ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

タグ:SBDC083


狂乱の2020年笑が明け平穏な1年が訪れるかと思いきゃ、2021年もセイコーさんは飛ばしています。

年明け早々から前年同様、セイコーダイバーのリリースラッシュ。

1月 ペプシベゼルのPADIコラボモデル2種(当記事)
2月 国内正規初登場の「ミニタートル」 → こちらの記事
3月 「小径ツナ缶メカニカル」第2弾 → こちらの記事

この記事では最初のPADIコラボについて、と言いつつ個人的にソーラーは興味ないので機械式のSBDC121だけ取り上げます。(2月以降発売のモデルも順次記事にしていきます)

当サイトはアフィリエイトプログラムで雀の涙未満の微々たる収益を得てはおりますが、本文の内容は100%私の個人的な意見であり忖度は一切ございません。

ブラックダイヤルがスマート


こちらは肉厚のケースと大銀杏に見えなくもない12時位置のインデックスにより「スモウ」という愛称で親しまれるモデルです。

そのデビューは2007年。
以来、中堅ムーブメントである6R系を搭載しながら実勢価格アンダー5万円という価格設定で長らくセイコーダイバーのコスパ最強モデルとして君臨してきました。

2019年の3代目へのモデルチェンジを機に残念ながら値段は大幅アップしてしまいます。
しかしムーブメントは70時間ロングパワーリザーブへのパワーアップ。さらに細やかなデザインのリファインと仕上げの質感向上により高級感が増し、引き続き高い人気を誇っています。

このあたりのスモウの特徴や先代からの詳細な変更点、そしてグレーにオレンジの差し色が格好いいSBDC097の魅力を熱く語った記事はこちらです。

関連記事:

基本スペックは標準モデルであるSBDC083等と同じです。
自動巻きキャリバー6R35、パワーリザーブ70時間。200m潜水用防水。SSケース+サファイヤクリスタルガラス。サイズ厚さ 12.9 ㎜、横 45 ㎜、縦 52.6 ㎜。

このPADIモデルだけの仕様としては6時位置の「PADI」ロゴ、秒針の差し色、そして2色が使い分けられた夜光。

せっかくなので先代スモウのペプシモデルであるSBDC057、そして現行の標準ブラックダイヤルのSBDC083と比べてみましょう。

上からSBDC057、SBDC121、SBDC083

実は以前に「新旧スモウ比較」記事で「新型(今では現行)スモウのペプシはブラックダイヤルで出してくれないかな」と書いたのですが、その希望が叶いました。

セイコーダイバーのペプシはネイビーダイヤルが基本なのですが、PADIモデルはブラックダイヤルを採用することが多いみたいですね。

予想通り、SBDC057と比較するとベゼル書体やインデックス形状にダイヤルカラーも相まってよりスマートな面持ち。
写真見る限りではSBDC083よりダイヤルがグレーがかっているように思えますが実際のところはどうなんでしょうね。
ついでに同じ記事で引き合いに出したチューダーのブラックベイGMTとも並べてみましょう笑
 
上がSBDC121、下がブラックベイGMT

ブラックベイの方が全体にクラシカル。
ネイビーがくすんだ色合いなのとドーム型風防なのが主な要因でしょうか。チャプターリングのないデザインなのですべての針が長いのもその印象を強めています。あとは赤青の配置が逆ですね。

ちなみに値段も実勢価格で約4~5倍ですので本来は並べて比べるものではございません。

価格とまとめ


定価は96,800円(税込、以下同じ)。流通限定で値引きなし、ポイント10倍還元で実質87,120円。標準モデルとは定価で3,300円の価格差に収めています。

6R系ムーブメント搭載のセイコーダイバーでは唯一のアンダー10万円。
他のSBDC系であるファースト現代、セカンド現代、1968現代、ショーグンは軒並み4~5万円上の値付けですからスモウは価格的に優位です。



結論としてはけっこう魅力的なモデルだと思います。

個人的にセイコーダイバーでペプシを1本選ぶとしたらこのSBDC121かと。

まあ昨年の「モデルチェンジしすぎ問題」により、各モデルがブラックダイヤル・ブラックベゼルのいわゆる標準モデルすら出揃っていない現状ではありますが。

ファースト現代デザインはあの「板!」って感じの無骨さにポップなペプシカラーの相性が悪そう。(逆にどうなるのか見てみたいという気持ちはあります)

植村ダイバー=セカンド現代は明るめのカラーでも格好いいのは既にブルーダイヤル・ブルーベゼルのSBDC123で証明済み。ですがデザイン的にはオリジナルの再現性が高いのでやっぱり標準モデルがいいですね。

まあ完全に好みの問題なんですが笑

 

ちなみにこちらがSBDC123。5,500本の数量限定、シリコンラバーベルト付属で165,000円。流通限定で実勢は同じ、ポイント10倍で実質は148,500円です。
最後になってしまいましたが同時発売のソーラーSBDL067は例によってクロノです。デザインは非常に好きなので実勢価格が12~3万で機械式をで出してくれないかな…無理だろうけど。

「独断と偏見で選ぶ!価格帯別腕時計ベストバイ2019年版」のインデックスです。

価格帯は定価で区分しています。
対象は2019年に発売されたモデルですが、本数限定のモデルは外しています。

当サイトはアフィリエイトプログラムで雀の涙未満の微々たる収益を得てはおりますが、本文の内容は100%私の個人的な意見であり忖度は一切ございません。

アンダー5万円部門


SCXP155/セイコー

クオーツ。100m防水。SSケース+ウレタンストラップ。ケース径35mm
セイコーマニア垂涎の「SUS」復刻版。
ザラリとした質感のブラスト仕上げのケース、途中でぶった切られたような四角い棒状の無骨な時針が格好いい。機械式でないのが非常に惜しい。

このモデルの魅力や実勢価格など、詳細な情報は個別記事へどうぞ
>>>「アンダー5万円&5~10万円部門」

5~10万円部門


SBDC083/セイコー

自動巻き。200m防水。SSケース+SSブレス。ケース径45mm
セイコーダイバー信頼の機能性、70時間ロングパワーリザーブ、そしてアンダー10万円とは思えない優れた外装。一度現物を見てほしいクオリティです。

このモデルの魅力や実勢価格など、詳細な情報は個別記事へどうぞ
>>>「アンダー5万円&5~10万円部門」

10~30万円部門


アイコン オートマティック 39mm/モーリス・ラクロア

Ref.AI6007
自動巻き。200m防水。SSケース+SSブレス。ケース径39mm
まさに「本当に手が届くラグスポ」。
収まりが良く華美にならず、ビジカジ両用できる。若いサラリーマンに「予算20万まででちょっといい時計欲しいんですけどお勧めありませんか」と言われたら全力でオススメできる1本。

このモデルの魅力や実勢価格など、詳細な情報は個別記事へどうぞ
>>>「10~30万円部門」

30~50万円部門


ブラックベイ P01/チューダー

Ref. M70150
自動巻き。200m防水。SSケース+ハイブリッド(レザー&ラバー)ストラップ。ケース径42mm
1960年代後半にアメリカ海軍に提供したプロトタイプの再現モデル。
弓環に「エンドリング」という特殊パーツを配し、ツール感満載の「ザ・無骨」。

このモデルの魅力や実勢価格など、詳細な情報は個別記事へどうぞ
>>>「30~50万円部門」

50~70万円部門


ブラックベイ クロノ S&G/チューダー

Ref.M79363N
自動巻き。200m防水。SSケース+レザーストラップ(取り外し可能ブンド付き)。ケース径41mm
実物見たらきっとあなたも一目惚れ。
男くささと伊達者っぽさが問答無用にミックスしたべらぼうな格好良さ。
インダイヤルに使われたゴールドがもの凄くアンティーク感があって渋いです。

このモデルの魅力や実勢価格など、詳細な情報は個別記事へどうぞ
>>>「50~70万円部門」

70~100万円部門


エル・プリメロ A384 リバイバル/ゼニス

Ref. 03.A384.400
自動巻き。5気圧防水。SSケース+レザーストラップ。ケース径37mm
クロノグラフ好きなら誰もが一度は憧れる「エル・プリメロ」ファーストモデルの復刻版。
オリジナルモデルの部品をデジタイズしたという忠実な再現性と、クラシックにしてアバンギャルドなデザインに痺れまくりです。

このモデルの魅力や実勢価格など、詳細な情報は個別記事へどうぞ
>>>「70~100万円部門」


ぜひ各個別記事もご覧ください。

これまで腕時計ではセイコーの記事しか書いていないんですが、ちゃんと腕時計全般が好きです。
コレクションの4割ぐらいがセイコーなんで確かにセイコーファンではありますが笑

ということでセイコー以外の時計にも興味があることを証明せんと笑、こんな企画をやります。

「独断と偏見で選ぶ!価格帯別腕時計ベストバイ2019年版」

最初は2019年に発売された腕時計ランキングを書こうと思っていたのですが候補をリストアップしていくと上手い具合に価格帯が分かれていたので価格帯別にベストバイ1本を選ぶ形式にしました。

また本数限定のモデルは除外しています。結果的に転売ヤーを喜ばすだけですから。

価格帯は実勢価格だとブレるので定価で区分しました。
記載の価格はいずれも記事作成時点のもので税込です。
また併記している実勢価格は楽天市場調べで各店舗の表示価格=ポイント還元等を含まない金額となります。

それでは価格の安い方から順に発表します。

当サイトはアフィリエイトプログラムで雀の涙未満の微々たる収益を得てはおりますが、本文の内容は100%私の個人的な意見であり忖度は一切ございません。

アンダー5万円部門



SCXP155/セイコー

クオーツ。100m防水。SSケース+ウレタンストラップ。ケース径35mm

セイコーマニア垂涎の「SUS」復刻版です。
SUS(サス、と発音します)とは「Simple&Storong」を意味しており、1990年代後半にリリースされたセイコーのシリーズ。当時はさほど人気がなく早めにディスコンになってしまったのですが、まさにシンプルで力強い、ある意味潔いカッコよさが後に評価され人気モデルとなりました。

このモデルはクオーツ3針モデル。ナノ・ユニバースの監修による復刻です。

当時はほぼ同デザインで機械式もありました。「メカSUS」と呼ばれた機械式モデルは名機と呼ばれる4S15ムーブメントを採用(一説によれば「採算度外視で」)しており、中古市場では今なおプレミアム価格で取り引きされています。

この復刻版、なかなかオリジナルに忠実な仕上がりになっています。

まずSUS最大の特徴であるザラリとした質感のブラスト仕上げのケース。
かなりザラッザラで渋い。遠目ではカジュアルな印象なのにこのケースを見ると一気に渋さがわります。
そしてIWCのマーク12あたりと同じ四角い棒状の時針。この途中でぶった切られたような無骨さが格好いいですよね。


メカSUSだとチャプターリングにガチャガチャした目盛り(1秒未満の目盛り)があり、その方が計器然としていて個人的には好きなのですが、1秒単位で運針するクオーツなのでないのは仕方がないですね。あったら笑われちゃいます。

35mm径という細腕さんには嬉しいサイズ感も非常に良いですね。ウレタンストラップもいいですがレザーNATOに換装すると非常に渋くていい感じになります。
ミリタリーウォッチの範疇に入るデザインだと思いますが、その例に漏れず非常にどんな服装とも合わせやすい汎用性の高さも魅力。

クオーツに興味がない私でもかなり惹かれるモデルです。実勢6万円くらいでメカSUS復刻してくれないかな…
定価:22,000円
実勢価格:22,000円

白やグレーの文字盤、ゴールドやPVDのケース、ストラップもNATOやレザーと様々なバリエーションが存在します。
多彩過ぎて迷っちゃいますね笑

5~10万円部門




SBDC083/セイコー

自動巻き。200m防水。SSケース+SSブレス。ケース径45mm

このモデルの魅力は以前これらの記事でさんざん書いてきた通りです。

関連記事:
新旧スモウ実機比較インプレッション!SBDC057とSBDC083

アンダー10万円とは思えない優れた外装。現物を見るとその素晴らしさに驚かされます。
そしてセイコーダイバー信頼の機能性。さらに70時間ロングパワーリザーブ。

ブラックのダイバーズは非常に汎用性が高いので初めての機械式時計にもお勧めですし、もちろんファーストウォッチがドレス系だったり防水性能が低めでガシガシ使いにくい場合のセカンドウォッチとしても最適です。

本当に弱点はブレスの作りが軽くて文字盤やケースの出来に負けていることぐらい。
あとは旧型のスモウの実勢価格が安すぎてその記憶が残っているとなんか腑に落ちない笑ことだけ。ただこれも何度も言いますが値段上がっただけの価値はあります。
定価:93,500円
実勢価格:77,006円~93,500円

調査日が「楽天スーパーセール」直前だったからでしょうか、とんでもなく安い値段がついていました(大量ポイント付与の店に対する対抗かと思います)。

現状のカラーバリエーションは4種類。個人的に欲しいのはSBDC097ですがこのモデルは2020年発売のためSBDC083を今回選びました。


この記事を書いている時点でもの凄く欲しい時計のひとつがSBDC097。
「スモウ」という愛称で呼ばれるセイコーダイバーシリーズの、ネット流通限定モデルです。
上の記事で書いた通り、スモウは2019年にモデルチェンジし旧型から大幅に質感が向上し同じぐらい大幅に価格が上昇しました。

実勢価格では46,200円→93,500円。なんと2倍です。

しかし、実はこの記事作成時点ではまだギリギリこの値段で買える旧型スモウがあるのです。

それがSBDC057。ペプシベゼルのモデル。
とっくにディスコンしているのですが、さほど人気がないのかまだわずかながら在庫が残っています。

私は既にMM300のSBDX017を所有していますので、セイコーダイバーの本数を増やすなら標準的な黒ダイヤル黒ベゼルでないものがいい。特にペプシは前から1本欲しいと思っていました。そして人とかぶるのが嫌なロスジェネ世代としては人気がないのはむしろプラス要素笑

個人的には新型の完成度の高さに惹かれており、だからこそSBDC097が欲しいのですが「実勢価格アンダー5万円でスモウを買えるラストチャンス」しかも「自分としては願ったりかなったりのペプシ」。気持ちが大きく揺さぶられます。

ということで考えてないで実物見てこようと、某大手家電量販店で実際に自分の腕に乗せて見比べてきました。

当サイトはアフィリエイトプログラムで雀の涙未満の微々たる収益を得てはおりますが、本文の内容は100%私の個人的な意見であり忖度は一切ございません。

実機を見比べての感想


SBDC057と比べたのは標準のブラックモデル、SBDC083。

先に手に取ったのは057。
自分の旧型スモウに対する以前からの印象通り、価格からすれば驚異的な仕上げ。やっぱいいな~これでこの値段は凄いなあ。
そして特徴的なコロンとしたフォルム。ペプシってそもそもチープさを感じるカラーリングでそこがいいのですが、絶妙にマッチしてカワイイ印象。

続いて083。
以前グリーンの081は触れたことがあったのですが、083を手に取って見たのは初めて。

めっちゃ質感いい!
なんだこれ。一瞬SBDX017持ってるの忘れて反射的に欲しくなるぐらい質感いい。

なぜか057より083の方がベゼルがフラットに感じます。そもそも色が違えば印象が違うのは当然ですし057はベゼルに膨張色が入っているのもその一因でしょうが、恐らく最大の理由は厚みが違うためかと。

 

ベゼル12時位置のルミナスポイント周辺シルバー部分が旧型は三角になっているのに対し新型は辺が閉じていない=縦長の三角形の途中で終わっている。スモウの特徴である大銀杏が縦にふたつ並んでいるようにも見えますね。
結果としてその部分の横幅も狭くなっていて、数字のフォントが細くなったことと相まってスマートさを増しています。こういう細かなリファインが全体の印象を整えているんですね。

全体の印象として写真で見るよりずっとスタイリッシュ。なんだかスモウじゃないみたいでした。個人的には新型の方が好きですが、旧型の方を好む方もいると思います。


場合によっては057を買うつもりで見に行ったのですが、決められませんでした。

旧型を買うには新型の仕上がりが良すぎる

新型を買うには旧型との価格差があり過ぎる

どっちもどっち、の逆。どっちもいいから決められない!って感じです。

旧型の実勢価格を頭から追い出して新型を買う、または新型の仕上がりを見なかったことにして旧型を買うのか。

悩ましい…



タイプ別買い時ジャッジ


最後に「ディスコンしそうなモデル」の記事と同じように現在の買い時度を5点満点で評価します。

買い時度…5(現在の価格で買えるうちに買いましょう)

・旧型スモウのキャラクターが好きな人
旧型と新型はそっくりだけどよく見るとキャラクターが違います。旧型の「丸っこい」イメージが好きであれば在庫があるうちに買うべき。まさしく今がラストチャンスです。

・ペプシベゼルのセイコーダイバーをなるべく安く手に入れたい人
記事作成時点でペプシベゼルの機械式セイコーダイバーで実勢価格が最安値です。しかも上位ムーブメントの6R系搭載。お買い得なのはまちがいありません。

買い時度…2(旧型は見送った方が無難か)

・新型スモウのスマートさにやられた人
「でも値段が…」わかります。ただここで値段につられて旧型を購入しても新型も欲しくなる可能性が高い。なのでここはじっと我慢してお金を貯めるのが吉かと。
私個人としては新型のカラーバリエーションを色々見てみたい(出してほしい)と感じました。

新型のペプシも見てみたいです。
チューダーのブラックベイGMTみたいなシャープな印象になるかもしれません。
ブラックダイヤルで出してくれないかなあ。セイコーはペプシベゼルにするとネイビーダイヤルが基本なんですよね。
キャッシュレス5%還元期間が2020年6月末までなので、出すなら早めにお願いしますセイコーさん!

つい先日、大注目モデルとしてタートルのSBDY049を紹介したばかりですが、その翌月にそれに勝るとも劣らぬモデルが登場します(2020年2月8日発売予定)。2020年に入ってからのセイコーは私の物欲を刺激しまくりです。

セイコー プロスペックス SBDC097

とてつもなくスタイリッシュ


何はともあれ見てください、この配色。
グレーの文字盤に差し色でオレンジの秒針。

 

見た瞬間に思いました。「これヨットマスターじゃん!」

完全にヨットマスター ロレジウムの、今ではディスコンになったこのカラーリングですよね。こちらの秒針は赤ですけど。

当サイトはアフィリエイトプログラムで雀の涙未満の微々たる収益を得てはおりますが、本文の内容は100%私の個人的な意見であり忖度は一切ございません。
いやむしろベゼルもダイヤルもケースより濃い色なんで、ダークロジウムのグレーが近いかな?
いずれにせよなんかヨットマスターっぽい。
前回に続き断言しましょう、これは「和製ヨットマスターだ」と笑

冗談抜きでなんちゅーカッコよさ。
アンダー10万円の時計とは思えないこのラグジュアリー感。

どうやらタートルとサムライでは2018年にヨーロッパ限定で「Dawn Gray」というグレー×オレンジカラーリングのモデルが出たようです。夜明けの薄明りの空と海を表現したということでしょうか。どちらもグレーとオレンジのツートンベゼルがあきれるほど格好いいですね。
ただ本数限定モデルなので現在の入手は極めて困難です。これらも日本で正規発売してほしいものですね。

スモウの歴史と基本スペック


「SUMO」というペットネーム(愛称)を持つこちらのモデル。個人的には「スモー」かと思ってましたが「スモウ」記載の方が多く見るのでそれに合わせます。
由来はマッシブなケース形状がそっぷ型の力士を思わせるとか12時位置のインデックスが大銀杏っぽいなどと言われていますが、どちらもなるほどという感じですね。

初代SBDC001は2007年デビュー。2代目SBDC031は2015年。そして2019年に3代目のSBDC083へモデルチェンジしています。

前回紹介したタートルは歴史的モデルの復刻でしたが、このスモウはオリジナルデザイン。恐らく1968ダイバー通称MM300の廉価版としての位置づけで登場したのでしょう。現行のプロスペックスで最も標準的なダイバーズウォッチのデザインと言えるかもしれません。

上にも書きましたが特徴はマッシブなケース。
ベゼルががっつりケースに沈んでいるあたり厚みを感じさせるデザインです。
厚さは12.9mm。実はタートルとサムライは13.4mm、MM300は15.4mmとセイコーダイバーの中では相対的に薄いモデルとなっています。

横45 ㎜、縦52.6 ㎜。つまりラグはそこそこ長いのですが、途中までポリッシュ、そこから面を変えてサテンと使い分けることにより長さを感じさせない工夫がされています。

 

ブレスのひとコマ目(いわゆるフラッシュフィット部)がラグより短いので極細手首の私でもブレスと手首の間に隙間ができません。厚みが抑えられていることもありフィット感はまずまずです。

ムーブメントは6R35、ややロービートの21,600振動。パワーリザーブは約70時間で6R系の前作6R15の約50時間から延びています。ミドルレンジのモデルで採用されており、タートルやセイコー5の4R36より上位のムーブメント。パワーリザーブ時間と精度で優位性があります。
防水はダイバースキューバシリーズ標準である200mとなっています。

販売戦略はやっぱり不満だが価格はまあ納得


SBDY049では価格とネット流通限定という販売戦略が不満と書きました。

このSBDC097もまたネット流通限定。こんなに優れた外装を持つモデルを店舗に置かないなんて!機械逸失も甚だしい!

しかし価格についてはある程度納得です。

SBDC097は標準モデルであるSBDC083(ブラック)、081(グリーン)とは同価格。

実は先代スモウのSDBC031から083にモデルチェンジした際に値上げ+割引規制をしたため大幅に実勢価格が上昇しています。

097や083の定価は93,500円(税込、以下同じ)。031が増税前でしたが10%で計算すると66,000円。既に+27,500円です。
さらに実勢価格は3割引きだった記憶があるので46,200円、それに対しこちらは値引きなし(※)。ありゃ、既に倍ですね。
※ちなみに記事作成時点で家電量販店ではSBDC081と083は3%値引いています。キャッシュレス還元事業対応かな?
さらにネット流通限定の097は楽天やYahoo!ショッピングでの付与ポイントも概ね5倍に留まっているので実質価格は41,580円と88,825円。+47,245円、実に約210%です。

こうして文字に起こすと全く納得のいかない差ですね笑

ですが、SBDC031からSBDC083にモデルチェンジした際の変更点はまさに「正統進化」であり腕時計好きに訴えるポイントを押さえています。

まず分針と秒針が長くなりインデックスにきちんと届いています。これ、高級時計の基本だそうです。時針のデザインが変わり、分針も若干細くなりました。大銀杏と6時9時のインデックスもちょっと細くなったように見えます。ベゼルの数字のフォントも細くなっています。

 

さらにケースの厚さが0.4mm薄くなっているのもフィット感の向上と軽量化(セイコーダイバーの中では、ですが)をもたらしています。

これらの変更により全体にシャープな印象に変わり、高級時計っぽくなりました。その反面、旧モデルのぽてっとしたブサカワなキャラクターは失われてしまった気もしますね。

先代も値段を遥かに超える仕上げに定評がありましたが、両方お持ちの方のレビューを見るとさらに質感は向上しているようです。

この記事を書くにあたり実際にSBDC081を腕に乗せてみました。先代との比較はできませんが質感は非常にいい。
もちろんMM300の「これ見ながら酒が飲める」ケースには及びませんし高級時計と遜色ないとまでは言いませんが、率直に言って海外製のミドルレンジモデルは超えていると思います。ただよく指摘される点ですがブレスは軽い作りになっていて質感もいまひとつかな。

そして中身もロングパワーリザーブのムーブメント6R35へと強化。風防もサファイヤクリスタルへグレードアップ。

針がインデックスにリーチ・厚み減少・仕上げ向上・ロングパワーリザーブにサファイヤガラス化。

正直モデルチェンジとしては満点でしょう。完成度が高く、価格上昇も納得の出来といえます。
上で改めて計算して「げっ!倍かよ!」と思ったのは内緒ですが笑
まあ先代の価格を記憶の外に追いやってから実物を見ればこの値段は十分に納得がいくし、欲しい!と強烈に思います。

ただ、スモウって本来は破格のコスパでユーザーをセイコーダイバーに触れさせてその深みに引きずり込み最終的にはMM300へと誘うための入口商品だったんじゃないの?という気もしますね。その標準モデルである083がコアショップ限定の値引きなしってのはなんだかなあ。

その役割はセイコー5に任せるのかな~でもあれ100m防水の「ダイバーズデザインの普通の時計」だしな…


アンダー5万円の機械式セイコーダイバーとなると、記事作成時点で家電量販店の価格ではモンスターとサムライがそこに該当し、タートルもポイント込みでの実質ならそこに含まれます。
この辺りの4R系ムーブメント搭載モデルが今後どうなるのか。モデルチェンジして値上げしそうな悪い予感でいっぱいですが、セイコーダイバーの深遠な世界の入口となるモデルは重要ですから失くしてほしくないですね。


だいぶ話が逸れましたが、このSBDC097は完成度の高い現行スモウにラグジュアリー感を加えた逸品と言えるでしょう。ああ欲しい。

こんなカラーバリエーションも同時に発売されます。美しいブルーグラデーションダイヤルのSBDC099。価格は同じ93,500円。こちらの方が一般受けしそうですね。
カラーバリエーションではなく「ブラックシリーズ」と銘打った限定としてブラックPVD&グレー×ブラックのツートンベゼル&ヴィンテージ夜光(退色)というどう考えても人気出そうなSBDC095も同じく2020年2月8日発売です。限定7,000本で99,000円。たぶん多くの方はこちらの方が気になっているのでは笑
このブラックシリーズ、MM300のSBDX033(限定600本、330,000円)とスモウデザインのソーラーSBDL065(限定3,500本、83,600円)も発売されます。
自分はソーラー興味ないけどSBDL065のデザインは格好いいなあ。これ機械式で出してくれんかなあ。一瞬でカタログ落ちしたトランスオーシャンの二の舞になるかもしれませんが…いや実勢価格が12~3万なら絶対売れると思いますけど。

2020年のセイコーの勢いは凄いですね。バーゼルでは何が飛び出すのでしょう。


このページのトップヘ