍初期の全てが突然に止まったあの日々は、メンバーにとって我々の想像以上に辛い時期だったのだろうと思わせます。

『ごめんねFingers crossed』で前日同様に美しい掛橋沙耶香

そして『最後のTight Hug』で生田絵梨花登場!他事務所の人も来た!即泣く秋元真夏岩本蓮加梅澤美波そして久保史緒里という3期生たちも軒並み泣いています。

ここまでの25曲で「今日はここまで」が流れますが、いやこの日は2022年も含むはずでは笑

そして『Actually…』のイントロが流れ、中西アルノが真ん中に進み出ます。
ややまばらな拍手。歌い出した彼女は涙声でした。

中西さん一本かぶりだったオリジナルとは歌割から変更されていました。
「普通の」乃木坂のシングル曲のようにメンバーが順に歌い繋いでいき、それに伴い順に抜かれていくカメラワーク。

オリジナルと(中西さん活動自粛中の)齋藤飛鳥・山下美月Wセンター版を足して2で割ったようなこの日のバージョン。

私は、これこそが『Actually…』の完成形だと感じました。

騒動を受け止めつつ、中西さんをスポイルしない。
まあ言ってしまえばそのバランスを取りにいっただけだとは思います。

それはその通りなのですが、思いのほか出来がいい。
オリジナルがいかに「出来上がりを無視してインパクトだけ狙いにいった」ものであるのかを浮き彫りにしたというか。

Wセンターバージョンの時も同じこと言いましたけど、最初からこれやっときゃ良かったんですよ。

ひとつだけ苦言を呈すなら、Wセンター版では裏センターとして存在感を発揮していた与田祐希が中西さんの陰に隠れて完全に見えないのでポジションを半ずらしにしてほしいです笑

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とてもとても幸せな時間


バスラの印象に残ったシーンに戻ります。

『Actually…』の余韻が残る中、モニターには遠藤さくらが27thシングルでセンターに選ばれた際のブログが映し出されます。

 とにかく私は、
 どう思われても何を言われても、ただ前を向いて頑張り続けるしかないです。



そこからの『制服のマネキン』。半泣きのさくちゃん。震える指先。

齋藤飛鳥の「ここにいるみんなのことがとっても大切です」という言葉。

レアなフルサイズの『裸足でSummer』!

アンコール、メンバーが東側ステージと西側ステージに分かれて登場することがアナウンスされ、ひとりずつ交互に発表していきます。6thバスラ「シンクロニシティライブ」のアンコールで神宮と秩父宮のメンバーを交互に発表したやつの再現ですね。

ここで卒業生も登場することが発表され大歓声。本編には出演しなかった高山一実松村沙友理も登場。

いくまいさゆ=生田絵梨花白石麻衣松村沙友理の揃い踏み。

そしてまいやんが叫びます。

 日産スタジアムぅ~
 出し切れぇぇぇ~!!

『ガールズルール』。
もう場内は完全に歯止めが利かない状態になっていました。

白石麻衣松村沙友理の「バルシャーク」。その視線の先にはバナナマンのふたり。日村さんの本家(ではない)バルシャーク。とてもとても、幸せな時間。

続く『ロマンスのスタート』で煽ろうとするも息が切れて声を出せない西野七瀬

気がつけば生田絵梨花齋藤飛鳥をガッチリと「生田固め」に捕らえ、西野七瀬にハグされた与田祐希が大粒の涙を流していました。

なんだ。なんだこれ。
もう二度と見られなかったはずの光景が、今まさに繰り広げられている。

幸福感、いや多幸感。

ずっと甘噛みする高山一実すらそれを増幅します。

秋元真夏の締めの言葉がまた良かった。

 素敵なメンバーたちと一緒に乃木坂を作ってこれたことが、人生の誇りになりました

キャプテンになってから彼女は力のある言葉を語れるようになったと思います。


続きます。

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タオル補正
前の記事では今回の騒動に関して自分自身の感情が整理しきれないことを書きました。

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Anergy


今回は中西アルノ個人に対する拒否反応と、彼女を選んだ大人たちへの拒否反応がマイナスの相乗効果(アナジー効果というらしいです)を発生させ、猛烈なバッシングを呼ぶことになりました。

でも結局のところ、ほとんどが「彼女をセンターに置いてしまった」ことによるのだと思います。

個人的には正直(真偽不明のSNS上の発言は別にしても)「被写体モデル」という経歴自体を受け入れがたく感じるので中西さんに責任がないとは思いません。

それでも中西さんが抜擢センターではなく5期生のひとりとして「普通に」加入していたら。
乃木坂に貢献しようと歌もダンスもバラエティも…なんなら胸キュンゼリフとかも笑、一生懸命頑張る姿を見せていたら。

時間はかかるでしょうが、最初に感じた拒否反応は薄れていったと思うんですよ。

だからといって彼女を抜擢した誰かの思惑のように、選抜定着するほどの人気を得るに至ったかといえばそれは大いに疑問ですが。

正直、今回の一連の流れ全部が腹立つ笑

「全部」と書きましたが、「お披露目すらされていない史上最速の抜擢センター」についてはまあ別にいいんです。
これまでだって(嫌な言葉ですが)「最初からの運営推し」であるメンバーがいたのは事実です。お見立て会の時点で誰かしらがセンターに立ってきたわけですから。
そしてそこから大園桃子と遠藤さくらが期別曲センター、シングル表題抜擢センターに選ばれてきたのですから、それと大差はない気がします。

ダメなのは、たったひとりで選抜に放り込んだこと。

結成当初からの乃木坂ファンとしてはもう完全に『バレッタ』の堀未央奈がフラッシュバックするんですよ。

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美しい世界に紛れ込んだ異物。

その堀ちゃんに猛烈にアンチがついたという過去の反省を踏まえて3期ではWセンター、4期では3人フロントと試行錯誤してきたという認識だったんですが。
(個人的には『2019年の乃木坂46』で書いた通りそもそも新人抜擢センター自体に反対ですが、一応の正解は4期の3人フロントだと思っています)

タイミングの悪さもあの時を彷彿とさせます。

白石麻衣センターの6thシングル『ガールズルール』で大きく売り上げを伸ばし、誰が見ても次の一手が重要というタイミングでファンの期待の真逆をいく。

今回も過去最大規模のオーディションの合格者として期待を煽り、ひとりずつ動画公開と焦らしたうえで井上和のインパクトもありかなり注目を集めていました。
そして翌日から46時間TVが始まるという期待感の膨らむタイミングでの「5期単独センター」発表。

あの冷や水を浴びせる感じがまさに堀ちゃんの時と同じ感覚。

当時はまだ乃木坂結成から2年ちょいで「運営は全体的に乃木坂ファンの嗜好を読めていなかった」のだと思いますが、あれから8年半もの歳月が流れファンの傾向も十分に理解できているはずなのに。

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そして個人的に特に不快に感じるのは、

中西さん自身の「被写体モデル」という経歴や「心身のバランスを崩し中高一貫の女子校から定時制へ転校」という過去をすべて知りながら…というかむしろその「異質さ(乃木坂内においては、です)」を感じさせるプロフィールゆえに彼女を抜擢したふしがあること。

(運営は活動自粛発表の際に「SNS上にて様々な憶測や、投稿が飛び交っている状況をうけ、本人に事実確認を行った」つまり「それまでは知らなかった」というニュアンスの説明をしています)

それを強く感じさせるのが『Actually…』のMV(オリジナル版)。
『乃木坂配信中』内の「46分TV」では齋藤飛鳥が「アルノが活動自粛しているという今の状況と偶然リンクしちゃってる」と語っていましたが、いくらなんでもリンクしすぎている。

飛鳥&美月センターバージョンのMVが騒動後に取り急ぎ撮影されたことはメンバーのコメントから明らかなのですが、そうでなければ「最初から大炎上して活動自粛というシナリオだった」と言われても信じる人がいそうなくらいです。

いくつも示唆的なシーンがあります。

「彼女が来たことでみんなの間に取り返しがつかない亀裂が走るんじゃないか」と怯える山下美月。

「このまま戻って元のところに私の居場所なんてあるんでしょうか」と尋ねる中西アルノに「やっぱりあなたは仲間たちのところに戻らない方がいいのかもしれない」と答える齋藤飛鳥。

飛鳥はラストでも美月にこう語りかけます。

 これでいいの
 いいことにするの
 これからも胸を張って、堂々と生き延びていきましょう

こんなものを観せられては、今回の騒動が起こるまで運営が中西さんの過去を知らなかったとはとても思えないですね。

過去に心身のバランスを崩したことがある中西さんを、乃木坂内で最もアンチがつく場所である「新人抜擢単独センター」に置くというのも個人的には考えられないです。


続きます。

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