ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

タグ:齋藤飛鳥

びーむ色調補正3

まるでアンダラの座長のように


前の記事でも書いた通り、この日のオープニングから思いっきり「さっきまで泣いていた」顔で出てきた遠藤さくら。

この時の涙の理由について記事作成時点では誰もコメントしていないので正確なところはわかりません。

ただ、メンバーたちはずっと彼女を気にかけているように見えました。

そばにいる時は常に彼女に優しく触れていた齋藤飛鳥や『I see…』で最年少の筒井あやめが彼女を気遣って手を取る姿は心暖まるものでした。

そしてさくちゃんは最新シングルのセンター=座長として、慣例に倣い本編ラスト前に口を開きます。

 グループに貢献できていない、情けなくて弱い自分が本当に悔しいです
 先輩方が築き上げてくださった乃木坂46が大好きです。私も早く力になれるように追いつきたいです

何度も顎にしわを寄せ泣くのを我慢しながら絞り出した言葉。

そこから披露された『ごめんねFingers crossed』での彼女はちょっと衝撃的でした。

「曲の世界に入り込む」の真逆。
「そこにある曲に今の自分の感情を叩きつける」パフォーマンス。

私は以前、遠藤さくらの魅力についてこう書きました。

 あざとくない「守ってあげたい感」。そして覚悟を決めた時に見せるその強さ。

 プリンシパル唯一の二幕出演での渾身の演技、富士山でのヒット祈願。
 2019年全ツ大阪での『夜明け』の初披露。8thバスラでの『帰り道は遠回りしたくなる』。

 逃げ出しそうになる自分を懸命に抑え込んでその場所に立ち光を放つ彼女の姿を何度も見てきました。

 己の弱さを知りながらそこから逃げない強さ。これこそ遠藤さくらの真骨頂であり魅力だと思います。

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でもこの日は少し違いました。

加入当初から「エース候補」「4期センター」といういわゆる押されルート。多くのアンチがつくその過酷な立場。
それゆえに、これまでの彼女には自分の感情を押し殺し覚悟を決めて求められている場に立ち役割を果たすという印象が強かったように思います。

そのさくちゃんがこの日、生の感情をむき出しにして叩きつけた。

こんなのもできるんだ。
正直、驚きました。

アンダラの座長たちが見せてきたようなその感情の爆発。
それはとても危うくて、同時にもの凄く魅力的でした。



美しき人たちの日々


この日、個人的に一番印象に残ったのは最初のMCで新内眞衣の語った言葉でした。

 バースデーライブとか振り返る機会で語られる乃木坂46の歴史が毎回美しいなと思う
 だから後輩である私たちもその美しい歴史が続いていけるように頑張れたら

「美しい」。
普通、自分たちに向けては使わない言葉ですよね。
そしてとても強い言葉。

そりゃ乃木坂だって色々あっただろうけれど、それでも内部がドロドロしてたら決して出てこない言葉だと思うんですよ。

だからメンバー自身がこう表現できる、そのこと自体がとても素敵ですよね。

そしてこの言葉に込められた1期生への溢れんばかりのリスペクト。

先輩たちともすっかり違和感なくなじんで既にゼロ期生とも1.5期生とも称されるまいちゅん。そんな彼女が不意に見せたそれに、なんだか観ているこちらまで嬉しくなりました。

ちょっと蛇足ですが、アンコールで齋藤飛鳥が語った言葉も良かったです。

 プライベートで乃木坂の曲を聴くようになった
 ちゃんと積み上げてきてるんだなあ、私たち

あの飛鳥ちゃんが自分たちを堂々と肯定できるようになったというのは、やっぱりなかなかグッとくるものがありました。


乃木坂46が美しい物語だという感覚。
それは結成当初から見てきた私にもあります。

10周年を超え、その物語がこの先も美しく続いていくことを心から願っています。

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びーむ色調補正3
2021年8月21日に行なわれた真夏の全国ツアー福岡公演。
本来は全ツのいち公演なのですが、この日は乃木坂結成10周年当日、翌日は大園桃子ラストライブということで2日とも配信されました。

我らがジャイアンと大人になったいもうと坂


セットリストはこちらです。

Overture
01. スカイダイビング(センター:遠藤さくら)
02. ロマンスのスタート(センター:山下美月)
03. サヨナラStay with me(センター:齋藤飛鳥&遠藤さくら)
04. 自惚れビーチ
05. Sing Out!

<ユニット&アンダーコーナー>
06. ざぶんざざぶん
07. Threefold choice(センター:山下美月)
08. 日常
09. 滑走路

<期別曲&期ミックスコーナー>
10. ひと夏の長さより…(センター:秋元真夏&賀喜遥香)
11. アナスターシャ(センター:北野日奈子&新内眞衣)
12. トキトキメキメキ
13. Against(センター:生田絵梨花&星野みなみ)
14. I See…
15. 空扉

<ユニット&アンダーコーナー>
16. 言霊砲
17. せっかちなかたつむり
18. 錆びたコンパス
19. 扇風機

20. ありがちな恋愛(センター:齋藤飛鳥&山下美月)
21. 全部 夢のまま
22. サヨナラの意味(センター:生田絵梨花)
23. ジコチューで行こう!
24. ごめんねFingers crossed

EN1. ぐるぐるカーテン(センター:齋藤飛鳥)
EN2. 君の名は希望(センター:生田絵梨花&星野みなみ)
EN3. インフルエンサー(センター:山下美月&与田祐希)
EN4. シンクロニシティ(センター:梅澤美波)
EN5. 他人のそら似
EN6. きっかけ(センター:遠藤さくら)

『スカイダイビング』というちょっと意外なオープニングから始まり、「期別曲&期ミックスコーナー」の前後を2度の「ユニット&アンダーコーナー」で挟みます。
そこから一気にクライマックスで本編ラストは『ごめフィン』。

アンコールは結成10周年セレモニーとしてデビュー曲から代表曲を連ね、10周年記念曲『他人のそら似』。そしてラストは『きっかけ』で締める。

ざっとまとめるとこんな流れ。


続いて印象に残ったシーンを挙げていきます。

まずオープニングからいきなり「さっきまで泣いていた」顔で出てきた遠藤さくら。彼女については次の記事で別途書きます。

『Stay with me』でそのさくちゃんを優しく愛でる齋藤飛鳥生田絵梨花に甘える久保史緒里

そして最初のMCで
「私が歌うと主役になっちゃうから」とうそぶいたり
「バースデーソングはめでたい日にいつも歌うものなの!」と暴論を吐いたりと
この日も大活躍の生田さん。やはり至宝としか言いようがない。

大園桃子の「卒業前なんだけど乃木坂大好きです」も良かった。

山下美月が入ってガラッと雰囲気が変わった『Threefold』。

『滑走路』で微笑みあう山崎怜奈佐藤楓

『アナスタ』最初に出てきたのが北野日奈子ではなく新内眞衣なのが少し驚きました(いい悪いではなく、単純に驚いた)。

『トキトキ』で桃子の肩を抱き寄せる美月。

『I see…』という楽曲の持つ陽のパワー。

グッときたのが『言霊砲』。
よだももくぼした。「いもうと坂」と呼ばれた彼女たち。
学生服を着た加入当初の幼い4人のグラビアを思い出します。この曲のオリジナル衣装も昭和レトロなピンクのミニスカートでアイドル感を強調したものでした。

でもこの日、それとは違うシックな衣装で歌う4人の姿は貫録すら感じさせました。
大人になったなあ。スターになったなあ。
そんな感慨と一抹の寂しさを覚えたのは…私の年齢のせいですね笑

『サヨナラの意味』でセンターが生ちゃんだった時は一瞬ぞわっとしました。

そして10周年記念曲『他人のそら似』。
アイドルにせよミュージシャンにせよこういう記念曲で過去の振り付けや歌詞を織り込むというのはありがちだし、正直後ろ向きで格好悪いと思ってました。

でも自分自身が10年応援し続けてきたグループがそれをやると、やっぱりなんかジーンときちゃうもんですね笑

ちなみにこの日の「仕上がってるメン」は阪口珠美。ボブにして綺麗な女性になった印象。



変わりながらも乃木坂であり続ける意志


そして全体を通して思ったのは「新たな融合の形」がようやく目に見える形で提示されたな、ということでした。

私は2019年全ツのレポでこんなことを書いています。

 ボーダーレス。
 4期を乃木坂にアジャストさせ、アンダーと選抜の垣根を低くする。
 これこそが運営が推し進めている融合の形なのではないでしょうか。


コロナ禍の影響、そして白石麻衣、堀未央奈、大園桃子という各期センターの卒業に伴う「期別売り」。
あれから2年が経ちようやく再び融合へ向けて舵を切れたのが今回の全ツなのでしょう。

序盤の『自惚れ』で選抜メンバーたちも一緒になって「カモンカモン」やってた時点で「あれ?」とは思ったんです。
その時は「なんか『ジコチュー』っぽいな」ぐらいの感じだったのですが。

それがより明らかに示されたのはこの日のハイライトのひとつである「期ミックスコーナー」。

『ひと夏』では1期4期、『空扉』は2期3期というこれまであまりなかった組み合わせ。
そこでの各期が入り混じってのわちゃわちゃがとても新鮮でした。

抜群に楽しそうで微笑ましかったのが北野大園岩本のトリオ。
『ひと夏』センターの賀喜遥香が、生ちゃんから離れたくなくてセンターで待つ秋元真夏の元になかなか戻らないという小芝居も良かったですね。
そしてここでも我らがジャイアン生ちゃんが松尾弓木という最もキャリアの浅いふたりを捕獲してご満悦。

批判的な人は「形だけの融合だ」とか言うかもしれません。

でも、私は思います。

形から入る。別にそれでいいじゃないですか。
この日の思い出が松尾ちゃんや弓木ちゃんを支える日が来るかもしれない。「私はあのジャイアン…いや生田さんと同じステージに立ったんだ!」と。

そしてアンコール。ラストに選ばれたのは『きっかけ』でした。

どうしても東京ドームを思い出すこの曲。
ラストにこの曲が選ばれた意味。そしてそのセンターをあの日のドームにいなかった4期生が務めた意味。

それはきっと「変わりながらも乃木坂であり続ける」というメンバーの(そして運営の)意志。

それを背負える自信なんてないけれど、それでも頑張りたいと思ってくれているさくちゃんとかっきー。

そのふたりが顔を見合わせて微笑みを交わし、最初に花道を歩き出します。

「受け継がれるのは精神性」「新しい形を見せて 伝統も大事にする」とは、こういうことなのでしょう。

とても清々しく印象的なシーンでした。


続きます。

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タオル補正
前の記事では大園桃子の乃木坂人生を振り返りました。
今回はその卒業の理由について自分なりに考察してみたいと思います。

アイドル性とセンター適性


ブログで卒業発表した文章を私なりに要約すると、

 乃木坂に入って沢山の素敵な瞬間と沢山の辛くて怖い思いの両方を味わって、ずっとそんな感情の浮き沈みが続いてきました。
 いつかそれが落ち着く日が来るのかと思っていたけれどどうやら無理みたいです。
 だから、5年間を区切りとして卒業します。

こうならないための分岐点はあったのでしょうか。
例えば、彼女がもし抜擢センターでなかったら。

その場合『逃げ水』は与田祐希と山下美月のWセンターでしょう。

でも2017年夏の完成度がピークに達していた先輩たちの間に「出来上がってる感」が売りの美月を放り込んでもきっとさほどのインパクトを残せなかったかと。
そして「よだもも」と「くぼした」を対比するという構造も曖昧になるので、やはりよだももセンターが正解だったのだと思います。

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もちろん堀未央奈の時の教訓を活かしてWセンターだったのも正しい。
ただそれは結果的に、九州のしかも田舎から出てきた純朴な少女が突然トップアイドルグループのセンターに立つというシンデレラストーリーをふたり同時にやらせることでもありました。

隣にいる与田っちょの「小っちゃい子が一生懸命頑張ってる」感じに対し、毎回「やりたくない…」と泣く桃子は相対的にあまりイメージが良くありませんでした。
既に「3期センター=運営推され」のレッテルも貼られていた彼女の方にヘイトが向いてしまったのはある意味必然。

完全な後出しジャンケンで言うと、よだももはセンターではなく2列目中央において「月光」部分の振りだけは実際と同じくふたりをフィーチャーしてお披露目する、というのがベストだったと思います。

そこからは握手人気を加味しながらポジションを調整し、どこかで齋藤飛鳥のようにズバッとよだもものどちらかをセンターに起用する(あるいはそこでWセンター)。まあ実際のその後のリリースを見ると21st『ジコチューで行こう!』ぐらいしかそのタイミングはなかったのですが。


彼女が参加したシングルでのポジションは『逃げ水』でのWセンター以外はフロント1回、2列目3列目がいずれも3回。

握手人気は上位でした。
ただ最上位というわけではなく、同期の与田山下久保梅澤がグループ屈指の個別握手会完売速度だったのに対しそれに次ぐ存在。常に堀未央奈と同じくらい。

それでも運営からの高い評価と期待は揺るがぬものでした。
『言霊砲』『地球が丸いなら』『平行線』『友情ピアス』とユニット曲にも数多く参加していたことがそれを示しています。

しかし、最後まで周囲の期待に彼女の気持ちが追いつくことはありませんでした。

過去の発言を見ると、自分よりパフォーマンスの質が高いメンバーや努力を重ねているメンバーを間近に見て、そこに並んだりその前に立つことに引け目を感じていたように思えます。

これは大園桃子の素晴らしさが「アイドル性(あるいはスター性)」「センター適性」という極めて曖昧で言語化しづらい…というかそもそも正解がないものだったことに起因しているのではないでしょうか。

私も本当はこういうフワッとした言葉を使うのは嫌ですし、率直に言ってほとんどの場合「推しの贔屓目」だと思うんですけれども笑

ごくごく稀にですが確かにそれを持っていると思わせる人がいて、私にとって大園桃子はそのひとりでした。

彼女の場合のアイドル性は私なりに言語化すれば「観る者を笑顔にする力」
赤ちゃんや動物の可愛い仕草を見て誰もが顔をほころばすような。「ほっこり感」と言い換えてもいいでしょう。初期の舌を出すクセなんてまさにそれですよね。

そしてセンター適性は『三番目の風』と『思い出ファースト』の、彼女に向かってエネルギーが収束と放射を繰り返すあの感じ。

特に『三番目の風』の「希望の使命は」の部分で1列に並んだ3期生たちがガッと左右に分かれ、その真ん中で桃子が腕を振り上げて空を指さすあの振り付け。
タレント集団で見た目も個性もバラバラな3期生たちがその瞬間ひとつにまとまってドン!と飛び出してくるような姿。

まさに太陽のような彼女の笑顔が真ん中にあってこそのものでした。


2019年の夏に彼女が活動を休止した頃でしょうか、一部ファンの間で「桃子は星野みなみのようなポジションでのびのび活動した方が良いのでは」という議論がありました。

みなみちゃんのような立ち位置、つまりセンターやフロントからは一歩引いた位置で可愛いをまき散らしながら着実にファンを集めていく。

でも、これも星野みなみが何年もかけていくつもの葛藤を乗り越えて至った境地ですよね。

14thシングル選抜発表の『乃木坂工事中』。
握手会で心ない人から「みなみちゃん、強みがないのに選抜いれてラッキーだね。まあ初期から推されてたからいるんだよ」って言われた、と語り「なんで自分が選ばれているのかいまだにわからない」と涙を流したことを思い出します。
「そんな言ってるやつクズだから!そいつの人生なんかカスだからさ、そいつより絶対頑張ってるしね」と怒ってくれた設楽さんの優しさも懐かしいですね。

そして、大園桃子のセンター適性は高すぎた。

だから彼女の葛藤と苦悩を知りつつも、周囲は「いつかグループの中心に立ってほしい」と期待してしまっていたのではないでしょうか。

山下美月が「私はずっとその後をついて行くんだろうと思った」と振り返り
久保史緒里は「3期生の真ん中に立つ人間はやっぱり桃子」と語り
期待されることの辛さを身に染みて知っている齋藤飛鳥をして「ぞのさんに期待してしまっている自分がいるので、私のためにも頑張ってくれませんか」と言わしめた

その、あまりにも高いセンター適性。

「そのままの桃子がいいんだよ」という言葉に励まされたと彼女は語っています。

これは慰めとかではなく、みな本心から言っていたのだと思います。
自身の持つアイドル性とセンター適性というスペシャリティを信じて、彼女なりにベストを尽くしてさえくれればそれでいい。それで十分周りが納得するだけの輝きを彼女は放てる。それをファンや周囲の人たちは伝えたかったのでしょう。

私もずっと期待していました。

年を重ねるうちにいつか彼女も色々なことと折り合いをつけられるようになって、周囲の期待に自分の気持ちが追いつく日が来るんじゃないか。
そしたらまた、彼女はセンター候補のひとりになって「よだももとくぼしたの物語」もいよいよ乃木坂のセンターをめぐるフェーズに入るんだ、と。

まあでも今にして思えば「色々なことと上手に折り合いをつけられるようになった大園桃子」って、それは本当に大園桃子なのか?という気もしますね。

だからやっぱり、この結末しかなかったんだと思います。

大園桃子はその特別なアイドル性とセンター適性により周囲の期待を集め、いつかそれにふさわしくなりたいと願いながら気持ちが追いつかずに卒業する。

とても悲しいことだけれど、それは避けようのない幕切れだった。

だけど、
乃木坂だから我々は大園桃子を5年も見ることができたし、
乃木坂だから大園桃子は大園桃子のままでいられた。

それもまたひとつの真実でしょう。

高山一実が卒業を発表した『乃木坂配信中』の中での「乃木坂は本当に暖かくてみんながみんな優しくて凄い素敵なグループ」という桃子自身の言葉がそれを示しています。

それがせめてもの救いです。
そう思わなければやってられないです。

橋本奈々未とはまた違った意味で、きっと彼女も伝説となるのでしょう。


遠くまで旅する君にあふれる幸せを祈ろう


ここへきてしょうもないこと書きますけど、大園桃子って、そもそも名前が可愛いですよね笑
何と言っても母音がすべて「お」ですから。

それはさておき。

以前の記事で自分が桃子のファンであると認識したのは『乃木坂工事中』の富士急ハイランド企画だったと書きましたが、もうひとつあったことを思い出しました。

ほぼ同じ時期なのですが、23rdシングル『Sing Out!』の映像特典『しかちゃんの動画』。
そこに写っている彼女の楽しそうな姿とそこに入るメンバーやマネージャーさんの言葉から「愛されてるなあ」というのが凄く伝わってきました。

初期の「しょっちゅう泣いては周囲を振り回す」という印象が舞台裏でもその通りだったらこんなに愛されることはなかろう。そう思ったんです。

そこからは「一度好きになってしまえば彼女は魅力満載」ってやつです。

ビジュアルも年々洗練されていきました。

個人的には『ノギザカスキッツ ACT2』の時期、特に「元祖かつ家」や「あるあるであそぼ!」はもの凄く仕上がっていたと思います。

あとは冠番組のひな壇で楽しそうにリアクション取っている時。
特にちょっと驚いた時の「わあ!」という表情が抜群に可愛い。

まあ本当は一番好きなのはSHOWROOMに出てくるときのすっぴん姿、というかそこでいつもピョコンと出てるアホ毛なのですが。


卒業と同時に芸能界から引退する桃子。

であれば、ファンとしてこれからの彼女に望むことはただひとつ。

佐藤楓が涙を流しながら言ったこの言葉に尽きます。

 桃子には幸せでいてほしい

大園桃子さん、5年間本当にお疲れさまでした。

あなたを観ることができて幸せでした。

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笑顔の理由


ここまで印象的なシーンを列挙してきましたが、実は個人的に最も強く印象に残ったのは卒業スピーチの中で松村沙友理が語った感謝の言葉です。

「たくさんの人が私に笑顔の印象を持ってくださっているのは、外に出る時に楽しい気持ちになれるようにマネージャーさんがいつも盛り上げてくれるからだと思います」

これまでも常日頃から多くのメンバーがスタッフさんへの感謝を口にしてきました。
ただ、ここまでしっかりと具体的な貢献を言葉にしたことはほとんどなかったのでは。

スタッフさんも乃木坂が大好きで乃木坂のために一生懸命で。
メンバーもちゃんとそれを理解していて感謝している。

私がこの言葉から感じたのは、そんな暖かな関係性でした。

乃木坂って、暖かい。

我々ファンの側が「乃木坂のこういうところが好き」で「バックヤードでも実際にそうだったらいいな」と願うイメージ。
まさにその部分が実際に存在しており、しかもそれがグループ内だけでなく周囲の人々も含めてであることを示唆するメンバーの発言。

嬉しいですよね。

これまでもたびたびこのようなコメントが出てきました。

2020年12月の4期ライブで筒井あやめはライブの感想を聞かれ「何とも言えない暖かい空気感が4期生は初めからあって今回も私自身その空気に支えられた」と語りました。

2021年3月の9thバスラ1期ライブで「いい人の周りにはいい人が集まる」と言った星野みなみ。

そう考えるとこの日も随所に乃木坂の「暖かさ」を感じさせる場面がありました。

1期生コーナーでの『泣いたっていいじゃないか?』。
松村沙友理のラストライブで高山一実センター曲を選ぶという、その優しさ。

前の記事で「舞台メンはみんな超絶」と書いたように、自身の舞台公演期間中なのにそれでもライブに参加するメンバーたち。

この日の前後も久保史緒里以外にも生田絵梨花、伊藤理々杏、中村麗乃、清宮レイ、筒井あやめが舞台の公演期間中でした。それでもみんな2DAYSのうちどちらかに出てくるその気持ちというか心意気。
無理はしてほしくないけど、本人たちが「先輩の最後のライブに出たい」と思ってくれているならそれはやっぱり我々の好きな乃木坂だよなあ。

同じく前の記事でも書いた『でこぴん』。

まっつんが自身の卒コンという晴れ舞台であのエピソードを語るのも、『でこぴん』の歌唱メンバーに葉月を入れて披露するのもいい。

凄く失礼な表現なのは重々承知していますが、決して人気メンバーというわけではない葉月をここで大々的にフィーチャーして特別な曲『でこぴん』をやるという乃木坂の暖かさ。

ああ、乃木坂っていいなあ。
そうしみじみ言いたくなりますね。



「ホントかっこいいよね。わかる」


そしてまっつん最後の出演となった『乃木坂工事中』での大縄跳び46回チャレンジ。

堀ちゃんの時の「2期生ハウス」と同様に自分にとってのアフター配信というかカーテンコールという感じでした。

もう全編が名シーン。

飛ぶ前に「ちょっと1回みんなで気合い入れよう」と言って輪になる1期生。
「できる!」「うちらはできる!」からの円陣。
それをキラキラした尊敬と憧れの目で見つめている梅澤美波と久保史緒里。

かくいう私も正直、ここ最近の1期生を観ている時の感情はずっと「楽しいのに涙が出そう」です。

最初のトライが38回で失敗に終わり、ガチで落胆する1期生たち。
高山一実は「もう多分無理だと思います」秋元真夏は「たぶんあともう1回(が限界)」。

再度トライ。
「がんばってください!」と叫ぶ清宮レイ。

そして悲願達成の瞬間。
悲鳴のような歓声を上げながら笑顔でバンザイする後輩たち。

泣き崩れる松村沙友理。

 1期生で10年間ずっとやってきて
 なんでも頑張ったらうちらに達成できないことはないんだな

その言葉に真夏さんも生ちゃんも樋口日奈も、そして「泣いちゃうんだ、それで」と憎まれ口をたたいていた齋藤飛鳥までもがもらい泣き。その飛鳥ちゃんの頭を優しくなでる星野みなみ。

成功した後に設楽さんが「久保ももう泣く寸前でしたね」って言ってましたけどそれ日村さんですよね。そもそも久保ちゃんはがっつり泣いてましたし。

そんな彼女の「先輩方あまりにもかっこ良すぎて」に日村さんが「ホントかっこいいよね。わかる」と相槌を打っていたのもなんかグッときました。

最後の生ちゃんの高音「難しいですよ!なあ!?」も良かった。

これもまた愛情にあふれた暖かくて優しい時間。

本当に素晴らしいフィナーレでした。


かずみん「みんなと一緒ならなんでも出来る!」


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コショウ入れて鼻にも入れて辛くなれ


第1部のさゆりんご軍団ライブが終わり、休憩を挟んで第2部は全体ライブ。

セットリストはこちらです。

Overture
01. さ~ゆ~Ready?
02. ガールズルール(センター:松村沙友理)
03. 夏のFree&Easy(センター:松村沙友理)
04. ロマンスのスタート(センター:松村沙友理)
05. ごめんねFingers crossed

06. でこぴん(向井葉月、秋元真夏、高山一実、樋口日奈、松村沙友理)
07. 今、話したい誰かがいる(新内眞衣、松村沙友理)

08. 無表情(親衛隊:佐藤璃果、早川聖来、松尾美佑、矢久保美緒、弓木奈於/応援隊:岩本蓮加、阪口珠美、佐藤楓、山下美月、吉田綾乃クリスティー、黒見明香、柴田柚菜、林瑠奈)
09. 1・2・3
10. やさしさとは(松村沙友理、生田絵梨花)

11. 急斜面(松村沙友理)
12. 泣いたっていいじゃないか?(1期生)
13. ひと夏の長さより…(1期生)
14. シンクロニシティ(センター:松村沙友理)

EN1. サヨナラの意味(センター:松村沙友理)
EN2. 悲しみの忘れ方(センター:松村沙友理)
EN3. さ~ゆ~Ready?


印象に残ったシーンを挙げていきます。

オープニング、松村沙友理が赤くてドットでフリフリというザ・アイドルな衣装にツインテールで登場します。
歌うのは卒業ソロ曲『さ~ゆ~Ready?』。めちゃめちゃいい曲ですよね、これ。

最初のMCからまっつんらしさが炸裂して見どころ満載でした。

言葉を探しながら「えー うーん えー うーん」。
早くも「ぶりっ子をしてしまう」が出てますよ松村さん笑

「これ言っていいのかな…もうじき29歳ですよね?」と切り込む齋藤飛鳥
「私NGないけど年齢だけはNGなんだよ!」と激昂するまっつん。

さらに遠藤さくらに向かって
「大丈夫?心配、可愛すぎて」という謎の不安を吐露するまっつん。

その後VTR内で「白石さんが卒業したら松村さん寂しくなっちゃうと思うから、私が沢山話しかけます!」と声をかけてくれた後輩メンバーがいたこと、そして「その子にまいやんのポジションに入ってほしいと思いました」と語ります。

披露されたのは『でこぴん』。後輩とは向井葉月でした。
葉月、本当にいいやつだなあ。

号泣あしなが姉さん・新内眞衣が必死に涙を我慢している姿が泣ける。
そして額縁衣装!ふたりだけのシーソー!結局ふたりで大泣きするのもまた泣ける。

からあげ姉妹。

個人的にはホント『食物連鎖』の時に「ミュージックステーションに出れば世界がざわつくだろ」と思ってました。ていうかなんで『食物連鎖』やらないんですか!からあげ姉妹の最高傑作じゃないですか!

『無表情』では後輩たちが「親衛隊」「応援隊」としてワラワラと出てきて楽しげにはしゃぎます。
最短距離で親衛隊をやり感無量の矢久保美緒。相変わらずこういう時にノリノリなのが好感度高い山下美月。ちなみにメンバーたちが過去制服を着ていたのは運営が私のブログを読んだからに違いない笑

 

生田絵梨花がからあげ姉妹スタート時のエピソードとして「ふたりともくすぶってる時期」と発言していたのが少し驚きました。これたぶん『食物連鎖』を忘れてますよね。10thシングル『何度目の青空か?』の生田絵梨花個人PVですから、まっつんはそれこそ「くすぶってる時期」ですけど生ちゃんはセンターです。
『無表情』は12th『太陽ノック』のカップリングなのでその頃は確かにふたりとも苦しい時期だったかもしれません。

「楽しい時にはいつも横にまつがいた」という生ちゃんの言葉が切ない。

それにしても『1・2・3』は名曲ですね。
ふたりだけの『やさしさとは』にも胸が締めつけられます。



御三家の幻と『サヨナラの意味』


ハイライトだった『急斜面』。

まっつんの左右を水色と緑のスポットライトが照らします。古参オタの7割がこの時点でウルウルしていたことでしょう。
最初から泣き出しそうな彼女。それでもドレスの裾をぎゅっと握って歌い出します。

白石麻衣公式Youtubeチャンネルでの
松村「ひとりでね、『急斜面』やったの~」
白石「頑張ったね~(なでなで)」も含めて、忘れられない名シーンになりました。

その曲の余韻が残る中ステージ上に現れたのは1期生たち。
その戦友たちと歌うのは自身唯一のセンター曲『ひと夏の長さより…』です。

そしてアンコール。

卒業スピーチの中でまっつんは「導いてくれる人はいる」から「自分ひとりで悩まないで」とメンバーに語りかけます。

重い言葉です。

スピーチに続いて歌われたのは『サヨナラの意味』。
「橋本奈々未の歌」だったこの曲を白石麻衣が「乃木坂の卒業ソング」へと昇華し、この日の松村沙友理もそれを引き継ぎました。

 

キャラクターはそれぞれバラバラなのになぜか3人並ぶとバランスが取れて、最強。
それが乃木坂の誇る御三家でした。

その全員が自身の卒コンのクライマックスでこの曲を歌う。
それはとてもでき過ぎたシナリオで、それでいてとても自然なことのように思えました。


横浜アリーナの通路を一周する演出に、ドレスの裾をかいがいしく持つ花嫁介添人の生田絵梨花齋藤飛鳥。そしてそのふたりに「スーパースターにこんなことさせて…」とおどけるまっつん。

本当ですね。
あんな頼りない始まりから、スーパースターが生まれましたよ。

それも、何人も。


ラストはもう一度『さ~ゆ~Ready?』
もう一度言いますけど、めちゃめちゃいい曲。そして初めて聴いた時から思ってましたけど、LINDBERGの『今すぐKiss Me』に似てますね。

ちなみにこの日のビジュアル仕上がってんなあメンは久保史緒里

舞台『夜は短し歩けよ乙女』(配信で観ましたが最高でした)の公演中だからでしょうか。完全に顔面にスイッチ入りっぱなしの美しさ
っていうか主演舞台(しかも台詞も動きもすんごい量)の公演期間中に先輩の卒コンに普通に出てくる久保ちゃんの凄まじさ。あんた生田絵梨花かよ。

いやそれを言うなら舞台メンはみんな超絶ですよね。舞台の本番や稽古をこなしながらライブの演出とか立ち位置とかよく憶えられると本当に感心します。


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